JPH0346176Y2 - - Google Patents

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JPH0346176Y2
JPH0346176Y2 JP14654385U JP14654385U JPH0346176Y2 JP H0346176 Y2 JPH0346176 Y2 JP H0346176Y2 JP 14654385 U JP14654385 U JP 14654385U JP 14654385 U JP14654385 U JP 14654385U JP H0346176 Y2 JPH0346176 Y2 JP H0346176Y2
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【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、冷却冷媒の沸騰気化潜熱によりエン
ジン冷却を行うようにした沸騰冷却装置に関す
る。
〈従来の技術〉 この種の沸騰冷却装置は、冷却液(冷媒)の液
状での顕熱に較べて極めて大きな気化潜熱を利用
することにより、少量の冷却液で要求放熱量を確
保できるため、近年開発が進められている。
従来の沸騰冷却装置を備えたエンジンとして、
例えば、第4図に示すようなものがある(特開昭
60−36713号公報参照)。
エンジン本体1には、冷媒ジヤケツト2がシリ
ンダ及び燃焼室の外周部を包囲するようにシリン
ダブロツク3及びシリンダヘツド4にかけて形成
され、その内部には上部に適当な空間(気相空
間)2aが残る程度に液相冷媒が封入されてい
る。
冷媒ジヤケツト2内の液相冷媒は、エンジンの
熱を吸収して所定の温度に達すると沸騰し始め、
気化潜熱を奪いながら蒸発する。そして、この冷
媒蒸気は冷媒ジヤケツト2上部の気相空間2aに
面して接続された蒸気通路6を介して熱交換用の
コンデンサ7に導かれる。
コンデンサ7の前面又は背面側には、冷却風を
送る電動式の冷却フアン8が取り付けられ、その
風量に応じて冷媒蒸気は外部に放熱して冷却さ
れ、液化凝縮された後、ロワタンク9に貯留され
る。
冷媒ジヤケツト2には、液面センサ10が設置
され、液相冷媒5の蒸発に伴い液面が所定レベル
以下に下がると、制御回路11によりロワタンク
9から冷媒ジヤケツト2への冷媒戻り通路12に
介装した供給ポンプ13が駆動される。このポン
プ13により、ロワタンク9内の液相冷媒を冷媒
ジヤケツト2へと循環供給するようにして閉回路
の冷却系を構成する。
また、制御回路11は、冷媒温度を検出する温
度センサ14と、エンジン回転、アクセル開度、
燃料供給量等を検出する図示しない各センサから
の信号に基づいて、前記冷却フアン8を駆動制御
し、エンジンの冷却温度を運転条件に応じて最適
値に設定する。つまり、冷却系内は閉回路となつ
ているため、系内の圧力を変化させることによ
り、冷媒の沸点を上下させることができる。
例えば、エンジンの発熱量が比較的少ない低負
荷時には、冷却フアン8の風量を減らしてコンデ
ンサ7での放熱、凝縮をある程度抑制し、冷却系
内の圧力を大気圧以上に高めることにより冷媒の
沸点を高める。これにより冷媒ジヤケツト2内の
冷媒温度を高めに維持して(例えば110℃)冷却
損失の軽減を図る。
これに対して、エンジンの発熱量が多い高負荷
時には、冷却フアン8の風量を増やしてコンデン
サ7での放熱、凝縮を促進することにより、系内
の圧力を大気圧以下として冷媒の沸点を下げ、冷
媒ジヤケツト2内の冷媒温度を低めに保ち(例え
ば90℃)、良好な冷却状態を確保する。
冷媒の沸騰気化潜熱は極めて大きく、また冷媒
