JPH034995Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は磁気記録及び／又は再生装置のローデ
イング部材ロツク機構に係り、特に磁気テープを
テープカセツトより引き出すローデイング部材を
スツトパに押圧した最終位置にロツクするローデ
イング部材ロツク機構に関する。

装着されたテープカセツトより磁気テープを引
き出してテープ案内ドラムに巻装させて記録再生
を行なう装置の一つとして、一対のローデイング
ポールと、各ローデイングポールを移動させる一
対のリングギヤとを設けてなり、一対のリングギ
ヤが互いに逆方向に回動することにより一対のロ
ーデイングポールがテープカセツト内のアンロー
デイング位置とストツパ（位置決め部材）に押圧
したローデイング位置との間を移動するように構
成した装置がある。この装置においては、テープ
ローデイング完了状態において、リングギヤが逆
転するのを防止してローデイング部材がばる部材
を介してストツパに押圧した状態にロツクする必
要がある。

本考案は上記必要性に応じてなされたものであ
り、以下図面と共にその一実施例について説明す
る。

第１図は本考案になるローデイング部材ロツク
機構の一実施例をこれが適用してある磁気記録及
び／又は再生装置のテープローデイング機構と併
せて示す平面図であり、第２図はテープローデイ
ング機構の側面図である。

磁気記録及び／又は再生装置１において、小型
テープカセツト２は、回転ヘツドを内蔵している
テープ案内ドラム３に対向して装着される。この
装着に伴ない、供給側ローデイングポール４と傾
斜ポール５とがテープカセツト２の切欠２ａ内
に、巻取側ローデイングポール６と傾斜ポール７
とが切欠２ｂ内に相対的に進入する。

供給側ローデイングポール４と傾斜ポール５と
はローデイングポール台８上に植設してあり、こ
のローデイングポール台８はシヤーシベース９に
形成してあるガイド溝１０に沿つて移動しうる。
巻取側ローデイングポール６と傾斜ポール７とは
ローデイングポール台１１上に植設してあり、こ
のローデイングポール台１１は第２図に示す立体
的なガイドレール１２のガイド溝１２ａに沿つて
移動しうる。

シヤーシベース９の下側には、外周側をギヤと
された二つのリングギヤ１３，１４が、内周の三
個所を鍔付のガイドローラ１５によつて支持され
て上下に配されて設けてある。下側のリングギヤ
１４には、ガイドピース１６、上側のリングギヤ
１３には円弧状のガイドプレート１７が夫々リン
グの周方向に移動可能に設けてあり、ガイドピー
ス１６はばね（図示せず）により時計方向に付勢
されており、ガイドプレート１７はコイルばね１
８により反時計方向に付勢されている。また、ロ
ーデイングポール台８は、下面の突起がガイドピ
ース１６の長孔１６ａと嵌合してガイドピース１
６と連結してあり、ローデイングポール台１１
は、孔１１ａがガイドプレート１７の先端のポー
ル１９と嵌合してガイドプレート１７と連結して
ある。また、上下のリングギヤ１３と１４との間
にギヤ２１と２２とが設けてあり、リングギヤ１
３，１４は互いに逆方向に回動しうる。

２２はローデイングギヤであり、上側のリング
ギヤ１３と常時噛合している。ローデイングアー
ム２３はローデイングギヤ２２の軸２４を中心と
して回動可能であり、先端のピン２５が外周がギ
ヤ２６ａとされたカム２６のカム溝２６ｂに嵌入
している。カム溝２６ｂは、始めと終りの部分の
大径部２６ｂ−₁，２６ｂ−₂と、その間の小径部
２６ｂ−₃とよりなる。またアーム２３には、ギ
ヤ２７が回転可能に支持されている。このギヤ２
７は上部の小径ギヤ２７ａと下部の大径ギヤ２７
ｂとよりなり、大径ギヤ２７ｂはローデイングギ
ヤ２２と常時噛合しており、小径ギヤ２７ａはカ
ム２６の外周ギヤ２６ａに対して接離可能であ
る。

２８は本考案の要部をなすラツクアームであ
り、一端をシヤーシ９上の軸２９により支持され
て小径ギヤ２７ａに対向する位置に回動可能に設
けてあり、後述するようにリングギヤ１３，１４
の逆転を防止してローデイングポール４，６をロ
ツクする役割を有する。このラツクアーム２８
は、コイルばね３０により反時計方向に回動付勢
されており、シヤーシ９上のストツプピン３１に
係止されている。即ち、ラツクアーム２８のラツ
ク２８ａは、矢印Ｂ方向に弾性的に変位可能な状
態にある。

