JPH0341187B2

JPH0341187B2 -

Info

Publication number: JPH0341187B2
Application number: JP61281347A
Authority: JP
Priority date: 1986-11-25
Filing date: 1986-11-25
Publication date: 1991-06-21
Also published as: JPS63132663A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は空気浄化剤に関するもので、特にオフ
イス、家庭等の室内空気のタバコの臭気除去に有
効なものである。

〔従来の技術〕

活性炭にアニリンを添着した吸着財は特公昭60
−54095号に報に開示され、アニリンを３〜30重
量％（対活性炭）添着した活性炭は気相中のホル
ムアルデヒド、アセトアルデヒドのような低級脂
肪族アルデヒドの吸着に有効であると記載されて
いる。また鉄塩を脱臭に使用するものとして、特
開昭57−99318及び57−113826号公報に鉄塩を含
むコロイド溶液に高分子物質を加えて溶液を安定
化させその効果を持続させる方法が記載されてお
り、また特開昭58−156539号公報には鉄（）化
合物水溶液にＬ−アスコルビン酸を加えることに
より溶液を安定化させ脱臭力を向上させる方法が
記載されている。

さらに、活性炭に有機酸を添着させて脱臭剤に
使用するものとして、特開昭58−26810号公報が
あり、活性酸にクエン酸を添着せしめることによ
りアンモニアの吸着性が著しく高められることが
記載されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

活性炭は無極性吸着剤として極めて優れた吸着
性を有する特異な材質で、殆んどすべてのガス状
物質に対して高い吸着性を示す。オフイス、家庭
等生活空間の室内空気は通常タバコの臭気が強
く、組成的にはアセトアルデヒド、アンモニア、
低級アミン、炭化水素、硫化水素等が含まれてい
る。尚ここでタバコの臭気とは喫煙した時に発生
するガスの臭気の意味である。特に活性炭の吸着
性の弱点であるアンモニアの比率が高く、また、
相対的に低級脂肪族アルデヒドも多いため通常の
活性炭のみではその臭気を除去することが困難な
ため、これらの成分を効率よく完全に除去する吸
着剤が要請されていた。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明者等は種々添着活性炭の組成及びそれら
を組合せた場合の脱臭性について検討した。その
結果アニリンを添着した活性炭を加えることによ
り脂肪族低級アルデヒドは完全に除去できること
及びこれにリンゴ酸及び鉄塩を添着した活性炭を
加えるとアンモニアの吸着性に対する相乗的な効
果が一層促進されることをみいだした。更に、こ
れらに通常の活性炭を加えることにより、タバコ
の臭気等を主成分とするオフイス、家庭等の臭気
を効率よく略完全に除去しうることをみいだした
ので、これに基づいて本発明を完成した。

すなわち、活性炭及びアニリンを添着した活性
炭、リンゴ酸及び鉄塩を添着した活性炭を混合し
た空気浄化剤である。

以下詳しく本発明について説明する。

ここで使用する活性炭は、通常１ｇあたり数
100m²或いはそれ以上の大きな表面積を有し、高
い吸着性を示す炭素材料であれば広範囲に使用で
きる。活性炭の原料は通常ヤシ殻または木材等の
炭化物或いは石炭が使用されるが何れでもよい。
また賦活法も水蒸気或いは二酸化炭素により高温
でまたは塩化亜鉛、リン酸、濃硫酸処理等いづれ
の方法により得られたものでもよい。

また形状は破砕炭、造粒炭或いは顆粒炭の何れ
でも効果は認められるが、圧損失及び入替等取扱
い上造粒炭または活性炭を添着したシート状吸着
層が便利である。造粒炭は常法に従つて炭素材料
100部に30〜60部の石油ピツチ或いはコールター
ル等をバインダーとして加え混和成型後賦活して
調整される。

アニリンを添着した活性炭はホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒドのような低級脂肪族アルデ
ヒドに極めて高い吸着性を示し、添着量は特に限
定しない。活性炭はアニリンに対しても高い吸着
性を示し、その細孔内に吸着保持されるので蒸気
圧が著しく抑制され一般に臭気は殆んど感じられ
ない。しかし、添着量が非常に高くなると、一部
脱着のおそれもあり、またあまり微量ではアニリ
ン添着の効果が乏しいので３〜30重量％の範囲が
より好ましい。

活性炭にアニリンを添着するにはアニリン水溶
液に活性炭を常温で２〜３時間浸漬した後別、
乾燥する方法の他、アニリンを含むガスを活性炭
充填層に通して気相吸着させる方法でも調整でき
る。

