JPH034391Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は箱の洗浄装置に係り、特にビール、清
涼飲料用壜の運搬用箱の洗浄装置に関する。

〔従来の技術〕 ビール、清涼飲料用壜の運搬箱の多くは数度に
わたり再使用される。この間運搬箱は汚染され、
ビール等の商品に与えるイメージ上も好ましくな
い。

そこで運搬箱を洗浄するため、第３図に示すよ
うに、ケーシング１の両側面に入口孔２および出
口孔３を設け、その間をアタツチメント付きチエ
ンコンベア４を貫通し、同チエンコンベアにより
走行する箱５に多数のノズル６より加圧洗浄液を
噴射させることにより洗浄させていた。

しかしながら、前記従来の方法によると必ずし
も１つのアタツチメントに１つの箱が乗るとは限
らず、複数個の箱が乗つた場合には箱が密着し、
箱の前面および後面を洗浄することができないと
いう欠点があつた。また箱の移動は直線等速運動
であるため、箱相互間および箱とチエンとの相対
的位置の変化がなく、一度噴射の死角となると常
に死角となり、洗浄できない部分が生じた。さら
に、箱の移動は直線運動のみであり、十分な洗浄
効果を確保するためには洗浄機の長さを一定長さ
以上とするか、又は移送速度を減じなければなら
ず、前者の場合には価格および据付面積上、後者
の場合は能力上問題点があつた。

しかも箱は駆動搬送されるため、駆動エネルギ
ーが必要となるのみならず、チエーンの切断、軸
受の損傷、スプロケツトの摩耗等に伴うメンテナ
ンスが必要であつた。また箱の入口孔と出口孔と
が同一側面にないため、洗浄液として湯を使用す
る場合は、入口孔および出口孔の両側面上部に湯
気排気フード７を設ける必要があつた。

〔考案の目的〕

本考案は上記事情に鑑み創案されたものであつ
て、その目的とするところは、上述の従来の箱洗
浄装置が有する全ての欠点を解消し、かつ無駆動
でコンパクトな洗浄効果の高い箱洗浄装置を提供
することにある。

〔考案の概要〕

上記目的を達成すべく本考案は、走行する箱に
ノズルから加圧洗浄液を噴射して箱の洗浄を行う
箱洗浄装置において、ケーシングの一側面の上段
に入口孔を下段に出口孔を夫々設け、このケーシ
ングの内部に、前記入口孔からケーシングの他側
面に延びる上段部と、前記出口孔からケーシング
の他側面に延びる下段部と、この上段部および下
段部を結ぶ半円状の反転部とを一連に接続した案
内路を配設し、この案内路の全行程を箱が自重ま
たは前記ノズルからの洗浄液の噴射力の少なくと
も一方で滑動するよう構成するとともに、前記案
内路の反転部の外方に反転ノズルを該反転部の方
向に向けて配置したものである。

〔考案の作用〕

上記構成の本考案によれば、洗浄すべき箱は、
自重またはノズルからの洗浄液の噴射力の少なく
とも一方でケーシング内の案内路の全行程を滑動
するので、動力の必要をなくして動力伝達に必要
なチエーン等による死角をなくすことができ、し
かも案内路の反転部において箱を強制的に反転さ
せることにより、この反転部に沿つて案内され互
いに隣接する箱の前面と後面とを強制的に開か
せ、ここに反転ノズルから洗浄液を噴射すること
によつて、各箱の前面及び後面も確実に洗浄する
ことができる。

〔考案の実施例〕 以下本考案に係る箱洗浄装置の一実施例を第１
図および第２図を参照して説明する。

第１図は箱洗浄装置１１の概略断面図を示すも
ので、第１図において符号１２はケーシングであ
り、同図右側側面に上下に２つの孔が開口し、箱
入口孔（上段）１３と、出口孔（下段）１４が穿
設されている。

そして入口孔１３の外側には反転された洗浄前
の箱１５を供給し、案内路１６の上段部１６ａに
箱１５を押込む供給コンベア１７を望ませ、前記
出口孔１４には洗浄後の箱１５を排出する排出コ
ンベア１８を望ませている。

一方入口孔１３と出口孔１４の間には洗浄すべ
き箱１５を滑走させる案内路１６で連結されてお
り、同案内路１６は入口孔１３から第１図におい
て左側になだらかに傾斜する上段部１６ａと、ほ
ぼ水平に配置され出口孔に戻る下段部１６ｂと、
同上段部１６ａと同下段部１６ｂとを半円弧状に
結ぶ反転部１６ｃを有している。

また、前記案内路１６は第２図に第１図におけ
る−線に沿つた断面図が示される如く、周囲
４面を囲むように配した８本のバー１９で構成さ
れ、各バーはノズル２０より噴射される水路に支
障のないように配置されている。

一方ケーシング１２底部は仕切板２１で区切ら
れ、案内路１６の上段部１６ａに洗浄水を供給す
る上段水タンク２２と、案内路１６の反転部１６
ｃおよび下段部１６ｂに洗浄水を供給する下段水
タンク２３を構成している。

上段水タンク２２の下部側面にはポンプサクシ
ヨン口２４を穿設し、上段ポンプ２５により、上
段洗浄水配管２６を介し多数の上段ノズル２０ａ
から滑走する箱１５に噴射させている。

同様に下段水タンク２３の下部側面にもポンプ
サクシヨン口２７を穿設し、下段ポンプ２８によ
り下段洗浄配管２９を介し、多数の下段ノズル２
０ｂと反転洗浄水配管３０を介して多数のノズル
２０ｃから、案内路１６内を滑走する箱１５に噴
射させている。

