JPH0341125B2 - - Google Patents

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JPH0341125B2
JPH0341125B2 JP57021964A JP2196482A JPH0341125B2 JP H0341125 B2 JPH0341125 B2 JP H0341125B2 JP 57021964 A JP57021964 A JP 57021964A JP 2196482 A JP2196482 A JP 2196482A JP H0341125 B2 JPH0341125 B2 JP H0341125B2
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seedlings
rock wool
seedling
pine
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、ロツクウールマツトのは種床と酸性
の覆土とでなる育苗用培地に関する。さらに詳し
くは、本発明は、石灰、けい酸を主成分とする鉱
物を溶融し、遠心力・圧縮空気または高圧蒸気な
どで繊維化したロツクウールを、マツト状・ベル
ト状・板状あるいは立方体など(これらを単にマ
ツト状と称す)に成型したロツクウールマツトを
は種床とし、該ロツクウールマツトのは種床と酸
性の覆土とでなる育苗用培地に関する。 即ち、本発明は、物理性とともに化学性の優れ
た、極めて軽量で取り扱いの簡便なロツクウール
マツトをは種床として植物の種子をまき、その上
に酸性の覆土をして、花卉、野菜、イネなどの苗
を育苗する育苗用培地であつて、なかんずくイネ
苗の箱育苗用に最も適した培地を工業的に生産し
て提供するものである。 従来、もつとも一般的なイネ苗の育苗は、田畑
や山の土壌を掘りだして、篩い分け、団粒化・消
毒・肥料を添加するなどして調製した培土を、内
径28cm×58cm×3cmの育苗箱に、約2cmの厚さに
充填して床土とし、その上に籾をまき、更に約
0.5cmの厚さに覆土をし、加温して発芽させてか
ら、緑化・硬化するなどの一連の作業によつて育
苗するのであるが、このためには、一般に1箱当
り3.0Kg〜5.0Kgの培土を必要とする。また通常
10a当り稚苗で約20箱、中苗で約30箱の育苗した
マツト苗を必要とするから、1haでは200箱〜300
箱、10haでは2000箱〜3000箱のマツト苗が必要
である。したがつて、これに要する培土は、1ha
で600Kg〜1500Kg、10haでは6000Kg〜15000Kgの
培土が必要となる。換言すると、平均的米作兼業
農家で約1t、米作専業農家で約10tの培土を使用
する。また、共同で育苗する育苗センターでは、
通例100t〜300tの培土を使用する。このような大
量の培土を自給することは、農家にしても育苗セ
ンターにしても大変なことであるので、ここ十数
年来、調製済みの培土を専門の培土業者より購入
する農家や育苗センターが急速に増加したが、今
後とも益益増加することが予想される。その結
果、現在既に、培土業者においても、培土の原料
とする適質の土壌を獲得することが困難である
が、今後は、より一層困難となることが必定であ
る。 そこで、工業的に生産できる資材が注目される
ようになり、ポリウレタンホームのマツトなどの
化学合成培地やパルプ・イナワラ・モミガラなど
をマツト状に成型した植物繊維の成型培地などが
提案され、その一部は市販されるようになつた。
また、本発明者は、さきに製鉄の際大量に副生す
る砂れき状の水砕高炉鉱さいでなる育苗用培地を
提案した。然るところ、化学合成培地は勿論、植
物繊維の成型培地においても、窒素・燐酸・加里
の多量要素は何れの培地でも別途に施用するので