蒸気によるコンデンサ7での放熱作用は十分に高
いことから、少量の冷媒でエンジンを効率良く冷
却することができると共に、その冷却温度を運転
条件に応じて応答良く制御することが可能であ
り、したがつて優れた冷却機能が得られるのであ
る。
他方、このような装置では、エンジンを停止し
て冷却液の温度が常温近くまで下がつた場合、そ
れまで蒸発していた冷却液が液化して系内の圧力
がかなり低下し、強い負圧を生じかねない。
そのため、補助通路15,16及び電磁弁1
7,18を介して冷媒ジヤケツト2に接続する補
助タンク19が設けられ、エンジン停止時に補助
通路15を開き、低下した系内圧力と大気圧との
差圧を利用して補助タンク19に貯えた補填用の
液相冷媒を液面センサ20の検出レベルまで導入
させる。
また、系内圧力の低下により外部から冷媒ジヤ
ケツト2に空気が入り込んだ場合、これを排除す
るように、前記蒸気通路6の上部に空気通路21
と電磁弁22が設けられ、例えばエンジン始動初
期等に空気通路21、補助通路16を開くと共
に、供給ポンプ13を駆動し、補助タンク19か
ら冷媒を強制的に送り込んで余分の空気を排出し
つつ冷媒液面を所定のレベルに合わせる。この
際、空気は補助タンク19の上部空気層に導か
れ、フイルタ23を介して外部に排出される。
そして、この状態において、エンジンの始動に
より冷媒の温度が上昇し所定の温度に達すると、
冷媒は沸騰、蒸発を開始するが、このとき液面セ
ンサ10,24の検出レベルに応じて補助通路1
5を開き、冷媒を大気圧下で沸騰、蒸発させ、そ
の蒸発圧力によつて補填された分の冷媒を補助タ
ンク19へと押し戻す。蒸発圧力を大気圧に保ち
ながら、系内の冷媒を適正量に復帰並びに設定す
るのである。
したがつて、系内に空気が入り込むようなこと
は防止され、コンデンサ7での熱交換効率が常に
良好に維持される。
これにより、常に沸騰冷却の的確な冷却作用が
得られ、その高い冷却性能が維持されると共に、
前記冷却フアン8の風量に応じて冷媒の沸点圧力
を大気圧以下に任意に下げることができ、前述し
たようにエンジンの高負荷時等に冷却温度を100
℃以下(水を用いた場合)に設定することが可能
となつている。
尚、上記装置では、少量の冷媒でエンジンの冷
却を行えるから、冷媒ジヤケツト2は勿論、コン
デンサ7、供給ポンプ13等も小さくて済み、冷
却系の小型化、計量化が図れる。また、エンジン
の暖機時間を短縮することが可能となると共に、
コンデンサ7での放熱効率が良好なことから、冷
却フアン8の駆動動力を低減でき、騒音並びに燃
費の改善が図れるという利点がある。
〈考案が解決しようとする問題点〉 ところで、上記第4図に示したような直列型エ
ンジンの場合は、蒸気通路6は単純に冷媒ジヤケ
ツト2の最上部に位置して接続するだけでよい
が、いわゆるV型エンジンの場合はV型をなす一
対のシリンダバンクの冷媒ジヤケツトから夫々蒸
気を導く必要があり、しかも両シリンダバンク間
の上方には吸気マニホールド等が配設されるた
め、これらとの干渉を避けて蒸気通路を適切な位
置に接続するにはレイアウト上の制約を生じる。
本考案は、上記の実状に着目してなされたもの
で、吸気マニホールド等との干渉を回避しつつV
型エンジンの特徴を生かして、最も合理的に冷媒
蒸気の経路を配設したV型エンジンの沸騰冷却装
置を提供することを目的とする。
〈問題点を解決するための手段〉 このため、本考案は、V型エンジンのV型をな
すシリンダバンクの対向する内側壁の上部を互い
に接近する方向に突出させ、これら突出部の内部
に夫々各気筒の冷媒ジヤケツトの液面レベルより
上方の冷媒蒸気溜まり空間と連通する蒸気集合通
