JPH0438451B2

JPH0438451B2 -

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Publication number: JPH0438451B2
Application number: JP62119593A
Authority: JP
Priority date: 1987-05-15
Filing date: 1987-05-15
Publication date: 1992-06-24
Also published as: JPS63283645A

Description

【発明の詳細な説明】

［産業上の利用分野］本発明は、空気浄化剤に関するもので、特にオ
フイス、家庭等の室内空気のタバコの臭気除去に
有効なものである。［従来の技術］活性炭にアニリンを添着した吸着剤は特公昭60
−54095号公報に開示され、アニリンを３〜30重
量％（対活性炭）添着した活性炭は気相中のホル
ムアルデヒド、アセトアルデヒドのような低級脂
肪族アルデヒドの吸着に有効であると記載されて
いる。さらに、活性炭に硫酸やリン酸などの無機酸を
添着させて脱臭剤に使用するものは既に公知の技
術であり、アンモニア及び低級アミンの優れた吸
着剤として実用化されている。［発明が解決しようとしている問題点］活性炭は無極性吸着剤として極めて優れた吸着
性を有する特異な材質で、殆どすべてのガス状物
質に対して高い吸着性を示す。オフイス、家庭等
生活空間の室内空気は通常タバコの臭気が強く、
組成的にはアセトアルデヒド、アンモニア、低級
アミン、炭化水素、硫化水素等が含まれている。
尚ここでタバコの臭気とは喫煙した時に発生する
ガスの臭気の意味である。特に活性炭の吸着性の
弱点であるアンモニアの比率が高く、また、相対
的に低級脂肪族アルデヒドも多いため通常の活性
炭のみではその臭気を除去することが困難なた
め、これらの成分を効率よく完全に除去する吸着
剤が要請されていた。［問題点を解決するための手段］本発明者等は種々添着活性炭の組成及びそれら
を組み合わせた場合の脱臭性について検討した。
その結果アニリンを添着した活性炭を加えること
により低級脂肪族アルデヒドは完全に除去できる
こと及びこれにリン酸及びアニリンを添着した活
性炭を加えると優れたアンモニアの吸着性を得る
と共に低級脂肪族アルデヒドの再放出が防げるの
で、これに基づいて本発明を完成した。すなわち、アニリンを添着した活性炭、リン酸
及びアニリンを添着した活性炭を混合した空気浄
化剤である。以下詳しく本発明について説明する。ここで使用する活性炭は、通常１ｇあたり数
100m²或いはそれ以上の大きな表面積を有し、高
い吸着性を示す炭素材料であれば広範囲に使用で
きる。活性炭の原料は通常ヤシ殻または木材等の
炭化物或いは石炭が使用されるが何れでもよい。
また賦活法も水蒸気或いは二酸化炭素により高温
でまたは塩化亜鉛、リン酸、濃硫酸処理等いずれ
の方法により得られたものでもよい。また形状は破砕炭、造粒炭或いは顆粒炭の何れ
でも効果は認められるが、圧損失及び入替等取扱
い上造粒炭または活性炭を添着したシート状吸着
層が便利である。造粒炭は常法に従つて炭素材料
100部に30〜60部の石油ピツチ或いはコールター
ル等をバインダーとして加え混和成形後賦活して
調整される。アニリンを添着した活性炭はホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒドのような低級脂肪族アルデ
ヒドに極めて高い吸着性を示し、添着量は特に限
定しない。活性炭はアニリンに対しても高い吸着
性を示し、その細孔内に吸着保持されるので蒸気
圧が著しく抑制され一般に臭気は殆ど感じられな
い。しかし、添着量が非常に高くなると一部脱着
のおそれもあり、またあまり微量では、アニリン
添着の効果が乏しいので３〜30重量％の範囲がよ
り好ましい。活性炭にアニリンを添着するにはアニリン水溶
液に活性炭を常温で２〜３時間浸漬した後ろ別、
乾燥する方法の他、アニリンを含むガスを活性炭
充填層に通して気相吸着させる方法でも調整でき
る。リン酸及びアニリンを添着した活性炭を作るに
は、まず前記した方法と同じ方法でアニリンを添
着した後、リン酸を添着する。この活性炭はアン
モニア及びアミン類に対した高い吸着性を示すと
共に、低級脂肪族アルデヒドに対しても良好な吸
