JPH0348126B2 - - Google Patents

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JPH0348126B2
JPH0348126B2 JP1892684A JP1892684A JPH0348126B2 JP H0348126 B2 JPH0348126 B2 JP H0348126B2 JP 1892684 A JP1892684 A JP 1892684A JP 1892684 A JP1892684 A JP 1892684A JP H0348126 B2 JPH0348126 B2 JP H0348126B2
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JP
Japan
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liquid
temperature
type zeolite
alkalinity
producing
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JP1892684A
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Zenji Hagiwara
Kojiro Takei
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HAGIWARA GIKEN KK
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HAGIWARA GIKEN KK
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  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は粒子径が小さく且つ均質なY型ゼオラ
イトの製造方法に関する。 一般に、Y型ゼオライトは、X型ゼオライトに
比較して、SiO2/Al2O3モル比がより大であり、
従つて高温で水蒸気の存在下でもゼオライトの骨
格構造はより安定な特徴がある。これがため、Y
型ゼオライトの触媒や吸着剤として多くの用途が
拡大されつつある。Y型ゼオライトは、
xNa2O・Al2O3・ySiO2・zH2Oの一般式で表わ
される。ここにx,yおよびzはそれぞれ酸化ナ
トリウム、二酸化珪素および結晶水の係数を表わ
しており、通常の場合、x=0.9±0.2、y=3〜
6およびz=〜9の範囲にある。 前記の組成を有するY型ゼオライトの公知の製
造法としては、水熱合成法が挙げられる。即ち、
出発原料の中、シリカ源としては珪酸ナトリウム
またはコロイド珪酸が使用され、上記の何れか一
種の原料液に、水酸化ナトリウムとアルミン酸ナ
トリウムを含む液の添加が行われ、両液の混合が
実施されて、使用する原料物質のモル比Na2O/
Al2O3,SiO2/Al2O3およびH2O/Al2O3が一定
範囲に入るように混合物が調製され、これを100
℃付近の温度で結晶化させたり、またはオートク
レーブを用いてさらに温度を挙げて120℃付近で
結晶化させるY型ゼオライトの合成法が公表され
ている。また上述のY型ゼオライトの水熱合成に
際して、それの結晶化を常温付近で2ケ月間近く
の長期間を要して実施した報告も見られる。しか
しながら、上述した如き公知のY型ゼオライトの
合成法によれば、生成するゼオライトの粒子径に
ついては殆んど配慮がなされていないために、生
成してくるY型ゼオライトの粒子径については殆
んど配慮がなされていないために、生成してくる
Y型ゼオライトの粒度分布は必然的に広範に亘る
欠点がある。さらに、公知のY型ゼオライトの合
成法では、Y型ゼオライト中に他のA型、X型場
合によつてはP型ゼオライト等が副生したり、無
定形物質の混入が見られるために、Y型ゼオライ
トの純度も未だ満足すべき状態とは言えない。 本発明者は、上記の問題点を解決すべく鋭意検
討の結果、Y型ゼオライトの製造時に使用する原
料液の組成および濃度、スラリーの形成方法、製
造工程のアルカリ度、結晶化のための反応混合物
の昇温速度、結晶化温度と時間、反応の諸工程に
於ける撹拌等の因子が最終的に得られるY型ゼオ
