JPH0345453Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、例えばサンルームの屋根などを構
成する複数のパネルを各々端面で対向させて一対
のジヨイント材で連結し、前記パネルおよびジヨ
イント材の端部をパネル保持用部材で保持させた
ジヨイントパネルにおける密封保持装置に関する
ものである。

（従来の技術） 従来において、上記したようなパネル連結用の
ジヨイント材と、パネル保持用部材との接合部の
構造としては、例えば第１図に示すようなものが
あつた。

すなわち、図中の１は、サンルームの屋根を構
成するガラス等のパネル２，２を連結するジヨイ
ント材であつて、上側用ジヨイント部材３と下側
用ジヨイント部材４とから成り、各々のジヨイン
ト部材３，４に設けたタイト材３ａ，４ａを介し
て前記パネル２，２の縁部同士を挟んだ状態にし
て上側用ジヨイント部材３側から下側用ジヨイン
ト部材４へねじ止めすることにより、前記パネル
２，２を平面状に連結している。

また、５はパネル保持用部材であり、このパネ
ル保持用部材５は、前記ジヨイント材１に対して
ほぼ直角な位置関係にあつて前記パネル２および
ジヨイント材１の端部を保持するもので図示しな
い垂木などの上面に固定された受け材６と、前記
受け材６の上側に対応する押え材７とから成るも
のであり、その長手方向で且つ相対向する位置に
沿つて夫々タイト材８，８が設けてあると共に、
前記タイト材８，８を介して前記ジヨイント材１
の端部および各パネル２，２の端部を上下から挟
着保持している。

このとき、前記タイト材８，８がパネル保持用
部材５と、パネル２およびジヨイント材１との間
で押し潰されて前記パネル２およびジヨイント材
１に密着状態となる一方、前記ジヨイント材１の
上側用ジヨイント部材３および下側用ジヨイント
部材４とを断面台形状に形成することによりパネ
ル２の上面における雨水等の流下を円滑にすると
共に、タイト材８との密着性を高めるようにして
あるが、上下一対のパネル保持用部材５をねじで
結合する際のねじの締付け加減や前記ジヨイント
材１の断面形状によつては前記ジヨイント材１と
パネル２面の境界部分（第１図中矢印Ａ）と、タ
イト材８との間に〓間が生じることがあり、防水
性や機密性を損うという問題点があつた。

また、前記〓間をなくすために、ジヨイント材
１の各ジヨイント部材３，４におけるパネル２側
の傾斜角度を小さくすることが考えられるが、前
記ジヨイント材１は、パネル２との間に介在させ
る各タイト材３ａ，４ａの取り付け部材を形成し
たり、ジヨイント材１自体の強度を保つ点でパネ
ル２からの突出高さを小さくすることが困難であ
るため、前記ジヨイント材１の幅寸法を大きくす
ることになり、その結果、外観を悪化させると共
にコストが増加するなどの欠点があつた。

（考案の目的） この考案は、上記したような従来の問題点に着
目してなされたもので、パネル保持用部材によつ
て保持されるジヨイントパネルにおいて、パネル
連結のジヨイント材と、パネル保持用部材との接
合部を密封可能にするパツキングを介在させるこ
とにより、パネル保持用部材におけるねじの締付
け加減等に起因する〓間の発生を防止し、防水性
および機密性を損うことのない密封保持装置を提
供することを目的としている。

（考案の構成） この考案による密封保持装置の構成は、対向さ
せたパネルの両縁部を一対のジヨイント材で挟ん
で連結し、前記パネルの端部および前記ジヨイン
ト材の端部を一対のパネル保持用部材でタイト材
を介して挟着保持したジヨイントパネルにおい
て、前記ジヨイント材の端部に、一方のパネルに
接触するパネル密着面と、このパネル密着面に連
続し且つ一方のパネルから他方のパネルに至る方
向にわたつて該ジヨイント材に接触する凹状の部
材密着面と、この部材密着面に連続し且つ他方の
パネルに接触するパネル密着面と、これらの密着
面の反対側となるタイト材密着面を備えたパツキ
ングを設け、前記ジヨイント材およびパネル材
と、パネル保持用部材のタイト材との間で前記パ
ツキングを挟着したことを特徴としている。

（実施例） 以下、この考案を図面に基づいて説明する。

第２図〜第６図は、この考案の一実施例を説明
する図であつて、サンルームの屋根を構成する複
数枚のパネルをジヨイント材で連結したジヨイン
トパネルの端部をパネル保持用部材で保持させた
構造において、とくにジヨイント材とパネル保持
用部材との接合部を例示している。

すなわち、サンルームの屋根体は、第２図に示
すように、建物側に取り付けた垂木掛け１０に、
所定本数の連結垂木１１、中間垂木１２、妻垂木
１３の各一端側を各々のブラケツト１４，１５，
１６によつて所定の間隔で且つほぼ平行な状態に
固定すると共に、下方向に傾斜させた前記各垂木
１１，１２，１３の夫々他端側を図示しないサン
ルーム正面側の鴨居、あるいは横桟に固定し、さ
らに各垂木１１，１２，１３の間に、ガラス等の
透明板で構成されたパネル２を取り付けたもので
ある。