別として、その他の必須栄養素は、ほとんどある
いは全く含有していないので、たとえ窒素・燐
酸・加里の外に必須栄養素を施用して育苗したと
しても、その育苗成績が天然土壌の培土にはるか
に及ばないために、これら培地は、軽量で取り扱
いが簡便で能率的であるという極めて優れた長所
があるにもかかわらず、現在あまり普及していな
い。また、本発明者が提案した前述の水砕高炉鉱
さいでなる育苗用培地は、イネの生育上とくに必
要性の大きいけい酸や、その他の必須栄養素を充
分に含んでおり、また、その原料である高炉鉱さ
いは、わが国では製鉄の副産品として年年3千万
屯もの大量に生産され、かつ、品質が均一である
という極めて優れて有利な培地ではあるが、重量
が天然土壌と同様に重く、また、これを育苗箱に
詰めたりする手数は一般の培土と全く変らない。 然るところ、本発明の構成要素の一つであるロ
ツクウールマツトのは種床は、上述の如く、本発
明者が、さきに提案した水砕高炉鉱さいでなる育
苗用培地と同じ高炉鉱さいを主原料として製造さ
れるロツクウールを成型したものであるから、そ
の原料にこと欠くようなことは全くなく、また、
イネの生育上重要なけい酸を豊富に含有するほか
諸種の必須栄養素を充分に含有しておるので、育
苗用培地として質的に極めて優れている。ロツク
ウールの含有する化学成分の一例を示すと第一表
の通りである。また、ロツクウールは、水砕高炉
鉱さいとは異り、後述するような極めて細い繊維
であるので、それを成型したロツクウールマツト
のは種床は、1箱分1枚僅かに100g〜250gで、
極めて軽量であり、カセツト式にワンタツチで育
苗箱に簡便に挿入できて取り扱い上極めて能率的
である。また、その育苗成績は実施例に示す如く
非常に優れている。 本発明の構成要素の一つであるロツクウールマ
ツトのは種床の原料であるロツクウールは、
JIS9504によると、「ロツクウールは、石灰、けい
酸を主成分とする耐熱性の高い鉱物を溶融したも
のを、遠心力、圧縮空気又は高圧蒸気などで繊維
化したものとする。」と定義されている。この場
合、石灰、けい酸を主成分とする鉱物としては、
ケイ灰石、玄武岩、苦土石灰、耐火粘土、頁岩、
石灰石などがあるが、前述の如くわが国では製鉄
の際に副生する高炉鉱さいを主原料として製造さ
れる。なお、銅・鉛・銀・その他ニツケルなどの
各種合金鉄の精錬鉱さいもロツクウールの原料と
することもでき、これらすべてのロツクウールは
本発明において適用できる。また、ロツクウール
は、同JISによると7ミクロン以下の極めて細い
鉱物繊維であるが、本発明において使用するロツ
クウールは、必ずしもJISに規定する通りの太さ
である必要はなく、マツト状に成型するに支障を
きたさない程度のものであればよい。ロツクウー
ルは、上述の如く非常に細い繊維であり、その含
むけい酸を始めその他の栄養素は可溶性であるの
で、植物に有効に利用されやすい形態となつてい
る。 ロツクウールは第1表に示すように、たとえば
アルカリ分を40%以上含んだアルカリ性の鉱物繊
維で、ロツクウールマツトは通常、水溶性石炭酸
樹脂などのアルカリ性の接着剤を用いて成型され
る。ロツクウールマツトの重量は、成型する時の
圧密の程度によつて異るが、一般に20Kg〜150
Kg/m3程度のものが、本発明のロツクウールマツ
トに適しており、イネの育苗用には30Kg〜70Kg/
m3のものが最も好ましい。公用の育苗箱1枚分の
重量は100g〜250gである。したがつて、その孔
隙率は90%前後で、通気性、保水性が極めて優れ
ている。また、ロツクウールマツトのPHは、一般
に8以上で、とくにわが国の如く高炉鉱さいを原
料とするものでは10以上に及ぶものが多い。 然るところ植物は一般に弱酸性の培地でよく発
芽、生育するので、上記の如く強アルカリ性のロ
ツクウールマツトは、一般の植物の育苗には適さ