次に上記構成の装置の動作について説明する。

記録又は再生操作をすると、ローデイングモー
タ３２が始動し、ギヤ機構３３を介してカム２６
が時計方向に240度回動する。第１図は回動した
状態を示す。ローデイングアーム２３はカム溝２
６ｂの小径部２６ｂ−₃に案内されている間は反
時計方向に回動しており、ギヤ２７は矢印Ａ方向
に移動した状態にあり小径ギヤ２７ａが外周ギヤ
２６ａと噛合している。これにより、カム２６の
回動が小径ギヤ２７ａ、大径ギヤ２７ｂ、ローデ
イングギヤ２２を介して上側のリングギヤ１３に
伝達されこれが反時計方向に回動する。更にはギ
ヤ２０，２１を介して下側のリングギヤ１４が時
計方向に回動する。リングギヤ１３，１４の回動
により、ローデイングポール台８，９が夫々ガイ
ド溝１０，１２ａに沿つて移動し、磁気テープが
ローデイングポール４，６に係止されてテープカ
セツト２外に引き出され、テープ案内ドラム３の
周面に巻装され、記録又は再生が行なわれる。

リングギヤ１３，１４は、ローデイングポール
６がストツパ３４に係止され、ローデイングポー
ル４がストツパ３５に係止された後もコイルばね
１８等を引張させつゝ更に多少回動する。リング
ギヤ１３，１４が最終位置まで回動すると、ロー
デイングポール６は引張したコイルばね１８のば
ね力によりストツパ３４に圧着した状態、ローデ
イングポール４は引張したコイルばね（図示せ
ず）のばね力によりストツパ３５に圧着した状態
となり、一方各リングギヤ１３，１４は上記ばね
力により逆転する方向に付勢されることになる。

なお、リングギヤ１３，１４が最終回動位置に
到つた段階では、カム２６の回動も最終的な段階
に到り、ピン２５はカム溝２６ｂの小径部２６ｂ
−₃より大径部２６ｂ−b₂に移り、アーム２３が
時計方向に回動する。これによりギヤ２７が矢印
Ｂ方向に移動し、小径ギヤ２７ａは外周ギヤ２６
ａより離れてラツク２８ａに当接してこれと噛合
する。

こゝでラツク２８ａに噛み合うときでの小径ギ
ヤ２７ａの回動位置は一定ではなく、小径ギヤ２
７ａの歯先がラツク２８ａの歯先と衝突すること
もありうる。ラツク２８ａがシヤーシ等にねじ止
めされた固定構造である場合には、上記のように
双方の歯先同士が接触したような場合にはギヤノ
イズを発生したり歯先が折損したりしてしまう。
しかし、本実施例では、ラツク２８ａは、小径ギ
ヤ２７ａに対しては退避可能な構成であるため、
万一歯先同士が接触した場合にも、ラツク２８ａ
は小径ギヤ２７ａにより押されて一旦矢印Ｂ方向
に移動（退避）し、その後にコイルばね３０の作
用で矢印Ａ方向に移動して小径ギヤ２７ａと噛合
する。従つて、小径ギヤ２７ａは常に円滑にラツ
ク２８ａと噛合することになる。

小径ギヤ２７ａが第１図に示すようにラツク２
８ａと噛合すると、大径ギヤ２７ｂ、ローデイン
グギヤ２２を介してリングギヤ１３が回動を制限
され、更にはギヤ２０，２１を介してリングギヤ
１４が回動を制限される。即ち、上下のリングギ
ヤ１３，１４は最終回動位置よりの逆転を制限さ
れて最終回動位置に留まり、ローデイングポール
６，４は夫々対応するストツパ３４，３５に押圧
した状態にロツクされる。これにより、記録・再
生時には走行するテープのテンシヨンにより各ロ
ーデイングポール４，６にはストツパ３４，３５
より離れる方向の力が作用するが、各ローデイン
グポール４，６は共にストツパ３４，３５に圧着
した状態に確実に保持されて、テープ走行方向上
テープ案内ドラム３の入口側と出口側とでテープ
を精度良く案内する。

なお、各ローデイングポール４，６が上記のよ
うにロツクされた後では、カム２６はリングギヤ
１３，１４とは独立に回動し、モータ３２の負荷
が異常に増すようなことは無くなる。

