JPH034413Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、中、薄鋼板等プレート穿孔用パンチ
ヤーの抜型用のダイを少なくとも上下２段の分割
可能なダイで形成し、パンチヤーそのままでの穿
孔時には下ダイのみを使用し、パンチヤーのポン
チング台上にポンチング用倣い装置等を付設して
使用するときは、上記下ダイの上に上ダイを嵌着
して穿孔するパンチヤーの抜型用ダイに関するも
のである。

（従来の技術） 従来、鋼板等プレートの穿孔加工については厚
鋼板、或いは精度を要する加工の場合にはドリル
作業を主とするボール盤等により穿孔されている
が、これらは作業に長時間を要し非能率的である
ことから、一般に６mm厚以下の所謂、中、薄鋼板
等については、その殆どが１台のＣ型機械の相対
する上方の口の抜型用ポンチで下方の抜型用ダイ
上のプレートを押抜く既知のポンチングマシン、
即ち、Ｃ型パンチヤーによる押抜き加工により穿
孔されている。

そして、上記パンチヤープレスの場合、プレー
トの所定穿孔位置への正確なポンチングを行うた
めには、予めその各穿孔位置を原図から計測記入
して作製された原寸紙型をプレート上に展設した
上で、或いは直接、プレート上面にチヨーク等に
より計寸罫書きした上で、各作業員がすべて手作
業によりプレートを抜型用ダイ上で種々移動しな
がら各記入位置にパンチヤーの抜型用のポンチを
下降させセンター合わせをしてダイ上に正確に合
致当接させた上で更に該ポンチに下端部をダイ部
内まで下降させて押抜くという面倒な作業を要
し、このような作業手順では穿孔数の少ない場合
は兎も角として、多数穿孔の場合には甚だ非能力
的である。そのために本出願人は先にパンチヤー
のポンチング台上に取外し可能に取着でき、プレ
ートの所定の各ポンチング箇所への上記抜型用の
ポンチ及びダイの正確な位置決め当接を容易かつ
迅速に行うことができて直列状多数の穿孔に好適
なポンチング用倣い装置を提案したが、この場
合、ポンチング台上に取着されている普通の抜型
用のダイではダイ高さが不足して使用できないこ
とから、パンチヤーに上記倣い装置を取付けてプ
レートに直列状多数の穿孔をするときには、普通
のダイを取外し、代わりに倣い装置を用いての穿
孔に適合する高さのダイをポンチング台上に取付
けて穿孔し、一方、上記倣い装置によつては不可
能な、例えば少数或いは非直列状の穿孔をする場
合にはパンチヤーを元の状態、即ちポンチング台
上から上記倣い装置及び該装置用のダイを取外
し、再び普通のダイを取付けた状態に戻して穿孔
している状況にある。

（考案が解決しようとする課題） ところが、叙上ような従来方式にあつては、パ
ンチヤーのポンチング台上におけるポンチング倣
い装置の着脱毎に、その都度該装置用のダイと、
普通のダイとを一々取替えること自体、煩雑な作
業であるのみならず、特にポンチング倣い装置用
のダイのポンチング台上への取付けには倣い装置
のプレートガイドとダイ頂面との相関高さの設定
に微妙な調整作業が必要であり、したがつてダイ
取替えの度毎に上記高さの調整作業をその都度改
めて繰り返し行わねばらないという非能力的な問
題を抱えている。

本考案は、かかる実状に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところはパンチヤーに用いる
ダイを上下に分割可能に形成し、ポンチング台上
に取付けた下ダイを取替えることなく、パンチヤ
ーそのままでの穿孔に使用し、また倣い装置等を
用いた穿孔時には該下ダイの上に上ダイを嵌合す
るだけで直ちに使用することができるパンチヤー
の抜型用ダイを提供することにある。

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するための手段として、本考
案に係るパンチヤーの抜型用ダイの特徴は、プレ
ート穿孔用パンチヤーの抜型用ポンチに対応して
ポンチング台上の所定位置に基板を介して取付け
られる円筒状の抜型用のダイにおいて、該ダイ
を、上端部に嵌入筒を段設した下ダイと、該嵌入
筒に嵌着可能な嵌合口をその下端部内に段設して
上記下ダイの上に嵌合せしめて用いる上ダイとの
少なくとも上下２段の分割可能なダイで形成し、
前記下ダイを、その基部外周に刻設した螺条を介
して前記基板の螺口内にダイ高さ調整可能に螺着
してなる構成にある。