ない。なかんずくイネはPH4.5〜5.5程度の酸性の
培地で最も良好に発芽・生育する代表的な好酸性
植物であるので、強アルカリ性のロツクウールマ
ツトそのままを培地として育苗することはそれ自
体とくに不適当であつて、発芽が極めて悪く、よ
しんば発芽したとしても、苗の葉は黄化し、(ク
ロロシス)、生育は極めて不良である。したがつ
て、ロツクウールは、「植物栽培の培養土および
土質の改良剤」として公知(特公昭41−12642号
参照)であるが、従来その活用はほとんどなされ
ていない。 したがつて、ロツクウールないし、ロツクウー
ルマツトを培地として植物を育苗するためには、
ロツクウールないしロツクウールマツトを酸性に
PHを調整しなければならないが、上述の如くロツ
クウールにはアルカリ分を40%以上も含んでいる
7ミクロン以下の極めて細い鉱物繊維であるの
で、これを常法によつて、たとえば硫酸の水溶液
で処理すると、アルカリ分と硫酸とが反応してロ
ツクウール繊維が破壊するため、ロツクウールを
酸で処理することは従来行はれていない。 本発明者は、上述のようなロツクウールマツト
の優れた物理性と化学性を生かして、しかもPHが
高くて育苗に適さない欠点を改良すべく、研鑽を
重ねた結果、本発明に到達したのである。即ち、
本発明は、アルカリ性であるロツクウールマツト
を酸性の覆土と組み合はせることによつて、極め
て細いアルカリ性の鉱物繊維であるロツクウール
を破壊することなく、好酸性の植物を育苗できる
育苗用培地を提供するものである。 即ち、本発明は、「石灰、けい酸を主成分とす
る鉱物を繊維化したロツクウールをマツト状に成
型したロツクウールマツトのは種床と酸性の覆土
とでなる育苗用培地」に関するものである。本発
明においては、は種床であるロツクウールマツト
のPHは、たとえ8以上あるいは10以上であつて
も、これには種し、酸性の覆土をして潅水する
と、培地全体が適度の酸性になつて、まいた種子
は正常に発芽し、発芽した苗は良好に生育するの
である。たとえば、本発明におけるロツクウール
マツトを構成するロツクウールの原料である高炉
鉱さいと同じ高炉鉱さいで製造した砂れき状の水
砕高炉鉱さいでなる培地構成材をは種床として籾
をは種し、これに酸性の覆土をして育苗すると、
発芽はするが不正常であつて、発芽した苗はクロ
ロシスをおこし、葉は黄化して生育は劣る。この
場合窒素肥料として酸性である硝酸を施用すると
クロロシスをある程度防ぐことはできるが、充分
ではない。イネが好んで吸収する常用の硫酸アン
モニウムなどのアンモニア性窒素を施用すると、
塩が分解してアンモニアが揮散するので肥料とし
て用をなさないのみか有害である。然るところ、
本発明者がさきに提案したように、砂れき状の水
砕高炉鉱さいを硫酸あるいは硫酸鉄で処理する
(特開公昭56−32921、昭56−124321)とかニトロ
フミン酸を添加する(特公昭55−24855)とかし
て酸性の培地として、これに籾をまいて育苗する
と、正常に発芽して良好に生育する。然るとこ
ろ、本発明においては、は種床であるロツクウー
ルマツトは、たとえPHが10以上であつても、これ
に籾をまき、酸性の覆土を、好ましくはPH4.0〜
5.0の覆土をして育苗すると、イネは正常に発芽
し、実施例に示す通り、極めて優れた健苗が生育
するのである。この場合、窒素肥料として硫酸ア
ンモニウムを施用しても、水砕高炉鉱さいの場合
のように塩が分解してアンモニアが揮散するよう
な現象は全く起らない。同じ高炉鉱さいを原料と
する同じ強アルカリ性のは種床であるのに、一方
が砂れき状であり、本発明のロツクウールが繊維
状であることによつて、このようにも育苗成績が
異ることは、従来全く予想もしなかつたまことに
不思議な現象である。 以上の如く、本発明においては、は種床は、PH