リンゴ酸及び鉄塩を添着した活性炭はアンモニ
ア及びアミン類に対して高い吸着性を示し、添着
量は特に限定しない。しかし、リンゴ酸添着量が
微量な場合は効果が乏しく、添着量が多くなると
活性炭のその他の物質に対する吸着能を阻害する
傾向が著しくなるのでリンゴ酸添着量は５〜30重
量％が好ましい。

鉄塩は広くアンモニア吸着の効果が認められ、
その種類を限定しないが、取扱い上流酸第１鉄、
硫酸第２鉄、塩化第１鉄、塩化第２鉄、リン酸第
１鉄、リン酸第２鉄等がより好ましい。鉄塩及び
リンゴ酸添着の相乗効果はかなり顕著に認められ
るが、添着量が微量な場合は効果が乏しく、また
添着量が多くなると、リンゴ酸程ではないが活性
炭のその他の物質に対する吸着能を低下させるの
で鉄塩添着量は３〜25重量％が好適である。

活性炭にリンゴ酸及び鉄塩を添着するにはリン
ゴ酸及び鉄塩の混合溶液中に浸漬して、細孔中に
充分吸着せしめた後、別乾燥するか或いはこれ
らの溶液をふりかけて充分に含浸させたものを乾
燥してもよい。尚この際リンゴ酸及び鉄塩を活性
炭の細孔中に均一に添着させることが重要である
から緩速で乾燥する必要がある。乾燥速度が速す
ぎると一旦内部に吸着された酸及び鉄塩が脱着さ
れて活性炭表面に析出して、その性能が低下する
おそれがある。またこの添着活性炭は絶乾状態で
はアンモニア及びアミン類の吸着性が大巾に低下
するので少量の水分を含有した状態で使用する必
要がある。

本発明の空気浄化剤は以上詳述した活性炭、ア
ニリンを添着した活性炭、リンゴ酸及び鉄塩を添
着した活性炭の３者を混合して調整する。このよ
うにして調整した脱臭剤は広範囲な添着比率及び
混合比率で主としてタバコの臭気等が含まれるオ
フイス、家庭等生活空間の脱臭に有効で特に混合
比率は限定しない。しかして、各成分を上記のよ
うな好ましい組成とした場合、実施例３、４及び
５に示したようなアルデヒド、アンモニア等特定
物質以外に対する吸着性の低下を抑制するために
は活性炭３〜50重量％、アニリンを添着した活性
炭15〜70重量％、リンゴ酸及び鉄塩を添着した活
性炭15〜60重量％の範囲内より選択して混合する
ことが好ましい。

〔作用〕

活性炭が無極性吸着剤として殆んどすべてのガ
ス状物に対して高い吸着性を示す。しかして本発
明はリンゴ酸及び鉄塩添着活混合することによ
り、活性炭の弱点であるアンモニア吸着性を高め
ると共にタバコの臭気等に相対的に多く含まれて
いる低級脂肪族アルデヒドを除去するためにアニ
リン添着活性炭を加えて調合したものである。

リンゴ酸添着活性炭がアンモニアを吸着する作
用は中和によるものと考えられ、鉄塩の場合は詳
細明らかでないが錯体形成によると考えられる。
活性炭にリンゴ酸のみみを等量添着させた場合、
リンゴ酸の方が高いアンモニア吸着性を示すが、
活性炭のその他の物質に対する吸着量が大巾に低
下する。リンゴ酸及び鉄塩を特許請求の範囲第３
項記載のような範囲で添着させた場合アンモニア
性はリンゴ酸または鉄塩を単独で添着させた場合
の吸着性の加成性が成立するものとした計算値の
数倍に達する。従つて、比較的少量の混合添着で
も所要のアンモニア吸着性を保持できるので、ベ
ースとなる活性炭のその他の物質に対する吸着性
を阻害しない利点がある。

またこの混合添着炭によるアンモニア吸着は低
濃度で特に効率が高いことと、ガス濃度が変動し
ても一旦吸着したガスを再放出しがたい。これは
アンモニアの吸着が化学反応的機構によるためと
考えられる。アンモニアの外、アミン類の吸着性
も高く機構も同様と考えられる。またリンゴ酸は
活性炭の細孔中に強固に吸着されていると考えら
れ臭気は殆んど感じられない。

次にアルデヒド類の吸着剤としては活性炭に亜
流塩または酸性亜流硫酸塩を添着した吸着剤等が
知られているが、本発明で使用しているアニリン
添炭はこれらとくらべて遥かに低級脂肪族アルデ
ヒドの吸着性が高く、特に低濃度領域（アルデヒ
ド濃度100ppm以下）において優れている。