（作用） しかして上記の如き構成になる本考案のパンチ
ヤーの抜型用ダイによれば、プレート穿孔用パン
チヤーの抜型用ポンチに対応してポンチング台上
の所定位置に基板を介して取付けられる円筒状の
抜型用のダイにおいて、該ダイを、上端部に嵌入
筒を段設した下ダイと、該嵌入筒に嵌着可能な嵌
合口をその下端部内に段設して上記下ダイの上に
嵌合せしめて用いる上ダイとの少なくとも上下２
段の分割可能なダイで形成し、前記下ダイを、そ
の基部外周に刻設した螺条を介して前記基板の螺
口内にダイ高さ調整可能に螺着してなることによ
り、上記下ダイは、前記パンチヤーそのままでの
プレート穿孔に適したダイ高さに調整してポンチ
ング台上に固定できるので、その頂面にプレート
を載置して降下させたポンチを穿孔位置にセンタ
ー合せして該ポンチで押抜く普通の穿孔に使用で
きる。

次に、パンチヤーのポンチング台上に、ポンチ
ング倣い装置等を取付けて高い位置でプレートを
穿孔するときは、予め、その下端部内に嵌合口を
設け、所要の高さを以て作成されている上ダイ
を、その嵌合口を介して前記固定されたままの下
ダイの嵌入筒上に単に嵌合するだけで上下のダイ
が一体に嵌着結合して上記倣い装置を用いた穿孔
に適したダイ高さとなつて、倣い装置を介して正
確に穿孔位置が上ダイの頂面に位置されるプレー
トをポンチにより正確に穿孔できることになる。

そして、ポンチング台上から前記ポンチング倣
い装置を取外すとき、併せて前記下ダイ上に嵌着
した上ダイを単に取外すだけでパンチヤーを普通
の使用態様に復元でき、そのままの状態で直ちに
下ダイを用いた穿孔作業ができることになる。

（実施例） 以下に、本考案に好適な一実施例を図面に基づ
いて説明する。

第１図イは本考案に係るパンチヤーの抜型用ダ
イの分割態様を示す斜視概略図であり、第１図ロ
は同図イの縦断面図、第２図は第１図に示す抜型
用ダイの合体態様を示す一部破断斜視概略図であ
る。

図において、本考案に係るパンチヤーの抜型用
ダイは、全体として、既知のパンチヤーの昇降す
る抜型用ポンチの挿入、抜可能な上下に貫通する
ポンチング孔が内設された一個の抜型用ダイを上
下に２分せる如き下ダイＡと上ダイＢとにより形
成されている。

上記下ダイＡは、その基部３外周に螺条が刻設
されており、その上端部には上記基部３の外径よ
りは小さな外径を有して嵌入筒２が段設されてい
る。

上記下ダイＡは、基板５を介してプレート孔
用のＣ型パンチヤーの抜型用ポンチに対応するポ
ンチング台上の所定位置に固定されるものである
が、この場合、上記基板５には、予め該基板５が
パンチヤーのポンチング台上のボルト等によつて
固着されたとき、ポンチング台上の前記抜型用ポ
ンチと対応する位置と正確に合致する箇所に螺口
が穿設されており、かつ該螺口７は前記下ダイＡ
の基部３外周に螺条と螺合できるように形成され
ている。

そして、上記螺口内に、前記下ダイＡの基部３
の螺条を当接して回動し、下ダイＡの頂面をパン
チヤーそのままでのプレート穿孔に適した所定の
高さｈに位置せしめるまで螺入してから、下ダイ
Ａの基部３と基板５との当接する隅部を溶接等に
より固定し、然る後に上記基板５はパンチヤーの
ポンチング台上にそのままボルト等により固着さ
れる。このとき、下ダイＡはポンチング台上の前
記パンチヤーの抜型用ポンチに対応する所定位置
に所定のダイ高さｈを有して正確に固定されてお
り、上記下ダイＡは前記パンチヤーそのままで、
その嵌入口２の頂面にプレートの穿孔する部分を
載置せしめて上方より降下させたポンチでセンタ
ーを合わせをした後、該ポンチを更にダイ部１内
まで下降させてプレートを押抜く普通の穿孔に用
いられるダイとなつている。