なお、第２図中の２７は、パネル２の下面から
離間し且つ各垂木１１，１２，１３の下端に沿つ
て設けた保持部２８によつて両端が保持されたパ
ネル状の結露水受である。

前記パネル２の取り付けに際しては、各垂木１
１，１２，１３の幅寸法等に対応して形成された
上下一対から成るパネル保持部材１７，１８，１
９の受け材２０，２１，２２を前記各垂木１１，
１２，１３の上面に沿つて複数のねじ２６ａで固
定し、パネル２の両端部を各受け材２０，２１，
２２に合わせて設置したのち、前記パネル保持用
部材１７，１８，１９に押え材２３，２４，２５
を前記受け材２０，２１，２２の上側に沿つて
各々のねじ２６ｂで取り付けることにより、各パ
ネル保持用部材１７，１８，１９で各パネル２の
両端部を挟着保持した状態になつている。

なお、前記パネル保持用部材１７，１８，１９
とパネル２との接合部分にあつては、各受け材２
０，２１，２２および各押え材２３，２４，２５
の相対向する位置に、長手方向に沿つてタイト材
８が取り付けてあり、このタイト材８をパネル２
に圧接するようになつている。

そして、上記のように取り付けられた各パネル
２は、各垂木１１，１２，１３の間で、さらに複
数に分割されている。これは、例えばサンルーム
の正面側でパネル２を下向きに湾曲形成した場合
やサンルームが比較的大型である場合において、
前記パネル２を一枚板から構成すると、前記パネ
ル２の加工やパネル２の面積に準じた強度が必要
となるのでコスト高になるという欠点がある。そ
こで、前記パネル２を上下に分割し、この分割し
たパネル２同士を補強材の役目も兼ね備えたジヨ
イント材１で連結したジヨイントパネルの構成に
することで上記欠点を解消している。

前記ジヨイント材１は、前記パネル保持用部材
１７，１８，１９に対してほぼ直角の方向に配設
したものであつて、従来例のもの（第１図参照）
と同一の構造を有しており、上側用ジヨイント部
材３と下側用ジヨイント部材４との上下一対で構
成されていると共に、前記各ジヨイント部材３，
４の長手方向に沿つて嵌着したタイト材３ａ，４
ａを介して上下のパネル２，２の縁部を上下から
挟み、さらに、前記上側用ジヨイント部材３側か
ら下側用ジヨイント部材４へねじ２６ｃをねじ止
めすることにより前記パネル２，２を平面状に連
結している。

また、前記上側用ジヨイント部材３および下側
用ジヨイント部材４は、パネル２側を長辺とする
断面台形状を成していて前記パネル２の上面およ
び下面を伝わつて流れる雨水や結露水などを円滑
に下方に流すことができるようになつており、パ
ネル２の端部と一致する端部は、第３図に中間垂
木に設けるパネル保持用部材１８との接合を示す
ように、前記パネル２の端部と共に前記パネル保
持用部材１８に狭着保持されている。

つまり、前記パネル保持用部材１８に設けたタ
イト材８は、パネル２との狭着部分では、第４図
に示すように、前記パネル２に対して上下方向か
ら圧接されてやや潰れた状態となつており、前記
ジヨイント材１の端部を狭着している部分では、
上側用ジヨイント部材３および下側用ジヨイント
部材４の厚さ分だけさらに押し潰された状態とな
つている。

そして、前記ジヨイント材１の端部には、タイ
ト材８との接合部を密封可能にするパツキング３
０が設けてある。

前記パツキング３０は、第６図に示すように、
上側用ジヨイント部材３および下側用ジヨイント
部材４に夫々取り付けられるものであつて、側面
から見て断面台形状の素材の短辺側を前記各ジヨ
イント部材３，４の外形に合わせて切欠いた状態
にし、前記各ジヨイント部材３，４の短辺および
斜辺側を被覆しうる形状を成すと共に、前記パネ
ル保持用部材１８に設けたタイト材８よりも柔軟
な材質によつて成形されており、上側のパネル２
に接触するパネル密着面３０ｂと、このパネル密
着面３０ｂに連続し且つ上側のパネル２から下側
のパネル２に至る方向にわたつてジヨイント材１
に接触し得るように前記各ジヨイント部材３，４
の短辺および斜辺の三辺側に対向する三面で凹状
を成す部材密着面３０ａと、前記部材密着面３０
ａに連続し且つ下側のパネル２に接触するパネル
密着面３０ｂと、前記部材密着面３０ａ及び各パ
ネル密着面３０ｂ，３０ｂの反対側となるタイト
材密着面３０ｃとを有すると共に、前記タイト材
８の幅に対応する適宜の幅で形成してある。

つまり、前記パツキング３０は、前記各ジヨイ
ント部材３，４と、前記各ジヨイント部材３，４
とパネル２との境界部分と、前記境界部分に連続
するパネル２の一部にわたつて密着すると共に、
同時にその反対側全面（タイト材密着面３０ｃ）
がタイト材８に密着するようになつている。

