JPH0342530Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本願は、自動販売機，両替機，ゲーム機器等に
用いる硬貨選別装置に関する。

従来技術 従来硬貨の通路中に材質選別用のマグネットを
備え、このマグネットの位置で磁性材から成る偽
貨を吸着してこれを停留させるように構成した硬
貨選別装置において、その停留された偽貨を返却
口に返却する手段として、返却用レバーにワイパ
ーを連動せしめ、このワイパーにより吸着面を掃
査して偽貨を排除する構成のもの或いは返却用レ
バーにより開閉板を開披方向に傾動して偽貨をマ
グネットから離反させて排除する構成のものは公
知である。

考案が解決しようとする問題点 ところが、上記したいづれの構成のものも、特
に偽貨が強磁性材から成る場合に返却用レバーを
強く操作しなけば偽貨を確実に排除することが出
来ないという使用上の不都合があるほか、殊に後
者の場合においては、開閉板を大きく開披する必
要があり、それ丈スペース的に無駄を有するとい
う欠陥がある。

問題点を解決するための手段 本考案は上記従来の欠点を目的とし、特に磁性
材から成る偽貨が材質選別用のマグネットの位置
で吸着されたとき、該吸着状態の偽貨を返却用レ
バーの操作によつて確実に解除して返却口に導く
ようにしたもので、その要旨とするところは、基
板に、その内面と対向して選別通路を形成する開
閉板と、この開閉板を開披方向に作動する返却用
レバーと、前記選別通路に位置して硬貨の材質を
選別するマグネットとを備え、また前記開閉板の
内面には、前記マグネットと対向する位置に、開
閉板が閉じられている状態で選別通路を通る硬貨
の通過を許容する間隙を形成したゲート部片と、
前記返却用レバーの操作により前記間隙内を掃査
するワイパーを備えたことを特徴とするものであ
る。

作 用 しかして常時はマグネットにより開閉板が吸引
されて閉じており、この状態で硬貨を投入する
と、該硬貨は開閉板とゲート部片との間隙を通過
して硬貨導出部の所要位置に導かれる。そして前
記硬貨が磁性材より成る偽貨であるときは、マグ
ネットの吸着力によりゲート部片の内面に吸着さ
れて間隙の通過が阻止される。しかしてこのよう
にマグネットにより吸着された偽貨を排除すると
きは、返却用レバーをその復元スプリングに抗し
て押圧する。すると返却用レバーが回動し、その
回動に伴い、開閉板は基盤の内面から離反すると
共に、マグネットに吸着されている偽貨も離反し
て、偽貨のマグネットに対する吸引力が弱められ
る。一方返却用レバーの回動に伴い、ワイパーが
回動して、間隙を掃査し、この掃査時に、マグネ
ットとの吸着力が弱められた偽貨が排除されると
共に、開閉板の開披により、偽貨は確実に排除さ
れて返却口に導かれる。