路を形成すると共に、各シリンダバンクのクラン
ク軸と直角な同一側の端壁に夫々前記各蒸気集合
通路に連通する一対の蒸気出口を形成し、かつ、
これら一対の蒸気出口に蒸気入口を連通接続させ
て蒸気マニホールドを配設し、該蒸気マニホール
ドに形成した蒸気出口と前記コンデンサの蒸気入
口とを蒸気通路を介して連通して接続した構成と
する。
〈作用〉 各シリンダバンクの各気筒の燃焼室上方の冷媒
ジヤケツト上部に溜まる冷媒蒸気は、蒸気集合通
路内に集合した後、同一端側に形成された蒸気出
口から蒸気マニホールド内に流入し、蒸気通路を
介してコンデンサへと導かれる。
かかる冷媒蒸気の経路において、V型エンジン
では各シリンダバンクがV型をなして傾斜して設
けられることにより、内側壁側は冷媒ジヤケツト
の上部に比較的広い蒸気溜まり空間を有している
ため、その側方に突出して吸気ポート等と干渉す
ることなく、しかも十分な高さを有して前記蒸気
溜まり空間に連通する蒸気集合通路を設けること
が可能であり、かつ、各蒸気集合通路の蒸気出口
を各シリンダバンクのクランク軸側と直角な端壁
に形成してこれに蒸気マニホールドを接続する構
成であるため、該蒸気マニホールドも吸気マニホ
ールド等と干渉することなく、適切な位置に設け
られる。
したがつて、極めてコンパクトにしてかつ、冷
媒液滴のコンデンサへの持ち出し等も十分に抑制
した機能をもつ冷媒蒸気の経路が得られる。
〈実施例〉 以下、本考案の実施例を図に基づいて説明す
る。
一実施例の構成を示す第1図及び第2図におい
て、31はV型エンジンで、2つの気筒グループ
が夫々クランク軸31aの両側にV型を為して設
けられた一対のシリンダバンク31A,31Bに
配列されている。
このエンジン31のシリンダ回りには、シリン
ダバンク31A,31B毎に夫々冷媒ジヤケツト
32a,32bが形成されている。
そして、第2図に示すように、各シリンダバン
ク31A,31BのV型をなして対向する内側壁
の上部に互いに接近する方向に突出させ、各突出
部の内部にそれぞれ各気筒の燃焼室上方の冷媒ジ
ヤケツト32a,32bの蒸気溜まり空間と連通
する蒸気集合通路33a,33bを形成する。
さらに、第1図に示すように、シリンダバンク
31A,31Bのクランク軸31aと直角な同一
側の端壁に夫々前記各蒸気集合通路33a,33
bに連通する蒸気出口34a,34bを形成し、
これら一対の蒸気出口34a,34bに蒸気入口
を連通接続させて蒸気マニホールド35を配設す
る。該蒸気マニホールド35の一端壁に形成され
た蒸気出口35aとコンデンサ36の蒸気入口と
を蒸気通路37によつて連通接続する。
また、蒸気マニホールド35は気液分離機能も
備えており、蒸気中から分離した液相冷媒を底壁
からドレン通路35bを介してシリンダブロツク
内の冷媒ジヤケツトに戻すようにしている。
また、各シリンダバンク31A,31Bに夫々
吸気用と排気用に独立して設けられる2つのカム
室の間に形成されるアツパデツキの、隣接する気
筒の点火栓の中間に位置する部分に液面センサ3
8A,38Bを設ける。これら液面センサ38
A,38Bは、シリンダ中心軸方向に向けられた
下端が夫々冷媒ジヤケツト32a,32b内の冷
媒液面が所定レベル以上の時と所定レベル未満の
時とを導電性変化等により区別して検出するよう
になつており、これらの検出信号は制御装置40
に入力される。
前記蒸気通路37には、冷媒循環系の最上部と
なる排出管取付部37aが上方に立ち上がつた形
で形成されており、その上端開口をキヤツプ41
が密閉している。
コンデンサ36は蒸気入口を有するアツパタン
ク36Aと上下方向の微細なチユーブを主体とし
