JPH0348005B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は多孔体よりなるセラミツクス成形型を
洗浄して再生使用するための洗浄装置およびその
洗浄方法に関するものである。

（従来の技術） 従来、セラミツクス成形型の大部分は石膏によ
り形成されているが、その石膏型の表面は緻密で
あるため表面に異物が詰まり成形体に悪影響を与
えるようなことはあまりなかつた。そのため、セ
ラミツクス成形型の洗浄は特に実施する必要がな
く、離型後セラミツクス成形型の表面を布等で拭
き取る等の方法により作業員が人手で行なつてい
た。

（発明が解決しようとする問題点） 最近になつて石膏型より長寿命の合成樹脂等よ
りなる多孔体のセラミツクス成形型が使用され始
めているが、この場合は離型後セラミツクス成形
型の表面および細孔中にセラミツクス粒子等の異
物が詰まり、次の成形体の成形に支障を生ずるこ
とがあつた。そのため、離型後一定の間隔でセラ
ミツクス成形型の洗浄を行ない異物等を成形型の
表面が細孔中から除去してセラミツクス成形型を
再生する必要があつたが、未だ有効な洗浄装置お
よび方法は開発されていないのが現状であつた。

本発明の目的は上述した不具合を解消して、合
成樹脂等より成る多孔体のセラミツクス成形型を
洗浄して有効に再生使用することができるセラミ
ツクス成形型の洗浄装置およびその洗浄方法を提
供しようとするものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明のセラミツクス成形型の洗浄装置は、多
孔体よりなる成形型を金属製受台中に気密でかつ
成形型と受台との間に間隙を設けて収納した構造
のセラミツクス成形型を複数載置して搬送するタ
ーンテーブルと、前記成形型表面に洗浄媒体を供
給してこの洗浄媒体に超音波振動を加えることに
より、多孔体よりなる成形型の表面及び細孔中に
堆積したセラミツクス粒子を除去する超音波洗浄
装置と、前記成形型の間隙に圧縮空気を供給して
エアレーシヨンを行ないながら超音波洗浄後の洗
浄媒体を外部へ排出する洗浄媒体排出装置とを備
えることを特徴とするものである。

また、本発明のセラミツクス成形型の洗浄方法
は、多孔体よりなる成形型を金属製受台中に気密
でかつ成形型と受台との間に間隙を設けて収納し
た構造のセラミツクス成形型の表面に洗浄媒体を
供給し、該洗浄媒体に超音波振動を加えることに
より前記成形型の表面及び細孔中に堆積したセラ
ミツクス粒子を除去すると共に、洗浄後の洗浄媒
体を前記成形型の間隙に圧縮空気を供給してエア
レーシヨンを行ないながら排出することを特徴と
するものである。

（作用） 上述した構成の本発明の洗浄装置および方法に
おいては、多孔体よりなる成形型中に洗浄媒体を
供給してその洗浄媒体に超音波振動を加えて成形
型の表面および細孔中に堆積したセラミツクス粒
子を除去すると共に、洗浄後の洗浄媒体を成形型
と受台との間隙に圧縮空気を供給してエアレーシ
ヨンを行ないながら好ましくは吸引排出している
ため、セラミツクス成形型を有効に再生使用する
ことができる。