着性を示し、添着量は特に限定しない。しかし、
アニリンの添着量は多過ぎると活性炭のその他の
物質に対する吸着性能を阻害すると共に、リン酸
に悪影響を及ぼし、アンモニア及びアミン類の吸
着性能を低下させ、添着量が微量な場合は効果が
乏しいのでアニリンの添着量は活性炭に対して２
〜10重量％が好ましい。リン酸添着量は特に限定
しない。しかし、リン酸添着量が微量な場合は効
果が乏しく、添着量が多くなると活性炭のその他
の物質に対する吸着能を阻害する傾向が著しくな
るのでリン酸添着量は活性炭に対して８〜50重量
％が好ましい。活性炭にリン酸を添着するにはリン酸溶液中に
浸漬して、活性炭の細孔中に充分吸着せしめた
後、ろ別乾燥するか或いは溶液を活性炭にふりか
けて充分に含浸させたものを乾燥してもよい。尚
リン酸を活性炭の細孔中に均一に添着させること
が重要であるから緩速で乾燥する必要がある。乾
燥速度が速過ぎると一旦内部に吸着されたリン酸
が脱着されて活性炭表面に析出して、その性能が
低下するおそれがある。本発明の空気浄化剤は以上詳述したアニリンを
添着した活性炭と、リン酸及びアニリンを添着し
た活性炭を混合して調整する。このようにして調
整した脱臭剤は広範囲な添着比率及び混合比率で
主としてタバコの臭気等が含まれるオフイス、家
庭等生活空間の脱臭に有効で特に混合比率は限定
しない。しかして、各成分を上記のような好まし
い組成とした場合、実施例３，４及び５に示した
ようなアルデヒド、アンモニア等特定物質以外に
対する吸着性の低下を抑制するためにはアニリン
を添着した活性炭40〜90重量％、リン酸及びアニ
リンを添着した活性炭10〜60重量％の範囲内より
選択して混合することが好ましい。［作用］活性炭は本来無極性吸着剤として殆ど全てのガ
ス状物質に対して高い吸着性を示すが、タバコの
臭気等に相対的に多く含まれている低級脂肪族ア
ルデヒドには比較的吸着力が弱い。またタバコ臭
気の中で比率の高いアンモニアに対する吸着量は
ごくわずかである。しかして本発明はリン酸及び
アニリン添着活性炭を混合することにより低級脂
肪族アルデヒドの吸着性能が良好でかつ、アンモ
ニア吸着性能を高めると共に、低級脂肪族アルデ
ヒドを極めて効率的に除去するためにアニリン添
着活性炭を加えて調合したものである。リン酸添着活性炭がアンモニアを吸着する作用
は中和によるものと考えられる。また、ガス濃度
が変動しても一旦吸着したガスを再放出しがた
い。これはアンモニアの吸着が化学反応的機構に
よるためと考えられる。アンモニアの外、アミン
類の吸着性も高く機構も同様と考えられる。次にアルデヒド類の吸着剤としては活性炭に亜
硫酸塩または酸性亜硫酸塩を添着した吸着剤等が
知られているが、本発明で使用しているアニリン
添着炭はこれらとくらべて!?かに低級脂肪族アル
デヒドの吸着性が高く、特に低濃度領域（アルデ
ヒド濃度100ppm以下）において優れている。アニリンを添着させた場合、安全衛生上の配慮
が必要となるがアルデヒド吸着性の見地から好適
と述べた特許請求の範囲第２項記載のような添着
量では臭気は全く感じられない。これはアニリン
分子が活性炭の細孔中に強固に吸着されているた
めと考えられる。ちなみに添着量５，10，15，
20，25，30重量％の試料をつくり室温（25℃）で
密閉容器中に放置した場合の臭気を官能試験と
FID（flame ionization detector）付高感度ガス
クロマトグラフで分析した結果、官能試験による
臭気は全く感じられず、ガスクロマトグラフでア
ニリンは検出されなかつた。リン酸を添着する活性炭には、あらかじめアニ
リンを添着するが、これは次の理由による。ホル
ムアルデヒド、アセトアルデヒドのような低脂肪
族アルデヒドは活性炭にある程度物理吸着される
が、活性炭の保持力が小さいので保持限界以上に
吸着されている活性炭に清浄な空気が流れると、
一旦吸着された低脂肪族アルデヒドが再放出され
る。また、アルデヒドの嗅覚閾値は低濃度である
ため、アルデヒド特有の臭いがし、リン酸のみを
添着した活性炭を用いることがかえつて悪影響に
なることもある。そこでアンモニア及びアミン類
を化学的に吸着する活性炭にもアニリン処理を行
い、低級脂肪族アルデヒドを化学的に吸着する。［実施例］以下実施例を挙げて具体的に本発明を説明する
が、これらの実施例は本発明を何等限定するもの