たコア部36Bと、このコア部36Bで凝縮され
た液化冷媒を一時貯留するロワータンク36Cと
から構成されたもので、例えば車両前部等の車両
走行風を受け得る位置に設置され、更にその前面
或いは背面に強制冷却用の電動式冷却フアン42
を備えている。
また、前記ロワータンク36Cはその比較的下
部に冷媒循環通路43の一端が接続されていると
共に、これより上部に第1補助冷媒通路44の一
端が接続されている。
前記冷媒循環通路43は、その他端が電磁式の
分配弁45の入口ポート45aに接続され、中間
部に冷媒供給ポンプ46が介装されている。また
分配弁45の出口ポート45b,45cは夫々冷
媒循環通路47A,47Bを介して各シリンダバ
ンク31A,31Bの夫々の冷媒ジヤケツト32
a,32bの下部入口に接続されている。
以上の冷媒ジヤケツト32a,32b、コンデ
ンサ36、冷媒供給ポンプ46、冷媒ジヤケツト
32a,32bの経路によつて構成された冷媒循
環閉回路により通常運転時には、例えば水に若干
の添加物を加えた冷媒が沸騰・凝縮を繰り返しな
がら循環することになる。
この循環閉回路の系外に設けられて、予備液相
冷媒を貯留する外部容器としてのリザーバタンク
48は通気機能を有するキヤツプ49を介して大
気に開放されていると共に、前記冷媒ジヤケツト
32a,32bと略等しい高さ位置に設置され、
かつその底部に上記の第1補助冷媒通路44と、
第2補助冷媒通路50とが接続されている。そし
て第1補助冷媒通路44の通路中には、常開型の
電磁弁51が介装されている。また、前記第2補
助冷媒通路50は分配弁45の排出ポート45d
に連通され、分配弁45内部の電磁三方弁を介し
て冷媒循環通路47A,47Bに接続されてい
る。
分配弁45は、前記電磁三方弁の切換により、
入口ポート45aを出口ポート45b,45cと
排出ポート45dとに選択的に連通接続させるよ
うに切換制御される(以下、前者の切換位置にお
ける流路を流路A、後者の切換位置における流路
を流路Bという)。
前記冷媒供給ポンプ46としては、正逆両方向
に液相冷媒を圧送できるものが用いられており、
上記の流路Aの状態で冷媒供給ポンプ46を正方
向に駆動すれば、ロワータンク36Cからリザー
バタンク48へ液相冷媒を強制排出でき、また逆
方向に駆動すればリザーバタンク48からロワー
タンク36Cへ液相冷媒を強制導入できる。ま
た、流路Bの状態では冷媒供給ポンプ46を正方
向に駆動すれば、ロワータンク36Cから冷媒ジ
ヤケツト32a,32bへ液相冷媒を循環供給す
ることができる。
一方、上記した冷媒循環閉回路の最上部となる
排出管取付部37aには系内の空気を排出するた
めの空気排出通路52が接続されており、空気排
出時に該空気排出通路52から同時に溢れ出た液
相冷媒を回収するために、該空気排出通路52の
先端部をリザーバタンク48内に開口している。
この空気排出通路52には、常閉型の電磁弁53
が介装される。
前記分配弁45及び電磁弁51,53と冷媒供
給ポンプ46及び冷却フアン42は、いわゆるマ
イクロコンピユータシステムを用いた制御装置4
0によつて駆動制御されるもので、具体的には冷
媒ジヤケツト32a,32bに設けた第1液面セ
ンサ38A,38B、一方のシリンダバンク31
Aの冷媒ジヤケツト32aに設けた温度センサ5
4、ロワータンク36Cに設けた第2液面センサ
55及び循環回路最上部に設けた負圧スイツチ5
6の各検出信号に基づいて後述する制御が行われ
る。
ここで、第2液面センサ55も第1液面センサ
38A,38B同様、ロワータンク36C内の冷
媒液面が設定レベルに達しているか否かをオンオ
フ的に検出する。
