JPH0341721B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】発明の分野 本発明は、蒸気発生装置に関し、時に、発電所
等において蒸発を発生するために用いられる蒸気
発生装置の水冷膜壁にケーシングを密封状態に結
合するための中介密封手段に関する。発明の背景 現在の大抵の蒸気発生装置は、「膜壁」と称さ
れる水冷壁パネルを有している。膜壁は、多数の
直立管を互いに管の直径より長い心間距離だけ横
方向に離隔させて並置し、それらの管と管の間を
「膜」または「膜バー」と称される平坦な金属バ
ーによつて連結したものである。膜バーは、各管
の外周面に両側に180°離隔して配置され、該管と
隣接する管の全長に亘つて溶接され、細長い円筒
管の表面と、細長い平坦な膜バー表面とが交互に
並ぶ連続した壁表面を形成する。膜バーの外表面
は、管の最外表面より内方にひつこめられてお
り、管と管の間に介在する凹部を画定する。溶接
は、いろいろな周知の手段によつて行うことがで
き、通常、膜壁の両面に施される。

例えば、蒸気発生装置のバーナを収容し、燃焼
用空気を分配するための風箱のような気密囲い体
を形成するために「ケーシング」と称される金属
板が膜壁の外側面に付設される。このケーシング
は膜壁に気密状態に連結することが肝要である。

現在、ケーシングと膜壁との連結は、各管と管
の間の凹部に上記膜バーの外側面に隣接させて短
いブロツクまたは充填バーを挿入することによつ
て行われている。このように各管と管の間に充填
バーを挿設する構成は、例えば米国特許第
3357408号に開示されている。この構成によれば、
充填バーを各管と管の間に横方向にも、縦方向に
も溶接して管との間の介在凹部を埋め、膜壁の外
側面に横断方向に平坦な（凹凸のない）連続した
表面を形成する。次いで、ケーシングを充填バー
および管に密封溶接する。しかしながら、この構
造は、各管を硬直させ、強く固定してしまうの
で、管の熱膨脹および収縮を制限することにな
る。蒸気発生装置の作動中は、膜壁とケーシング
との間に相当な温度の差が生じるので、膜壁とケ
ーシングとの熱膨脹量が相当に異る。更に、この
硬直化された膜壁構造は蒸気発生装置の作動条件
の変更の際などに生じる急激な温度変化に極めて
敏感であり、過度の熱応力を受けて管の破損を招
くことがある。発明の概要 本発明は、ケーシングと膜壁とを両者間の熱膨
脹の差を容易に補償するような態様で密封連結す
るための中介密封部材に関する。

略述すれば、本発明の中介密封部材は、膜壁と
ケーシングとの間に介設され、両者に密封溶接さ
れる細長プレートから成る。このプレートには、
その一方の長手側縁部に沿つて複数の円弧状サド
ル（受座）と、突部とが交互に形成されており、
該各サドルは、膜壁のそれぞれ対応する１つの管
の円弧状表面部分に重合するようになされてい
る。この細長プレートを膜壁に気密状態に溶接
し、該プレートにケーシングが溶接される。

本発明の１つの特徴によれば、前記各サドルお
よび突部を前記細長プレートの前記一方の長手側
縁から前記管に平行に該プレートの幅より短い距
離に亘つて延長させ、該各突部の深さは、該一方
の長手側縁からの距離が増大するにつれて漸次浅
くなるように構成する。各サドルの円弧形状（湾
曲表面）の曲率半径は、該細長プレートの一方の
長手側縁から延長する前記距離の全長に亘つて該
サドルの中心線において一定（不変）とする。細
長プレートの他方の長手側縁は前記一方の長手側
縁に対して平行で真直ぐな側縁とする。各サドル
および突部はそれぞれ対応する膜壁の円弧状表面
部分および平坦な表面に衝接させることが好まし
い。実施例の説明 第１図を参照すると、本発明と中介密封部材を
構成する細長プレート２０の一部分、および膜壁
２１およびケーシング２２の一部分が示されてい
る。

