JPH0343792Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ケーブルの布設又は架渉に用いられ
る引網をけん引する引網けん引機を固定するため
の架台に関するものである。

〔従来技術・考案が解決しようとする問題点〕

車軸の駆動力を利用してケーブル等のけん引に
使用されているシヤフトドライブウインチ車を用
いてケーブルを管路に布設するには、第５図に示
すように、管路１に引網２を引き通し、引網２と
図示しない繰り出しドラムから繰り出した布設す
べきケーブル３とを連結する。次いで、引網２を
マンホール内に支持した滑車５を介してマンホー
ル４外に案内し、シヤフトドライブウインチ車６
の図示しない後部フレームに取付けたガイドロー
ラ８を通し、駆動車輪の車軸に取付けたキヤプス
タンドラム７に数回巻き付けて、キヤプスタンド
ラム７にけん引力を与える引網けん引機９に通
し、その端末を引網巻取ドラム１０に固定する。
そしてシヤフトドライブウインチ車の車軸を駆動
してキヤプスタンドラム７を回転しつつ引網けん
引機９によつて引網２を引網巻取ドラム側へ引き
込むことにより、キヤプスタンドラム７で引網２
をけん引し、引網巻取ドラム１０に巻き取りなが
らケーブル３を管路１に布設する。なお、図にお
いて符号１２は車輪止である。

ところで、上記引網けん引機９の引込力に対し
て反力を得るため引網けん引機９を載置、固定す
る必要があり、従来、道路上等で支柱３０，３１
を設けたり、舗装した道路上では重量物を配置し
て支点を構成し固定しなければならなかつた。

本考案の目的は、簡単に所定位置に固定するこ
とができる引網けん引機用架台を提供することに
ある。

〔問題点を解決するための手段〕 本考案は、架台本体にシヤフトドライブウイン
チ車の車輪を乗り上げ、係止される車輪係止部を
設けると共に、引網けん引機を固定するための固
定具を、前ウインチ車に取付けたキヤプスタンド
ラム位置に対応させて引網けん引機を位置決めす
べく架台本体に移動可能に取付けたことを最も主
要な特徴とする。

従来、引網けん引機の引込力に対して反力を得
る方法として支柱を設けたり、重量物を配置して
固定する方法が取られていたが、本架台によつて
主たるけん引装置である前記ウインチ車を利用し
て引網けん引機を所定位置に固定可能とした。

〔実施例〕

第１図ないし第３図は本考案の一実施例を説明
するための図である。

第３図には、シヤフトドライブウインチ車６を
用い、このけん引力を制御しながらケーブルを布
設する方式の一例が示されている。即ち、マンホ
ール４間の管路１には引網２が引き通され、この
引網２の一端側にはプーリングアイを介して布設
すべきケーブル３の端末が連結されている。この
ケーブル３は図示しない繰り出しドラムより繰り
出される。引網２は、マンホール４内に支持した
滑車５を介してマンホール４外に案内され、張力
検出器１１を通り、シヤフトドライブウインチ車
６に固定したガイドローラ８に案内されてキヤプ
スタンドラム７に数回巻き付けられている。キヤ
プスタンドラム７は、シヤフトドライブウインチ
車６の後輪６ａを駆動するための車軸に取付けら
れ、後輪６ａと道路上との間に楔状の車輪止１２
が後輪６ａの両側に係入されている。キヤプスタ
ンドラム７に巻き取られた引網２は、更に、キヤ
プスタン式の引網けん引機１３を構成するリール
に数回巻き付けられたその端末が引網巻取ドラム
１０に固定されている。引網けん引機１３は制御
部１４を有し、この制御部１４は張力検出器１１
からの張力検出信号により引網けん引機１３のけ
ん引速度を制御する。

ケーブル３を管路１に布設するには、引網けん
引機１３のモータを駆動して前記リールを回転さ
せるとともに、シヤフトドライブウインチ車６の
エンジンの駆動により後輪６ａの車軸を回してキ
ヤプスタンドラム７を回転する。従つて、引網２
がキヤプスタンドラム７及び引網けん引機１３の
けん引力によりけん引され、引網巻取ドラム１０
に巻き取られるので、ケーブル３は管路１内を引
き通され布設される。

ケーブル３の布設作業時において、ケーブル３
の許容布設張力値に合わせてあらかじめ制御部１
４でけん引張力の上限値を設定しておくと、ケー
ブル３に加わる張力が増大し、張力検出器１１で
検知した張力がケーブル３の許容布設張張力値に
達すると、制御部から引網けん引機１３のモータ
を停止させる信号を送出して引網けん引機１３を
停止させ、引網２をキヤプスタンドラム７上でス
リツプさせてケーブル３のけん引を停止させる。
更に、けん引が停止するとケーブル３に加わる張
力が低下し、その張力が制御部であらかじめ決ま
つている値まで低下すると、再び引網けん引機１
３のモータを駆動させる信号を送出してケーブル
３を再けん引させる。従つて、引網２を介してケ
ーブル３を許容布設張を超えずに巻取ドラム１内
に布設することができる。