実施例 以下図面について詳述すると、１は基盤で、そ
の上半部に投入口２から投入された硬貨を下半部
の硬貨導出部３内に導くための選別通路ａを基盤
１の内面との間で形成する開閉板４が支軸５を介
して傾動自在に取り付けられており、この開閉板
４は磁性材から成り、これには、前記投入口２の
直下に位置して硬貨の径を選別するクレードル６
が設けられている。７は前記クレードル６により
選別された硬貨を受け入れてこれを前記硬貨導出
部３の所要位置に導くレールで、前記基板１の内
面に設けられており、更にこの基板１には、前記
レール７の上方に位置し選別通路ａに導かれた磁
性材から成る偽貨を吸着してその通過を阻止する
材質選別用のマグネット８が取付板９を介して配
設されている。１０は基板１の外面上部に支片１
１により一端が枢着されかつ、復元スプリング１
２により常時水平状に保持された返却用レバー
で、その遊端側には、前記開閉板４の側縁部に設
けた部片１３の傾斜縁１３′と作用し、返却用レ
バー１０を復元スプリング１２に抗して下向きに
押圧したとき開閉板４を開披方向に傾動させる舌
片１４が折曲して設けられている。１５は開閉板
４の前記マグネット８と対向する内面に位置し、
かつ、非磁性板を内面に張設して硬貨の通過を許
容する間隙ｐを開閉板４との間で形成するように
設けられたゲート部片で、これには前記マグネッ
ト８を受け入れる開口部１５′が開設され、かつ、
内面にはこの開口部１５′を閉じる非磁性板より
成る覆片１６が一体に設けられている。１７は前
記間隙ｐ内に遊端屈曲部１７′が常時は硬貨の通
過を妨げない状態で臨み、返却用レバー１０を押
圧操作したとき前記遊端屈曲部１７’が前記間隙
ｐ内を掃査するワイパーで、その基端が開閉板４
の内面に枢軸１８により枢着されており、このワ
イパー１７には前記返却用レバー１０の下縁に設
けた切欠部１９と係合するピン２０が設けられて
いる。２１は前記ワイパー１７の復元用バネであ
る。しかして常時はマグネット８により開閉板４
が吸引されて閉じており、この状態で投入口２か
ら硬貨を投入すると、該硬貨はクレードル６を経
てレール７に至り、ここで開閉板４とゲート部片
１５との間隙ｐを通過して硬貨導出部３の所要位
置第２図における右端部位置に導かれ、かつ、正
貨においては硬貨導出部３内の正貨通路部３ａ内
に導かれる。そして前記硬貨が磁性材より成る偽
貨であるときは、マグネット８の吸着力によりゲ
ート部片１５の内面に吸着されて間隙ｐの通過が
阻止される。しかしてこのようにマグネット８に
より吸着された偽貨を排除するときは、返却用レ
バー１０をその復元スプリング１２に抗して下方
に押圧する。すると返却用レバー１０は支片１１
を中心として下向きに回動し、この回動に伴い舌
片１４と傾斜縁１３’との作用により開閉板４は
基盤１の内面から離反すると共に、マグネット８
に吸着されている偽貨も離反して、偽貨のマグネ
ット８に対する吸着力が弱められる。一方返却用
レバー１０の回動に伴い切欠部１９と係合ピン２
０との係合を介してワイパー１７は第３図におい
て反時計方向に回動してその遊端屈曲部１７’が
間隙ｐ内を掃査し、この掃査時に、マグネット８
との吸着力が弱められた偽貨が排除される共に、
開閉板４の開披により偽貨は正しく硬貨導出部３
内の返却通路部３ｂ内に落下し、これが返却部に
返却される。

効 果 本考案は上記のように、開閉板を開披して偽貨
をマグネットより離反し、この離反に伴い、マグ
ネットとの吸着力が弱められた偽貨を、ワイパー
によつて掃査して、開閉板とゲート部片との間の
間隙内に停留している偽貨を排除する構成である
ので、開閉板の僅かな開披と、軽いワイパーの回
動操作とにより偽貨が強磁性材から成る場合であ
つても偽貨を確実にかつ、容易に排除することが
でき、しかも操作性が良好であると共に大きなス
ペースを要せず、さらに、本願によれば、選別通
路にマグネットを露出状態に備え、かつゲート部
片、開閉板を閉じた状態で、前記マグネットを嵌
合する開口部を設けたので、マグネットを可及的
選別通路側に位置させて、偽貨に対しマグネット
を有効に作用させることができると共に、選別通
路幅の拡がりを少なくできて小型化に有効である
などの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本願の実施例を示すもので、第１図は総
体の平面図、第２図は開閉板を省略した平面図、
第３図は開閉板の内面図、第４図は開閉板が閉じ
た状態の縦断面図、第５図は開閉板を開披した状
態の縦断面図である。 図中、１は基板、２は投入口、４は開閉板、８
はマグネット、１０は返却用レバー、１２は復元
スプリング、１３′は傾斜縁、１４は舌片、１５
はゲート部片、１６は覆片、１７はワイパー、１
８は枢軸、１９は切欠部、２０は係合ピンであ
る。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 基板に、その内面と対向して選別通路を形成
   する開閉板と、この開閉板を開披方向に作動す
   る返却用レバーと、前記選別通路に露出して硬
   貨の材質を選別するマグネットとを備え、また
   前記開閉板の内面には、前記マグネットと対向
   する位置に、開閉板が閉じた状態で前記マグネ
   ットを嵌合する開口部を有すると共に、前記選
   別通路を通る硬貨の通過を許容する間隙を開閉
   板内面との間に形成するゲート部片と、前記返
   却用レバーの操作と連動して前記間隙内を掃査
   して偽貨を排出するワイパーとを備えて成る硬
   貨選別装置。 (2) 開閉板が、基板に対しその上縁部で開閉自在
   に取り付けられた実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の硬貨選別装置。 (3) 間隙が、左右側面と下面で開口した実用新案
   登録請求の範囲第１項または第２項記載の硬貨
   選別装置。