JPH0348290Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は男子の水洗便器の内面に取り付けて使
用する洗浄芳香器に関するものである。

〔従来技術と問題点〕

従来、男子用便器の内面に取り付ける洗浄芳香
器としては、本件出願人が昭和60年11月13日に実
願昭60−175055号および実願昭60−175056号とし
て出願した目皿がある。

しかし、この先願のものは便器低部の排水口に
設けられる目皿に芳香剤や洗浄剤を設けたもので
あつて、芳香効果はともかく、洗浄効果としては
排水口に限定されるものであつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、男子用水洗便器の正面の垂直面上方
に芳香剤や洗浄剤を設けるようにしたもので、そ
の要旨は、上部前面が側面からみて円弧状または
斜面状に形成され、背面の少くとも上端部が便器
正面の垂直面になじむように形成された容器本体
１の低面に小孔２を設け、この容器本体の下部に
棚３を設けると共に棚の前縁には、下端が便器の
垂直面に接するように形成した円弧状または斜面
状の前垂れ４を設け、前記容器本体１内に洗浄剤
５または芳香剤６あるいはこれら両剤を充填し、
下部の棚３には連続気泡体７をはめ込み、これを
吸着盤もしくは吊り下げその他の適宜な手段にて
便器の垂直面に固定するようにしたことを特徴と
するものである。

〔実施例〕

図面は本考案の一実施例を示すもので、１は、
上部前面が側面からみて円弧状に形成され、下部
は少し丸みをもつてＬ状に形成され、背面は垂直
に形成された容器本体で、中央部に仕切盤８を設
けて左右２室に構成され、各室の底面には小孔２
が設けられているものである。この容器本体を２
室に形成したのは一方に洗浄剤５を充填し、他方
に芳香剤６を充填するためであるが、必ずしも２
室に限るものではなく、１室にして洗浄剤５の
み、または芳香剤６のみ、あるいは洗浄剤と芳香
剤を混合した状態で充填してもよい。

３は、前記容器本体の背面を垂下延長させ、そ
の下端を前方に折り曲げて形成した横断面コ字状
の棚で、この棚には例えばスポンジ等の連続気泡
体７がはめ込まれ、上部の容器内の洗浄剤５や芳
香剤６を小孔から徐々に連続気泡体に含浸させ、
流水が連続気泡体表面を流下する際に洗浄剤や芳
香剤を流水に溶かし込む。

４は、棚の前縁から下方に延びる前垂れで、そ
の下端が、便器の垂直面１５に接するように側面
からみて円弧状に形成されているものである。

なお，この前垂れ４および前記容器本体の上部
前面は必ずしも図示に示すような円弧状にする必
要はなく、適宜な斜面状でもよい。また、容器本
体１の背面についても第３図に示すように平面か
らみて必ずしも直線状である必要はなく、便器の
垂直面に曲線に合せたものとしてもよい。

９は、容器本体１の両側面を棚の側部まで延長
して設けた支持板で、その前面には切り込み１０
を形成したものであり、この切り込みの深さは、
棚にはめ込んだ連続気泡体７の前面より少し深い
程度のものである。

１１は、容器本体１の背面上部に設けられたパ
ツドで、その背面は便器の垂直面１５の曲面に合
致するように形成されているものである。従つ
て、便器の垂直面１５が円弧状の場合には第３図
のようにゆるい円弧状のものが必要となるが、直
線状の場合には単なる板状のものとなる。しか
し、垂直板が直線状の場合にはこのパツドを省略
してもよい。

１２は、ステンレス製線材よりなる支持具で、
第１図に示すようにチヤンネル状に折り曲げ形成
すると共にその両端部を外方へ少し折り曲げたも
のである。

本考案に係る洗浄芳香器の便器への取り付けに
際しては、最初、上記支持具１２の上端部を第１
図二点鎖線のように撓ませてその両端部を、便器
の垂直面上部に多数設けられている散水孔１３に
差し込む。支持具を散水孔に差し込んだ状態で手
を離せば支持具の下端部は便器の垂直面１５に一
定の圧力にて圧接する状態となる。芳香器の支持
に際しては、前記支持具１２の下部を前方に引き
上げ、その間に芳香器を配置した後、支持具の下
端部が芳香器両側部の支持板の切り込み１０に嵌
まるようにして、引き上げた支持具を離とによ
り、第４図のように芳香器を吊り下げた状態で、
支持具の弾性により便器の垂直面に圧接するよう
にして支持される。

なお、この芳香器の支持手段については特に限
定するものではなく、例えば芳香器の背面に吸着
盤を設けて便器の垂直面に取りつけてもよいが、
上記の線材による支持具が取扱いや繰返し使用に
便利である。

〔作用〕

水洗便器の上部の散水孔１３より水を流すと、
水はパツド１１により流れが規制され容器本体１
の上部前面の円弧状表面に沿つて下方へ流れ、途
中で連続気泡体７に接触通過し、続いて前垂れ４
の表面に沿つて再び便器の垂直面に戻され下方へ
流れる。一方、容器本体１内に充填した洗浄剤５
や芳香剤６は底部の小孔２から連続気泡体７に滲
み出し、連続気泡体を洗浄剤や芳香剤にて含浸状
態とするので、この連続気泡体前面に沿うか、あ
るいは一部は連続気泡体を通過して下方に流れる
水は洗浄剤や芳香剤を含んだものとなる。また、
水が連続気泡体を通過して流れることにより連続
気泡体は上部の洗浄剤や芳香剤等を積極的に吸い
出すことになり、便器正面の垂直面はもとより排
水口に到るまで洗浄、芳香効果がある。

なお、本考案に係る芳香器は使い捨てでもよい
が、小水が当らない上部に取りつけるものなら、
洗浄剤や芳香剤を補充できるようにしておいても
よい。

〔考案の効果〕

本考案は上述のように、構造は極めて簡単で、
便器正面の垂直面上方に取り付けられるものであ
るため、垂直面から排水口に至るまで洗浄され、
また芳香効果も排水口の目皿に設けた場合より顔
に近い分だけ効果的である。

さらに、支持具の固定手段として、便器や水洗
配管に何ら加工を施さず、散水孔を利用すると云
うユニークな着想によりスマートで汚れ難い線材
を用いその弾性を有効に利用したため、コスト的
にも安価で産業利用性の高いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一例の正面図、第２図は側面
図、第３図は平面図、第４図は第１図の中央縦断
側面図である。 １…容器本体、２…小孔、３…棚、４…前垂
れ、５…洗浄剤、６…芳香剤、７…連続気泡体、
８…仕切壁、９…支持板、１０…切り込み、１１
…パツド、１２…支持具、１３…散水孔、１５…
便器の垂直面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 上部前面が側面からみて円弧状または斜面状
   に形成され、背面の少くとも上端部が便器正面
   の垂直面になじむように形成された容器本体１
   の底面に小孔２を設け、この容器本体の下部に
   棚３を設けると共に棚の前縁には、下端が便器
   の垂直面に接するように形成した円弧状または
   斜面状の前垂れ４を設け、前記容器本体１内に
   洗浄剤５または芳香剤６あるいはこれら両剤を
   充填し、下部の棚３には連続気泡体７をはめ込
   んでなる男子水洗便器用洗浄芳香器。 ２ 容器本体１が、仕切壁８により２室に構成さ
   れたものである実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の男子水洗便器用洗浄芳香器。