JPH0346223B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (1) 産業上の利用分野 本発明は鋳造、プラスチツクの成形等に用いら
れる成形装置、特に固定台と；該固定台上面に、
方形の四隅に位置するように立設されたガイドポ
ストと；各ガイドポストを各ガイド孔に摺合した
可動台と；該可動台を昇降する型開閉用作動機
と；前記可動台の下面に固定された上型および前
記固定台の上面に固定された下型よりなる成形型
と；前記上型および下型の一方に設けられた合せ
ピンと；前記両型の他方に設けられて型閉め時前
記合せピンと嵌合する合せ孔と；を備えたものの
改良に関する。

(2) 従来の技術 従来、前記成形装置は、成形後、型開閉用作動
機の作動力のみにより可動台を上昇させて型開き
を行うように構成されている。

(3) 発明が解決しようとする問題点 しかしながら前記のように構成すると、鋳造後
等に上型と下型との合せ面および上型と製品とが
密接しており、それらの密接状態を型開き時に密
接部分全体に亘つて均等に解除することができな
いので、型開き時およびその直後に可動台が傾き
を生じ、その結果可動台のガイド孔とガイドポス
トとの間にかじり等の不具合を発生するという問
題がある。

本発明は前記問題を解決し得る前記成形装置を
提供することを目的とする。

Ｂ 発明の構成 (1) 問題点を解決するための手段 本発明は、前記方形の各一対の対向隅角部に存
する両ガイドポストの軸線と交差する２本の対角
線上、または両対角線の近傍であつて、両対角線
の交点と各ガイドポストとの間にそれぞれ前記合
せピンを配設し、型開き開始と同時またはその直
後に前記可動台の上昇を助勢すべく、前記合せピ
ンの端面を押圧する補助作動機を、各合せピンに
対向する各合せ孔内に配設したことを特徴とす
る。

(2) 作用 前記のように型開き開始と同時またはその直後
に、前記対角線上またはその近傍に存する各補助
作動機により各ガイドポストの端面を押圧して可
動台の上昇を助勢すると、鋳造後等に上型と下型
との合せ面および上型と製品とが密接していて
も、それらの密接部分を密接状態全体に亘つて略
均等に解除して可動台を略水平に上昇させること
ができ、これにより可動台の各ガイド孔と各ガイ
ドポストとの間におけるかじり等の不具合の発生
を防止することができる。

(3) 実施例 第１、第２図において、成形装置としての、内
燃機関用シリンダブロツクを鋳造する鋳造装置は
固定台１を有し、その固定台１上面に、方形、図
示例は正方形Ｓの四隅に位置するように４本のガ
イドポスト２₁〜２₄が立設される。各ガイドポス
ト２₁〜２₄の上端部に取付台３が固定され、その
取付台３の上面に型開閉用作動機としての主油圧
シリンダ４のシリンダ本体５が立設される。固定
台１と取付台３との間において、可動台６が、そ
の各ガイド孔７に各ガイドポスト２₁〜２₄を摺合
させて配設され、可動台６の上面に主油圧シリン
ダ４のピストンロツド８が連結される。

可動台６の下面に上型９が、またその上型９と
対向して固定台１の上面に下型１０がそれぞれ固
定され、それら上、下型９，１０により成形型と
しての金型１１が構成される。

第２，３図に明示するように、各ガイドポスト
２₁〜２₄の近傍において、下型１０の上面に型合
せ用の合せピン１２が立設され、また上型９に型
閉め時各合せピン１２と嵌合する合せ孔１３が形
成される。各合せ孔１３の開口部およびその近傍
は耐摩耗性筒体１４により画成されている。

各合せピン１２は、前記正四角形Ｓの各一対の
対向隅角部に存する両ガイドポスト２₁，２₃；２
_２，２₄の軸線と交差する２本の対角線d₁，d₂上、
またはその近傍であつて、両対角線d₁，d₂の交点
ｏと各ガイドポスト２₁〜２₄との間にそれぞれ配
設される。

各合せピン１２に対向する各合せ孔１３内に、
補助作動機としての補助油圧シリンダ１５が配設
され、その補助油圧シリンダ１５のピストンロツ
ド１６は合せピン１２の上端面に対向する。この
補助油圧シリンダ１５は型開き開始と同時または
その直後に可動台６の上昇を助勢する機能を有す
る。

