JPH0350358Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の利用分野） この考案は可動ルーバーに関する。

（従来技術） 一般に、可動ルーバーは、羽根板の両端をクリ
ツプに嵌合支持して成る複数のルーバーをサツシ
枠内に上下に並列させるとともに、クリツプをサ
ツシ枠の縦枠に回動可能に軸支し、且つこれらの
上下の各ルーバーの各クリツプの端部を連結杆を
介して連結し、この連杆を上下動させることによ
り、上記クリツプを回動させ、各ルーバーを開閉
させるものである。そして、ルーバー閉成時に各
ルーバーは斜傾し、その上下端側面において他の
ルーバーと互い違いに段状に重畳するように構成
され、隣り合うルーバー間の水密が保持されてい
る。また、サツシ枠の縦枠にはタイト材が上下に
連続して装着され、このタイト材に各ルーバーの
クリツプの外側面を当接させてルーバーと縦枠と
の間の水密を保持させていた。

しかしながら、上記構成の水密構成、特に各ル
ーバーと縦枠との間の水密は不充分であつた。な
ぜならば、各ルーバーの端部を支持するクリツプ
の幅は、羽根板を嵌合する程度の幅しかなく、し
かも各ルーバーは閉成時には斜傾し他のルーバー
と段状に重畳する構成であるから、クリツプの外
側面は全体としてジグザグ状となるほか、重畳部
分は不連続になりやすく、このため、垂直に設け
られた縦枠のタイト材との当接にムラが生じるか
らである。

（考案の技術的課題） この考案は上記欠点を解決し、とくに水密性を
向上させることのできる可動ルーバーを提案する
ことを目的とする。

（課題を解決するための技術的手段） すなわち、この考案に係る可動ルーバーは、サ
ツシ枠を構成する縦枠に複数のルーバーの両端部
に設けられたクリツプを回動可能に装着し、該ク
リツプを回動させることにより上記ルーバーを開
閉する可動ルーバーにおいて、上記縦枠の内側に
上下に連続する二条のタイト材を間隔をおいて装
着するとともに、ルーバー閉成時に各ルーバー又
はクリツプの上下端面を上下方向に連続するよう
に当接させ、且つ各ルーバーの端部又はクリツプ
外側面を上記縦枠の二条のタイト材に上下方向に
連続して当接させて上記二条のタイト材とルーバ
ーの端部又はクリツプ外側面と縦枠の内側面との
間に閉鎖状空間を形成し、 さらに上記閉鎖状空間の最下部を屋外に連続さ
せることを特徴とする。

（考案の作用、効果） このように、この考案の可動ルーバーは、サツ
シ枠を構成する縦枠に複数のルーバーの両端部に
設けられたクリツプを回動可能に装着し、該クリ
ツプを回動させることにより上記ルーバーを開閉
する可動ルーバーにおいて、上記縦枠の内側に上
下に連続する二条のタイト材を間隔をおいて装着
するとともに、ルーバー閉成時に各ルーバー又は
クリツプの上下端面を上下方向に連続するように
当接させ、且つ各ルーバーの端部又はクリツプ外
側面を上記縦枠の二条のタイト材に上下方向に連
続して当接させて上記二条のタイト材とルーバー
の端部又はクリツプ外側面と縦枠の内側面との間
に閉鎖状空間を形成し、さらに上記閉鎖状空間の
最下部を屋外に連続させる構成であるから、ルー
バーと縦枠との間を二重にタイトするとともに、
閉鎖状空間は外気圧と等圧となるから、屋内外の
圧力差による雨水の呼び込みを防止することがで
き、これにより、水密性能を向上させることがで
きる。