また、温度センサ54は、例えばサーミスタか
らなり、冷媒ジヤケツト32a内の冷媒温度を検
出している。また負圧スイツチ56は、大気系と
系内圧力との差圧に応動するダイヤフラムを用い
たもので、高地、低地等に係わらず、使用環境下
における大気圧に対し、系内が負圧であるか否か
を検出する。
尚、その他の機関運転状態を検出するための各
種センサ、例えば機関回転センサ、機関吸入負圧
センサ等については図示していない。
第3図は、上記制御装置40において実行され
る沸騰冷却制御の内容を示すフローチヤートであ
つて、以下機関の始動から停止までの流れに沿つ
てこれを説明する。尚、図中冷媒ジヤケツト32
a,32b内液面を「C/H内液面」と略記して
ある。
即ち、機関の始動(イグニツシヨンキーオン)
により制御が開始すると、S1のイニシヤライズ
処理を行つた後に、まずその始動が初期始動であ
るか再始動であるかを判断する。具体的にはS2
において温度センサ54による検出温度が所定温
度(例えば45℃)より高いか否かを判断する。こ
こで所定温度以下、つまり冷機状態の初期始動で
あればS3の空気排出制御を経てからS4の暖機
制御へ進み、暖機が完了した段階でS5の温度制
御に入る。この場合S6において冷媒ジヤケツト
32a,32b内の少なくとも一方で冷媒液面レ
ベルが設定値以上にあるか否かを判断し、S7で
分配弁45と電磁弁51との切換制御を行つて、
S8の冷媒ジヤケツト32a,32b内冷媒液面
レベル制御を行う。S9においては冷媒温度を判
断し、S5で行う冷却フアン制御による温度制御
と共にS10,S11,S12においてコンデン
サ内の液面レベルを増減制御する。
次にS13において冷媒温度が異常高温にあ
り、かつ冷却系内が正圧であることを判断した場
合に、S14において高温回避制御を行う。これ
らS5〜S14の制御ループをイグニツシヨンキ
ーオフ時まで繰り返し行う。
一方、S2で冷媒温度が所定温度以上の場合に
は再始動時であると判断し、S3の空気排出制御
は省略する。
またこの制御中にキーオフの信号が入力される
と、キーオフ時の割り込み制御ルーチンが実行さ
れる。
上記制御ルーチンの概略を次に説明する。
空気排出制御 機関始動の際に、通常系内は液相冷媒(例えば
水と不凍液の混合液)でほとんど満たされた状態
にあり、またリザーバタンク48には系内を完全
に満たし得る以上の液相冷媒が貯留されている。
空気排出制御はこの状態から更に系内を完全に満
水状態とすることによつて空気を排出するもので
あり、電磁弁53を開、分配弁45を流路A、電
磁弁51を閉と夫々制御し、冷媒供給ポンプ46
を逆方向へ駆動開始する。
これによりリザーバタンク48内の液相冷媒が
第2補助冷媒通路50を介して系内に導入され
る。これは系内を満水にするに十分な時間だけ継
続される。従つて、系内に残存していた空気は系
上部に集められた後、空気排出通路52を介して
系外のリザーバタンク48に強制的に排出され
る。
暖機制御 コンデンサ36内は当然液相冷媒で満たされた
状態にあるから、コンデンサ36の放熱能力は極
めて低く抑制され、その結果冷媒ジヤケツト32
a,32b内の冷媒温度が速やかに上昇してやが
て沸騰が始まる。暖機制御は基本的には冷媒ジヤ
ケツト32a内の冷媒温度が目標温度に上昇する
までロワータンク36Cとリザーバタンク48と
を連通状態に保つたまま待機するものであり、従
つて電磁弁53を閉、分配弁45を流路B、電磁
弁51を開とした状態で待機するものである。そ
して温度センサ54で検出した実際の検出温度が
設定温度範囲に到達したときに電磁弁51を閉じ
て系内を密閉状態とし、その制御を終了する。