を全く調整しない強アルカリ性のロツクウールマ
ツトを用いるが、覆土は必ず酸性でなければなら
ない。酸性の程度は、は種育苗する植物の種類に
よつて異るが、たとえばキユウリの育苗において
は、PH6.0〜6.5程度の覆土が好ましく、イネの育
苗においてはPH4.0〜PH5.0程度の覆土が最も好ま
しい。また、覆土の材質は、酸性の山土・畑土・
田土などのような天然土壌、あるいはこれら天然
土壌に下記のような酸性化剤を添加して適当な酸
性に調整したもの、あるいは、ロツクウールまた
はロツクウールを製造する際に発生する製造滓を
下記のような酸性化剤によつて酸性に調製したも
のなどを用いることができる。この場合、酸性化
剤としては、硫酸・硫酸鉄・クエン酸・フマール
酸・リンゴ酸あるいはニトロフミン酸などが使用
される。また、酸性の泥炭などを混合するもよ
い。 本発明において、は種床とするロツクウールマ
ツトの出発原料は、前述の如くわが国において
は、製鉄の際に年年3千万屯もの大量に副生する
高炉鉱さいを原料として作られるので、年間数万
屯や数十万屯程度の本発明の育苗用培地の原料の
需要にこと欠くようなことは全くない。この点無
限にあるようにみえて、その実適質の培土原料の
獲得に困難する天然土壌の比ではない。また、今
後イナ作の大規模化の進出に従つて多条植田植機
の普及が予想されるが、これに適応するために
は、育苗用培地の軽量化が不可欠の要件である
が、本発明のロツクウールマツトと酸性の覆土と
でなる育苗用培地は、この要求に充分に応えるこ
とができる。即ち、前述の如く従来公用の天然土
壌を原料とする培土は、公用のイネ育苗箱1箱当
り3Kg〜5Kgであるが、本発明の育苗用培地は、
たとえ覆土に比重の重い山土を用いるとしても、
ロツクウールマツトのは種床と併せて精精1Kg程
度であるに過ぎない。従来公用の培土の3分の1
ないし5分の1の軽量である。しかも、その育苗
成績は、実施例の示すように、山土や田土を原料
とする公用の培土に決して劣らないばかりかむし
ろそれに勝る成績である。 なお、ロツクウールの化学分析の一例を示すと
次の第1表の通りである。
【表】 実施例 1 イネの育苗試験を行つた。 (1) 実施例の育苗用培地 長さ5mm〜10mmに切断したロツクウール
200gを、水溶性石炭酸樹脂をバインダーとし
て、縦28cm、横58cm、高さ2cmの大きさに圧密
し、その上面に界面活性剤(花王石鹸製
TWEEN20)1gを水50c.c.に溶解した水溶液を
噴霧して乾燥しPH8.0ロツクウールマツトをえ
た。 育苗に当つては、上記ロツクウールマツトを
公用の内径28cm×58cm×3cmの育苗箱に挿入
し、その上に潅水して籾をまき、更に潅水し
て、次のような各種の酸性の覆土をして、発
芽・緑化・硬化等公知の方法で育苗した。また
肥料は、緑化時に硫安7.5g、過燐酸石灰9g、硫
酸加里4gを施用した。 使用した覆土は次の通り、 イ区 ロツクウールを製造する際に発生する製
造滓と泥炭を2:1の容量比で混合したもの
に硫酸第1鉄(ク水塩)とクエン酸を添加し
てPH4.5に調整したものを0.9、 ロ区 火山灰土(黒ボク)でPH5.0のものを0.9
ハ区 山土で(赤土)PH4.8のものを0.9、 ニ区 沖積土で硫酸を添加してPH4.5に調整し
たものを0.9 (2) 比較例の育苗用培地 ホ区 パルプを原料とする十条製紙製、PH5.0
十条育苗マツト1号をは種床とし、ハ区と同
じ山土0.9を覆土に用いた。 ヘ区 ダンボールを原料とする丸三製紙製のPH
5.0のピロマツトをは種床とし、ハ区と同じ
山土1を覆土に用いた。 ト区 ポリウレタンホームを原料とする東洋ゴ
ム製のPH5.0の育苗マツトをは種床とし、ハ
区と同じ山土0.9を覆土に用いた。 チ区 ピートモスを原料とする坂田種苗発売の
PH5.0のライスシートをは種床とし、ハ区と