（実施例） 以下、図面によつてこの考案の実施の一例につ
いて説明する。

図において、符号Ａはサツシ枠、Ｂは可動ルー
バーで、可動ルーバーＢはサツシ枠Ａ内に開閉可
能に装着されている。

サツシ枠Ａは上枠１、下枠２及び左右縦枠３を
方形に枠組みして成り、建物の窓開口部を構成す
る構造材４に止着固定されている。

左右の縦枠３の相対面には屋外側及び屋内側に
平行な二条のタイト材５，６が上下に連続して装
着され、これらタイト材５，６間には凹溝７が形
成されている。この場合、係合突部１１，１２を
備える押縁８の長手方向に凹溝７を挟んで平行な
溝１３，１４を形成するとともに、この溝１３，
１４にタイト材５，６を嵌合し、上記押縁８の係
合突部１１，１２を押縁８の縦枠３に形成した受
部１５，１６に係合装着して押縁８を縦枠３に止
着固定する構成とすればよい。なお、タイト材
５，６はモヘア、合成樹脂等の弾性材から構成す
ればよい。

次に、可動ルーバーＢは複数のルーバー９，
９，９……の両端部をクリツプ１０，１０，１０
……に嵌着するとともに、これらクリツプ１０，
１０，１０……のほぼ中央部をそれぞれサツシ枠
Ａの縦枠３に軸着するとともに、端部を共通の連
結杆１７に連係させて成るもので、ルーバー９は
ガラス板又は合成樹脂板、クリツプ１０は金属又
はポリアミド、ポリアセタール等の合成樹脂から
構成されている。

クリツプ１０は幅広に形成され、その内側面に
はルーバー嵌合溝２０が形成され、外側面には凹
部２２をはさんで第１の当接面２３と第２の当接
面２４が形成されている。第１の当接面２３と第
２の当接面２４とは面一であり、第１の当接面２
３は上記ルーバー嵌合溝２０の反対側に形成され
ている。次に、クリツプ１０の下辺部２６は重ね
代部２５から連続し、上端面２７と平行になるよ
うに形成されている。下辺部２６には突条２８が
形成されている。さらに、クリツプ１０における
ルーバー嵌合溝２０の反対側には突片２１が設け
られ、クリツプ１０のほぼ中央部には軸孔２９が
形成されている。

上記クリツプ１０のルーバー嵌合溝２０にはル
ーバー９が嵌合装着されている。この場合、ルー
バー９の上端面には硬軟質塩化ビニルを二重押出
成形して成る気密材３０が嵌着され、クリツプ１
０の嵌合溝２０にはルーバー９の小口受け部材３
１が取付けられ、該受け部材３１にルーバーの端
部が当接している。また、上記クリツプ１０の下
辺部２６の突条２８には下辺部２６に沿つて設け
られるタイト材３２が装着されている。このタイ
ト材３２及び上記小口受け部材３１は塩化ビニル
等の樹脂発泡材、ゴムなどの弾性材から成形すれ
ばよい。

次に、各ルーバー９のクリツプ１０は、その軸
孔２９にサツシ縦枠３に取付けられた軸１８を挿
通することにより、上下のクリツプ１０，１０が
ルーバー閉成時に縦枠３に対して上部クリツプ１
０の下辺部のタイト材３２の下端面と下部クリツ
プ１０の上端面２７とが当接して上下に連続する
位置に軸支されている。そして、このようにルー
バー９，９，９……のクリツプ１０，１０，１０
……が上下に連続したときに、各クリツプ１０の
外側面の第１の当接面２３は縦枠３の屋外側タイ
ト材５に当接し、第２の当接面２４は屋内側タイ
ト材６に当接し、さらに、縦枠３のタイト材５，
６間の凹溝７は、上下に連続するクリツツプ１
０，１０，１０……の凹部２２に相対して一体の
閉鎖上空間Ｓが形成されるように設けられてい
る。また、最上部のクリツプ１０の上部及び最下
部のクリツプ１０の下部にはそれぞれ隙間塞ぎ用
部材３３，３４が装着されている。下部の隙間塞
ぎ用部材３４には矢印のように下枠２から外部に
連通する空間部が形成されている。したがつて、
外気圧と閉鎖状空間Ｓの内圧は等圧となつてい
る。