暖機制御の間、系内は大気圧下に開放されてい
るため、設定温度が略100℃を超える場合等では、
発生蒸気圧によつて系内の液相冷媒がリザーバタ
ンク48に押し出される結果、冷媒温度が設定温
度に達する前に冷媒ジヤケツト32a,32b内
の液面やロワータンク36C内の液面が過度に低
下する。
これに対処するため、冷媒ジヤケツト32a,
32bの少なくとも一方の液面が第1液面センサ
38A,38Bの設定レベルを下回つた時、又は
ロワータンク36C内の液面が第2液面センサ3
5の設定レベルを下回つた時には、直ちに系内を
密閉してこの制御を終了する。
そして、かかる暖機制御から後述する各種制御
に移行する間の通常の運転時には、各シリンダバ
ンク31A,31Bの冷媒ジヤケツト32a,3
2bから蒸気が発生するが、この蒸気は、内側壁
側に設けられた蒸気集合通路33a,33bに集
合された後、一端壁側の蒸気出口34a,34b
から蒸気マニホールド35内に流入し、蒸気中に
混入する液相冷媒を除去した後、蒸気通路37か
らコンデンサ36へと導かれる。
ここで、蒸気集合通路33a,33bは、シリ
ンダバンク31A,31Bの内側壁側に設けられ
るため、第2図に示すように、吸気ポート57,
58の下方にあつても、冷媒ジヤケツト32a,
32bの設定液面レベルより上方に位置させるこ
とができる。したがつて、吸気ポート57,58
やその上方の吸気マニホールド、その他の装着部
品等に干渉されることなく、シリンダヘツドと一
体に容易に形成することができる。また、蒸気マ
ニホールド35は、シリンダバンク31A,31
Bの一端壁側に接続してあるため、これもシリン
ダバンク31A,31B上方の部品に干渉される
ことのない位置にコンパクトに配設できる。尚、
エンジンが縦置の場合は、蒸気マニホールド35
をコンデンサ36に近い側に設けることは勿論で
ある。
尚、かかる本考案の構成は、本実施例に示した
以外の沸騰冷却装置にも適用できることは勿論で
あり、例えば系内の冷媒を大気圧に開放した状態
で通常運転を行うようなものにも適用できる。
温度制御 暖機制御の終了後は、冷媒温度の制御を行う
が、この温度制御は冷却フアン42のオンオフに
より微細な温度制御を行うフアン制御と、液相冷
媒の循環供給により冷媒ジヤケツト32a,32
b内の液面を設定レベル以上に保つ液面制御と、
検出温度が目標とする設定温度から比較的大きく
離れた場合に実質的放熱面積の拡大、或いは縮小
を行うコンデンサ内液位制御とに大別される。
そして、前記暖機制御における検出温度がS9
における上限温度を超えているような場合、S5
で冷却フアンをオンとすると共に、直ちにS11
のコンデンサ内液位低下制御に入る。
(コンデンサ内液位低下制御) コンデンサ36内の液相冷媒を冷媒供給ポンプ
46によりリザーバタンク48へ強制的に排出
し、コンデンサ36内の液面を低下させてコンデ
ンサ36の放熱面積を拡大し、放熱能力を高め
る。その排出は検出温度が設定温度に低下するま
で継続される。最後に系内を密閉して終了する。
一方、上記コンデンサ36内の冷媒をリザーバ
タンク48内へ排出する間にも冷媒ジヤケツト3
2a,32b内では冷媒が沸騰し続けるので、
徐々にその液面が低下していく。この冷媒ジヤケ
ツト32a,32bの少なくとも一方の液面が設
定レベル以下となつた場合には、冷媒ジヤケツト
32a,32b内冷媒液面低下異常チエツク制御
を行い、冷媒液面低下が所定時間以内ならば冷媒
供給ポンプ46を正転させて、分配弁45を流路
B、電磁弁51を閉として、一時コンデンサ36
から冷媒ジヤケツト32a,32bへ液相冷媒の
補給を行つて、第1液面センサ38A,38Bの