アニリンを添着させた場合、安全衛生上の配慮
が必要となるがアルデヒド吸着性の見地から好適
と述べた特許請求の範囲第２項記載のような添着
量では臭気は全く感じられない。これはアニリン
分子が活性炭の細孔中に強固に吸着されているた
めと考えられる。ちなみに添着量５、10、15、
20、25、30重量％の試料をつくり、室温（25℃）
で密閉容器中に放置した場合の臭気を官能試験と
FID（flame ionization detector）付高感度ガス
クロマトグラフで分析した結果、官能試験による
臭気は全く感じられず、ガスクロマトグラフでア
ニリンは検出されなかつた。

活性炭はリンゴ酸、鉄塩、アニリン等を添着し
た場合活性炭自体の物理吸着性はかなり低下す
る。本発明ではその低下を抑制するよう種々配慮
しているが或る程度の低下は避け難い。本発明で
は無添着の活性炭を加えて特定物質以外に対して
も高い吸着性を示すような比率で調整している。
これは、通常の生活環境中の臭気では炭化水素
類、硫化水素等の除去に特に有効である。

〔効果〕

オフイス、家庭等通常の生活環境における臭気
の除去に特に有効である。また低級脂肪族アルデ
ヒド類の吸着力が強いので石油ストーブの消火直
後の臭気の除去にも好適である。従つて、空気清
浄装置のフイルター等に好適である。

以下実施例を挙げて具体的に本発明を説明する
が、これらの実施例は本発明を何等限定するもの
ではない。

実施例１容量3.97のガラス瓶に無水換算２ｇの試料を
入れて真空ポンプで脱気した後所定量のアンモニ
ア水を加えて気化させる。

次に空気を入れて常圧に戻した後25℃の恒温槽
中に放置し、アンモニア濃度をガス検知管で測定
した。平衡に達した場合のアンモニア吸着量とガ
ス濃度の関係をしらべ等温吸着線を測定した。活
性炭（未添着炭）及びそれにリンゴ酸及び硫酸第
１鉄の単独添着炭（20重量％）及び混合添着炭
（酸14重量％、硫酸鉄６重量％）、さらにアニリン
添着炭（８重量％）、リンゴ酸、硫酸第１鉄混合
添着炭（酸14重量％、硫酸鉄６重量％）及び未添
着活性炭の等量づつの混合物についての結果を第
１図に示す。

実施例２実施例１と同様に容器に試料を入れた後脱気
し、所定量のアセトアルデヒド水溶液を加え気化
させた。次に空気を導入して放置しアセトアルデ
ヒド濃度をガス検知管で測定し、平衡に達した場
合の等温吸着線を測定した。活性炭及びそのアニ
リン添着炭（８重量％）、さらにアニリン添着炭
（８重量％）、リンゴ酸、硫酸第１鉄混合添着炭
（酸14重量％、硫酸鉄６重量％）及び未添着活性
炭の等量づつの混合物についての測定結果を第２
図に示す。

実施例３実施例１と同様に容器に試料を入れた後脱気
し、所定量のベンゼンを加え気化させた。次に空
気を導入して放置しベンゼン濃度をガスクロマト
グラフで測定し、平衡に達した場合の等温吸着線
を測定した。活性炭及びそのアニリン添着炭（８
重量％）、リンゴ酸、硫酸第１鉄混合添着炭（酸
14重量％、硫酸鉄６重量％）及び未添着炭の等量
づつの混合物及び酸・硫酸鉄添着炭の比率を２倍
としたもの、同様にアニリン添着炭の比率を２倍
としたものについての結果を第３図に示す。

実施例４実施例１と同様に容器に試料を入れた後脱気
し、所定量の硫化水素ガスを加え、次に空気を導
入して放置硫化水素濃度を検知管で測定した。活
性炭及びそのアニリン添着炭（８重量％）、リン
ゴ酸、硫酸第１鉄混合添着炭（酸14重量％、硫酸
鉄６重量％）及び未添着活性炭の等量づつの混合
物及びアニリン添着炭の比率を２倍としたものに
ついての結果を第４図に示す。

実施例５エアークリーナを中に置いたアルミ製の１m³ボ
ツクスに火をつけた煙草（セブンスター）１本を
入れ、ボツクス内をフアンで撹拌して煙草を燃焼
させると共に、中の煙および臭気を均一に分散さ
せる。

