JPH0349183Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【技術分野】

本考案は、便器本体に穿孔された長孔部分にバ
ルブハウジングやメカベースなどの部材を支持さ
せるためのねじ具を便器本体の下面側から取り付
けるための構造に関する。

【背景技術】

便器本体１に下面側からねじ具を取り付ける場
合、従来にあつては、第５図及び第６図に示すよ
うにしていた。つまり、便器本体１には長孔２が
穿孔されており、この長孔２を通過できるような
寸法を有する一方に長い長座金４をボルト３に挿
通させ、ボルト３の頭５と共に長座金４を便器本
体１の下面側から長孔２に挿通させ、長座金４を
90度回して第５図のように長孔２と直交させ、こ
の後便器本体１の下面側からボルト３に平らな座
金６を通し、ナツト８を螺合させ、ナツト８を締
め付けていた。そして、この便器本体１から垂下
されたボルト３の下端部にバルブハウジングやメ
カベースなどの部材を取り付ける構造となつてい
た。しかしながら、このような構造であると、長
孔２に通した長座金４を90度回して長孔２と直交
させ、下からボルト３に螺合させたナツト８を締
め付けた時、ボルト３がナツト８と共回りし、長
座金４も一緒に回転して長孔２と平行になり、長
座金４とボルト３が長孔２から抜けて脱落するこ
とがあつた。また、ナツト８が緩んできた場合に
も長座金４が回転して長孔２から脱落する恐れが
あつた。