さらに、ルーバー９，９，９……の突片２１，
２１，２１……は連結杆１７に連結され、さらに
該連結杆１７は図示しない公知の作動装置に連結
されている。

サツシ枠Ａの上枠１及び下枠２には気密材３
５，３５が、それぞれ最上部及び最下部のルーバ
ー９面に当接可能に装着されている。

上記構成の可動ルーバーＢを使用する場合は、
作動装置を手動により又は自動的に作動させれば
よい。これにより、連結杆１７が上下動し、クリ
ツプ１０，１０，１０が軸１８を中心に回動する
ため、同時にルーバー９，９，９……が回動し、
可動ルーバーＢが開閉する。可動ルーバーＢの閉
成時には、上部クリツプ１０の下辺部２６のタイ
ト材３２の下端面と下部クリツプ１０の上端面２
７とが上下方向に連続するので、上下のクリツプ
１０，１０の水密性が良好に保持される。しか
も、上下に連続するクリツプ１０，１０，１０…
…の外側面の第１の当接面２３は縦枠３の屋外側
タイト材５に上下方向に連続して当接し、第２の
当接面２４は屋内側タイト材６に上下方向に連続
して当接する。このように、クリツプ１０，１
０，１０……は二重にタイトされるので、ルーバ
ー９，９，９……と縦枠３との間から雨水が漏れ
入ることが確実に防止される。

また、クリツプ１０，１０，１０……とタイト
材５，６と縦枠３の内側面間に形成された閉鎖状
空間Ｓは外気に連通しているので、サツシ縦枠３
の凹溝７内圧と外気圧と等圧となり、このため、
屋外の風圧等が屋内の内圧よりも大きくなつて、
屋内外に圧力差が生じることにより雨水を屋内に
呼び込むことが防止され、さらに、たとえ外側タ
イト材５とルーバー９との間から雨水が侵入して
も、この雨水は上記閉鎖状空間Ｓを伝つて屋外に
排水される。

なお、ルーバー９閉成時には、上部ルーバー９
の下端側面は下部ルーバー９の上端側面の気密材
３０に重なり合う。したがつて、上下ルーバー
９，９の重なり部からの雨の吹き上げが防止され
る。

なおまた、前述の例はクリツプを互いに上下に
連続当接させ、且つ二状のタイト材に対して上下
に連続当接させるものであるが、これに限定され
ず、ルーバーの上下端面を上下方向に連続するよ
うに当接させ、且つルーバーの端面を二条のタイ
ト材に上下方向に連続して当接させる構成として
もよい。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る可動ルーバーの縦断面
図、第２図は第１図のＸ−Ｘ線上の拡大断面図で
あり、第３図及び第４図はクリツプの斜視図であ
る。 符号Ａ……サツシ枠、Ｂ……可動ルーバー、Ｓ
……閉鎖状空間、３……縦枠、５，６……タイト
材、７……凹溝、９……ルーバー、１０……クリ
ツプ、２３……第１の当接面、２４……第２の当
接面、２６……下辺部、２７……上辺部、３２…
…タイト材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 サツシ枠を構成する縦枠に複数のルーバーの両
   端部に設けられたクリツプを回動可能に装着し、
   該クリツプを回動させることにより上記ルーバー
   を開閉する可動ルーバーにおいて、 上記縦枠の内側に上下に連続する二条のタイト
   材を間隔をおいて装着するとともに、ルーバー閉
   成時に各ルーバー又はクリツプの上下端面を上下
   方向に連続するように当接させ、且つ各ルーバー
   の端部又はクリツプ外側面を上記縦枠の二条のタ
   イト材に上下方向に連続して当接させて上記二条
   のタイト材とルーバーの端部又はクリツプ外側面
   と縦枠の内側面との間に閉鎖状空間を形成し、さ
   らに上記閉鎖状空間の最下部を屋外に連続させる
   ことを特徴とする可動ルーバー。