JPH0340719B2 - - Google Patents

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JPH0340719B2
JPH0340719B2 JP59130995A JP13099584A JPH0340719B2 JP H0340719 B2 JPH0340719 B2 JP H0340719B2 JP 59130995 A JP59130995 A JP 59130995A JP 13099584 A JP13099584 A JP 13099584A JP H0340719 B2 JPH0340719 B2 JP H0340719B2
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lacquer
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dry
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JP59130995A
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明はフイルム状乾燥漆層がフイルム状支持
体の一面に形成されているフイルム状漆材に関す
る。
〔従来技術〕
漆の塗膜は、耐薬品性、耐水性等に優れ、色、
光沢、肌触り等の点で他の合成塗料とは異なつた
特性を有しているので、美術工芸品や仏壇、家
具、食器等、多方面に広く使用されている。
しかしながら、漆塗装品の製造には塗布と乾燥
に複雑な技術を要し、従来、職人の勘や経験に頼
つていたので、伝統工芸の域を出ないのが現状で
ある。
そして、この分野の技術者も次第に減少する傾
向にあり、漆製品もますます高値になりつつあ
る。
更に漆は皮膚に付着すると、免疫性の湿疹、い
わゆる漆かぶれを起こすことも、漆技術者の養成
を困難にしている。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、張り合せによつて被塗布材の
表面に容易に漆の塗膜を形成し、安価な漆塗装製
品を形成することができるフイルム状漆材を提供
することにある。
〔発明の構成〕
上記目的を達成する本発明は、フイルム状支持
体と該支持体の一面に形成したフイルム状乾燥漆
層とからなるものである。
〔実施例〕
以下、本発明を図に示す実施例にもとづき説明
する。
図において、本発明のフイルム状漆材1は、フ
イルム状支持体2と、このフイルム状支持体の一
面の形成したフイルム状乾燥漆層3とからなる。
フイルム状支持体2としては、ポリエステルフ
イルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフインフイルム、ポリ塩化ビニールフイルム
やナイロンフイルム等の合成樹脂フイルムや、洋
紙、和紙または合成紙、ラミネート紙等が用いら
れる。
洋紙、和紙の場合には、これらの一面に直接フ
イルム状乾燥漆層を形成させても良いが、フイル
ム状乾燥漆層と洋紙、和紙との離形を容易にする
ために、離形層を介在させてフイルム状乾燥漆層
を形成させることが好ましい。
離形層の形成は、洋紙、和紙の一面に離形剤を
塗布することによつて行われる。
離形剤としては、ポリエチレンオキサイド、天
然ワツクス(パラフインワツクス、モンタンワツ
クス、マイクロクリスタリンワツクス等)、ポリ
エチレンワツクス、金属石鹸、シリコーンエマル
ジヨン等が用いられる。
本発明におけるフイルム状乾燥漆層3を形成す
る漆としては、日本産、中国産、韓国産、および
東南アジア産の天然漆、またはこれらの天然漆を
精製して得られる精製漆が使用される。
更にこれらの天然漆と塗膜形成増量材とからな
る組成物を用いることもでき、塗膜形成増量材と
しては、たとえば鉄粉、各種顔料等の着色剤、桐
油、アマニ油、荏油等の天然油脂、アルキド樹
脂、アマニ油カテコール、オレイルカテコール、
ブタジエンカテコール、プロトカテキユ酸エステ
ル、エステルガム、カシユー縮合樹脂等が用いら