ライトの品質に著しく影響を与えることを本発明
者は見出し、本発明を完成した。特に、本発明者
は上記の合成に関連する因子中、原料素材を混合
して無定形の珪酸アルミニウムよりなるスラリー
生成を好ましい条件で実施するための操作が、引
続いての熟成および結晶化の工程を円滑にし、こ
れらの所要時間をより短縮して経済的な製造を実
施し優れた物性を有する微細粒子によりなるY型
ゼオライトを得る上に極めて重要な因子の一つで
あることを究明した。 本発明の目的は、極めて均質にして微細な結晶
粒子からなるY型ゼオライトの製造方法を提供す
るにある。他の目的は、純度の高いY型ゼオライ
トの製造方法を提供するにある。更に他の目的
は、Y型ゼオライトを製造する際に、従来公知の
合成法と比較して、熟成時間や結晶化時間がより
短縮できる経済的な製造方法を提供するにある。 即ち、本発明のY型ゼオライトの製造方法は、 (A) アルミン酸ナトリウムと水酸化ナトリウムと
が溶解してなる水溶液(以下a液と記す。)と、
超微粒子状の二酸化珪素が水酸化ナトリウム水
溶液中に懸濁してなるコロイド珪酸(以下b液
と記す。)と、水酸化ナトリウム水溶液(以下
c液と記す。)との3液を調製するに際し、 各液のアルカリ度は、c液については1.4〜
3.5Nに調製し、a液とb液については、下記
の第2工程から第4工程に至る全工程中に於い
て、各工程中の水溶液相のアルカリ度の変動が
c液のアルカリ度に対して±0.3Nの範囲に入
るように調製すると共に、 a液とb液の組成比は、Al2O3に対する全
Na2OとSiO2とH2Oの各モル比が、それぞれ Na2O/Al2O3=2〜5.7 SiO2/Al2O3=6〜10 H2O/Al2O3=70〜210 を満足するように、a液とb液を調製する第1
工程と、 (B) それぞれの該調製液を45℃以下の液温にて、
撹拌下にあるc液に対して、注入開始から終了
まで一貫して同時に、a液とb液とをそれぞれ
独立の注入口から注入し、無定形のアルミノ珪
酸ナトリウムゾルからなるスラリー液を生成さ
せる第2工程と、 (C) 引続き45℃以下の液温を保持したままで、該
スラリー液を撹拌しながら熟成させる第3工程
と、 (D) 次いで、熟成させた該スラリー液を、撹拌し
ながら、少なくとも70℃以上の温度まで昇温
し、引続き該温度で加熱することにより、生成
したアルミノ珪酸ナトリウムを結晶化させる第
4工程と、 (E) 最後に、結晶化させた該アルミノ珪酸ナトリ
ウムを分別し、水洗し、乾燥させる第5工程と
からなることを特徴とするものである。 本発明に於いて、アルカリ度とは、水溶液相の
一定量を採取し、必要あればこれを薄めて、これ
にフエノールフタレインを指示薬として加え、塩
酸標準液で中和滴定して求めたアルカリの規定度
(N)で示される。 先ず、本発明の第一工程について詳述する。a
液はアルミン酸ナトリウム(NaAlO2)と水酸化
ナトリウムとが溶解してなる水溶液であり、これ
らの両成分を水に溶解させるか、或いは水酸化ナ
トリウムが以下の化合物のモル比に対して過剰に
溶解してなる水溶液に水酸化アルミニウムまたは
アルミニウム塩類を加えて調製する。本液はY型
ゼオライトの合成に必要なアルミナ(Al2O3
の、また一部のアルカリ(Na2O)の供給源とな
る。 また、b液はコロイド珪酸であり、これは二酸
化珪素の超微粒子を水酸化ナトリウム水溶液中に
分散せしめたコロイド溶液である。市販のスノー
テツクス−20,30,40等(日産化学工業株式会社
の商品名)のシルカゾルは本発明のb液に使用好
適なものとして例示される。例えば、上記のスノ
ーテツクス−30では、10〜20nmの粒子径を有す
る二酸化珪素の含有量は約30%であり、また酸化
ナトリウム(Na2O)のそれは0.6%以下であつ
て、本ゾル液のPHは9.5〜10.5である。かかる組
成を有するコロイダルシリカゾルの安定度は極め
て大であり、且つそれの構成主成分の二酸化珪素
微粒子は極端に大きい表面積を有しているので、
極めて活性で反応性が大である。従つて、かかる
特性を有するb液とc液およびa液とを本発明法
により混合した際には、極めて活性な1μm以下
の微細粒子よりなる無定形の均質なアルミノ珪酸
ナトリウム(Na2O−Al2O3−SiO2)の形成が迅
速に行われる利点がある。 一方、c液は、アルカリ度が1.4〜3.5Nの範囲
