JPH0342145Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は温水等による尻部の目標部の洗浄と、
温風等による目標部の乾燥の２つの機能を備えた
洗浄乾燥式便器に関し、乾燥効果がよく、しかも
簡素化された構造をもつ洗浄乾燥式便器に関す
る。

＜従来技術とその問題点＞ 尻部の目標部を温水等で洗浄した後、温風等の
乾燥用空気にて目標部を乾燥するように構成した
便器として、従来、第２図に示す便器があつた。
この便器は便座１に腰掛けられた状態の尻部２に
対して、便座１の基部ケース３内に設けた温風機
４から温風を吹き出し、目標部の乾燥を行うよう
に構成されたものである。しかしこの便器では、
温風が尻部２から離れた基部ケース３内から吹き
出されるため、吹き出しアングルが悪く、乾燥効
率が悪いという欠点があつた。

また他の従来例として特開昭53−55642号公報
記載の便器も提案されている。この便器は第３図
の構成図に示すように、二重管構造をもつ左右一
対のノズル１１，１１を備え、該ノズル１１の内
管に熱交換器１２からの温水を供給し、ノズル１
１の内管と外管との間に温風機１３からの温風を
送るようにしている。そして洗浄時には、温水目
標部に、また乾燥時には温風を目標部に噴出する
よう構成されている。しかしながら前記一対のノ
ズル１１は便器の壁部にその噴出口１１ａを覗か
せているだけであり、管１４を用いて正確な位置
を確保する場合には、用足し時に管１４が邪魔で
ある。また洗浄用水を管１４を通して噴射した後
温風を使用すれば、管１４内に残留の洗浄用水が
温風と一緒に吹き出す不都合がある。管１４を用
いない場合には目標部へ正確に洗浄用水、温風を
吹き付けることができない。一方、この装置では
水道直結形の熱交換器１２を用いて温水をノズル
１１に供給する構造であるため、水圧が高く、洗
浄感が悪い欠点がある。水を一旦タンクに貯め、
これをポンプにてノズル１１へ送ることも考えら
れるが、これにはポンプが必要となる欠点があ
る。

そこで本考案は上記従来技術の欠点を解消し洗
浄用の水および乾燥用の空気を正確に尻部の目標
部に当てることができ、よつて洗浄、乾燥が効果
的に行え、しかもポンプ等を必要とすることなく
良好な洗浄感をもつて洗浄用水を噴出することが
できる洗浄乾燥式便器の提供を目的とする。

＜問題点を解決するための手段＞ 本考案の洗浄乾燥式便器は、目標部に向かつて
洗浄用水を噴出させ、また同様に乾燥用空気を噴
出させるように二重管とされた噴出ノズルと、該
噴出ノズルへ送水管を通して洗浄用水を供給する
ための貯水タンクと、前記噴出ノズルへ送風管を
通して乾燥用空気を供給するためのコンプレツサ
とを有し、且つ前記コンプレツサからの空気を前
記貯水タンクに導入する吹込管を設け、前記洗浄
用水の共給は前記吹込管からの空気により前記貯
水タンク内の水面を加圧することにより行うよう
構成したことを特徴としている。

＜作用＞ 目標部に向かつて洗浄用水を噴出させる噴出ノ
ズルを二重管にして、該ノズルから乾燥用の空気
も噴出できるようにしており、洗浄時には洗浄用
水と乾燥用空気がノズルから同時に噴出して目標
部を洗浄する。この際、コンプレツサからの空気
は貯水タンク内にも導入され、水面を加圧するこ
とにより前記洗浄用水を送水管を通して噴出ノズ
ルに供給する。すなわちコンプレツサによつて得
られる乾燥用空気（圧搾空気）の一部を利用して
洗浄用水の供給も行うわけである。乾燥時には、
貯水タンク内への圧搾空気の導入を遮断すればよ
い。特別のポンプを必要とすることなく、適当な
水圧で洗浄感のよい状態で噴出ノズルから洗浄水
を噴出することができ、また乾燥についても噴出
ノズルから温風等の乾燥用空気を目標部に向かつ
て正確に当てることができる。

