JPH0345930B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は縦振動をする主振動部と、該主振動部
を支持する音叉形状の支持体部とをフオトエツチ
ング加工により一体で形成する縦振動型圧電振動
子に関する。

本発明の目的は、電極形成が容易で、安価な縦
振動型圧電振動子を提供することにある。

本発明の縦振動型圧電振動子の先行例として、
本出願人の先願である縦振動型圧電振動子の実施
例を第１図に示す。第１図Ａは斜視図であり、同
図において本例の縦振動型圧電振動子は、縦振動
をする主振動部１と、該主振動部１の振動変位の
最も小さくなる位置に該主振動部１の幅方向に設
けられた連結部２，２′と、該連結部２，２′の両
端から前記主振動部１の一方と平行に支持部３，
３′を延長し、前記主振動部１を除く支持体部が
音叉形状を構成するように基部４を設けた構成を
特徴としたものである。本例の縦振動型圧電振動
子は、主振動部１を支持している連結部２，２′
と支持部３，３′と基部４とからなる支持体部が
音叉形状となつているため、振動エネルギーの漏
洩を効果的に抑制できるという特性上の利点と、
小型、低価格化に適するという構造上の利点とを
有している。

第１図Ｂは第１図ＡのＱ−Q′における断面図
を示し、同図において該縦振動子は、水晶板のＺ
板をＸ軸回りに−5゜〜＋5゜の範囲で回転させた水
晶ウエハーから主振動部１の幅方向をＸ軸、長さ
方向をＹ軸、厚さ方向をＺ軸となるようフオトエ
ツチング加工により形成する。主振動部は、Ｘ方
向、即ち、幅方向の電界によつてＹ方向、即ち、
長さ方向の縦振動が励起されるように、主電極
５，６が該主振動部１の側面に形成されている。

次に、このような電極を形成するための工程例
を主振動部の断面図を用いて第２図に示す。第２
図Ａは圧電ウエハー７の表裏に該電圧ウエハー７
の材料のエツチング液に対して耐食性のある導電
性薄膜８，８′を形成する工程、第２図Ｂは圧電
振動子外形形状のフオトレジスト９，９′を形成
する工程、第２図Ｃは該フオトレジスト９，９′
を耐食膜として該導電性薄膜８，８′を圧電振動
子外形形状にエツチング加工する工程、第２図Ｄ
は該導電性薄膜８，８′を耐食膜として該圧電ウ
エハ７を圧電振動子外形形状にエツチング加工す
る工程、第２図Ｅは該フオトレジスト９，９′を
剥離した後、圧電振動子のほぼ全表面に導電性薄
膜１０を形成する工程、第２図Ｆは電極形状のフ
オトレジスト１１，１１′を形成する工程、第２
図Ｇは該フオトレジスト１１，１１′を耐食膜を
として該導電性薄膜８，８′，１０をエツチング
加工する工程、第２図Ｈは該フオトレジスト１
１，１１′を剥離する工程である。

以上に述べた工程によれば、側面への導電性薄
膜の形成を容易に行うことができるが、一方、次
の点で欠点を有する。即ち、第２図Ｆの電極形状
のフオトレジスト１１，１１′を形成する工程を
詳しく述べると、フオトレジストを圧電振動子の
ほぼ全表面に塗布する工程と、所定の電極形状の
フオトマスクを用いて該フオトレジスト上に電極
形状を露光する工程と、現像処理により露光され
た部分のフオトレジストを除去し電極形状のフオ
トレジストを残す工程よりなる。第１図に示した
電極形状より明らかなように、２個の電極に分割
するためには、圧電振動子の平面部分のみでな
く、側面も所定の形状に導電性薄膜をエツチング
加工しなければならない。このため電極形状の露
光をする工程において、側面への露光をする必要
があり、これがむずかしい点であつた。従来はウ
エハの斜め方向からの露光により、平面部と側面
部の露光を行つていたが、この場合下記のような
欠点を有する。