そして、上段ノズル２０ａおよび下段ノズル２
０ｂは案内路１６に向い、上下、左右より噴射さ
せ、箱１５の前面１５ａおよび後面１５ｂを除く
全外面と内面を洗浄している。他方反転ノズル２
０ｃは案内路１６の反転部１６ｃの外側のみ配設
され他部で洗浄しがたい箱１５の前面１５ａおよ
び後面１５ｂを洗浄している。

また案内路１６の上段部１６ａの下側には、上
段水受け３１を配し、洗浄後の水を回収し、上段
ストレーナ３２、ダクト３３を介し上段水タンク
２２に戻している。同様に案内路１６の反転部１
６ｃ、下段部１６ｂの下側にも下段水受け３４を
配し、洗浄水を回収し、下段ストレーナ３５を介
し、下段水タンク２３に戻している。

上記ストレーナ３２，３５は洗浄後の水よりご
みを除去するものであり、網材で構成され、第１
図の紙面に垂直な方向に引き抜く構造となつてい
る。

次に前述のように構成された考案に係る箱洗浄
装置の作動について説明する。

第１図に示されるように供給コンベア１７によ
り搬送された箱１５は入口孔１３より案内路１６
の上段部１６ａに入り、後続の箱１５に押され入
口側の上段ノズル２０ａ下部まで至る。

そこで、上段水タンク２２に貯えられた洗浄水
が上段ポンプ２５より加圧させられ、上段洗浄水
管２６を通り、各上段ノズル２０ａより、洗浄す
べき箱１５に噴射される。すると噴射水の圧力の
合力が進行方向に向つていることおよび、箱１５
と案内路１６を構成しているバー１９との摩擦係
数が水さくなることにより、箱１５は自走しはじ
め案内路１６の反転部１６ｃに至る。ここでは箱
１５が連続して供給されても、箱１５は円弧状に
案内されるため、箱１５の前面１５ａ、後面１５
ｂは相互に開き、反転ノズル２０ｃより射される
洗浄水で、十分な前面１５ａおよび後面１５ｂの
洗浄が行なわれる。案内路１６の反転部１６ｃで
正転された箱１５は下段ノズル２０ｂより噴射さ
れる洗浄水により水洗浄されるとともに、水平に
設置されている案内路１６の下段部１６ｂよりブ
レーキがかけられ、箱排出孔１４より排出コンベ
ア１８上に至る。ここで箱１５の箱洗浄装置１１
の通過時間が短く洗浄効果が不足する場合は、案
内路１６に図示していない摩擦板を挿入し、通過
時間の調整を図ることもできる。

排出コンベア１８に乗せられた箱１５は図示し
ていない水切装置で水が切られ、新たな使用に供
される。

一方上段ノズル２０ａより噴射され、箱１５を
洗浄した汚染水は上段水受け３１上を流れ、上段
ストレーナ３２によりごみは取除かれ上段水タン
ク２２に回収される。同様に反転ノズル２０ｃお
よび下段ノズル２０ｂより噴射され洗浄に使用さ
れた汚染水も下段水受け３４で集められ下段スト
レーナ３５を通り下段水タンク２３に回収され
る。洗浄水は徐々に汚れを増してくることおよび
飛散により減少するため、上段水受けタンク２
２、および下段水タンク２３は各々、図示してい
ない新水補給管より新水が供給される。

他方、上段ストレーナ３２および下段ストレー
ナ３５には徐々にごみが溜り、目詰まりが生ずる
ため、第１図の紙面に垂直する方向に引き抜き、
掃除ができるようになつている。このときストレ
ーナ３２，３５は上下２段となつているため、一
方のストレーナが引き抜かれても、他方のストレ
ーナにより洗浄水のろ過は行なわれる。

〔考案の効果〕

以上の実施例の説明から明らかなように、本考
案においては箱が連続供給されても、案内路の反
転部において箱の前面および後面が開くため、箱
の前面および後面の洗浄が完全なものとなつた。
また箱が案内路を滑走するものであるから従来の
もののように常に噴射の死角となる部分は生じ
ず、箱全面が洗浄できるようになつた。さらに、
箱は上段部と下段部を通過するものであるから、
従来の箱洗浄装置の実質的約２倍の長さのものと
同一の効果を有するものとなつた。しかも、箱の
駆動機構を有さないため、駆動エネルギが不要で
あるとともにチエン等の移動部のメンテナンスが
不要となつた。また入口部と出口部が同一鉛直線
上に配置されるため、湯を使用した場合でも一つ
のフードで回収できるようになつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る箱洗浄装置の概略断面
図、第２図は第１図の−線に沿つて切断した
断面図、第３図は従来の箱洗浄装置の概略断面図
である。 １１……箱洗浄装置、１６ａ……案内路の上段
部、１６ｂ……案内路の下段部、１６ｃ……案内
路の反転部、２０ａ……上段ノズル、２０ｂ……
下段ノズル、２０ｃ……反転ノズル、２２……上
段水タンク、２３……下段水タンク、２５……上
段ポンプ、２８……下段ポンプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行する箱にノズルから加圧洗浄液を噴射して
   箱の洗浄を行う箱洗浄装置において、ケーシング
   の一側面の上段に入口孔を下段に出口孔を夫々設
   け、このケーシングの内部に、前記入口孔からケ
   ーシングの他側面に延びる上段部と、前記出口孔
   からケーシングの他側面に延びる下段部と、この
   上段部および下段部を結ぶ半円状の反転部とを一
   連に接続した案内路を配設し、この案内路の全行
   程を箱が自重または前記ノズルからの洗浄液の噴
   射力の少なくとも一方で滑動するよう構成すると
   ともに、前記案内路の反転部の外方に反転ノズル
   を該反転部の方向に向けて配置したことを特徴と
   する箱洗浄装置。