JPH0341552Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はベランダ、バルコニー、階段、屋上等
に設置される手摺りにおける笠木や上下横枠等横
枠のコーナー部の形成装置に関するものである。

（従来技術及びその問題点） 従来、手摺り等のコーナー部は筒状横枠の斜め
切り端部同士を突き合わせて専ら溶接により連結
しているため、溶接痕が露呈して外観が悪く、ま
た溶接作業に手間を要する欠点があつた。

（問題点を解決するための技術的手段） 本考案は上記の問題点を解決するためになされ
たものであつて、溶接によらず簡単な操作で確実
にコーナー部を形成できると共に、そのコーナー
部の外観を美麗にできる装置を提供することを目
的としており、この目的達成のための技術的手段
は、手摺りにおける笠木等筒状横枠１のコーナー
部２を形成すべく、筒状横枠の側壁部を一部分残
して略Ｖ字形に切除した相対向する切除端面６，
６同士を、上記切残し部分５を折曲して突き合わ
せると共に、この突合せ部７を挾んで一方の横枠
部分１ａには、角筒状の第１コーナー部材８を長
手方向スライド可能に嵌挿してその先端部分を他
方の横枠部分１ｂに延在させ、当該他方の横枠部
分１ｂには、第１コーナー部材１ａの外側壁面と
の間に内方側へ向かつて広がりを有するような略
楔形の間隙３を形成すべくその先端面がテーパに
形成された角筒状の第２コーナー部材９を長手方
向スライド可能に嵌挿し、この第２コーナー部材
９内から第１コーナー部材８内に挿通した通しボ
ルト１８によりこの第２コーナー部材９の先端面
をこれと対向する第１コーナー部材８の外側壁面
側へ引き付けるようにしてなることにある。

（実施例） 次に本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図はベランダに設置された手摺りの、特に
コーナー部分を示したもので、この図において１
は直角コーナー部２を有する笠木、３はこの笠木
１を支持する支柱で、土台Ｓ上に立設されてい
る。

笠木１はアルミ押出し型材からなる円筒状のも
ので、この笠木１の所要部に直角コーナー部２を
形成するため第４図に示すようにその所要部にお
いて当該笠木１の側壁部を一部分残して平面視略
Ｖ字形に切除され（その切除部分を第４図に４で
示し、また切残し部分を５で示す）、こうして略
Ｖ字形に切除されて相対向する切除端面６，６同
士が、上記切残し部分５を内側へ折り曲げること
によつて突き合わされると共に、この突合せ部７
を挾んでその一方の横枠部分１ａには角筒状の第
１コーナー部材８が当該横枠部分の長手方向にス
ライド可能に嵌挿されて、その先端部分が第２図
で明らかな如く他方の横枠部分１ｂ側に延在さ
れ、当該他方の横枠部分１ｂには先端面１０がテ
ーパに形成された角筒状の第２コーナー部材９が
当該横枠部分の長手方向にスライド可能に嵌挿さ
れる。

第３図から明らかなように笠木１の内周面には
その両側上下に係合段部１１…が笠木１の全長に
亘つて形成され、しかして第１コーナー部材８は
一方の横枠部分１ａ内の係合段部１１…にその四
隅角部を係合させた状態でスライド可能に嵌合さ
れ、第２コーナー部材９も同様に他方の横枠部分
１ｂ内の係合段部１１…にその四隅角部を係合さ
せてスライド可能に嵌合される。第１コーナー部
材８及び第２コーナー部材９はそれぞれ鋼又はア
ルミ材等の金属材により断面が矩形の筒状に形成
されており、そして第１コーナー部材８はその前
後両端面８ａ，８ｂが外側壁面８ｃに対し直角を
成すように形成されていて、その一側壁部の前端
面寄りの位置にねじ孔１２が設けられている。ま
た、第２コーナー部材９の前端面即ち先端面１０
は第２図に示されるように対向する第１コーナー
部材８の外側壁面８ｃとの間に内方側へ向かつて
広がりを有するような略楔形の間隙１３を形成す
べくテーパ状に形成され、そしてこの第２コーナ
ー部材９の後端面９ａは外側壁面９ｂに対し直角
を成すが、この後端面９ａの内側にはボルト受け
用の支持壁板１４が固着され、また先端テーパ面
１０から若干内方へ隔つた部位には同様なボルト
受け用支持壁板１５が固着され、これら支持壁板
１４，１５には当該第２コーナー部材９の長手方
向に対向する位置にボルト挿通孔１６，１７がそ
れぞれ穿設されている。