ではない。実施例１容量3.97リツトルのガラス瓶に無水換算２ｇの
試料を入て真空ポンプで脱気した後、所定量のア
ンモニア水を加えて気化させる。次に空気を入れて常圧に戻した後25℃の恒温槽
中に放置し、アンモニア濃度をガス検知管で測定
した。平衡に達した場合のアンモニア吸着量とガ
ス濃度の関係を調べ等温吸着線を測定した。活性
炭（未添着炭）及びそれにリン酸添着炭（35重量
％）及びリン酸、アニリン混合添着炭（リン酸35
重量％、アニリン４重量％）、さらにアニリン添
着炭（８重量％）、リン酸、アニリン混合添着炭
（リン酸35重量％、アニリン４重量％）の２：１
の混合物についての結果を第１図に示す。実施例２実施例１と同様に容器に試料を入れた後脱気
し、所定量のアセトアルデヒド水溶液を加え気化
させた。次に空気を導入して放置しアセトアルデ
ヒド濃度をガス検知管で測定し、平衡に達した場
合の等温吸着線を測定した。活性炭及びそのアニ
リン添着炭（８重量％）、さらにアニリン添着炭
（８重量％）、リン酸、アニリン混合添着炭（リン
酸35重量％、アニリン４重量％）の２：１の混合
物についての測定結果を第２図に示す。実施例３実施例１と同様に容器に試料を入れた後脱気
し、所定量のベンゼンを加え気化させた。次に空
気を導入して放置しベンゼン濃度をガスクロマト
グラフで測定し、平衡に達した場合の等温吸着線
を測定した。活性炭及びそのアニリン添着炭（８
重量％）、リン酸、アニリン混合添着炭（リン酸
35重量％、アニリン４重量％）の２：１の混合物
及び比率を９：１としたもの、比率を２：３とし
たものについての結果を第３図に示す。実施例４実施例１と同様に容器に試料を入れた後脱気
し、所定量の硫化水素ガスを加え、次に空気を導
入して放置硫化水素濃度を検知管で測定した。活
性炭及びそのアニリン添着炭（８重量％）、リン
酸、アニリン混合添着炭（リン酸35重量％、アニ
リン４重量％）の比率を２：１，２：３としたも
のについての結果を第４図に示す。実施例５エアークリーナを中に置いたアルミ製の１m³ボ
ツクスに火をつけたタバコ（セブンスター）１本
を入れ、ボツクス内をフアンで攪拌してタバコを
燃焼させると共に、中の煙および臭気を均一に分
散させる。タバコが全部燃焼したところで初期値を測定
し、その後エアークリーナを運転して、運転時間
と残存臭気量の関係を調べ、吸着スピードを測定
した。測定は、アンモニアはガス検知管で、沸点−７
℃以上の脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ケト
ン類、カルボン酸、ニコチンやピリジンの窒素化
合物等の臭気成分及びアセトアルデヒドをFID付
高感度ガスクロマトグラフで、また硫化水素を
FPD（flame photometoric detector）付高感度
ガスクロマトグラフで分析した。エアークリーナに用いた空気浄化剤は総量250
ｇ、風量は２m³／分とした。活性炭及びそのアニリン添着炭（８重量％）、
リン酸、アニリン混合添着炭（リン酸35重量％、
アニリン４重量％）の２：１，９：１，３：２の
混合物についての結果を第５〜８図に示す。実施例６空気浄化剤の入つたエアークリーナを中に置い
たアルミ製の１m³ボツクスに、火をつけたタバコ
（セブンスター）10本を入れ、タバコを自然燃焼
させながらエアークリーナを運転して煙及び臭気
を吸着させた。煙及び臭気の濃度がほぼ一定にな
つたところでさらにタバコ10本を入れて燃焼さ
せ、これを繰り返して計60本のタバコの煙及び臭
気を吸着させた。この空気浄化剤を一日放置した
後、エアークリーナにセツトして清浄な空気の室
内で運転し、エアークリーナの出口から出て来る
空気をサンプリングして、アセトアルデヒドを
FID付高感度ガスクロマトグラフで分析した。こ
の値を再放出量と呼ぶ。エアークリーナに用いた空気浄化剤は総量250
ｇ、風量は２m³／分とした。ここで空気浄化剤として、アニリン添着炭（８
重量％）とリン酸、アニリン混合添着炭（リン酸
35重量％、アニリン４重量％）の比を変えてアセ
トアルデヒドの放出量を測定した結果を、アニリ
ン添着炭（８重量％）とリン酸添着炭（リン酸35
重量％）の比を変えてアセトアルデヒドの放出量
を測定した結果と比較して第９図に示す。また同
時に、エアークリーナの出口の臭いをかいで官能
評価を行つた結果を第１表に示す。

