JP2508342Y2 - 水洗便器用洗浄芳香器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は男子小便用水洗便器の内面に取り付けて使用
する水洗便器用洗浄芳香器に関するものである。

〔従来技術〕

本件出願人はこれまでに各種の芳香器や洗浄芳香器を
開発し実施化しているが、最近の水洗便器用洗浄芳香器
としては昭和62年９月５日付にて出願したもの（実開昭
64−42373）がある。

これは独立した２個の容器を連結してなるツイン容器
の一方に液状の洗浄剤を入れると共に他方の容器に液状
の芳香剤を入れ、いずれも吸水マットの毛細管現象を利
用して吸引、発散させるものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、上記の洗浄芳香器においては構成部品が多
く、取扱いが面倒であり、また液状の洗浄剤しか使えな
いという問題点があった。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上記従来のものとは異なり、便器への取付
手段は同じ方式を採るものであが、洗浄剤は粉末状また
は固形状のものを容器の中に充填し、芳香剤としては固
形状のものを容器本体の前面に保持するようにしたもの
である。

すなわち、本考案の第１は、上部開放型で横長扁平状
の容器本体１の背面中央に広幅の突出部２を設けると共
にその裏面中央部に下端に達する一定幅の浅い縦方向の
ヌスミ３を形成し、該ヌスミ３の上方に容器本体１の内
部に通じる角窓４を設け、該容器本体１の前面に芳香材
用のリブ状保持突起７を設け、該容器本体１背面の突出
部２に男性便器22の内部上壁の散水孔21に差し込み可能
な弾性保持体17を設け、該容器本体１に対し、前方から
前記突出部２の上部を除いて容器本体１を覆う形態の前
面に通気窓11を備えた前面カバー10を着脱可能に組み合
わせてなる水洗便器用洗浄芳香器である。

また、本考案の第２は、前記第１の水洗便器用洗浄芳
香器において、容器本体１を覆う前面カバー10が、後方
に低い勾配を有する下部壁14を備えており、その下部壁
14の後方中央部には前記容器本体１のヌスミ３の下端よ
り少し下方に位置するように突出部15が形成されている
水洗便器用洗浄芳香器である。

〔実施例〕

第３〜５図は、本考案に係る合成樹脂製の容器本体１
を示すもので、全体形状としては上部に開口を有する横
長扁平状の容器で、第５図に示すように、背面中央に広
幅の突出部２を設けると共にその裏面中央部に下端に達
する一定幅の浅い縦方向のヌスミ３が形成され、このヌ
スミ３の上方には容器本体１の内部に通じる角窓４が設
けられている。

そして、前記突出部２の片方の内部には、第２図、第
３図に示すように、縦長のリブ５、５を左右に設けて突
出部２の背面内壁との間にスリット６、６を形成し、一
方、容器本体１の前面には固形芳香剤用のリブ状保持突
起７が設けられている。

また、容器本体１の両側部上端面には、第４図、第５
図に示すように、嵌合突起８、８を設けると共に底面に
は中央に係止突起９が設けられている。

第６〜８図は、前記容器本体１に対し、前方から前記
突出部２の上部を除いて容器本体１を覆うように嵌る合
成樹脂製の前面カバー10を示すもので、前面に縦長スリ
ット状の通気窓11を備えており、上面両端部には前記容
器本体１の嵌合突起８、８が嵌る孔12を備え、下面には
前記容器本体１の係止突起９に弾力的に嵌る係止凹部13
が設けられている。

そして、この前面カバー10の下部壁14は後方に低い勾
配を有しており、その下部壁14の後方中央部には前記容
器本体１のヌスミ３の下端より少し下方に位置するよう
に突出部15が形成されている。

しかし、この突出部15は必ずしも設ける必要はなく、
またその形状についても特に限定するものではない。

なお、16は前面カバー10の裏側に設けられた芳香剤用
の押え突起である。

本考案に係る洗浄芳香器は、第１図、第２図に示すよ
うに、容器本体１の前面のリブ状保持突起７に方形板状
の固形芳香剤Ａを載置し、前面カバー10上面の孔12、12
を容器本体１上端面の嵌合突起８、８に嵌め込んだ後、
前面カバー10の下部を容器本体１側に押し込むことによ
り、前面カバー10の合成樹脂による弾性により容器本体
１下面の係止突起９に係止凹部13が嵌り込み固定され
る。