（実施例） 第１図は本発明のセラミツクス成形型の洗浄装
置の一実施例を示す平面図である。本実施例で
は、ターンテーブル１上に10個の支持台２を等間
隔で載置して支持台２上のセラミツクス成形型３
を間欠的に搬送する構造をとつている。セラミツ
クス成形型３は、第２図に示すように好ましくは
合成樹脂等よりなる多孔体の成形型３ａを金属製
受台３ｂ中に気密でかつ成形型３ａと受台３ｂと
の間に間隙３ｃを設けて収納した構造をとつてい
る。なお、この多孔体よりなる成形型３ａは、好
ましくは合成樹脂よりなる10μm以下の微細な細
孔を有する成形表面層と機械的強度を保持する50
〜200μmの孔径を有する下層との２重構造より成
るものであることがよい。洗浄すべきセラミツク
ス成形型３は外部より搬送装置４を駆動すること
によりターンテーブル１上の支持台２上へ搬入さ
れる。支持台２上に載置されたセラミツクス成形
型３はターンテーブル１の回転により超音波洗浄
装置５へ搬送される。ここで、成形型表面に水ま
たは温水等の洗浄媒体を供給してその洗浄媒体に
超音波振動を加えることにより、多孔体よりなる
成形型３の表面および細孔中に堆積したセラミツ
クス粒子を除去している。次に、セラミツクス成
形型３はターンテーブル１の回転により洗浄媒体
排出装置６の位置へ搬送され、ここで洗浄後の洗
浄媒体をセラミツクス成形型３の間隙３ｃに圧縮
空気を供給してエアレーシヨンを行ないながら好
ましくは減圧吸入して排出回収する。本実施例で
はターンテーブル１上にさらに離型剤供給装置７
と離型剤回収装置８とを備えている。離型剤供給
装置７においては、成形型３の表面に離型剤を供
給して多孔体中に離型剤を含浸させている。ま
た、離型剤回収装置８においては、セラミツクス
成形型３の間隙３ｃに圧縮空気を供給してエアレ
ーシヨンを行なつて余分な離型剤を回収してい
る。ターンテーブル１上に載置された状態で離型
剤を適当量含浸させたセラミツクス成形型はター
ンテーブル１の回転により最後に搬送装置４へ搬
送され、さらに外部へ搬出される構造となつてい
る。

第２図は上述した超音波洗浄装置５の一実施例
を示す線図である。本実施例では、支持台２上の
セラミツクス成形型３に対して昇降機１７により
上方より超音波洗浄装置５の槽１１をＯリング１
２，１３を介して液密に載置した後、洗浄媒体供
給パイプ１４から温水あるいは水等の洗浄媒体１
５を供給する。洗浄媒体１５の量は超音波発振機
１６の半分程度が洗浄媒体１５中に浸漬する程度
の量とする。この状態で超音波発振機１６により
洗浄媒体１５に超音波振動を加えてセラミツクス
成形型３の洗浄を行う。使用する超音波発振機１
６としてはどのような仕様、形状のものでも使用
できるが、成形型の表面全体に対してできるだけ
均一に超音波が到達するよう構成する必要があ
る。洗浄後は、洗浄媒体供給パイプ１４を介して
槽１１中の洗浄媒体１５を減圧により吸引排出し
て槽１１を上方へ退避させても洗浄媒体１５が漏
れない状態とした後、昇降機１７を駆動すること
により槽１１を上方へ退避して超音波洗浄を終了
する。なお、洗浄媒体１５としては水又は温水以
外でもよい。

第３図は上述した洗浄媒体排出装置６の一実施
例を示す線図である。本実施例では、洗浄媒体を
排出するための排出パイプ２１とエアブロー用の
パイプ２２が昇降機２３によりセラミツクス成形
型内に出入りできるよう構成されている。洗浄後
成形型３中に洗浄媒体１５を残した状態で搬送さ
れてくるセラミツクス成形型３が洗浄媒体排出装
置６の位置へ到達すると、内部に残つた洗浄媒体
１５を排出するための排出パイプ２１が下降して
吸引排出を開始すると同時に、セラミツクス成形
型３の間隙３ｃに圧縮空気を供給してエアレーシ
ヨンを行ない、余分な洗浄媒体１５を吸引して排
出する。その後、同時にエアレーシヨンを行ない
ながらパイプ２２より空気を吹き出して成形型３
の表面を乾燥させる。エアブロー終了後昇降機２
３により排出パイプ２１とエアブロー用パイプ２
２を上昇させて次のステツプへ移る。

上述したセラミツクス成形型の洗浄装置におけ
る離型剤供給装置７と離型剤回収装置８とは、必
ずしも常時必要とするものではなく例えば成形機
等と連動した通常運転時には使用しなくてもよい
が、通常運転以外すなわち始業前、終業時、昼休
み等に使用して成品離型性の維持、型寿命増大を
図ることがよい。