れる。
これら塗膜形成増量材の添加量は、通常、上記
天然漆に対して、2〜60重量%であり、好ましく
は2〜20重量%である。
フイルム状乾燥漆層3は、上記フイルム状支持
体2の一面に、上述した天然漆または天然漆と塗
膜形成増量材との組成物を塗布し、乾燥すること
によつて形成される。具体的には、例えばポリエ
ステルフイルムの一面に天然漆を塗布し、乾燥す
る操作を反復することによつてフイルム状乾燥漆
層が形成される。
塗布、乾燥の反復回数は、本発明のフイルム状
漆材を被塗装材の表面に張り合せて形成される漆
塗装製品の種類、品質に応じて適宜、選択するこ
とができ、この反復回数によつてフイルム状乾燥
漆層の厚さが決定される。
塗布には、従来の方法が採用され、例えば、マ
イヤーバーコーター、リバースロールコーター、
グラビアロールコーター、フアインテインコータ
ー等によつて行われる。
塗布された漆液の乾燥は、漆液の乾燥が化学的
作用による乾燥であり、成分中のゴム質中に存在
するラツカーゼの作用による漆主成分のウルシオ
ールの酸化、重合であるため、その機能を十分に
発揮させる目的で、湿度25〜30℃の高湿度
(RH75〜80)の室(漆風呂)の中で数時間から
数十時間吊して乾燥する。
このため、一回の乾燥は、室の大きさに制約さ
れ、通常、数百メートル単位のバツチ式によつて
行われる。
次に本発明のフイルム状漆材を用いて被塗装材
の表面にフイルム状乾燥漆層を張り合せる方法に
ついて述べる。
まず、被塗装材の表面に接着剤を塗布する。
次に接着剤の面に、本発明のフイルム状漆材に
おけるフイルム状乾燥漆層の側を貼り合せ、被塗
装材―接着剤―フイルム状乾燥漆層―フイルム状
支持体からなる四層構造を形成させる。
フイルム状乾燥漆層が接着剤に十分に接着した
後に、フイルム状支持体を剥離すれば、被塗装材
の表面にフイルム状乾燥漆層が残り、被塗装材の
表面にフイルム状乾燥漆層を形成することができ
る。
接着剤としては、ウレタン系樹脂、エポキシ樹
脂、ビニール系樹脂、エステル系樹脂、ゴム系樹
脂等のエマルジヨンまたは溶剤型の接着剤、ポリ
アミド樹脂、ポリエステル樹脂系のホツトメルト
接着剤等が使用され、またガラス等には紫外線硬
化型接着剤等が広く利用できる。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明のフイルム状漆体
は、フイルム状支持体と、この上に連続的に形成
されたフイルム状乾燥漆層との合体物である。そ
して、かかるフイルム状漆体は、フイルム状乾燥
漆層側を被塗装材に接着させ、しかる後にフイル
ム状支持体を剥離すれば、乾燥漆層を被塗装材表
面に形成させることができ、従つて漆器の製造に
下記のような優れた効果を奏することができる。
イ 漆業界における最大の問題点であつた漆かぶ
れを最小限に押さえることができる。
漆によつて生ずる皮膚のかぶれ(漆かぶれ)
は、従来から漆塗装品製造業界における大きな
欠点とされており、漆かぶれの心配なしで漆を
取り扱える技術が切望されていた。
漆かぶれは、漆の主成分であるウルシオール
によつて生ずるものであり、被塗装材への漆塗
装、乾燥を繰り返さねばならない従来の漆器製
造技術では、漆かぶれは最後まで避けえないも
のであつた。
しかしながら、本発明のフイルム状漆材によ
れば、本発明のフイルム状漆材を製造する工程
と、本発明のフイルム状漆材を使用して漆塗装
品を製造する工程に区分することが可能とな
り、漆かぶれの発生を最小限に抑制することが
できる。
なぜならば、本発明のフイルム状漆材では、
漆は液体状ではなく、乾燥(硬化)した状態で
存在する。漆の乾燥は、漆中に含まれる酵素の
触媒作用下、空気中の酸素によるウルシオール
の酸化、重合と考えられており、乾燥した漆で
は、もはや漆かぶれは生じない。
従つて、本発明の漆転写材によつて漆かぶれ
を生ずることはない。
このことは、漆職人以外の一般の人でも本発
明のフイルム状漆材を気軽に取り扱うことを可
能にするものである。
ロ 被塗装材表面に形成される乾燥漆層の厚さを
均一にすることができる。