設定レベルに維持する。
また冷媒液面低下が所定時間を超したならば、
前記冷媒供給ポンプ46による冷媒ジヤケツト3
2a,32bへの液相冷媒補給の分、コンデンサ
36下部の冷媒レベルが異常に低下するのを防止
するために、系内圧力が正圧ならば所定時間分配
弁45を流路A、電磁弁51を閉として冷媒供給
ポンプ46を逆転し、リザーバタンク48内の冷
媒をコンデンサ36下部に補給し、その後再び前
記冷媒供給ポンプ46の正転による冷媒ジヤケツ
ト32a,32bへの冷媒補給を行うというよう
にコンデンサ36下部への冷媒補給と冷媒ジヤケ
ツト32a,32b内への冷媒補給とを交互に行
う。系内圧が負圧ならば、電磁弁51を開とする
だけで差圧によりリザーバタンク48内の冷媒を
コンデンサ36下部へ補給しつつ、分配弁45を
B流路に切り換えて冷媒供給ポンプ46を正転し
冷媒ジヤケツト32a,32bへ連続的に冷媒供
給することにより冷媒ジヤケツト32a,32b
の冷媒レベル異常低下を防止する。
尚、上記コンデンサ36内の液面低下制御にお
いて万一コンデンサ36内の液面を最大限に低下
させても、放熱能力不足が回避できずに第2液面
センサ55による設定レベルにまで液面が下降し
てしまつた場合には、系内の蒸気がリザーバタン
ク48内へ流出するのを防止するために分配弁4
5をB流路とし、リザーバタンク48内の負圧を
解除して上記コンデンサ36内の冷媒液面低下制
御を解除する。
また、同様の理由から、S8の液面制御時にコ
ンデンサ36内の液面が第2液面センサ55の設
定レベル以下である場合にも上記コンデンサ36
内水位低下制御を行わない。
一方、上記のようにコンデンサ36内の液面が
適宜に制御されて機関発熱量とコンデンサ36の
放熱量とがその沸点のもとで略平衡し、系内が密
閉された後は、後述する冷却フアン42による冷
媒温度制御S5と、冷媒供給ポンプ46による液
面制御S7とに基づく冷媒温度制御とを繰り返し
行う。
(フアン制御) 系内温度を更に高精度に設定温度範囲に維持す
るように冷却フアン42のみをオンオフ制御す
る。
(冷媒ジヤケツト内液面制御) 液面制御においては冷媒ジヤケツト32a,3
2b内の少なく一方の液面が設定レベル以下とな
つた場合に、コンデンサ36側から冷媒ジヤケツ
ト32a,32bへと液相冷媒を供給し、その液
面を設定レベルに保持する。
ここで、液面センサ38A,38Bの一方が故
障した場合でも両冷媒ジヤケツト32a,32b
内の液面を設定レベル以上に保持することがで
き、安全性を確保できる。
(コンデンサ内液位上昇制御) また、車両走行風の増大等の外乱や運転条件の
変化に伴う設定温度自体の変化によつて系内温度
が設定温度範囲を下回つた場合には、コンデンサ
36内液位上昇制御を開始する。これは、リザー
バタンク48内の液相冷媒をコンデンサ36側に
導入して、コンデンサ36内の液面を上昇させる
ことにより放熱能力を抑制する制御である。尚、
この実施例においては、液相冷媒の導入に際して
冷媒供給ポンプ46の逆方向駆動による強制導入
と、系内外の圧力差を利用した冷媒導入とを併用
している。即ち、負圧スイツチ56の信号により
系内が負圧状態にある場合には、電磁弁51を開
とし、分配弁45を流路Bにして第1補助冷媒通
路44を介し、系内外の圧力差を利用した冷媒導
入を行う。
系内が正圧下にある場合、或いは上述の冷媒導
入中に正圧となつた場合には、電磁弁51を閉と
し、冷媒供給ポンプ46の逆方向駆動によりリザ
ーバタンク48からコンデンサ36内へ液相冷媒
を強制導入する。
また、この冷媒導入中に冷媒ジヤケツト32
a,32b内の液相冷媒が不足する場合には、分