同じ山土0.9を覆土に用いた。 リ区 山土を原料とする呉羽化学のPH5.0の組
合粒状培土Kをは種床と覆土を共土で用い
た。 ヌ区 実施例と同じロツクウールマツトをは種
床とし、ロツクウール滓(PH9)0.9を覆
土に用いた。 ル区 水砕高炉鉱さい(PH9.5)をは種床とし、
ハ区と同じ山土0.9を覆土に用いた。 但し、施肥は、ホ区、ヘ区、ト区、チ区、リ区
は既に肥料を添加した市販品であるのでそのまま
使用し、ヌ区とル区には実施例と同様に施肥し
た。 以上実施例と比較例の育苗成績は次の第2表に
示す通りである。
【表】 参考例 1 実施例としてロツクウール1Kgを、水溶性石炭
酸樹脂をバインダーとして、縦30cm、横50cm、厚
さ10cmに圧密し、その上面に界面活性剤(花王石
鹸製TWEEN80)3gを水50c.c.に溶解した水溶液
を噴霧し、乾燥してえたロツクウールマツトを、
縦横それぞれ10cm角に切断して10cmの立方体15ブ
ロツクとし、各ブロツクの中央に十字の切れ目を
入れては種穴とし、各は種穴にキユウリ(品種四
葉)の種をまき、その上にPH6.0の弱酸性の畑土
を覆土して育苗した。 また、比較例1として、上記実施例と同様にし
てえたロツクウールマツトのは種床に、上記同様
にキユウリの種子をまき、その上にPH8.5のロツ
クウール滓を覆土して育苗した。 また、比較例2として、PH6.5の畑土1を、
実施例と同数の口径12cmの黒色のポリエチレンポ
ツトに入れて、実施例と同じキユウリの種子をま
いて育苗した。 その育苗成績は次の第3表の通りであつた。
【表】 上表でみるように、実施例の生体重は、比較例
1に比し69%、比較例2に比し51%優れた。実施
例と比較例1は、は種床は同じロツクウールマツ
トであるが、ただ覆土が酸性とアルカリ性の相違
によつて、上表のような相違が生じたのである。 なお、上記育苗試験においては、肥料は、窒素
燐酸・加里の3要素をそれぞれ要素として
200ppmの水溶液を、発芽後本葉2枚までは、週
に1回その後は2回潅水代りに施した。但し、肥
料の種類は、硫安、燐安、硫加を用いた。 参考例 2 繊維の長さを2cm〜3cmに切断したPH9.0のロ
ツクウール50gを開繊し、水溶性石炭酸樹脂2gと
尿素1gと燐酸二加里0.5gを水50c.c.に溶解した水溶
液を、該ロツクウールに満遍なく噴霧し、一辺12
cmの立方体のブロツクに成型して乾燥し、該ロツ
クウールブロツクをは種育苗床とし、その上面に
PH5.5に調整した壌土を1cmの厚さに覆土して、
ピーマン(翠玉二号)の種子をまき、日産製プラ
ントフードの500倍液を、生育に応じて3日〜5
日に1回施用して育苗した。 比較例(イ)として、実施例と同じロツクウールの
立方体ブロツクを床とし、該床の上面にPH7.5に
調整した壌土を1cmの厚さに覆土して、実施例と
同じ施肥方法で、同じピーマンの種子をまいて育
苗した。 比較例(ロ)として、実施例と同じロツクウールの
立方体ブロツクの床に直に種をまき、別に土壌の
覆土をしないで、実施例と同じ施肥方法で、同じ
ピーマンの苗を育苗した。 比較例(ハ)として、実施例と同体積の慣行の育苗
用土PH6.5を用い、実施例と同じ施肥方法で、同
様のピーマンの苗を育苗した。 育苗成績は、下表の通りであつた。
【表】 第4表でみる通り、本願発明の実施例の苗の草
丈は、慣行の育苗用土の苗の草丈より短かいが、
生体重では、実施例の苗は慣行育苗用土の苗より
重く、したがつて、生体重を草丈で除した苗の充
実度は、実施例の苗が慣行育苗用土の苗よりはる
かに優れている。なお、実施例の苗と慣行育苗用
土の苗とは茎葉の重量は同じであるが、根の重量
は実施例の苗の方が重い。即ち実施例の苗は、根
重の重い所謂理想的なズングリ苗である。 また、比較例イでは、育苗床は実施例と全く同