膜壁２１は、長手軸線を平行にして並置された
多数の管２３（蒸気を発生するための水を通すの
で「水冷管」と称される）と、それらの管の間に
介設されてそれらの管を相互に連結する平坦な細
長いバー２４とから成つている。バー２４は、
「膜」または「膜バー」とも称され、各管の外周
面の両側に180°離隔して溶接されている。各バー
２４の両側縁は管２３に全長に亘つて溶接され、
各管の中心を通る共通の平面内に配置されてい
る。この平面は、各管の外側面に対してひつこめ
られている。従つて、膜壁の両面は、長手方向に
延長する半円形即ち円弧状の表面と平坦な表面と
が横方向に交互に存在する表面を呈する。

本発明の一実施例による細長プレート２０は、
互いに対向した上方長手側縁２５および下方長手
側縁２６と、横方向の端縁２７および２８を有す
る長方形の金属板である。上方長手側縁２５は、
総体的に波形輪郭を有し、複数の円弧状サドル３
０（管２３を受容する受座）と、側縁２５に沿つ
て等間隔をおいてサドル３０と交互に位置する突
部３１を画定する。即ち、各突部３１は、２つの
サドルの側部と側部が合流して形成されている。
各サドル３０は、管２３の外周表面に合致する円
弧形状とされており、各突部３１は、隣接する管
と管の間の凹部に突入するように設計されてお
り、側縁２５のところにおいては対応する膜バー
２４に衝接するのに十分な深さを有している。下
方長手側縁２６は、上方長手側縁２５に対して平
行で、真直ぐである。

サドル３０および突部３１は、上方長手側縁２
５から下方長手側縁２６の方向に向つて管２３の
長手軸線に平行にプレート２０の幅より短い距離
３２（第２図）だけ延長している。上方側縁２５
から下方側縁２６に向つて進むにつれて、第４〜
６図に示されるように、突部３１の深さｄは、漸
次浅くなつており、各サドルおよび突部はプレー
ト２０の下方スカート部の平面内へと漸次テーパ
している（第４図）。従つて、下方側縁部のサド
ル３０の曲率半径ｒは、サドルの垂直中心線にお
いては上から下まで一定であるが、サドル３０の
該中心線の両側の円弧状湾曲は上方側縁２５から
下方へ進むにつれて減少しプレート２０の平坦部
分の平面に近づく。

以下に、本発明のプレート２０の寸法の一例を
例示する。

例えば、心間距離3in（76.2mm）の間隔で並置さ
れた外径2.5in（63.5mm）の管を有する膜壁に適用
する場合、プレート２０は、端縁２７から２８ま
での長さ約2.5ft（762mm）、側縁２５から２６ま
での幅約9in（230mm）の鋼板で構成することがで
きる。プレート２０の上方側縁２５から0.5in
（12.2mm）までの幅部分を膜壁の表面に衝接させ
るように設計する。サドル３０および突部３１
は、上方側縁２５から7in（177.8mm）の距離に亘
つて延長させ、プレート２０の下方側縁２６まで
の残りの2in（50.8mm）の幅部分は平坦面とする。
上方側縁２５におけるサドル３０の曲率半径は、
約１ 5/16in（約33mm）とする。

使用に当つては、プレート２０を第７，８図に
示されるように膜壁２１に当てがい、各サドル３
０を対応する管２３に整合させ、各突部３１を管
と管の間の凹部に嵌入させる。プレート２０の上
方側縁２５から上述した0.5in（12.2mm）の幅の面
を膜壁に衝接させる。かくして、上方側縁２５に
おいては、サドル３０は管２３に衝接し、突部３
１は膜２４に当接する。

次いで、プレート２０の上方長手側縁２５に沿
つて溶接４０を施すことによつてプレート２０を
膜壁２１に一体的に結合する。複数のプレート２
０をそれぞれの端縁２７，２８に沿つて全幅に亘
つて溶接４１を施すことにより連結することがで
きる（第１０図）。従つて、プレート２０は、蒸
気発生装置の全周の周りに連続して配設すること
ができる。