【考案の目的】

本考案は叙上のような技術的背景に鑑みて為さ
れたものであり、その目的とするところはナツト
締めつけ時などにおけるボルト及び長座金の脱落
を防止することにある。

【考案の開示】

本考案簡易水洗便器のねじ具取付け構造は、便
器本体１に穿孔された長孔２に頭５が上を向くよ
うにボルト３を挿通させ、前記長孔２を通過可能
な一方に長い長座金４をボルト３の頭５の下に挿
着させると共に長座金４の長手方向を長孔２の長
軸方向と直交させ、便器本体１の下面においてボ
ルト３に挿通させられた座金６から上方へ向けて
一対の突起７を突設し、この突起７を長孔２内に
回転不能に挿通させて前記長座金４を幅方向の両
側から挟持させ、座金６の下からボルト３にナツ
ト８を螺合させて成ることを特徴とするものであ
る。しかして、長座金４及びボルト３の頭５を下
から長孔２に挿通させ、長座金４を90度回転させ
た後、ボルト３に挿通させた座金６の突起７によ
り下から長座金４の縁を挟持させているので、長
座金４と座金６とが一体化され、しかも座金６は
長孔２内に挿入された突起７により回転不能とな
つているので、長座金４も回転することがなく、
ナツト８を締め付けた時に長座金４が長孔２と平
行になることはなく、長座金４とボルト３とが長
孔２から脱落することがないものである。また、
ナツト８が緩んでも、座金６の突起７が長孔２の
上面より下に下がらない限り長座金４が回転せ
ず、長座金４の脱落のおそれのないものである。 以下本考案の実施例を添付図に基いて詳述す
る。第４図には、シンクタンク９を備えたシンク
タンク一体型の簡易水洗便器を示してある。本考
案のねじ具取付け構造は、例えばメカベース１０
を便器本体１に取り付ける部分（第４図のＸ部）
に用いられるものであるが、その他にも便器本体
１の排出口１１を開閉するためのフラツプ弁１２
を取り付けるためのバルブハウジンブ１３を便器
本体１に取り付ける部分にも用いられている。 第１図に示すように、便器本体１には一方に長
い長孔２が穿孔されている。長座金４は水平片４
ａの両側に側立ち上がり片４ｂを立ちあげられて
いて断面略Ｕ字状をしており、水平片４ａの中心
にはボルト３を挿通させるための透孔１４が穿孔
されている。また、長座金４は一方に長い平面形
状を有しており、幅方向の寸法は長孔２の幅とほ
ぼ等しいが、長手方向の長さは長孔２の幅に比べ
て十分に長い寸法で長孔２の長軸方向の寸法より
も短くなつており、長座金４が容易に長孔２内を
通過できるようになつている。座金６は外径が長
孔２の幅寸法よりも大きなものであり、中心には
ボルト３を挿通させるための通孔１５が穿孔され
ており、座金６の縁の対向する箇所からは一対の
突起７が上方へ向けて突出させられている。この
突起７の長さは便器本体１の厚みよりも大きく、
便器本体１の厚みに側立ち上がり片４ｂの高さを
加えた寸法に近いものであり、突起７は第３図に
示すように略くの字状に緩く屈曲させられてお
り、突起７の上端部は長座金４の幅寸法と等しい
間隔をあけて対向させられている。ボルト３は便
器本体１の厚みよりも十分に長いものである。 しかして、このねじ具を便器本体１に下面側か
ら取り付けるには、次のように行うものである。
まず、長座金４の透孔１４に上からボルト３を挿
通させてボルト３の頭５を長座金４の上面に位置
させる。この後、便器本体１の下方からボルト３
を挿通させられた長座金４を長孔２に挿通させ、
長座金４を便器本体１の上面へ飛び出させる。こ
の後、便器本体１の上面で長座金４を90度回転さ
せて長座金４の長手方向を長孔２の長軸方向と直
交させ、長座金４からボルト３を吊り下げた状態
にする。この後、便器本体１の下面に突出してい
るボルト３に座金６の通孔１５を挿通させ、一対
の突起７を長孔２の長軸方向側で対向させて長孔
２内に挿入し、突起７の上端間に長座金４を嵌合
させて突起７により長座金４を幅方向から挟持さ
せる。突起７が長孔２に挿入された状態では、座
金６は長孔２に係止されて回転不能となる。即
ち、第３図に示すように、突起７の下部間の間隔
は座金６の外径と等しくて長孔２の幅よりも大き
いので、突起７は長孔２内で回転できず、座金６
が回転不能となるのである。あるいは座金６の外
径が小さかつたりして、突起７が平板状に近いも
のである場合には、突起７の幅を十分に大きくす
ることによつて座金６の回転を阻止することも可
能である。更にボルト３の下端からナツト８を螺
合させてナツト８を締めつけると、ボルト３がナ
ツト８の締め付けに応じて共回りするが、長座金
４は突起７につかまれていて回転できないので、
回転して長孔２と平行になることはなく、長座金
４が長孔２から抜けてボルト３が脱落することが
ないのである。こうして、しつかりとボルト３の
頭５側が便器本体１に固定された後、ボルト３の
下端部にはメカベース１０やバルブハウジンブ１
３などが取付けられるのである。 なお、長座金４の側立ち上がり片４ｂ間でボル
ト３の六角形の頭５を挟むことができるようにす
れば、ナツト８を締めた時のボルト３の共回りを
防止することもできる。

【考案の効果】

本考案は叙述のごとく構成されているから、長
孔に回転不能に挿通された座金の突起により長座
金をつかませることにより、長座金の回転を防止
することができ、ナツトを締めた時にボルトが共
回りしても長座金が回転して長孔と平行になるこ
とはなく、長座金とボルトとが長孔から脱落する
ことがないものである。また、ナツトが緩んでも
長座金が回転せず、長孔からの脱落のおそれのな
いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す分解斜視図、
第２図は同上の取付け状態の斜視図、第３図は同
上の断面図、第４図は簡易水洗便器の断面図、第
５図及び第６図は従来例のねじ具取付け方法を示
す説明図である。 １…便器本体、２…長孔、３…ボルト、４…長
座金、５…ボルトの頭、６…座金、７…突起、８
…ナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 便器本体に穿孔された長孔に頭が上を向くよう
   にボルトを挿通させ、前記長孔を通過可能な一方
   に長い長座金をボルトの頭の下に挿着させると共
   に長座金の長手方向を長孔の長軸方向と直交さ
   せ、便器本体の下面においてボルトに挿通させら
   れた座金から上方へ向けて一対の突起を突設し、
   この突起を長孔内に回転不能に挿通させて前記長
   座金を幅方向の両側から挟持させ、座金の下から
   ボルトにナツトを螺合させて成る簡易水洗便器の
   ねじ具取付け構造。