＜実施例＞ 第１図は本考案の実施例を示す構成図である。
洋式便器の壷部２１内にサーボモータ等で進退自
在に進出する噴出ノズル２２ざ設けられ、使用時
には前記噴出ノズル２２が所定の位置まで進出し
て、洗浄用水或いは乾燥用空気を尻部の目標部に
正確に噴出する。不使用時には用便の邪魔になら
ぬよう後退する。洗浄用水は水道等の水源から一
旦貯水タンク２３に貯えられ、該貯水タンク２３
から送水管２４を通つて噴出ノズル２２に供給さ
れる。２５は温水ヒータで、２６は温度センサで
ある。一方、前記乾燥用空気はリニアコンプレツ
サ２７で得られた圧搾空気を送風管２８を通して
噴出ノズル２２に供給することによつて得られ
る。送風管２８には温風ヒータ２９が設けられて
いる。リニアコンプレツサ２７からの圧搾空気は
その一部が送風管２８から分岐された吹込管３０
を通つて前記貯水タンク２３内に導入される。３
１は吹込管３０の開閉用電磁弁である。貯水タン
ク２３への空気の導入はこの電磁弁３１によつて
制御される。

今、用便が終わり、洗浄ボタンをオンにする
と、リニアコンプレツサ２７が作動し、圧搾空気
が吹込管３０を通して貯水タンク２３に導入さ
れ、水面を加圧する。これによつて貯水タンク２
３から洗浄用水が送水管２４を通つて噴出ノズル
２２に送られ、噴出せられる。この時噴出ノズル
２２は進出状態にセツトされている。一方、乾燥
用空気も送風管２８を通つて噴出ノズル２２に送
られ、該乾燥用空気と前記洗浄用水が噴出ノズル
２２先端でミツクスされる形で目標部に噴出され
る。次に乾燥ポタン（スイツチ）をオンにする
と、電磁弁３１が吹込管３０の通路を遮断し、コ
ンプレツサ２７からの温風だけが噴出ノズル２２
から目標部に向けて噴出される。

＜効果＞ 本考案は以上の構成よりなり、洗浄用水のみな
らず乾燥用空気もノズルから直接目標部へ吹きか
けることができるので、乾燥効率がアツプし短時
間で乾燥ができる。乾燥時に洗浄用水が混ざつて
吹き出されることがない。また洗浄時には洗浄用
水に乾燥用空気がミツクスした形で噴出されるの
で、洗浄効果が増す。特に本考案では乾燥用空気
の供給に用いられるコンプレツサからの圧搾空気
の一部を利用して、貯水タンクからの洗浄用水供
給を行うように構成しているので、洗浄用水専用
のポンプが不要となり、全体の構造を簡単且つコ
ンパクトにすることができると共に製造コストを
安価にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す構成図、第２図
と第３図はそれぞれ従来例を示す構成図である。 ２１…壷部、２２…噴出ノズル、２３…貯水タ
ンク、２４…送水管、２７…リニアコンプレツ
サ、２８…送風管、３０…吹込管、３１…電磁
弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 目標部に向かつて洗浄用水を噴出させ、また同
   様に乾燥用空気を噴出させるように二重管とされ
   た噴出ノズルと、該噴出ノズルへ送水管を通して
   洗浄用水を供給するための貯水タンクと、前記噴
   出ノズルへ送風管を通して乾燥用空気を供給する
   ためのコンプレツサとを有し、且つ前記コンプレ
   ツサからの空気を前記貯水タンクに導入する吹込
   管を設け、前記洗浄用水の供給は前記吹込管から
   の空気により前記貯水タンク内の水面を加圧する
   ことにより行うよう構成したことを特徴とする洗
   浄乾燥式便器。