微細パターンが得難い ウエハーとフオトマスクを密着させる必要が
あるため、フオトマスクが損傷しやすく、その
欠陥により製品歩留りが低下する。

斜め露光は片面において２方向から行う必要
があり、表裏では計４回行うため手間がかか
る。

本発明は、圧電振動子の外形形状を工夫するこ
とにより、電極形成を容易にし、かかる欠点を解
決するものである。第３図に本発明の実施例を示
す。第３図において、１２は圧電振動子、１３，
１４は該圧電振動子１２に形成された２個の電
極、１５，１６は主振動部１９の先端部に形成さ
れた凹部、１７は音叉型状の支持体部の叉部に形
成された凹部、１８はウエハーのフレーム（図示
せず）との接続部の折り取り部である。本例にお
ける凹部１５，１６，１７は、圧電材の異方性に
よりエツチング加工の際、第４図に示すような形
状となる。第４図Ａは主振動部先端の平面図を示
し、主振動部１９の先端に設けた凹部２０にはい
わゆるエツチングのヒレ２１が現われる。第４図
Ｂは第４図ＡのＰ−P′断面を示し、エツチングの
ヒレ２１は図示のごとく斜面２２，２２′を形成
している。これは上述した如く圧電材の異方性に
よりエツチング速度が厚さ方向と平面方向で異な
ることに起因しており、とくに凹部ではエツチン
グ液の回り込みが他の部分に比べて劣るため厚さ
方向のエツチング速度が他の部分より遅くなり、
他の部分が直線的に加工された後でも側面に斜面
が残るものである。従つてこのヒレは振動子の表
裏両平面の各々から厚さ方向に傾斜し、厚さ方向
の中間部分に頂点をもつ斜面部により形成される
ものである。したがつて、このような形状におい
ては、圧電ウエハに垂直な光によつても凹部を形
成した部分の側面に露光することができるように
なる。したがつて、第３図の１５，１６，１７に
おいては側面の電極分割が容易に達成できる。一
方、第３図の折り取り部１８においても電極分割
が必要となるが、図示したようにウエハーのフレ
ームとの接続部分が形成されており、圧電振動子
をウエハーのフレームから折り取る際に電極分割
されるため、凹部を形成する必要はない。このよ
うに本発明によれば下記のような利点が生ずる。

ウエハーに垂直方向の光のみで露光できるた
め、形状精度が良くなる。

プロジエクシヨン方式の露光ができるため、
フオトマスクの損傷がなくなり、製品歩留りが
良くなる。

プロジエクシヨン方式の露光により、アライ
メントが楽になり、表裏同時に１回だけの露光
で済むため、製造コストが安くなる。

第５図は、本発明の他の実施例であり、２３は
圧電振動子、２４，２５は該圧電振動子２３に形
成された２個の電極である。本例においては、主
振動部の先端の電極形状が周波数調整を考慮した
形状になつている。このため、主振動部の電極分
割部２６，２７には機械的強度の点から凹部を形
成できないため、音叉形状の支持体部の凹部２８
のみに凹部を形成してある。この場合、ウエハー
とフオトマスクを密着させて斜め露光する必要が
あるが、もし、凹部２８が無い場合には、Ｘ方向
とＹ方向の２回斜め露光する必要がある。これに
対し、本例ではＸ方向の１回のみの露光で良い。

また、本発明における凹部の形状については、
上記に述べた円弧の他に、三角形、四角形でも良
く、圧電材のエツチングによつてヒレをうまく形
成できる形状の凹部であれば良い。また、フオト
エツチング加工の利点として、形状の複雑さは何
ら加工性を阻害するものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の縦振動型圧電振動子の一例、第
２図は製造工程の一例、第３図は本発明の実施
例、第４図は本発明の実施例における主振動部の
拡大図、第５図は本発明の他の実施例。 １……主振動部、２，２′……連結部、３，
３′……支持部、４……基部、５，６……主電極、
７……圧電ウエハー、８，８′……導電性薄膜、
９，９′……フオトレジスト、１０……導電性薄
膜、１１，１１′……フオトレジスト、１２……
圧電振動子、１３，１４……電極、１５，１６，
１７……凹部、１８……折り取り部、１９……主
振動部、２０……凹部、２１……ヒレ、２２，２
２′……斜面、２３……圧電振動子、２４，２５
……電極、２６，２７……電極分割部、２８……
凹部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 縦振動をする主振動部１９と、該主振動部を
   支持する音叉形状の支持体部とがフオトエツチン
   グ加工により一体で形成され、主電極１３，１４
   が主振動部の側面に形成されている縦振動型圧電
   振動子の電極形成方法において、 フオトエツチング加工時主振動部の両先端部と
   前記支持体の該先端部に対向する部分の両方ある
   いは前記支持体の先端部と体向する部分にのみに
   凹部１５，１６，１７を形成することにより該凹
   部に振動子表裏両平面の各々から厚さ方向に傾斜
   し厚さ方向の中間部分に頂点をもつ斜面部を形成
   し、前記斜面部を含めた振動子表面に電極膜を形
   成するとともに前記斜面部の電極膜をフオトエツ
   チングにより除去し電極分割をなすことを特徴と
   する縦振動型圧電振動子の電極形成方法。