煙草が全部燃焼したところで初期値を測定し、
その後エアークリーナを運転して、運転時間と残
存臭気量の関係を調べ、吸着スピードを測定し
た。

測定は、アンモニアはガス検知管で、沸点−７
℃以上の脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ケト
ン類、カルボン酸、ニコチンやピリジンの窒素化
合物等の臭気成分およびアセトルデヒドをFID付
高感度ガスクロマトグラフで、また硫化水素を
FPD（Flamアehotometric detector）付高感度ガ
スクロマトグラフで分析した。

エアークリーナに用いた空気浄化剤は総量250
ｇ、風量は２m³とした。

活性炭及びそのアニリン添着炭（８重量％）、
リンゴ酸、硫酸第１鉄混合添着炭（酸14重量％、
硫酸鉄６重量％）及び未添着炭の等量づつの混合
物及び酸、硫酸鉄添着炭の比率を２倍としたも
の、同様にアニリン添着炭の比率を２倍にしたも
のについての結果を第５〜８図に示す。

３種の活性炭の好適な混合比率は第３〜８図に
示したような結果に基づくものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は25℃、相対湿度60％におけるアンモニ
アガスの等温吸着線を示す。１…活性炭、２…活性炭にリンゴ酸（20重量％）
添着、３…活性炭に硫酸第１鉄（20重量％）添
着、４…活性炭にリンゴ酸（14重量％）硫酸第１
鉄（６重量％）添着、５…活性炭及びリンゴ酸、
硫酸第１鉄混合添着活性炭（酸14重量％、硫酸鉄
６重量％）、アニリン添着活性炭（８重量％）の
等量づつの混合物。第２図は25℃、相対湿度60％におけるアセトア
ルデヒドの等温吸着線を示す。１…活性炭、２…活性炭にアニリン（８重量％）
添着、３…活性炭及びリンゴ酸、硫酸第１鉄混合
添着活性炭（酸14重量％、硫酸鉄６重量：）、ア
ニリン添着活性炭（８重量％）の等量づつの混合
物。第３図は25℃、相対湿度60％におけるベンゼン
の等温吸着線を示す。１…活性炭、２…活性炭及びリンゴ酸、硫酸第１
鉄混合添着活性炭（酸14重量％、硫酸鉄６重量
％）、アニリン添着活性炭（８重量％）の等量づ
つの混合物、３…２においてアニリン添着活性炭
の混合比率を２倍としたもの、４…２においてリ
ンゴ酸、硫酸第１鉄混合添着活性炭の混合比率を
２倍としたもの。第４図は25℃、相対湿度60％における硫化水素
の等量…着線を示す。１…活性炭、２…活性炭及びリンゴ酸、硫酸第１
鉄混合添着活性炭（酸14重量％、硫酸鉄６重量
％）、アニリン添着活性炭（８重量％）の等量づ
つの混合物、３…２においてリンゴ酸、硫酸第１
鉄混合添着活性炭の混合比率を２倍としたもの。第５図は25℃、相対湿度60％におけるたばこ臭
気中のアンモニアの吸着スピードを示す。第６図は25℃、相対湿度60％におけるたばこ臭
気中のアセトアルデヒドの吸着スピードを示す。第７図は25℃、相対湿度60％におけるたばこ臭
気中の沸点−７℃以上の脂肪族炭化水素、芳香族
炭化水素、ケトン類、カルボン酸、ニコチンやピ
リジンの窒素化合物酸の臭気成分の吸着スピード
を示す。第８図は25℃、相対湿度60％におけるたばこ臭
気中の硫化水素の吸着スピードを示す。１１…活性炭、１２…活性炭及びリンゴ酸、硫酸
第１鉄混合添着活性炭（酸14重量％、硫酸鉄６重
量％）、アニリン添着活性炭（８重量％）の等量
づつの混合物、１３…12においてアニリン添着活
性炭の混合比率を２倍としたもの、１４…12にお
いてリンゴ酸、硫酸第１鉄混合添着活性炭の混合
比率を２倍としたもの。

Claims

【特許請求の範囲】１活性炭及びアニリンを添着した活性炭、リン
ゴ酸及び鉄塩を添着した活性炭を混合せしめてな
る空気浄化剤。２アニリンを添着した活性炭が、添着量３〜30
重量％（対活性炭）である特許請求の範囲第１項
記載の空気浄化剤。３リンゴ酸及び鉄塩を添着した活性炭の添着量
かリンゴ酸５〜30重量％（対活性炭）、鉄塩３〜
25重量％（対活性炭）である特許請求の範囲第１
項記載の空気浄化剤。４活性炭３〜50重量％、アニリンを添着した活
性炭15〜70重量％、リンゴ酸及び鉄塩を添着した
活性炭15〜60重量％を混合せしめてなる特許請求
の範囲第１項記載の空気浄化剤。