じものであつて、ただ覆土をアルカリ性の壌土を
用いたことだけが異るのであるが、草丈・生体
重・充実度共に実施例より劣つた。 また、全く覆土を用いないでロツクウール床に
ピーマンの種子を直にまいた比較例ロでは、比較
例イより更に生育が劣り着花も遅れた。 なお、比較例ハの慣行育苗用土の苗は、草丈は
実施例より高いが、茎葉の重量は実施例と同じ
で、総生体重は実施例より軽く、根重もまた軽
く、充実度も劣つた。 実施例 2 繊維の長さを2cm〜3cmに切断したPH9のロツ
クウール300gに、アクリル酸エステル樹脂エマ
ルジヨン10g・尿素3g・燐酸二加里3gを300c.c.の
水に溶解した水溶液を噴霧しながら開繊混合し
て、28cm×58cm×2cmのマツトに成型したは種床
を7枚作り、夫夫に籾200gをは種し、PHを2,
3,4,5,6,7,8に夫夫調整した山土を1
覆土し、21日間育苗して2・2葉令の稚苗の苗
マツト7枚をえた。なお、は種後10日めに硫安
5gを追肥した。 その成績は次の如くであつた。
【表】 第5表により、は種床は、イネの育苗に全く不
適当であるPH9の強アルカリ性のロツクウールマ
ツトであるが、酸性の覆土を用いると、イネ苗は
良好に生育することが分る。即ち、PH3〜5の覆
土が好ましく、なかんづくPH4の覆土が草丈・乾
物重・充実度・葉色共に最も優れており、各項目
共下記の一般の健苗基準を越えている。PH2の覆
土は全ての健苗基準を越えているが、PH3の覆土
に比し草丈は勝つているにもかかわらず乾物重は
劣り、したがつて充実度が劣つている。また、葉
色は濃い過ぎる。一方、覆土のPHが中性の7では
各項目共健苗基準より劣り、ムレ苗が発生した。
特に覆土のPHがアルカリ性の8では、全項目が健
苗基準よりはるかに劣り、葉色が特に悪く、ムレ
苗が大発生した。 因に、稚苗の健苗基準については、未だ公的に
認められたものはないが、一般に “草丈は10cm〜13cm、乾物重は10mg以上、充実
度は1.0以上、葉色は4〜5” とされている。 実施例 3 実施例として a 巾28cm、長さ58cm、深さ3cmの公用の育苗箱
に、育苗床として、日東紡績製の巾28cm、長さ
58cm、厚さ2cmでPH8.5(PH未調整)のロツクウ
ールマツトを用い、公用の方法によつて、籾
(日本晴)150gをは種し、PH4.5に調整し、かつ
硫安、過石、硫加を要素としてN、P、Kをそ
れぞれ1.5g混合した鎌倉の山土を1.2覆土し、
なお、は種後15日目に硫安を要素としてN1gを
追肥して育苗した。 b PH3.5に調整した鎌倉の山土1.2を覆土に用
いた外は、総てaと同様にして育苗した。 c PH5.5に調整した鎌倉の山土1.2を覆土とし
て用いた外は、総てaと同様にして育苗した。 比較例として d aと同じ公用の育苗箱に、育苗床として、日
本鋼管製の水砕鉱さい、PH8.5を厚さ2cm(3.3
)用いた外は、総てaと同様にして育苗し
た。 e aと同じ公用の育苗箱に、育苗床として、鎌
倉の畑土PH7.5をdと同量を用いた外は、総て
aと同様にして育苗した。 f aと同じ公用の育苗箱に、山土を原料とした
呉羽化学製のくみあい粒状培土PH5.0を、育苗
床として厚さ2cm(3.3)、覆土として1.2
を用いた外は、総てaと同様にして育苗した。
但し、肥料は製品にほぼ同量含まれている。 g aと同じ公用の育苗箱に、育苗床として、日
東紡製のPH5.0に酸処理した、巾28cm・長さ58
cm・厚さ2cmのロツクウールマツトを用いた外
は、aと同様にして育苗した。 h aと同じ公用の育苗箱に、育苗床として、a
と同じPH8.5のロツクウールマツトを用い、覆
土として鎌倉の畑土PH7.5を1.2用いた外は、
総てaと同様にして育苗した。 以上各例共に、それぞれ3箱づつを21日間育苗
し、それぞれ平均的に成育した苗100本を採取し