に入るように、水酸化ナトリウムが溶解されてな
る水溶液であり、本液の濃度即ちアルカリ度は後
述のアルカリ度変動制御調整のために予め標定し
ておく必要がある。 更に、これら3液の調製に際しては、a液とb
液の組成比は、それらに溶解又は懸濁されている
アルミン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム及び二
酸化珪素の各含有量が、Al2O3に対する全Na2O
とSiO2とH2Oの各モル比で、それぞれ、 Na2O/Al2O3=2〜5.7 SiO2/Al2O3=6〜10 H2O/Al2O3=70〜210 を満足するように調製されると共に、a液とb液
のアルカリ度は、後述の第2工程(スラリー液生
成工程)から第4工程(結晶化工程)に至る全工
程中に於いて、各工程中の水溶液相のアルカリ度
の変動が、予め調製されたc液のアルカリ度に対
して±0.3Nの範囲に入るように調製されなけれ
ばならない。 かくして調製された各溶液は、それぞれ45℃以
下好ましくは5〜35℃の一定液温に保持されて、
本発明の第2工程で以下の如くに混合され、無定
形のアルミノ珪酸ナトリウムゾルからなるスラリ
ー液が生成される。即ち、撹拌状態にあるc液の
入つた反応槽内に、注入開始からその終了まで一
貫して同時に、a液とb液とがそれぞれ独立した
注入口から徐々に注入され、その注入量に応じて
無定形のアルミノ珪酸ナトリウムからなるスラリ
ー液が生成される。本工程に於いて、45℃以上の
温度領域でスラリー液を生成させると、一部の無
定形物質の結晶化が起り、無定形粒子と結晶化粒
子とが混在した状態となり、最終的に得られたY
型ゼオライトが不均質なものとなる。また、a液
とb液をc液に注入するに際しては、その注入開
始からその終了まで、連続して定速度(但し、a
液とb液とでは、その所定注入量に応じて、それ
ぞれ注入速度は異なる。)で注入することが好ま
しい。本工程では、反応槽内の水溶液相のアルカ
リ度が殆ど変動しない状態で反応が行われるた
め、生成したスラリー粒子は極めて均質なもので
あり、またその平均一次粒子径は1μm以下の極
微細のものであると共に、粒径分布の狭い、即
ち、粒子径の揃つたものが得られる。このように
生成した粒子は極めて微細であるため、その表面
積及び活性度は大であり、その結果、当該粒子は
結晶化によるY型ゼオライト(最終製品)への移
行も容易であり、以下の工程での熟成や結晶化に
要する時間が公知の方法と比較してより短縮でき
る利点がある。 次に、第3工程として、生成したスラリー液の
熟成が実施される。本工程は、生成粒子のより均
質化を目的として実施されたものであり、反応槽
内のスラリー液を撹拌しながら液温を第2工程と
同様に45℃以下に保つて行われる。本工程中に於
ける水溶液相のアルカリ度の変動は僅少であり、
第1工程で調製したc液のアルカリ度とほぼ同じ
に保たれる。熟成のための所要時間は、前述した
如く、公知の方法と比較してより短時間ですみ、
数時間(1〜2時間)で充分である。公知のゼオ
ライト合成法、例えば、USP3130007によれば、
原料素材を混合後、熟成なしに結晶化を100℃で
72時間行つた際に生成するY型ゼオライト
〔SiO2/Al2O3<5(モル比)〕の収率は60%であ
り、残部は無定形物質が生成することが報告され
ている。一方、室温で24時間熟成を実施してから
100℃で50時間を要して結晶化させた際には、生
成するY型ゼオライト〔SiO2/Al2O3=5.0(モル
比)〕の収率は92%であり、残部は夾雑物である
と報告されている。 スラリー混合液の熟成工程を終了した後、第4
工程として、スラリー液を撹拌しながら昇温して
所定温度に到達せしめて結晶化が実施される。ス
ラリー液の昇温に際しては、反応槽内の温度分布
が不均一になり、粒子径の分布がより広範になる
ことを防止するため、また粒子の不均質化を防止
するためにも急激な温度上昇はさけた方がよい。
この場合の昇温速度としては、70℃/hr以下が望
ましく、13〜70℃/hrはもつとも好ましい範囲で
ある。 Y型ゼオライト製造のための結晶化は、一般に
アルカリ濃度、温度、時間等により支配される
が、本発明の結晶化工程に於ては、反応槽の温度
を少なくとも70℃以上に保持し、且つ水溶液相の
アルカリ度をc液のそれとほぼ同じに保つ必要が