また、前記パネル密着面３０ｂとタイト材密着
面３０ｃとが成す角度は、上側用ジヨイント部材
３および下側用ジヨイント部材４の傾斜面とパネ
ル面とが成す角度より小さくなつている。

なお、この実施例におけるパツキング３０は、
取り付け前の状態で、タイト材密着面３０ｃが平
面状になつているが、部材密着面３０ａおよびパ
ネル密着面３０ｂを各ジヨイント部材３，４およ
びパネル２に密着させたときに両側の三角形状部
分をパネルに側に屈曲状態とすることによつて第
６図中の仮想線で示すように、前記タイト材密着
面３０ｃを緩やかに湾曲させるようになつてい
る。

上記の如く形成されたパツキング３０は、パネ
ル２，２をジヨイント材１で連結したのちに、接
着剤等で上側用ジヨイント部材３および下側用ジ
ヨイント部材４の端部に夫々取り付けられ、さら
に、パネル保持用部材１８によつてパネル２の端
部と共にタイト材８を介して挟着される。

このとき、前記パツキング３０は、前述の如く
タイト材８よりも柔軟な材質であり、しかもパネ
ル面に密着したパネル密着面３０ｂとタイト材密
着面３０ｃとが成す傾斜角度を小さく形成してあ
るので、前記タイト材８がなじみ良く密着するこ
とができ、ジヨイント材１と、パネル２と、タイ
ト材８との接合部を密封した状態にする。

なお、上記実施例にあつては、サンルームの屋
根を構成するパネルを連結するためのジヨイント
材１としたため、ジヨイント材１の上側用ジヨイ
ント部材３および下側用ジヨイント部材４の断面
を台形状とし、パネル２の上面における雨水等の
流れの円滑化を計つたものとしたが、上記の断面
形状に限定されることはなく、適宜の断面形状に
応じて当該パツキング３０を取り付けることが可
能である。

また、前記パツキング３０におけるパネル密着
面３０ｂとタイト材密着面３０ｃとをタイト材８
の長手方向にさらに延長した形状とすれば、パネ
ル面に対するタイト材密着面３０ｃの傾斜角度を
より小さくすることができ、タイト材８との密着
性がより向上する。

さらに、上記実施例にあつては、サンルームの
屋根を構成するジヨイントパネルにおける密封保
持装置を例に挙げて説明したが、サンルームへの
使用に限定されることはなく、例えば、温室等の
屋根あるいは壁部のジヨイントパネルや窓用パネ
ル、またはその他のパネルによつて構成される壁
体などに当該密封保持装置を適用することが可能
であり、場合によつてはパネルの片側面だけにパ
ツキングを設けた構成とすることもある。

（考案の効果） 以上説明してきたように、この考案の密封保持
装置によれば、前記ジヨイント材の形状を変更す
る必要がなく、外観を損うなどの心配がないと共
に、パネルおよび前記ジヨイント材の端部を挟着
保持する一対のパネル保持用部材をねじで結合す
る際に、たとえねじの締付け加減にばらつきがあ
つても、前記パツキングにより、パネル保持用部
材のタイト材と、パネルとジヨイント材の境界部
分との間に隙間を生じることがないので、防水性
や気密性を十分に確保することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来におけるパネルジヨイント材とパ
パル保持用部材との接合部を説明する部分断面
図、第２図はサンルームの屋根構造を説明する正
面断面図、第３図はこの考案の一実施例による密
封保持装置を備えたパネルジヨイント材とパネル
保持用部材との接合部を説明する部分斜視図、第
４図はパネル保持用部材のタイト材とパネルとの
密着状態を説明する部分断面図、第５図はパネル
保持用部材のタイト材とジヨイント材との密着状
態を説明する部分断面図、第６図はパツキングの
取付要領を説明する分解斜視図である。 １……ジヨイント材、２……パネル、８……タ
イト材、１７，１８，１９……パネル保持用部
材、３０……パツキング、３０ａ……部材密着
面、３０ｂ……パネル密着面、３０ｃ……タイト
材密着面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 対向させたパネルの両縁部を一対のジヨイント
   材で挟んで連結し、前記パネルの端部および前記
   ジヨイント材の端部を一対のパネル保持用部材で
   タイト材を介して挟着保持したジヨイントパネル
   において、前記ジヨイント材の端部に、一方のパ
   ネルに接触するパネル密着面と、このパネル密着
   面に連続し且つ一方のパネルから他方のパネルに
   至る方向にわたつて該ジヨイント材に接触する凹
   状の部材密着面と、この部材密着面に連続し且つ
   他方のパネルに接触するパネル密着面と、これら
   の密着面の反対側となるタイト材密着面を備えた
   パツキングを設け、前記ジヨイント材およびパネ
   ル材と、パネル保持用部材のタイト材との間で前
   記パツキングを挟着したことを特徴とするジヨイ
   ントパネルの密封保持装置。