JPH0341620Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は槽内上部に油、槽内下部に水を収容
するようにした揚物装置に関するもので、食品製
造機器の分野に属する。

（従来の技術） 従来、天ぷら、フライ、ドーナツ、揚げパン等
の、いわゆる揚物製品を製造する揚物装置とし
て、槽内下部に水を収容すると共に、槽内上部に
は比重差によつて油を収容するようにし、上部に
収容される油に対する加熱装置と冷却装置を上下
に設けて構成したものが知られている。（例えば
特公昭55−23055号、特公昭55−40249号、実公昭
55−20269号等）。

このような装置では、揚物作業中に生じた揚滓
を槽内下部の水側へ回収し、油の酸化や、製品に
揚滓が付着するのを防止しようとするものであ
る。

（考案が解決しようとする問題点） 前記の揚物装置において、槽の上部に収容した
油は、その上層が加熱装置によつて加熱される一
方、下層は冷却装置によつて冷却される。この
為、前記下層部分の油は上層の油と入れ替ること
が無く、下部の冷却装置近辺に滞留するのみであ
つた。即ち下層部分の油は、比較的高温になら
ず、清浄に保たれているのに、油揚げ作業に何ら
寄与することが無く、油を有効に利用していない
問題点があり、コスト的にも不利であつた。

（問題点を解決する為の手段） この考案の油揚装置は、槽内上部に油、槽内下
部に水を収容するようにし、上部に収容される油
に対する加熱装置と冷却装置を上下に設けてなる
揚物装置において、前記槽へ、油層を上層と下層
間で循環させる為の循環装置が設けてあることを
特徴としたものである。

前記循環装置としては、油が収容される槽内上
部に設置したスクリユー羽根で構成したり、槽壁
上部に連結した循環パイプと、該パイプ内に設け
たポンプで構成したりすることができる。

（作用） この考案の揚物装置によれば、循環装置によつ
て油層における上層と下層の油を入れ替えること
ができる。従つて装置の非稼働時、即ち油が冷却
されている時に、循環装置を動作させて上、下層
の油を入れ替えるようにすれば、槽に収容した油
の全てを有効に利用することができる。

以下この考案の実施例を説明する。

（実施例 １） 第１図に示したように、槽１の内側上部に加熱
管２，２と冷却管３，３を夫々複数本宛上下に設
置して油４を収容すべき部分を形成し、槽１の内
側下部は水５を収容すべき部分とした揚物装置に
おいて、油４を収容すべき部分へ、槽１の上方よ
り軸６を回転自在に縦設し、該軸６の下端部にス
クリユー羽根７を固着する。軸６の上端部にはプ
ーリー８を固着し、装置外部へ設置したモータ９
のプーリー１０との間をベルト１１で連結し、モ
ータ９の駆動によりスクリユー羽根７を回転でき
るようにする。図中１２は金網である。

上記実施例の揚物装置において、加熱管２，２
内にバーナー炎などの加熱媒体を流通させると共
に、冷却管３，３内に冷却空気又は水などの冷却
媒体を流通させると、槽１の上部に収容した油４
の上層が加熱されるので、金網上で油揚作業を行
うことができる。油揚作業において、生成する揚
滓は、金網を通して下方に降下し、油４と水５の
境界（鎖線１３）で一時滞留して揚滓中に含まれ
た油と水が置換された後、水５内へと降下して行
く。

上記において冷却管３，３の周囲の油（鎖線１
３から鎖線１４の範囲の油）は、冷却管３，３を
介して冷却されているので、該部より上層の油と
対流することが無い。

そこで、油揚作業終了後、油４が冷却した時に
前記スクリユー羽根７をモータ９を介して回転さ
せると、油層を形成した油４は、矢示１５，１５
のように循環し、上層と下層の油を入れ替えるこ
とができる。

尚上記の実施例では、スクリユー羽根７を１個
設置したが、２個以上複数個設けても良い。又、
スクリユー羽根７の回転は手動により行うように
しても良い。

（実施例 ２） 前記実施例と同様に槽１に加熱管２，２と冷却
管３，３を設けた揚物装置において、第２図に示
したように、油４を収容すべき槽壁の上下間に循
環パイプ１６を連結すると共に、該循環パイプ１
６の中間部にポンプ１７を介設する。

この実施例では、油４が冷却されている時にポ
ンプ１７を駆動すれば、油４は矢示１８，１８の
ように循環し、油層を形成した上層と下層の油を
入れ替えることができる。

以上、２実施例を説明した。実施例では加熱装
置および冷却装置を夫々槽１の上部内側に設置し
たものを説明したが、槽１の外部より加熱するよ
うにした装置或いは外部より冷却するようにした
装置でも、この考案を実施することができる。

（考案の効果） この考案によれば、槽内に収容した油中、冷却
される部分の比較的清浄な油を、加熱される部分
の油と入れ替えることができるので、槽内に収容
した油の全てを有効に利用できる効果がある。然
して油の交換時期は全ての油を利用した後とでき
るので、交換間隔を長時間にできると共に、油に
要する費用を低減するなどの効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の構造図、第２図は
この考案の他の実施例の構造図である。 １……槽、２……加熱管、３……冷却管、４…
…油、５……水、７……スクリユー羽根、１６…
…循環パイプ、１７……ポンプ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 槽内上部に油、槽内下部に水を収容するよう
   にし、上部に収容される油に対する加熱装置と
   冷却装置を上下に設けてなる揚物装置におい
   て、前記槽へ、油層を上層と下層間で循環させ
   る為の循環装置が設けてあることを特徴とした
   揚物装置。 ２ 循環装置は、槽内上部に設置したスクリユー
   羽根とした実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の揚物装置。 ３ 循環装置は、槽壁上部に連結した循環パイプ
   と該パイプ内に設けたポンプで構成した実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の揚物装置。