ある。70℃よりも低い温度域では、温度の低下と
ともに結晶化工程の所要時間が増大して得策でな
い。一方、液温が110℃以上になると、常圧下で
は液の沸騰現象が起るため、加圧下で実施する必
要がある。結晶化温度域としては、好ましくは70
〜106℃である。本発明にもとづいて結晶化を90
〜100℃の温度域で実施する場合、その所要時間
は少なくとも4時間を必要とする。 かかる結晶化工程を経た後、スラリー液は冷却
され、次いで結晶化したアルミノ珪酸ナトリウム
相(Y型ゼオライト相)と母液相とに、過法或
いは遠心分離法などによつて分別される。分離さ
れたY型ゼオライト相は遊離アルカリを除去する
ために温水洗され、次いで乾燥することによつ
て、目的とするY型ゼオライトが得られる。 かくして得られたY型ゼオライトは、平均一次
粒子径が1μm以下の極微細粒子であつて、比表
面積の大きな多孔質体であり、吸着剤として或い
は高分子材料用充填剤等として極めて有用なもの
である。 以下、実施例に基づき、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明がこれに限定されるものでは
ない。 実施例 1 本発明の出発原料であるa液、b液及びc液を
下記の如くに調製した。 a液 水酸化アルミニウム〔Al(OH)3・xH2O;x
3〕2.9Kgおよび49%水酸化ナトリウム水溶液7.5
Kgを採取して、これに水を加えて加熱溶解した。
本液の全液量は最終的に7.5に保たれた。調製
されたa液のアルカリ度は11.41Nであつた。 b液 コロイド珪酸(商品名:スノーテツクス−30)
27.5Kgに水を加えて全液量を23.5に保つた。調
製されたb液のアルカリ度は0.05Nであつた。 c液 49%水酸化ナトリウム水溶液3.1Kgに水を加え
てアルカリ液が調製された。c液の全液量は15
に保持された。本液のアルカリ度は2.29Nであつ
た。 上記のc液を反応槽に入れて150rpmの撹拌下
に保ちながら、これに対してa液及びb液を、個
別的に独立した注入口から、それぞれ連続的に定
速度で注入して同一時間内(1時間)に両液の注
入を終了し、Na2O−Al2O3−SiO2−H2Oよりな
るスラリー液を生成させた。これら3液及び反応
槽の液温は30〜31℃に保たれた。この場合、添加
された原料のモル比はNa2O/Al2O3=3.8、
SiO2/Al2O3=7.8およびH2O/Al2O3=131であ
つた。引続き、得られたスラリー液は30〜31℃の
温度で、150rpmの撹拌下に2時間保つて熟成が
行われた。熟成終了後、スラリー液は150rpmの
撹拌下に、18℃/hrの昇温速度で昇温され、最終
的に100±2℃の温度下でゼオライトの結晶化が
24時間に亘つて実施された。これら各工程の途中
で、水溶液相ならびに固相のサンプルを採取しこ
れらの試験が行われた。結晶化終了後、反応槽は
60℃以下に冷却された。次に、遠心分離法により
ゼオライト相およひ母液の2相分離が行われた。
得られたゼオライト固相は50〜60℃の温水にて洗
浄されてこの中の遊離アルカリが除去された。こ
の場合のゼオライト相の水洗は液のPHが10付近
になるまで実施された。水洗を終了したゼオライ
トは100℃付近で乾燥後粉砕して最終製品とての
Y型ゼオライトを得た。得られたY型ゼオライト
の特性値を第1表に示した。
【表】
【表】
【表】
【表】 本製造工程中に於ける水溶液相のアルカリ度を
第2表に示した。第2表より明らかな如く、本発
明の各工程のアルカリ度は何れも2.24〜2.31Nの
範囲内にあり、アルカリ度の変動は僅少である。
原料液の混合、熟成および結晶化の全工程を通じ
て水溶液相の何れのアルカリ度も最初に調製した
原料液のc液のそれとほぼ同じ値に保持されてい
る。かかる金工程を通じてアルカリ変動を最小限
に抑えることにより、均質で高純度のY型ゼオラ
イトの製造が可能となる。また、結晶化工程に於
ける固相の組成変動も僅少である(第3表参照)。
本発明の結晶化工程の所要時間は、100℃付近の
温度下では、少なくとも4時間以上を必要とする
が5時間あればほぼ結晶化は完了する。即ち、本
発明例に於ては結晶化工程の水溶液相ならびに固
相の試験をするために24時間に亘る結晶化を実施
しているが、実際のY型ゼオライトの製造に際し