第１および９図に示されるように、ケーシング
２２は、その上方側縁をプレート２２の下方側縁
２６と、サドル３０および突部３１がプレート２
０の平坦な下方スカート部分の平面内へ融合する
部位との間の溶接線４２に沿つてプレート２０に
密封溶接される。

かくして、ケーシング２２は、膜壁２１のどの
部分にも直接溶接されることがなく、プレート２
０は、水平方向の溶接線４０に沿つてのみ膜壁２
１に溶接される。

従つて、プレート２０は熱による変形を許され
るので、先に述べた従来の充填バーによる連結方
法に比べて、管の輪郭に合致した本発明のプレー
トの波形上方側縁２５は、膜壁２１とケーシング
２２との温度の差による異る熱膨脹に良好に順応
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の中介密封プレートによつて相
互に連結された膜壁とケーシングの透視図、第２
図は本発明の中介密封プレートの正面図、第３図
は膜壁の一部を含む、第２図のプレートの上から
みた図、第４図は第２図のプレートの側面図、第
５図は第２図の線５−５に沿つてみた断面図、第
６図は第２図の線６−６に沿つてみた断面図、第
７図は膜壁に連結されたプレートの正面図、第８
図は第７図のプレートおよび膜壁の断面図、第９
図は第７図の線９−９に沿つてみた一部断面によ
る側面図、第１０図は膜壁に連結された３枚のプ
レートの正面図である。 ２０：細長プレート、２１：膜壁、２２：ケー
シング、２３：管、２４：膜バー（膜）、２５，
２６：長手側縁、２７，２８：端縁、３０：サド
ル、３１：突部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 互いに平行に、横方向に間隔をおいて並置さ
   れた複数の管と、該各隣接する管と管の間に配設
   されて該各管に溶接された複数の膜バーとから成
   り、横方向に間隔をおいて長手方向に延長した円
   弧状表面と該各隣接する円弧状表面の間に介在す
   る平坦な表面とを有する壁面を画定する型式の蒸
   気発生装置の水冷膜壁にケーシングを密封連結す
   るための中介密封部材であつて、前記膜壁に縁部
   において気密状態に溶接され、かつ、前記ケーシ
   ングに気密状態に溶接された細長プレートから成
   り、該プレートには、その一方の長手側縁部に沿
   つて複数の円弧状サドルと、突部とが交互に形成
   されており、該各サドルは、前記複数の管のそれ
   ぞれ対応する１つの管の円弧状表面部分に重合す
   るようになされていることを特徴とする中介密封
   部材。 ２ 前記細長プレートは、前記膜壁に沿つて横方
   向に連続して配置された複数のプレートであり、
   該各プレートはその幅方向の端縁を、それぞれ隣
   接するプレートの幅方向の端縁に溶接されている
   特許請求の範囲第１項記載の中介密封部材。 ３ 前記各サドルおよび突部は、それぞれ対応す
   る前記壁面の円弧状表面部分および平坦な表面に
   衝接するようになされている特許請求の範囲第１
   項記載の中介密封部材。 ４ 前記各サドルおよび突部は前記細長プレート
   の前記一方の長手側縁から前記管に平行に該プレ
   ートの幅より短い距離に亘つて延長しており、該
   各突部は、該一方の長手側縁からの距離が増大す
   るにつれて漸次減少する深さを有している特許請
   求の範囲第１項記載の中介密封部材。 ５ 前記各サドルは、前記細長プレートの前記一
   方の長手側縁から延長する前記距離の全長に亘つ
   て該サドルの中心線においては曲率半径が一定で
   ある円弧形状を有している特許請求の範囲第４項
   記載の中介密封部材。 ６ 前記細長プレートの他方の長手側縁は前記一
   方の長手側縁に対して平行であり、該プレート
   は、該一方の長手側縁から延長している前記サド
   ルおよび突部の終端から該他方の長手側縁までは
   平坦である特許請求の範囲第４項記載の中介密封
   部材。