配弁45弁を流路Aに切り換えて冷媒供給ポンプ
46を正方向に駆動し、冷媒の補給を行う。
このようにコンデンサ36内の液面制御は、例
えば運転条件の急変により設定温度が大きく変化
した場合にも、コンデンサ36の放熱能力を広範
囲にかつ速やかに変化させ得ると共に、これによ
る凝縮量変化が直ちに冷媒ジヤケツト32a,3
2側冷媒の沸騰の抑制、促進として影響を及ぼす
ので、極めて良好に設定温度に追従させることが
できる。そして冷却フアン42の制御は一層高精
度でかつ応答性の良い系内温度制御を達成するも
のである。
キーオフ制御 これはまず設定温度を80℃に設定することによ
り前述したコンデンサ36内液位低下制御を行わ
せ、コンデンサ36の放熱能力を最大限に利用す
ると共に、所定時間冷却フアン42を駆動して強
制冷却し、系内が十分低い温度になるか、或いは
一定時間経過したことを条件として電源をオフと
する。この電源オフにより常閉型電磁弁である電
磁弁53は閉に、常開型電磁弁である電磁弁51
は開となるため、系内の温度低下、つまり圧力低
下に伴つてリザーバタンク48から第1補助冷媒
通路44を介して液相冷媒が自然に導入され、最
終的には系全体が液相冷媒で満たされた状態にな
つて次の始動に備えることになる。
〈考案の効果〉 以上説明したように、本考案によれば、V型エ
ンジンにおいて、吸気ポートやシリンダバンク上
方の部品に干渉されず、かつ冷媒ジヤケツトの設
定冷媒液面より高位置にあるシリンダバンク内側
壁側に蒸気集合通路を設ける一方、蒸気マニホー
ルドを蒸気集合通路の延長上に端壁側に接触した
構成としたためV型エンジンの沸騰冷却装置にあ
つて、構造がコンパクトで信頼性に優れた蒸気通
路を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例の全体構成を示す構
成図、第2図は同上実施例の要部断面図、第3図
は同上実施例の制御行程上の概要を示すフローチ
ヤート、第4図は従来の直列型エンジンの沸騰冷
却装置を示す構成図である。 31……V型エンジン、31A,31B……シ
リンダバンク、32a,32b……冷媒ジヤケツ
ト、33a,33b……蒸気集合通路、34a,
34b……蒸気出口、35……蒸気マニホール
ド、37……蒸気通路、38A,38B……液面
センサ、40……制御装置。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. V型をなす各シリンダバンクに形成された冷媒
    ジヤケツトの上部に溜まる冷媒蒸気をコンデンサ
    に導いて冷却液化し、該液化された冷媒を前記冷
    媒ジヤケツト内に所定レベルまで還流することに
    よりエンジンの冷却を行うようにしたV型エンジ
    ンの沸騰冷却装置において、前記各シリンダバン
    クの対向する内側壁の上部を互いに接近する方向
    に突出させ、これら突出部の内部に夫々各気筒の
    冷媒ジヤケツトの液面レベルより上方の冷媒蒸気
    溜まり空間と連通する蒸気集合通路を形成すると
    共に、各シリンダバンクのクランク軸と直角な同
    一側の端壁に夫々前記各蒸気集合通路に連通する
    一対の蒸気出口を形成し、かつ、これら一対の蒸
    気出口に蒸気入口を連通接続させて蒸気マニホー
    ルドを配設し、該蒸気マニホールドに形成した蒸
    気出口と前記コンデンサの蒸気入口とを蒸気通路
    を介して連通して接続したことを特徴とするV型
    エンジンの沸騰冷却装置。
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