【表】第９図、第１表に示すようにリン酸、アニリン
混合添着炭を混合した空気浄化剤を使つた場合、
配合比を変化させても、アセトアルデヒドの放出
量は少ししか変わらず、独特の甘い臭いを放出す
ることはない。２種の活性炭の好適な混合比率は第３〜８図に
示したような結果に基ずくものである。［効果］以上の様に、本発明の空気浄化剤はオフイス、
家庭等通常の生活環境における臭気の除去に特に
有効である。また低級脂肪族アルデヒド類の吸着
力が強いので石油ストーブの消火直後の臭気の除
去にも好適である。従つて、エアークリーナのフ
イルター等に好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は25℃、相対湿度60％におけるアンモニ
アガスの等温吸着線を示す。１……活性炭、２……活性炭にリン酸（35重量
％）添着、３……活性炭にリン酸（35重量％）ア
ニリン（４重量％）添着、４……リン酸、アニリ
ン混合添着活性炭（リン酸35重量％、アニリン４
重量％）、アニリン添着活性炭（８重量％）の
１：２の混合物。第２図は25℃、相対湿度60％におけるアセトア
ルデヒドの等温吸着線を示す。１……活性炭、２……活性炭にアニリン（８重
量％）添着、３……リン酸、アニリン混合添着活
性炭（リン酸35重量％、アニリン８重量％）、ア
ニリン添着活性炭（８重量％）の１：２の混合
物。第３図は25℃、相対湿度60％におけるベンゼン
の等温吸着線を示す。１……活性炭、２……リン酸、アニリン混合添
着活性炭（リン酸35重量％、アニリン４重量％）、
アニリン添着活性炭（８重量％）の１：２の混合
物、３……２において混合比率を１：９としたも
の、４……２において活性炭の混合比率を２：３
としたもの。第４図は25℃、相対湿度60％における硫化水素
の等温吸着線を示す。１……活性炭、２……リン酸、アニリン混合添
着活性炭（リン酸35重量％、アニリン４重量％）、
アニリン添着活性炭（８重量％）の１：２の混合
物、３……２において混合比率を３：２としたも
の。第５図は25℃、相対湿度60％におけるタバコ臭
気中のアンモニアの吸着スピードを示す。第６図
は25℃、相対湿度60％におけるタバコ臭気中のア
セトアルデヒドの吸着スピードを示す。第７図は
25℃、相対湿度60％におけるタバコ臭気中の沸点
−７℃以上の脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、
ケトン類、カルボン酸、ニコチンやピリジンの窒
素化合物等の臭気成分の吸着スピードを示す。第
８図は25℃、相対湿度60％におけるタバコ臭気中
の硫化水素の吸着スピードを示す。１１……活性炭、１２……リン酸、アニリン混
合添着活性炭（リン酸35重量％、アニリン４重量
％）、アニリン添着活性炭（８重量％）の１：２
の混合物、１３……１２において混合比率１：９
としたもの、１４……１２において混合比率を
３：２としたもの。第９図は25℃、相対湿度60％におけるタバコ60
本分の臭気をあらかじめ吸着した空気清浄剤のア
セトアルデヒドの再放出量について、アニリン添
着炭とリン酸、アニリン混合添着炭の比との関係
21と、アニリン添着炭とリン酸添着炭の比との関
係22を示した。

Claims

【特許請求の範囲】１アニリンを添着した活性炭、リン酸及びアニ
リンを添着した活性炭を混合せしめてなる空気浄
化剤。２アニリンを添着した活性炭が、添着量３〜30
重量％（対活性炭）である特許請求の範囲第１項
記載の空気浄化剤。３リン酸及びアニリンを添着した活性炭の添着
量がリン酸８〜50重量％（対活性炭）、アニリン
２〜10重量％（対活性炭）である特許請求の範囲
第１項記載の空気浄化剤。４アニリンを添着した活性炭40〜90重量％、リ
ン酸及びアニリンを添着した活性炭10〜60重量％
を混合せしめてなる特許請求の範囲第１項記載の
空気浄化剤。