て調査した。その成績は、次の通りである。
【表】 草丈は100本平均cm、乾物重は100本平均mg、充
実度は乾物重÷草丈、葉令は枚数、葉色は富士カ
ラースケール(5が極良、4は良、3以下は不
良)による。 以上の通りである。イネ育苗においては「床土
のPHは4〜5に調整するのが最もよい。最もよい
というよりも、6以上にしてはならないといつた
ほうが正しい。PH6以上だと、どんなによい管理
をしても、よい稚苗をつくることができない。」
(星川清親著 稚苗の生理と育苗技術 第92頁)
これは、従来農水省を始め農業研究試験指導機関
その他同業者において等しく信奉厳守されている
鉄則である。現に、上記育苗試験においてみる通
り、酸性の育苗床(床土)に酸性の覆土をしたf
及びgにおいては、草丈・乾物重・充実度・根
張・葉令・葉色など総ての点において極めて優れ
ている。一方覆土は酸性であつても、育苗床がア
リカル性であるd及びeにおいては、各項目共極
めて不良であつて、とりわけ成育上重要な乾物重
はf及びgの1/2以下であり、草丈は田植機にか
からない程度に短く、葉令は少なく、葉色に至つ
ては、2〜3で黄化(クロロシス)していて、到
底田植えできる苗ではない。この点、育苗床・覆
土共にアルカリ性のhにおいても同様である。然
るところ、本願発明の実施例であるa・b及びc
においては、育苗床の素材がPH8.5のロツクウー
ルマツトであるにもかかわらず、ただ、それぞれ
PH4.5、3.5、5.5の覆土を用いたことによつて、草
丈、乾物重以下総ての分析項目において、上記星
川博士の「最もよい」PH5の床土と覆土を使用し
て育苗した、f及びgの育苗成績とほとんど同等
の極めて優れた成績である。その理由は未だ詳か
でないが、従来の理論及び技術では全く予想でき
なかつた真に驚くべき現象である。以上の事情
は、実施例1及び2においても亦同様である。 なお、育苗中における各育苗床・覆土及び育苗
床中の潅水のPHを測定した。その数値は第7表の
通りである。
【表】 なお、育苗終了時の各育苗床のPHは次の通りで
ある。 a8.1、b8.0、c8.4、d8.4、e7.3、f5.7、g5.9、
h8.0 上記第7表の実施例a・b及びcのPH8.5のロ
ツクウールマツトの育苗床中の潅水のPHは、比較
例のdのPH8.5の水砕鉱さいの育苗床中の潅水の
PH及びeのPH7.5の畑土の育苗床中の潅水のPHと
比較して極めて特異である。とりわけ、a・b及
びcのロツクウールマツトはdの水砕鉱さいを繊
維化して製造されたものであつて、同一成分、同
一PHであるにもかかわらず、a・b及びcの育苗
床の潅水のPHは酸性であり、dの育苗床の潅水の
PHはアルカリ性であることは、真に驚くべき現象
である。dが従来の技術常識であつて、a・b及
びcは従来の技術常識では、全く考え及ばなかつ
た意外な現象である。ここに本願発明の優れたイ
ネ育苗成績解明の一つの鍵があるように思はれ
る。 以上、ロツクウール100%で成型したロツクウ
ールマツトについて説明したが、該マツトは、ロ
ツクウールを主材として、植物繊維・合成繊維そ
の他の繊維を混合して成型することもできる。
【特許請求の範囲】
1 ウリ類を350nm以下の波長の光を実質的に遮
蔽し、290〜350nmの間の波長の光の平均透過率
が15%以下であり、350〜400nmの間の波長の光
をこの全域にわたり必ず透過し、350〜370nmの
間の波長の光の平均透過率が10%以上であり、且
つ400nm以上の波長の光を実質的に透過し、400
〜750nmの間の波長の光の平均透過率が60%以上
である農業用被覆材の被覆下に栽培することを特
徴とする光質利用によるウリ類のベト病抑制方
法。
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