JPS6113669Y2

JPS6113669Y2 -

Info

Publication number: JPS6113669Y2
Application number: JP1982056679U
Authority: JP
Priority date: 1982-04-19
Filing date: 1982-04-19
Publication date: 1986-04-26
Also published as: JPS57180083U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は板ガラスで全体的な強度を備えた引
違戸に関するものである。

板ガラスで全体的な強度を備えた引違戸は知ら
れている。このような引違戸は強化板ガラスを用
いてその周囲に框を装着しないことにより窓の視
野を広め、採光面積を大きくする目的で使用され
る。そして、板ガラス製引違戸の場合は、通常、
板ガラスの上側端縁は窓枠の上枠の案内溝内に常
時嵌合され、また戸当り側端縁は閉窓時に縦枠の
凹溝内に嵌合されるので、閉窓時に強い風圧も受
けてもこれらの端縁がたわむ心配がないが、召合
せ側端縁はこれに何らの手段も施さない場合は、
上記風圧によりたわみ、召合せ部の水・気密性が
確保されない、板ガラスの破損のおそれがある、
騒音が発生するなどの不都合がある。そのため、
従来の板ガラス製引違戸においては、板ガラスの
召合せ側端縁の風圧によるたわみを防止し、か
つ、召合せ部の水・気密性を確保するため、板ガ
ラスの召合せ側端縁に所要の強度を有し、かつ気
密材を装着しうる召合せ框を取付けている。従つ
て、従来の板ガラス製引違戸においては、どうし
ても召合せ框が窓開口部の中央又は中間位置に存
在するため、窓の視野の邪魔になり、開放感を拡
大するにも限界があつた。

この考案は、上記の点に鑑み、板ガラスの風圧
によるたわみを防止する手段を板ガラス自体で形
成し、かつ、同手段で召合せ部の水・気密性を確
保しうるように構成することにより、召合せ框の
装着を不要とし、もつて窓の視野を邪魔すること
のない引違戸を提供することを目的とする。

次に、この考案の実施例を図面に基いて説明す
る。第１図は、この考案に係る引違戸のみを示す
斜視図、第２図は上記引違戸を窓枠に建付けた状
態を示す横断面図である。

内側引戸D₁及び外側引戸D₂は厚手の強化板ガ
ラス１，１′で引戸全体の強度をもたせてある。
そして、この考案による引違戸においては、内側
引戸D₁にあつては板ガラス１の召合せ側端縁を
そのほぼ全長にわたつて屋外側にＵ字状に屈曲し
て補強部２が形成されている。また、外側引戸
D₂にあつては板ガラス１′の召合せ側端縁をその
ほぼ全長にわたつてＵ字状に屈曲して補強部２′
が形成されている。前記補強部２，２′はそれぞ
れその内側に他の補強部の端部を嵌合しうる溝
３，３′を形成している。

上記補強部の屈曲方向が異なる点を除けば、内
側引戸D₁と外側引戸D₂は同様の構成であるの
で、引戸の他の構成については内側引戸について
代表的に説明する。

内側引戸の板ガラス１には、内側引戸を窓枠内
に移動可能に支持する手段が取付けられる。図示
の実施例では上記手段の一例として、板ガラス１
の下端に、従来の框付きガラス引戸において用い
ている下框と同様の下框４をビード５を介して装
着し、その下框に戸車６を取付けている。しか
し、板ガラス製引戸を窓枠内に移動自在に支持す
るためには、既知の引戸において採用されている
ように、下框を用いずに戸車を直接板ガラスの下
部側面に固着してもよいし、あるいは吊戸式に板
ガラスの上端に吊戸車を取付け、その吊戸車で引
戸を上枠に吊ることも可能である。

７は板ガラスを載せるクツシヨン、８，８′は
引手であり、座板９とねじ１０により板ガラスに
取付けられている。

上記のような内側引戸D₁と外側引戸D₂を建込
む窓枠の一例を説明すると、窓枠の上枠F₁はウ
エブ１１と室内側垂下壁１２と室内側垂下壁１３
とで、２枚の引戸D₁，D₂分の幅とほぼ等しい幅
をもつて下方に開口する凹溝１４を有し、この凹
溝内に、所定の間隔をもつて一枚の板ガラスの肉
厚よりわずかに大きな幅を有して下方に開口する
案内溝１５ａ，１５ｂを備え、かつ、各案内溝の
開口部において対向して突出する気密材１６を備
えたアタツチメント形式の案内部材１５が嵌合さ
れ、ねじ１７により前記ウエブ１１に固定されて
いる。各引戸D₁，D₂の板ガラス１，１′の上端縁
のみが前記案内溝１５ａ，１５ｂに挿入されるよ
うに、各板ガラスの前記補強部２，２′は板ガラ
スの上端から必要な長さだけ切欠２ａされてい
る。

