JPH0343370Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はエンジン冷却装置に関する。

第１図及び第２図に従来のエンジン冷却装置の
概略図を示す。第１図は、エンジンのシリンダヘ
ツド部を示す側面図であり、第２図は、第１図の
矢視図である。第１，２図において、エンジン
のシリンダライナ回りを循環した冷却水は、シリ
ンダヘツドａを冷却した後、冷却水管ｂを通り、
ゴムホースｃを経由して冷却水集合管ｄに集めら
れる。冷却水集合管ｄに軽量化のためアルミニウ
ムを使用する場合、これはシリンダヘツドａ（鉄
あるいはアルミニウム青銅鋳物等）に対し卑な金
属｛金属を溶液中に入れ、電溶圧（金属を溶液中
に入れ、金属の一部が陽イオンとなつて液中に溶
けだすが、その溶け込む圧力）の大きい順になら
べたとき大きい方を卑な金属という｝であり、電
蝕により腐食するので、冷却水管ｂとの接続はゴ
ムホースｃを使用して腐食防止を図つている。こ
のため、従来の冷却装置では、下記のような欠点
を有している。

(1) 冷却水管ｂ及び冷却水集合管ｄのゴムホース
取付部には直線部が必要となり、エンジン全高
や、幅寸法が大きくなる。

(2) ゴムホース交換時パイプの取外しが必要とな
り、整備性が悪い。

(3) ゴムホース破損時の予備が必要。

本考案は、上記のような従来のエンジン冷却装
置の欠点を解消し、軽量、小形、整備性を計りな
がら、エンジン冷却水継手部の電蝕防止を可能に
したエンジン冷却装置に関する。すなわち、本考
案の目的は、エンジン冷却水系の異種金属からな
る冷却水路部材間に、両面にＯ−リング溝を有す
る合成樹脂板を介装し、該Ｏ−リング溝内にＯ−
リングを挿入して三者を一体に締着してなるエン
ジン冷却装置を提供することである。

本考案のエンジン冷却装置の特長を以下に示
す。

(1) シリンダヘツドと冷却水集合管の間に合成樹
脂の絶縁板を入れ、腐食防止を計り、耐久性を
増加させる。

(2) 水洩れ防止のため、絶縁板の両面にＯ−リン
グを入れ、一層の腐食防止を計れる。

(3) 絶縁板を取外すことなく冷却水集合管一体で
取付け、取外しができるため整備性がよい。

(4) エンジン全高、全幅を小さくすることができ
る。

本考案のエンジン冷却装置は、エンジン冷却水
系統で異なる２種類の金属を使用している個所を
有するエンジンに適用できる。

以下に、本考案を第３〜６図で詳述する。

第３〜５図は、本考案の一実施態様を示す。第
３図はエンジンのシリンダヘツド部の測面図、第
４図は、第３図の−断面図、第５図は、第３
図を断面で示す詳細図である。第６図は、本考案
のもう一つの実施態様を示す詳細図である。

第３〜６図において、シリンダヘツド１の冷却
水出口に、各シリンダごとの冷却水管２、合成樹
脂性の絶縁板３を設け、これに全シリンダ一体の
冷却水集合管４を取付ける。また、絶縁板３の両
面には、Ｏ−リング５，６が取付けられボルト７
にて締付けられる。絶縁板３の厚さは、３mm以上
が好適である。

なお、第３〜５図中、２ａは冷却水管２のフラ
ンジ、４ａは冷却水集合管４のフランジである。

シリンダヘツド１を冷却した冷却水は、各シリ
ンダごとに冷却水管２、絶縁板３を経て、冷却水
集合管４に集められ、排出、循環される。この
際、冷却水集合管４がアルミニウム合金、シリン
ダヘツド１が鉄系合金あるいはアルミニウム青銅
の場合でも、絶縁板３の介在により、金属部１，
２，４の電蝕が防止される。

【図面の簡単な説明】

第１〜２図は従来例を示し、第１図は、エンジ
ンのシリンダヘツド部を示す側面図、第２図は、
第１図の矢視図である。第３〜５図は、本考案
の一実施態様を示し、第３図は、エンジンのシリ
ンダヘツド部を示す側面図、第４図は、第３図の
−断面図、第５図は第３図の断面を示す詳細
図である。第６図は、本考案のもう一つの実施態
様を示す。 図中の各記号は以下の通りである。ａ……シリ
ンダヘツド、ｂ……冷却水管、ｃ……ゴムホー
ス、ｄ……冷却水集合管、１……シリンダヘツ
ド、２……冷却水管、２ａ……冷却水管２のフラ
ンジ、３……絶縁板、４……冷却水集合管、４ａ
……冷却水集合管４のフランジ、５，６……Ｏ−
リング、７……ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジン冷却水系の異種金属からなる冷却水路
   部材間に、両面にＯ−リング溝を有する合成樹脂
   板を介装し、該Ｏ−リング溝内にＯ−リングを挿
   入して三者を一体に締着してなるエンジン冷却装
   置。