次にパンチヤーのポンチング台上に第３図に示
す如きプレート穿孔位置決め用のポンチング用倣
い装置Ｃを取付けて、高い位置でプレートに多数
直列状にポンチングを行うときは、第２図に示す
如く予め、上ダイＢの高さh′を、前記下ダイＡの
頂面と上記倣い装置Ｃを用いてのポンチングに適
合するダイ高さとの差をもつて形成しておく、そ
して該上ダイＢの嵌合口４を下ダイＡの嵌入筒２
に嵌合して、嵌着合体せしめたとき、該下ダイＡ
上に合体せる上ダイＢは、その頂面が倣い装置Ｃ
を用いたときの高い位置でのプレートのポンチン
グに適合する高さのダイ部１′として使用される
高いダイとなつている。

また、上記上ダイＢを、予め、所定の位置高さ
を以てその基部外周に取付けられた取付用のプレ
ート６等を介して倣い装置Ｃの基台等に一体に取
付けておけばポンチング台上における倣い装置Ｃ
の着脱と同時に下ダイＡに対する上ダイＢの嵌脱
もできることになりより好適となる。

なお、ポンチング台上に固定された下ダイＡの
上に嵌合し嵌着合体せしめる上ダイＢは一個に限
定されるものではなく、ポンチング台上に取付け
られる倣い装置Ｃの機能、形態に応じて複数個を
嵌着合体して使用することも可能である。

（考案の効果） 本考案は以上の如く、中、薄鋼板等プレートを
打ち抜き穿孔するパンチヤーの抜型用ポンチに対
応してポンチング台上の所定位置に基板を介して
取付けられる円筒状の抜型用ダイにおいて、その
ダイを前述の如く構成してなるものであるから、
パンチヤーそのままで使用してプレートに普通の
ポンチングを行うときは正確に固着されている下
ダイの嵌入口の頂面に直接プレートの穿孔位置を
載置し、ポンチでセンター合わせをしたのちその
ままポンチで押抜く普通のダイとして使用するこ
とができる。

そして、上記普通のポンチングによつては非能
力的な直列状多数の穿孔のためにポンチング台上
に倣い装置を取付けて高い位置でポンチングを行
う場合には前記下ダイの上に上ダイを単に嵌着合
体せしめるだけで上記倣い装置を用いた穿孔に適
した所要の高さを有する高いダイが容易かつ正確
に形成され、使用できることになり、従来のよう
に倣い装置着脱の都度普通のダイと、倣い装置に
適合する高さのダイとを一々取替える等の煩雑か
つ非能率的な作業を全く必要としない。

また、基板を介してポンチング台上に取付けら
れる下ダイを、その基部外周に螺条を刻設し、該
螺条を介して基板の螺口内に螺入回動せしめるだ
けで下ダイの高さをパンチヤーそのままでの穿孔
に最適な高さに容易に調整することができるばか
りでなく、調整後更にその当接部分を溶接等によ
り固着することができ、ポンチング時の加圧、振
動等に伴う下ダイの高さ、位置等の変動は生じ得
ない等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図イは本考案に係るパンチヤーの抜型用ダ
イの分割態様を示す斜視概略図、第１図ロは同図
イの縦断面図、第２図は第１図に示す抜型用ダイ
の合体態様を示す一部破断斜視概略図である。 Ａ…下ダイ、Ｂ…上ダイ、Ｃ…倣い装置、ｈ…
下ダイの高さ、h′…上ダイの高さ、１…下ダイの
ダイ部、１′…上ダイのダイ部、２…嵌入筒、３
…下ダイの基部、４…嵌合口、５…基板、６…プ
レート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プレート穿孔用パンチヤーの抜型用ポンチに対
   応してポンチング台上の所定位置に基板を介して
   取付けられる円筒状の抜型用のダイにおいて、該
   ダイを、上端部に嵌入筒を段設した下ダイと、該
   嵌入筒に嵌着可能な嵌合口をその下端部内に段設
   して上記下ダイの上に嵌合せしめて用いる上ダイ
   との少なくとも上下２段の分割可能なダイで形成
   し、前記下ダイを、その基部外周に刻設した螺条
   を介して前記基板の螺口内にダイ高さ調整可能に
   螺着してなることを特徴とするパンチヤーの抜型
   用ダイ。