JPH0347901B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は石炭等を粉砕しかつ分級する装置に
係り、特に装置の負荷に対応して分級用空気の供
給量、駆動装置の作動等を常時適性に調節し得る
粉砕分級装置に関する。

最近の燃料事情の変化に伴い石炭の燃料的価値
が見直され、火力発電所用大型ボイラを始めとす
る事業所用大型ボイラにおいても重油との混焼、
もしくは石炭専焼のボイラが相当数使用されてい
る。この場合石炭の燃焼の効率化、制御性の向上
等の観点から石炭を所定の粒径に粉砕した後、こ
れをバーナ部に気流輸送する方法が多く採用され
ている。ここで、石炭は先ず揮発分が燃焼し、そ
の後石炭中の固定酸素が燃焼するという過程を経
るため、石炭粒子が小径化するほど粒子当りの燃
焼時間が減少し、石炭全体としては燃焼の制御が
容易となる。さらに粒子の小径化は当然のことな
がら石炭の表面積を増加させ燃焼性が高まる。つ
まり燃焼の制御、燃焼の効率化のいずれの点から
も粉砕した石炭は微粉炭（例えば200メツシユ通
過率が70％程度）の含有率を可能な限り高め、こ
れよりも粒径が大である粗粒炭の含有率を減少さ
せることが必要である。このため、石炭を粉砕す
る装置自体に分級機能を持たせ、分級した粗粒炭
は再粉砕して微粉炭とする装置が提供されてい
る。

第１図はこの分級機能を有する粉砕装置の一つ
であるボールミルを示す。図中符号１は原料炭を
装置内に供給する供給管、矢印２は上部固定輪１
２、下部転輪１１、ボール１０から成る粉砕部、
５は分級器、６は粉砕炭出口管、７は下部転輪駆
動用の駆動装置、１３は上部固定輪１２に押圧力
を加えて粉砕効率を高める加圧装置、１４はミル
ハウジングである。この装置において、供給管１
を下降した石炭は粉砕部２において下部転輪１１
の回転により転動する粉砕用ボール１０により粉
砕される。粉砕された石炭はスリツト１５および
スロート１６から供給される空気Ａによりミルケ
ーシング１４を上昇しガイドベーン１７に至る。
このガイドベーン１７に至る前に粗粒炭は自重に
より粉砕部２に落下して一次分級され再粉砕さ
れ、一方分級器５において分級された微粉炭は微
粉炭管６を経て所定のボイラに供給される。

発明者等は先にこの一次分級の効率を高めるた
め、スリツト１５およびスロート１６から噴射す
る空気量を各々独立に制御し得る装置を提供し
た。

この発明の目的は上述した装置の改良に係るも
のであり、装置の負荷に応じてスリツト、スロー
トの各々から供給される空気の供給量、駆動装置
の駆動速度等を各々制御し得るよう構成した粉砕
分級装置を提供することにある。

要するにこの発明は、粉砕装置本体の周壁に接
続するスリツト板のスリツトと、該スリツト板の
内周端と装置の下部転輪外周端との間の環状スロ
ートから供給する気体により粉砕物を分級器に気
流輸送しかつこの間に一次分級する粉砕装置にお
いて、スリツト通過気体の供給量とスロート通過
気体の供給量とを各々独立に制御しうるように構
成し、これら気体の供給量の制御をする記憶と指
令信号を発し、かつ装置の負荷信号が入力される
制御箱を設けたことを特徴とする負荷対応型粉砕
分級装置である。

以下この発明の実施例を第２図を用いて説明す
る。

図において、符号２０はスリツト１５を形成し
たスリツト板であり、ミルハウジング１４の内周
壁面に対して環状に形成してある。２１はスリツ
ト板２０に対して取り付けた底板であり、この底
板２１とスリツト板２０により空気室２３を形成
し、スリツト１５とスロート１６から噴射する空
気の供給量を各々独立して制御し得るよう構成し
てある。２４はスリツト用空気供給通路、２５は
スロート用空気供給通路、２６，２７は各通路に
各々設けたダンパである。２８は送風機２９から
供給される空気Ａを通過させる空気主通路、３０
はダンパ、３１はダンパ３０設置部下流側で同本
管に接続する加熱空気供給通路、３２は導通路に
設けたダンパである。

３３は記憶と指令信号を発する制御箱であり、
前記バンパ２６，２７，３０，３２及び駆動装置
７に対して指令信号回路で接続している。

以上の装置において制御箱３３に対しては粉砕
分級装置の負荷を示す負荷信号Ｌが常時入力され
る。この負荷信号Ｌに応じて、制御箱３３は各ダ
ンパ及び駆動装置７を制御して装置の運転状態を
常時適正に保持する。具体的には負荷が上昇した
場合にはダンパ３０，３２の開度を大として空気
供給量を多くすると共に、駆動装置７の速度を大
とする。この場合、ダンパ２７に対してダンパ２
６の開度をより大きくし、スロート１６から噴出
する空気量に比較してスリツト１５から噴出する
空気量を相対的に増加させる。これは粗粒炭の一
次分級は主としてスリツト１５から噴出する空気
により行なわれ、スロート１６から噴射する空気
は粉砕した石炭の分級器５に対する気流輸送用と
して使用されるため、供給比率を変えないで空気
供給量を増加させると上昇気流が強くなり過ぎ、
一次分級されるべき粗粒炭が大量に分級器に流入
してしまうからである。

また供給した石炭の水分含有量が多い場合には
ダンパ３２の開度を大として空気Ａの温度を高く
する。

反対に装置の負荷が低下した場合にはダンパ３
０，３１の開度を小にすると共にダンパ２７に対
してダンパ２６の介度を小とし、スロート１６か
らの供給量を相対的に増加させる。つまり空気供
給量自体が減少すると気流の上昇力も減少し粗粒
炭は自ずと落下して一次分級される反面、気流の
石炭輸送能力が低下するので、これを補うためス
ロート１６からの空気供給量を増加させる。

この発明を実施することにより装置の負荷に対
応して空気供給量、駆動装置の駆動速度等を常時
適正に保持できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はボールミルの断面図、第２図はこの発
明に係る粉砕分級装置の系統図である。 ５……分級器、１５……スリツト、１６……ス
ロート、２４……スリツト用空気供給通路、２５
……スロート用空気供給通路、２６，２７，３
０，３２……ダンパ、２８……空気主通路、３１
……加熱空気通路、３３……制御箱。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 粉砕装置本体の周壁に接続するスリツト板の
   スリツトと、該スリツト板の内周端と装置の下部
   転輪外周端との間の環状スロートから供給する気
   体により粉砕物を分級器に気流輸送しかつこの間
   に一次分級する粉砕装置において、スリツト通過
   気体の供給量とスロート通気気体の供給量とを
   各々独立に制御しうるように構成し、これら気体
   の供給量の制御をする記憶と指令信号を発し、か
   つ装置の負荷信号が入力される制御箱を設けたこ
   とを特徴とする負荷対応型粉砕分級装置。 ２ スリツト用空気供給通路、スロート用空気供
   給通路に各々設けたダンパと制御箱とを指令信号
   回路で接続したことを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の負荷対応型粉砕分級装置。 ３ スリツト用空気供給通路及びスロート用空気
   供給通路の上流に位置する空気主通路およびこの
   空気主通路に接続する加熱空気供給通路に各々設
   けたダンパと、制御箱と、を各々指令信号回路で
   接続したことを特徴とする特許請求の範囲第２項
   記載の負荷対応型粉砕分級装置。