ては、かかる長時間かけて結晶化をする必要はな
く、100℃付近の温度下では結晶化所要時間は4
〜5時間で充分である。 実施例 2 本実施例は実施例1と比較して原料物質の添加
比率をかえて、以下の如き原料液を使用した。 a液 水酸化アルミニウム〔Al(OH)3・xH2O;x
3〕2.65Kgおよび49%水酸化ナトリウム水溶液、
8.75Kgを採取して、これに水を加えて加熱溶解し
た。本液の全液量は最終的に11に保持された。
調製されたa液のアルカリ度は10.62Nであつた。 b液 コロイド珪酸(商品名:スノーテツクス−30)
23.8Kgに水を加えて全液量を30に保つた。調製
されたb液のアルカリ度は0.04Nであつた。 c液 49%水酸化ナトリウム水溶液2.35Kgに水を加え
てアルカリ液が調製された。c液の全液量は12
に保持された。本液のアルカリ度は2.14Nであつ
た。 上記のc液を反応槽に入れ、これを200rpmの
撹拌下に保ちながら、これに対してa液及びb液
を個別的に独立した注入口から、それぞれ定速度
で注入して同一時間内(80min)に両液の注入を
終了し、Na2O−Al2O3−SiO2−H2Oよりなるス
ラリー液を生成させた。これら3液及び反応槽の
液温は30〜31℃に保たれた。本例で添加された原
料のモル比はNa2O/Al2O3=4.2、SiO2/Al2O3
=7.3およびH2O/Al2O3=166であつた。引続き、
得られたスラリー液は30〜31℃の温度で、
200rpmの撹拌下に1時間20分保持されて熟成が
行われた。熟成終了後、スラリー液は、200rpm
の撹拌下に、43℃/hrの昇温速度で昇温され、最
終的に100±2℃の温度下でゼオライトの結晶化
が24時間に亘つて実施された。これら各工程の途
中で、水溶液相ならびに固相のサンプルが採取さ
れ、これらの試験が実施された。結晶化終了後、
反応槽は60℃以下に冷却された。次に、遠心分離
法によりゼオライト相およひ母液の2相分離が行
われた。得られたゼオライト固相は50〜60℃の温
水にて洗浄されて、この中の遊離アルカリが除去
された。この場合のゼオライト相の水洗は液の
PHが10付近になるまで実施された。水洗終了済み
のゼオライトは100℃付近で乾燥後、粉砕して最
終製品とてのY型ゼオライトを得た。得られたY
型ゼオライトの特性値を第4表に示した。
【表】
【表】
【表】 本実施例による各工程中に於ける水溶液相のア
ルカリ度を第5表に示した。第5表より明らかな
如く、本発明の各工程に於けるアルカリ度の変動
は僅少である。即ち、原料液の混合、熟成および
結晶化の全工程を通じて、水溶液相の何れのアル
カリ度も、最初に調製した原料液のc液のそれと
ほぼ同じ値を示している。かかる手段をとること
によつて、均質で高純度の微細結晶粒子よりなる
Y型ゼオライトの製造が可能となる。本実施例の
結晶化工程に於ける固相の組成変動も僅少である
(第6表参照)。実施例1と同様に、100℃付近で
結晶化を行う場合には、その所要時間は5時間も
あれば充分である。即ち、本実施例に於いても、
実施例1と同様に結晶化工程の水溶液相と固相の
試験をするために24時間に亘る結晶化を実施して
いるが、結晶化工程5時間経過後には既に結晶化
は実質的には終了しており、生成したY型ゼオラ
イト粒子中へ無定形物質の混入は殆ど認められな
い。 既述した如き本発明独特の原料物質添加法を実
施することにより、生成する無定形のアルミノ珪
酸ナトリウムからなるスラリー粒子の平均一次粒
子径は極めて小さく、1μm以下であり、例えば、
実施例1および2では記述のように何れも0.2μm
以下である。これは非常に活性であり、Y型ゼオ
ライトへ結晶化しやすい特性を有している。本発
明により得られるY型ゼオライトの微細粒子(細
孔径:約8A)の比表面積は大きく、前述した如
く、890m2/g以上に達しており、これは極めて
多孔質であることを意味しているこれの平均一次
粒子径(Dav)は1μm以下である。なお、光透過
法で算出した実施例1および2のY型ゼオライト
微粉末の平均粒子径(一次および二次粒子を含
む)は、それぞれ1.4μmおよび1.3μmであつた。
かかる微細粒子は高分子材料への充填剤(ゼオラ
イトフイラー)や各種成型体調製時の素材として
も好適である。なお、本発明により得られるY型
ゼオライトは高品質であることを述べたが、一例