上述の如く、本考案になる磁気記録及び／又は
再生装置のローデイング部材ロツク機構によれ
ば、ローデイング部材が移動して装着されたテー
プカセツトより磁気テープを引き出しこれを回転
ヘツドを内蔵しているテープ案内ドラムに所望の
範囲に亘つて添接させて記録及び／又は再生を行
なう磁気記録及び／又は再生装置において、該ロ
ーデイング部材が弾性部材を介して連結されてお
り、回動して該ローデイング部材を移動させるリ
ング部材と、該リング部材を回動させるための駆
動ギヤと、該駆動ギヤに対して噛合或いは非噛合
とされるギヤ体を有し、該ギヤ体が該駆動ギヤに
噛合している状態で該駆動ギヤの回転を該リング
部材に伝達する回転伝達機構と、該リング部材が
最終位置まで回動し該ローデイング部材が該弾性
部材の弾性力によりストツパに押圧するようにな
つた状態で該回転伝達機構を動作させ該ギヤ体を
該駆動ギヤに対して非噛合状態とする切換え機構
と、該切換え機構により該駆動ギヤに対して非噛
合状態とされた該ギヤ体が噛合して該回転伝達機
構を介して該リング部材の回動を制限するラツク
部材とを設けてなり、該ラツク部材を該ギヤ体よ
り離れる方向に変位可能で且つ該ギヤ体と噛合す
る方向にばね付勢された構成としてあるため、記
録及び／又は再生モード時にはローデイング部材
を弾性部材の弾性力によりストツパに押圧した状
態でロツクすることが出来、しかもラツク部材が
変位可能であるため、例えばギヤ体とラツク部材
との双方の歯の歯先同士が接触したような不完全
噛合の場合にも、ラツク部材が適宜変位すること
により、ギヤノイズが発生したり歯の歯先が折損
したりすることが防止されると共にラツク部材が
弾性復帰することによりギヤ体がラツク部材に円
滑に噛合することになり、ローデイング部材を確
実にロツク出来る等の特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案になるローデイング部材ロツク
機構の一実施例をこれが適用してある磁気記録及
び／又は再生装置のテープローデイング機構と併
せて示す平面図、第２図はテープローデイング機
構の側面図である。 １……磁気記録及び／又は再生装置、２……小
型テープカセツト、３……テープ案内ドラム、４
……供給側ローデイングポール、５，７……傾斜
ポール、６……巻取側ローデイングポール、８，
１１……ローデイングポール台、９……シヤーシ
ベース、１０，１２ａ……ガイド溝、１２……ガ
イドレール、１３，１４……リングギヤ、１５…
…ガイドローラ、１６……ガイドピース、１７…
…ガイドプレート、１８……コイルばね、１９…
…ポール、２０，２１，２７……ギヤ、２２……
ローデイングギヤ、２３……ローデイングアー
ム、２４……軸、２５……ピン、２６……カム、
２６ａ……外周ギヤ、２６ｂ……カム溝、２６ｂ
−₁，２６ｂ−₂……大径部、２６ｂ−₃……小径
部、２７ａ……小径ギヤ、２７ｂ……大径ギヤ、
２８……ラツクアーム、２８……ラツク、３０…
…コイルばね、３１……ストツプピン、３２……
ローデイングモータ、３３……ギヤ機構、３４，
３５……ストツパ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ローデイング部材が移動して装着されたテープ
   カセツトより磁気テープを引き出しこれを回転ヘ
   ツドを内蔵しているテープ案内ドラムに所望の範
   囲に亘つて添接させて記録及び／又は再生を行な
   う磁気記録及び／又は再生装置において、該ロー
   デイング部材が弾性部材を介して連結されてお
   り、回動して該ローデイング部材を移動させるリ
   ング部材と、該リング部材を回動させるための駆
   動ギヤと、該駆動ギヤに対して噛合或いは非噛合
   とされるギヤ体を有し、該ギヤ体が該駆動ギヤに
   噛合している状態で該駆動ギヤの回転を該リング
   部材に伝達する回転伝達機構と、該リング部材が
   最終位置まで回動し該ローデイング部材が該弾性
   部材の弾性力によりストツパに押圧するようにな
   つた状態で該回転伝達機構を動作させ該ギヤ体を
   該駆動ギヤに対して非噛合状態とする切換え機構
   と、該切換え機構により該駆動ギヤに対して非噛
   合状態とされた該ギヤ体が噛合して該回転伝達機
   構を介して該リング部材の回動を制限するラツク
   部材とを設けてなり、該ラツク部材を該ギヤ体よ
   り離れる方向に変位可能で且つ該ギヤ体と噛合す
   る方向にばね付勢された構成としてなる磁気記録
   及び／又は再生装置のローデイング部材ロツク機
   構。