したがつて、笠木１の直角コーナー部２を組付
け形成するにあたつて、先ず第１コーナー部材８
を一方の横枠部分１ａの内奥部まで嵌挿させ、そ
のあと第２コーナー部材９を他方の横枠部分１ｂ
に嵌挿させてこの第２コーナー部材９の先端部分
を第１コーナー部材８の外側壁面８ｃに当接可能
な状態とする。それから、第２コーナー部材９の
長さよりも適当に長い通しボルト１８を、この第
２コーナー部材９の支持壁板１４，１５のボルト
挿通孔１６，１７を介し挿通させてその先端ねじ
部１８ａに第１コーナー部材８の側壁部に設けて
あるねじ孔１２に螺入させる。そうしてこの通し
ボルト１８のボルト頭１８ｂを適当な工具にて締
付方向に回転させてゆくと、第２コーナー部材９
の先端テーパ面１０における外方側端部が第１コ
ーナー部材８の外側壁面８ｃに圧接し、これによ
つて双方の横枠部分１ａ，１ｂが直角位置に一応
保持されたことになるが、斯る状態では双方の横
枠部分１ａ，１ｂの切除端面６，６が完全に突き
合わされておらず、特に突合せ部７における切残
し部分５との対向位置部分には隙間が生じている
ことが多い。したがつて、第２コーナー部材９の
先端テーパ面１０と第１コーナー部材８の外側壁
面８ｃとの間にはその内方側端部寄りに隙間があ
ることから、通しボルト１８を更に緊締すること
により第２コーナー部材９が、ごくわずかではあ
るが上記の隙間を狭める方向（即ち第２図の矢印
方向）へと傾転し、これに伴い一方の横枠部分１
ａに対し他方の横枠部材１ｂが傾転して、結果的
に上記双方の切除端面６，６が隙間なく完全密着
状態に突き合わせられるに至り、それによる突合
せ部７の外観態様は細い線状となつて体裁が良
い。

この装置において、第１コーナー部材８の長さ
はこれが嵌挿される横枠部分の長さに関係なくで
きるだけ短くしてもよいが、第２コーナー部材９
の長さは、これが嵌挿される横枠部分の長さが相
当長い場合には通しボルトの挿入操作及び締付け
操作が容易になるよう適当に長くしてやるとよ
い。

また、本実施例では第１及び第２コーナー部材
は横枠として笠木の内周面に形成した係合段部を
ガイドとしてスライドさせるようにしているが、
このような係合段部は必ずしも設ける必要はな
い。また、横枠は円筒状のものに限らず、角筒状
のものでもよい。

（考案の効果） 本考案によれば、コーナー部の形成が溶接の手
間を要さず非常に容易且つ迅速に行え、溶接痕の
ない外観良好なコーナー部が得られ、また部品点
数が非常に少ないためローコスト化を図ることが
できる。そして特に本考案によれば、第２コーナ
ー部材の先端面を、第１コーナー部材の外側壁面
との間に内方側へ向かつて広がりを有するような
略楔形の間隙を形成するようなテーパ状となして
いるので、双方の横枠部分の切除端面同士をその
全周に亘つて密着させて完全に突き合わせること
ができるようになり、それによつて雨水等の内部
侵入を防止できるうえ、外観上も美麗であるコー
ナー部を形成することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
手摺りの外観斜視図、第２図は第１図の手摺りに
適用されたコーナー部形成装置の断面図、第３図
は第２図の−線断面図、第４図は横枠として
の笠木の切除部分を示す平面図である。 １……笠木（横枠）、１ａ，１ｂ……横枠部分、
４……切除部分、５……切残し部分、６……切除
端面、７……突合せ部、８……第１コーナー部
材、９……第２コーナー部材、１０……第２コー
ナー部材の先端テーパ面、１３……略楔形の間
隙、１８……通しボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 手摺りにおける笠木等筒状横枠のコーナー部を
   形成すべく、筒状横枠の側壁部を一部分残して略
   Ｖ字形に切除した相対向する切除端面同士を、上
   記切残し部分を折曲して突き合わせると共に、こ
   の突合せ部を挾んで一方の横枠部分には、角筒状
   の第１コーナー部材を長手方向スライド可能に嵌
   挿してその先端部分を他方の横枠部分に延在さ
   せ、当該他方の横枠部分には、第１コーナー部材
   の外側壁面との間に内方側へ向かつて広がりを有
   するような略楔形の間隙を形成すべくその先端面
   がテーパに形成された角筒状の第２コーナー部材
   を長手方向スライド可能に嵌挿し、この第２コー
   ナー部材内から第１コーナー部材内に挿通した通
   しボルトによりこの第２コーナー部材の先端面を
   これと対向する第１コーナー部材の外側壁面側へ
   引き付けるようにしてなる手摺りにおける笠木等
   横枠のコーナー部形成装置。