さて、引網けん引機１３は、本考案に係る架台
１５上に固定されている。即ち、本考案に係る架
台１５は、第１図に示すように、架台本体１６を
備えている。この架台本体１６の一端側には腕部
材１７が軸方向に貫通して固定されている。この
腕部材１７の両端からは車輪止部材１８，１８が
平行に突出し、これら車輪止部材１８，１８間に
は車輪係止部１９が固定されている。架台本体１
６上には断面コ字状の摺動部材２０が配されてい
る。この摺動部材２０は架台本体１６の長手方向
に沿つて摺動し、一端側に長孔２０ａが形成され
ている。そして架台本体１６上には長孔２０ａを
貫通して固定摘み２１が螺入れている。摺動部材
２０上に固定具２２が取付けられている。この固
定具２２は、第２図に示すようにクランプ本体２
３と、このクランプ本体２３の一側に固定されて
いる固定側の爪部材２４と、クランプ本体２３の
他側に支持棒２５，２５を介して移動可能に支持
されている可動側の爪部材２６と、この爪部材２
６を貫通してクランプ本体２３のねじ孔に螺入さ
れているねじ杆２７と、このねじ杆２７に一体的
に形成されている摘み２８とを含んでいる。これ
に対して、上記引網けん引機１３の本体下部には
固定用のプレート１３Ａが設けられて、プレート
１３Ａはその孔１３ａがクランプ本体２３の位置
決め用の突起２３ａに係合された状態でクランプ
本体２３上面に係止される。従つて、摘み２８を
回してねじ杆２７をクランプ本体２３に螺入する
と、爪部材６が他方の爪部材２４と接近する方向
に移動するので、これら爪部材２４及び２６がプ
レート１３Ａを挾持する。よつて、これにより、
第３図に示すように、引網けん引機１３を架台１
５上に固定することができる。

次に、本考案に係る架台１５の使用態様を説明
する。

即ち、架台１５をシヤフトドライブウインチ車
６の前輪６ｂ近傍に配設し、車輪係止部１９上に
前輪６ｂを乗り上げて係止する。従つて、これに
より車輪係止部１９上にはシヤフトドライブウイ
ンチ車６の重量が前輪６ｂを介して加わるので、
架台本体１６が道路上で固定されることになる。
そして、前輪６ｂの両側には車輪止部材１８，１
８が位置し、さらに後輪６ａの両側には車輪止め
が係入されているため、路面が傾斜していてもシ
ヤフトドライブウインチ車６が自走することはな
い。

架台１５をシヤフトドライブウインチ車６にて
固定した後は、上記したように、固定具２２によ
り引網けん引機１３を架台１５上に、固定し、摺
動部材２０を摺動させて引網けん引機１３をキヤ
プスタンドラム７と引網巻取ドラム１０間で一直
線状に位置するように位置決めし、固定摘み２１
を架台本体１６に螺入して摺動部材２０を架台本
体１６上で固定する。

尚、上記実施例では本考案の架台１５にキヤプ
スタン式引網けん引機１３を固定したが、無端ベ
ルト式引網けん引機を固定してもよいのは勿論で
ある。

さらに、前記ウインチ車６のキヤプスタンドラ
ム７を介さず引網を直接けん引する光フアイバケ
ーブルけん引機を固定してもよい。

第４図は本考案の別の実施例が示されている。
即ち、この例では、架台本体１６の一端例にすべ
り止め処理された鋼板から成る車輪係止部１９′
が取付けられている。従つて、シヤフトドライブ
ウインチ車６の前輪６ｂにより更に確実に架台１
５を道路上に固定することがきる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、架台本体にシヤフトドライブ
ウインチ車の車輪が係止される車輪係止部を設け
ると共に、引網けん引機を固定するための固定具
を架台本体に移動可能に取付けたことで、前記車
輪を車輪係止部に係止するだけで架台を固定して
引網けん引機を道路上等の定位置に確実に固定が
できる上に、キヤプスタンドラム位置に対応させ
て位置決めすることができる。従つて、引網けん
引機を固定するために支柱を設けたり、重量物を
配置して支点構成せず、所定位置に確実にしかも
簡単に固定して設置できるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る架台の斜視図、第２図は
固定具の斜視図、第３図は本考案の架台を用いた
ケーブル布設方式を説明するための説明図、第４
図は本考案の別の実施例として示した架台の斜視
図、第５図は従来のケーブル布設方式を説明する
ための説明図である。 ２……引網、３……ケーブル、６……シヤフト
ドライブウインチ車、７……キヤプスタンドラ
ム、１３……引網けん引機、１５……架台、１６
……架台本体、１９……車輪係止部、２２……固
定具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 布設すべきケーブルの端末に連結された引網
   を、シヤフトドライブウインチ車に取付けられて
   回転するキヤプスタンドラムを介してけん引する
   引網を固定するための架台であつて、架台本体
   と、該架台本体の一端に設けられ、前記シヤフト
   ドライブウインチ車の重量が車輪を介して加えら
   れる車輪係止部と、前記架台本体上に移動可能に
   取付けられ、前記引網けん引機を固定する固定具
   とを備えることを特徴とする引網けん引機用架
   台。