この際、前面カバー10裏面の押え突起16により芳香剤
Ａの倒れと移動をリブ状保持突起７との間で防止する。

一方、粉末状または固形状の洗浄剤Ｂは容器本体１背
面の突出部２の上部開口から適量装填する。

この洗浄芳香器の便器への取り付けに際しては、第１
図、第２図に示すようなステンレス製の弾性保持体17を
利用して行う。

すなわち、弾性保持体17は、上半部に、男性便器22の
前面内部上壁に一定ピッッチにて複数設けられた散水孔
21に差し込み可能な、予め後方に折り曲げられた差込固
定部18を備え、下半部に、前記容器本体１の両スリット
６、６に嵌り、切り起し舌片19にて固定される支持部20
を有するものである。

そして、この弾性保持体17下方の支持部20を予め容器
本体１のスリット６、６に差し込んで固定しておき、容
器本体１の上部に突出している上半部の差込固定部18を
便器22の中央より少し左方の散水孔21に下方から折り曲
げを伸ばすようにして差し込むことにより、弾性保持体
17の弾性を利用して洗浄芳香器を便器22の前面中央部に
固定するものである。

この際、容器本体１の突出部２の背面は弾性保持体17
の復元弾性力により便器の前面壁23に圧接した状態で支
持される。

〔作用〕

水洗便器上部の散水孔21より水を流すと、水は前面壁
23を伝って流下して容器本体背面の突出部２の上部開口
から矢印のように容器本体１内に流れ込む。

容器本体１内に入った水は内部の洗浄剤Ｂと一部混合
され角窓４からオーバーフローし背部のヌスミ３の部分
を通って流下する。

この際、オーバーフローした洗浄剤を含んだ水は第１
図、第２図のように便器の前面壁23を伝って流れ落ち、
前面カバー10の下部に突出部15を有する場合には、第２
図に矢印にて示すように突出部15により左右に分かれて
前面壁23および下部の排水孔を洗浄する。

一方、芳香剤Ａについては、容器本体１の前面に固定
されているため自然に発散して、前面カバー10の通気窓
11から便器前方への芳香作用を行う。

〔考案の効果〕

本考案は、上述のように、洗浄剤は便器の前面壁に沿
って流下し、芳香剤は前方へ自然発散するように設置し
たため、それぞれ２種の薬剤の機能が効果的に得られ
る。

また、容器本体をはじめ前面カバーや弾性保持体等
は、いずれも単純な構造で成型が容易なためコストも安
価となり、さらに、洗浄芳香器の設置に際しても極めて
簡単な押し込み操作のみでよいため使い勝手のよいもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一例の組立状態を示す横断側面図。 第２図は同背面図。 第３図は容器本体の平面図。 第４図は第３図のＡーＡ断面図。 第５図は第４図のＢーＢ断面図。 第６図は前面カバーの平面図。 第７図は同正面図。 第８図は第７図のＣーＣ断面図である。 １……容器本体、２……突出部、３……ヌスミ ４……角窓、５……リブ、６……スリット ７……保持突起、８……嵌合突起、９……係止突起 10……前面カバー、11……通気窓、12……孔 13……係止凹部、14……下部壁、15……突出部 16……押え突起、17……弾性保持体 18……差込固定部、19……切り起し舌片 20……支持部、21……散水孔、22……便器 23……前面壁、Ａ……芳香剤、Ｂ……洗浄剤

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上部開放型で横長扁平状の容器本体１の背
   面中央に広幅の突出部２を設けると共にその裏面中央部
   に下端に達する一定幅の浅い縦方向のヌスミ３を形成
   し、該ヌスミ３の上方に容器本体１の内部に通じる角窓
   ４を設け、該容器本体１の前面に芳香剤用のリブ状保持
   突起７を設け、該容器本体１背面の突出部２に男性便器
   22の内部上壁の散水孔21に差し込み可能な弾性保持体17
   を設け、該容器本体１に対し、前方から前記突出部２の
   上部を除いて容器本体１を覆う形態の前面に通気窓11を
   備えた前面カバー10を着脱可能に組み合わせてなる水洗
   便器用洗浄芳香器。
2. 【請求項２】請求項１記載の水洗便器用洗浄芳香器にお
   いて、容器本体１を覆う前面カバー10が、後方に低い勾
   配を有する下部壁14を備えており、その下部壁14の後方
   中央部には前記容器本体１のヌスミ３の下端より少し下
   方に位置するように突出部15が形成されている水洗便器
   用洗浄芳香器。