上型９と下型１０とに、それら凹、凸部１７，
１８を嵌合することにより、シリンダブロツク成
形用キヤビテイｃが画成され、また下型１０に一
対のランナ１９と、各ランナ１９およびキヤビテ
イｃ間を連通する複数のゲート２０とが設けられ
る。

上型９の心金２１に、シリンダボアを画成する
鋳鉄製スリーブ２２が装着され、またスリーブ２
２を囲繞するように水ジヤケツト用砂中子２３が
配設される。

型閉め時には、主油圧シリンダ４により可動台
６を下降させて各合せピン１２を各合せ孔１３に
摺合して型合せを行いつつ、上型９の凹部１７を
下型１０の凸部１８に嵌合して第３図に示すよう
に型閉めを行う。この型閉め状態では、各補助油
圧シリンダ１５のピストンロツド１６は各合せピ
ン１２の上端面より離間している。

そして図示しない油溜部よりプランジヤを用い
てアルミニウム合金等の溶湯を各ランナ１９およ
び各ゲート２０を通じてキヤビテイｃに加圧充填
してシリンダブロツクの鋳造を行う。

型開き時には、主油圧シリンダ４を作動して可
動台６を上昇させる型開き開始と同時、またはそ
の直後に各補助油圧シリンダ１５を作動してその
ピストンロツド１６により各合せピン１２の上端
面を押圧し、可動台６の上昇を助勢する。

この場合、各補助油圧シリンダ１５、各合せピ
ン１２は前記両対角線d₁，d₂上またはその近傍に
位置しているので、上型９と下型１０との合せ面
９ａ，１０ａおよび上型９とキヤビテイｃ内のシ
リンダブロツクとが密接していても、それらの密
接状態を密接部分全体に亘つて略均等に解除して
可動台６を略水平に上昇させることができ、これ
により可動台６の各ガイド孔７と各ガイドポスト
２₁〜２₄との間におけるかじり等の不具合の発生
を防止することができる。

上型９全体が下型１０およびシリンダブロツク
より僅かでも離間すれば、その後は可動台６の上
昇に対する抵抗は極めて小さいので可動台６は各
ガイドポスト２₁〜２₄に案内されて略水平状態で
スムーズに上昇する。

なお、合せピン１２を上型９に、また合せ孔１
３を下型１０にそれぞれ配設してもよい。

Ｃ 発明の効果 本発明によれば、前記のように各ガイドポスト
および各補助作動機を特定位置に配設することに
より、型開き時に可動台を略水平に上昇させるこ
とができ、これにより可動台の各ガイド孔と各ガ
イドポストとの間におけるかじり等の不具合の発
生を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は全体
の正面図、第２図は第１図―線断面図、第３
図は第２図―線断面図である。 d₁，d₂……対角線、ｏ……交点、Ｓ……方形と
しての正四角形、１……固定台、２₁〜２₄……ガ
イドポスト、４……型開閉用作動機としての主油
圧シリンダ、６……可動台、７……ガイド孔、９
……上型、１０……下型、１１……成形型として
の金型、１２……合せピン、１３……合せ孔、１
５……補助作動機としての補助油圧シリンダ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 固定台と；該固定台上面に、方形の四隅に位
   置するように立設されたガイドポストと；各ガイ
   ドポストを各ガイド孔に摺合した可動台と；該可
   動台を昇降する型開閉用作動機と；前記可動台の
   下面に固定された上型および前記固定台の上面に
   固定された下型よりなる成形型と；前記上型およ
   び下型の一方に設けられた合せピンと；前記両型
   の他方に設けられて型閉め時前記合せピンと嵌合
   する合せ孔と；を備えた成形装置において、前記
   方形の各一対の対向隅角部に存する両ガイドポス
   トの軸線と交差する２本の対角線上、または両対
   角線の近傍であつて、両対角線の交点と各ガイド
   ポストとの間にそれぞれ前記合せピンを配設し、
   型開き開始と同時またはその直後に前記可動台の
   上昇を助勢すべく、前記合せピンの端面を押圧す
   る補助作動機を、各合せピンに対向する各合せ孔
   内に配設したことを特徴とする成形装置。