下枠F₂は、前述のように引戸を戸車を用いて
移動自在に保持する場合に応じて、前記戸車６を
載せるレール１８ａ，１８ｂを有している。

また窓枠の縦枠F₃の室内側部分及び縦枠F₄の
室外側部分には、窓開口面と平行に開口する凹溝
１９が形成され、その凹溝内に一枚の板ガラスの
肉厚よりわずかに大きな幅をもつて窓開口面と平
行に開口する戸先部収納溝２０ａを備え、かつ、
その収納溝２０ａの開口部において対向して突出
する気密材２１を備えたアタツチメント形式の収
納部材２０が嵌合され、ねじ２２により縦枠に固
定されている。

各引戸の板ガラス１，１′の戸先側端縁のみが
前記各収納部材２０の収納溝２０ａに嵌入するよ
うに、各板ガラスの戸先側端縁は各引戸の下框
４，４′の戸先側端部よりも突出されている。ま
た、いずれの収納部材２０の収納溝２０ａにも、
その底部にクツシヨン２３が装着され、引戸閉時
に板ガラスの戸先側端縁が直接金属収納部材２０
に当つたときの衝激により破損されることが防止
されている。

前記案内部材１５及び収納部材２０を上枠
F₁、縦枠F₃，F₄とは別体にし、アタツチメント
形式にしたので、気密材１６，２１の上枠，縦枠
への装着交換が可能である。とくに、肉厚が異な
つた板ガラスを用いる引戸を建付ける場合は、窓
枠は同じものを用い、案内溝１５ａ，１５ｂ、収
納溝２０ａの溝幅が引戸の板ガラスの肉厚に適合
する案内部材、収納部材を適宜選択して取付けれ
ばよい。

そして、この考案による上記構成の引違戸は、
第２図に示されているように、閉窓時において内
外の引戸の補強部２，２′の端部が互いに他の補
強部の内側に嵌合するように建込まれる。従つ
て、閉窓時においては、内・外の引戸D₁，D₂は
その戸先側端縁が縦枠F₃，F₄の収納溝２０ａ内
に、上端縁が上枠F₁の案内溝１５ａ，１５ｂ内
にそれぞれ嵌合保持され、また、下端縁が下框及
び戸車を介して下枠F₂に保持されているから、
板ガラスのこれら３辺は強固に窓枠に支持されて
強い風圧を受けてもたわむことがないばかりでな
く、内・外引戸の召合せ部は前述のようにＵ字状
に屈曲されて強度を備えている補強部２，２′が
互いに嵌合しているから、従来の框組みされた引
違戸における召合せ框を取付けた場合に劣らない
程度の耐風圧強度を有しており、たわみを生じる
ことがない。

また、補強部２，２′は溝３，３′を形成してい
るので、この溝にパツキン２４，２４′を装着し
て、閉窓時に、補強部の先端部が各パツキングに
押圧密着するようにすれば、閉窓時に緩衝効果が
得られ、かつ、水・気密効果を向上させることが
できる。

すなわち、この考案による引違戸では、板ガラ
スのみで、煙返し付き召合せ框を取付けた引違戸
と同様の補強効果と気密効果が得られ、しかも、
召合せ側端縁に召合せ框を有しないから、閉窓時
においては召合せ部に、開窓時は窓開口の中間位
置に、視野を遮る物体が存在せず実質的な開放感
を与える。

このような板ガラス製引違戸は商店の出入口，
窓あるいは住宅のテラスの窓などに利用した場合
にその優れた効果が発揮される。

以上のように、この考案によれば、召合せ框を
装着しなくとも、召合せ部に風圧によるたわみを
生じない充分な強度を備え、なおかつ、窓の視野
の最大限の拡大が可能な、なかんずく召合せ部及
び窓開口中間位置において視野が妨げられること
のない、板ガラス製引違戸を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る引違戸の一例の斜視
図、第２図は窓枠に建付けられた状態における横
断面図、第３図は第２図の−線に沿つた断面
図である。 D₁……内側引戸、D₂……外側引戸、１，１′…
…板ガラス、１ａ，１a′……補強部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

内側引戸にあつては板ガラスの召合せ側端縁を
そのほぼ全長にわたつて室外側にＵ字状に屈曲し
て該板ガラスのたわみ防止のための補強部を形成
するとともに、外側引戸にあつては板ガラスの召
合せ側端縁をそのほぼ全長にわたつて室内側にＵ
字状に屈曲して該板ガラスのたわみ防止のための
補強部を形成し、両引戸を閉めたときに前記両補
強部の端部が互いに他の補強部の内側に嵌合する
ようにしたことを特徴とする板ガラス製引違戸。