（発明の効果） 以上詳細に説明したところから明らかなよう
に、本発明のセラミツクス成形型の洗浄装置及び
その洗浄方法によれば、多孔体よりなる成形型中
に洗浄媒体を供給してその洗浄媒体に超音波振動
を加えて成形型の表面及び細孔中に堆積したセラ
ミツクス粒子を除去すると共に、洗浄後の洗浄媒
体を成形型の間隙に圧縮空気を供給してエアレー
シヨンを行ないながら排出し好ましくは回収して
いるため、セラミツクス成形型を有効に再生し長
期間安定して成形型を使用することができる。さ
らに、本発明の洗浄装置はすべての工程を自動化
することが可能であるため、連続成形装置と組み
合わせることにより成形型の回転を円滑にし好適
に使用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のセラミツクス成形型の洗浄装
置の一実施例を示す平面図、第２図は本発明の超
音波洗浄装置の一実施例を示す線図、第３図は本
発明の洗浄媒体供給装置の一実施例を示す線図で
ある。 １……ターンテーブル、２……支持台、３……
セラミツクス成形型、３ａ……多孔体よりなる成
形型、３ｂ……金属製受台、３ｃ……間隙、４…
…搬送装置、５……超音波洗浄装置、６……洗浄
媒体排出装置、７……離型剤供給装置、８……離
型剤回収装置、１１……槽、１２，１３……Ｏリ
ング、１４……洗浄媒体供給パイプ、１５……洗
浄媒体、１６……超音波発振機、１７……昇降
機、２１……排出パイプ、２２……エアブロー用
パイプ、２３……昇降機。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 多孔体よりなる成形型を金属製受台中に気密
   でかつ成形型と受台との間に間隙を設けて収納し
   た構造のセラミツクス成形型を複数載置して搬送
   するターンテーブルと、前記成形型表面に洗浄媒
   体を供給してこの洗浄媒体に超音波振動を加える
   ことにより、多孔体よりなる成形型の表面及び細
   孔中に堆積したセラミツクス粒子を除去する超音
   波洗浄装置と、前記成形型の間隙に圧縮空気を供
   給してエアレーシヨンを行ないながら超音波洗浄
   後の洗浄媒体を外部へ排出する洗浄媒体排出装置
   とを備えることを特徴とするセラミツクス成形型
   の洗浄装置。 ２ 洗浄後の前記成形型表面に離型剤を供給して
   多孔体中に離型剤を含有させる離型剤供給装置
   と、前記成形型の間隙に圧縮空気を供給してエア
   レーシヨンを行なつて余分な離型剤を回収する離
   型剤回収装置と、前記ターンテーブル上へ洗浄す
   べきセラミツクス成形型を外部から搬入すると共
   に洗浄後のセラミツクス成形型を外部へ搬出する
   搬送装置をさらに備える特許請求の範囲第１項記
   載のセラミツクス成形型の洗浄装置。 ３ 多孔体よりなる成形型を金属製受台中に気密
   でかつ成形型と受台との間に間隙を設けて収納し
   た構造のセラミツクス成形型の表面に洗浄媒体を
   供給し、該洗浄媒体に超音波振動を加えることに
   より前記成形型の表面及び細孔中に堆積したセラ
   ミツクス粒子を除去すると共に、洗浄後の洗浄媒
   体を前記成形型の間隙に圧縮空気を供給してエア
   レーシヨンを行ないながら排出することを特徴と
   するセラミツクス成形型の洗浄方法。 ４ 前記洗浄媒体が水又は温水である特許請求の
   範囲第３項記載のセラミツクス成形型の洗浄方
   法。 ５ 前記多孔体よりなる成形型が、10μm以下の
   微細な細孔を有する成形表面層と機械的強度を保
   持する50〜200μmの孔径を有する下層との２重構
   造よりなるものである特許請求の範囲第３項記載
   のセラミツクス成形型の洗浄方法。