として、水に対する吸着性能の比較を第1図に示
した。本図はY型ゼオライトの25℃に於ける水の
吸着等温線を示したものである。曲線1は実施例
2で得られたY型ゼオライト(結晶化時間:
24hrs)の活性化粉末に関するものであり、一方、
曲線2は市販のY型ゼオライト(商品名:SK−
40)の活性化粉末に関するものである。両曲線の
比較より本発明により得られるY型ゼオライトの
水に対する吸着性能は市販品より優れていること
は明らかである。なお、実施例2の結晶化工程の
途中でサンプリングした固相(結晶化開始後、
5,10,15および20hrs)についても25℃に於け
る水の吸着等温線を求めたが、何れの固相の吸着
等温線も曲線1にほぼ一致することが確認され
た。これより見ても本発明方法の結晶化工程は、
公知の方法に比較してより短時間で終了すること
は明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図はY型ゼオライトの25℃に於ける水の吸
着等温線を示したもので、縦線の吸着量は、使用
したY型ゼオライトの重量(g)当たりの水吸着
量(mg)を示している。1は本発明で得られたY
型ゼオライトに関するものであり、2は市販のY
型ゼオライト(商品名:SK−40)に関するもの
である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (A) アルミン酸ナトリウムと水酸化ナトリウ
    ムとが溶解してなる水溶液(以下a液と記す。)
    と、超微粒子状の二酸化珪素が水酸化ナトリウ
    ム水溶液中に懸濁してなるコロイド珪酸(以下
    b液と記す。)と、水酸化ナトリウム水溶液
    (以下c液と記す。)との3液を調製するに際
    し、 各液のアルカリ度は、c液については1.4〜
    3.5Nに調製し、a液とb液については、下記
    の第2工程から第4工程に至る全工程中に於い
    て、各工程中の水溶液相のアルカリ度の変動が
    c液のアルカリ度に対して±0.3Nの範囲に入
    るように調製すると共に、 a液とb液の組成比は、Al2O3に対する全
    Na2OとSiO2とH2Oの各モル比が、それぞれ Na2O/Al2O3=2〜5.7 SiO2/Al2O3=6〜10 H2O/Al2O3=70〜210 を満足するように、a液とb液を調製する第1
    工程と、 (B) それぞれの該調製液を45℃以下の液温にて、
    撹拌下にあるc液に対して、注入開始から終了
    まで一貫して同時に、a液とb液とをそれぞれ
    独立の注入口から注入し、無定形のアルミノ珪
    酸ナトリウムゾルからなるスラリー液を生成さ
    せる第2工程と、 (C) 引続き45℃以下の液温を保持したままで、該
    スラリー液を撹拌しながら熟成させる第3工程
    と、 (D) 次いで、熟成させた該スラリー液を、撹拌し
    ながら、少なくとも70℃以上の温度まで昇温
    し、引続き該温度で加熱することにより、生成
    したアルミノ珪酸ナトリウムを結晶化させる第
    4工程と、 (E) 最後に、結晶化させた該アルミノ珪酸ナトリ
    ウムを分別し、水洗し、乾燥させる第5工程と
    からなることを特徴とするY型ゼオライトの製
    造方法。 2 第2工程に於いて、a液をc液に注入する
    際、注入開始から終了まで、連続的に定速度で注
    入する特許請求の範囲第1項記載のY型ゼオライ
    トの製造方法。 3 第2工程に於いて、b液をc液に注入する
    際、注入開始から終了まで、連続的に定速度で注
    入する特許請求の範囲第1項記載のY型ゼオライ
    トの製造方法。 4 第2工程及び第3工程に於ける各液温が5〜
    35℃である特許請求の範囲第1項記載のY型ゼオ
    ライトの製造方法。 5 第4工程に於いて、スラリー液の昇温を13〜
    70℃/hrの昇温速度で行う特許請求の範囲第1項
    記載のY型ゼオライトの製造方法。 6 第4工程に於いて、スラリー液の昇温を75〜
    109℃の温度まで行う特許請求の範囲第1項記載
    のY型ゼオライトの製造方法。
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