JPH0344443Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、工作機械、例えば円筒研削盤にお
けるトラバーステーブルに対してスイベルテーブ
ルを旋回固締するテーブル旋回装置に関する。

［従来の技術］ 従来の技術においては、旋回駆動機構とは別に
スイベルテーブルの両端に締付ボルトが設けら
れ、締付ボルトの弛緩緊締操作をスイベルテーブ
ルの旋回の前後に行なう。

［考案が解決しようとする問題点］ 従来の技術におけるようにスイベルテーブルの
両端に設けられた締付ボルトをスイベルテーブル
の旋回の前後に弛緩緊締操作することは、心押台
カバーなどの存在のため操作が容易でない上、締
付けボルトが両端にあるため作業者は工作機械操
作位置より離れて作業効率が悪い。又、部品数も
多くなりコスト高にもなる。

［問題点を解決するための手段］ この考案によるテーブル旋回装置は、トラバー
ステーブル及び同テーブル上に直立軸線回りに旋
回自在に枢着載置されたスイベルテーブルに枢着
位置から離れて設けられたテーブル旋回装置であ
つて、スイベルテーブルの前面からトラバース方
向に垂直に回転自在に且つ軸線方向移動を拘束さ
れて取付けられた旋回ボルト、トラバーステーブ
ルの前面からトラバース方向に垂直に回転可能に
螺合して取付けられ、先端にテーパ部が形成され
たクランプピン、及びトラバーステーブル内に直
立して上下動可能に取付けられ、クランプピンの
先端のテーパ部が嵌入し、互に下側周面で線接触
するような傾斜孔が穿設された基部とスイベルテ
ーブル内へ突出しスイベルテーブルに対して上下
方向に拘束され、トラバース方向に垂直方向に相
対移動可能に係合し、且つ旋回ボルトの先端のね
じ部と螺合したナツト部とが一体となつた傾斜孔
付きナツト部材から構成されている。

［作用］ スイベルテーブルを旋回するときには、クラン
プピンは、テーブルの前面で回転操作されて、ね
じ部により後退する。するとナツト部材基部の傾
斜孔に係合したテーパ部の楔作用が緩められる。
その結果、ナツト部材のスイベルテーブルに対す
る引下げ作用によるスイベルテーブルのトラバー
ステーブルに対する押圧状態が解放され、スイベ
ルテーブルは旋回可能状態になる。そこで、旋回
ボルトをテーブル前面で所望方向に所望量回転操
作すると、旋回ボルトはナツト部材、即ちトラバ
ーステーブルに対して進退し、スイベルテーブル
はトラバーステーブルに対し所望方向に旋回す
る。

しかる後、再びクランプピンを回転操作し、前
進させると、ナツト部材基部の傾斜孔に係合した
テーパ部がナツト部材に楔作用をして、ナツト部
材を引下げる、その結果、ナツト部材のナツト部
材によりスイベルテーブルは引き下げられ、トラ
バーステーブルに押し付けられる。かくして、ス
イベルテーブルは、所望の旋回位置でトラバース
テーブルに固締される。

［実施例］ この考案の実施例における円筒研削盤テーブル
の旋回装置を図面に従つて説明する。

第１図において、ベツド１上を軸線方向に移動
するトラバーステーブル２の上にスイベルテーブ
ル３が載置され、スイベルテーブル３はその中央
部でトラバーステーブル２にピボツト４により旋
回自在に枢着されている。

スイベルテーブル３の旋回装置は、第１図にお
いてスイベルテーブル３の右側部に設けられ、第
２図、第３図及び第４図にその詳細が示されてい
る。

スイベルテーブル３の右側部には前面からトラ
バース方向と直角に且つ水平に旋回ボルト挿入孔
５が穿設され、旋回ボルト６は、その操作頭部７
がスイベルテーブル３の前面に露出し、周溝８に
係合したワツシヤ９により軸線方向の移動を拘束
された上で回転自在に旋回ボルト挿入孔５に挿入
されている。

旋回ボルト６のねじ部１０の位置に対応する位
置において、トラバーステーブル２には上下方向
にナツト部材挿入孔１１が穿設され、そこにナツ
ト部材を１２が上下摺動・回転自在に嵌されてい
る。ナツト部材１２は、手前から昇り勾配の傾斜
孔１３が穿設された円柱状基部１４とその上部か
ら突出し、ねじ孔１５が穿設されたナツト部１６
とが一体となつて構成されており、ねじ孔１５に
は旋回ボルト６のねじ部１０が螺合している。更
にナツト部材１６には、Ｔ字形突起１７が形成さ
れ、Ｔ字形突起１７は、スイベルテーブル３にお
いて旋回ボルト６と平行して形成されたＴ字溝１
８に係合している（第４図参照）。

トラバーステーブル２には、更にスイベルテー
ブル３の旋回ボルト挿入孔５の直下の位置に前面
からナツト部材を挿入孔１１まで貫通するようク
ランプピン挿入孔１９が穿設されている。クラン
プピン挿入孔１９は、手前開口部がクランプピン
頭部孔２０に、中間部がねじ孔２１に、奥が案内
孔２２になつており、そこにクランプピン２３が
挿入されている。

クランプピン２３、操作頭部２４、ねじ部２
５、直杆部２６、先端のテーパ部２７よりなり、
操作頭部２４は、クランプピン頭部孔２０に没入
し、ねじ部２５は、ねじ孔２１に螺合し、直杆部
２６は、案内孔２２に嵌合し、テーパ部２７は、
ナツト部材１２の傾斜孔１３内に突出係合してお
り、傾斜孔１３の高さ、位置および傾斜は、その
下側周面がテーパ部２７の下側周面と線接触する
ようになつている。

その他、トラバーステーブル２及びスイベルテ
ーブル３の両者右側端部には、スイベルテーブル
３の旋回位置検測装置Ｃが関連装着されいる。

なお、ベツト１上には砥石台Ｇ、主軸台Ｓ及び
心押台Ｔが載置されている。

上記のテーブル旋回装置の操作・作用について
述べる。円筒研削盤において、テーパ研削を行な
うに際しては、スイベルテーブル２に対して所要
角だけ所要方向に旋回させ、センタ軸線をトラバ
ース方向に対し所要角傾けて固締する必要があ
る。又、通常状態に復位するときは逆に旋回さ
せ、固締しなければならない。

そこで、トラバーステーブル２に対して固締状
態にあるスイベルテーブル３を所要角だけ所要方
向に旋回させ、再び固定状態にするのには、先
ず、研削盤前面において、クランプピン２３の操
作頭部２４を工具を用いて反時計回りに回転操作
すると、クランプピン２３は、ねじ係合のため後
退し、テーパ部２７によるナツト部材１２の傾斜
孔１３周面に対する楔作用は除去される。

すると、ナツト部材１２、即ちナツト部１６の
Ｔ字形突起１７の下方への引張力は除去され、ス
イベルテーブル３のＴ字溝１８に対するＴ字形突
起１７の押圧作用、即ちスイベルテーブル３のト
ラバーステーブル２への押圧作用が解除される。
そこで、旋回ボルト６の操作頭部７を回転操作す
ると、旋回ボルト６は、ねじ係合のためナツト部
材１６に対し進退する。旋回ボルト６がナツト部
材１６に対し前進するときは、スイベルテーブル
３は、第１図において、反時計回りにピボツト４
を中心にしてトラバーステーブル２上で旋回す
る。そうして、そのスイベルテーブル３の旋回位
置は、旋回位置検測装置Ｃにより検測される。

所定位置に旋回が終了後、クランプピン２３の
操作頭部２４を回転操作し、クランプピン２３を
前進させると、テーパ部２７は、ナツト部材１６
における円柱状基部１４の傾斜孔１３の下側周面
に対し楔作用をし、ナツト部材１６に、即ちＴ字
形突起１７に対し下方への引張力を与える。その
結果、スイベルテーブル３は、Ｔ字溝１８を介し
てトラバーステーブル３に対し押圧されて、所定
の旋回位置で固締される。

［考案の効果］ この考案のテーブル旋回装置によれば、作業者
は工作機械の前面の作業操作位置にて、そのまま
クランプピンと旋回ボルトとの操作をしてテーブ
ルの旋回固締を行なうことができ、作業効率が高
まる。又、同装置は、旋回及び固締用の部品が少
なく簡単でコストダウンをもたらす。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の実施例におけるテーブル
旋回装置を具備した円筒研削盤の平面図、第２図
は、第１図におけるテーブル旋回装置部分の拡大
平面図、第３図は、第２図の−線における断
面図、第４図は、第３図の−線における断面
図である。 １：ベツド、２：トラバーステーブル、３：ス
イベルテーブル、４：ピボツト、５：旋回ボルト
挿入孔、６：旋回ボルト、７，２４：操作頭部、
８…周溝、９：ワツシヤ、１０，２５：ねじ部、
１１：ナツト部材挿入孔、１２：ナツト部材、１
３：傾斜孔、１４：円柱状基部、１５，２１：ね
じ孔、１６：ナツト部、１７：Ｔ字形突起、１
８：Ｔ字溝、１９：クランプピン挿入孔、２０：
クランプピン頭部孔、２２：案内孔、２３：クラ
ンプピン、２６：直杆部、２７：テーパ部、Ｃ：
旋回位置検測装置、Ｇ：砥石台、Ｓ：主軸台、
Ｔ：心押台。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 工作機械のトラバーステーブル及び同テーブル
   上に直立軸線回りに旋回自在に枢着載置されたス
   イベルテーブルに枢着位置から離れて設けられた
   テーブル旋回装置であつて、スイベルテーブルの
   前面からトラバース方向に垂直に回転自在に且つ
   軸線方向移動を拘束されて取付けられた旋回ボル
   ト、トラバーステーブルの前面からトラバース方
   向に垂直に回転可能に螺合して取付けられ、先端
   にテーパ部が形成されたクランプピン、及びトラ
   バーステーブル内に直立して上下動可能に取付け
   られ、クランプピンの先端のテーパ部が嵌入し、
   互に下側周面で線接触するような傾斜孔が穿設さ
   れた基部とスイベルテーブル内へ突出しスイベル
   テーブルに対して上下方向に拘束され、トラバー
   ス方向に垂直方向に相対移動可能に係合し、且つ
   旋回ボルトの先端のねじ部と螺合したナツト部と
   が一体となつた傾斜孔付きナツト部材から構成さ
   れたテーブル旋回装置。