従来の漆器製造においては、漆は手塗りや、
吹付け法によつて塗布されており、従つて漆塗
膜を均一化することは困難であつた。
これに対して、本発明のフイルム状漆材で
は、前述のように、フイルム状支持体に、種々
のコーターを用いる方法によつて漆が塗布され
る。
従つて、従来に比較して漆層の厚みを均一化
することができ、かつ乾燥漆層の厚みの異なる
種々のフイルム状漆材を容易に製造することが
できる。
フイルム状支持体を乾燥漆層の支持体とする
ことも漆塗膜を均一化するうえで有利である。
ハ 大きな面積の漆塗り製品を製造が可能であ
る。
支持体となるフイルム状支持体の大きさを適
宜選択して大面積のフイルム状漆材を製造し、
これを用いて乾燥漆層を被塗装材表面に形成す
れば、例えば、メートル巾で長尺物の漆塗り製
品を製造することができる。
このような大型の漆塗り製品は、従来の漆器
製造技術では製造不可能ではないにしても、極
めて長時間を要する困難な作業であつた。
ニ 部分的な漆塗りに利用することができる。従
来の漆器は手塗りや、吹付け法によつて製造さ
れていたので、全面塗りが中心であつた。
これに対して本発明のフイルム状漆材を使用
すれば、フイルム状漆材を適当な大きさにカツ
テイングして使用することによつて部分的な漆
塗りが可能である。
かつ、種々なデザインが容易であり、エツジ
部をクリアーに仕上げることができる。
ホ 被塗装材の種類を大巾に拡大することができ
る。
従来の手塗りや吹付け法では、金属表面、ガ
ラス表面、陶器、セラミツク表面への漆塗りは
困難であつた。しかしながら、本発明のフイル
ム状漆材を使用すれば、接着剤を適宜選択する
ことによつて、これら材料への漆塗膜形成が可
能となり、被塗装材の種類を大巾に拡大するこ
とができる。
例えば、ステンレスと漆、ガラスと漆、白木
と漆、皮革と漆、大理石と漆などのような従来
では考えられなかつた素材の組合せが可能であ
る。
ヘ 漆器製造の生産性を向上して安価な漆器の製
造が可能である。
従来の漆器製造は手作業が主体であり、職人
の勘や経験に頼る部分が多く、伝統工芸の域を
出ない状態であり、従つて生産量も少なく高価
であつた。
これに対して本発明のフイルム状漆材を使用
すれば、被塗装材に接着し、紙状体を剥離する
だけの工程で漆器を容易に製造することかで
き、かつ特別の技術を持つ漆職人を必要としな
いので、生産性を格段に向上させて安価な漆器
を提供することができる。
ト 漆塗装品の用途範囲を拡大することができ
る。
上記トの理由によつて、従来の漆器は美術工
芸品、仏壇、家具、食器等が主体であつた。
しかしながら、本発明のフイルム状漆材を使
用すれば、上記ハとも関連して、テレビキヤビ
ネツト、オーデイオキヤビネツト、電気冷蔵庫
等のような家庭用電気製品、建築用パネル等へ
も漆塗装品を使用することができ、漆塗装品の
用途範囲を著しく拡大することができる。
チ 金属の防蝕材として使用することができる。
漆が有する優れた耐水性、耐薬品性、耐海水性
を生かして、厨房関係、浴場、洗面室、理化学
実験器具、医療用器具、船室用具等への利用が
考えられる。
リ 装身具への利用が可能である。
時計、喫煙具、筆記具、ベルト、財布、ハン
ドバツク、靴、カバン、アクセサリー等への利
用が可能である。
特に種々の増量材の弁用によつて、黒、朱、
グレー、ダークグリーン、ローズ等のフイルム
状漆材が可能であることも、これら装身具への
利用を容易にする。
ヌ 漆職人の減少を懸念する必要がない。
上記トと関連して、従来の漆器製造に関与す
る漆職人は減少しつつある。
しかしながら、本発明の漆材を使用する限
り、漆職人の減少を懸念する必要は全くない。
ル 漆固有の感触を保持しており、特に高級嗜好
を満足させることができる。
本発明のフイルム状漆材の使用によつて製造
された製品は、従来の手塗りの漆器と同様な感
触を有しており、量産品に見受けられがちな粗
悪感が全くない。高級品の感覚を満足させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の漆転写材の実施例を示す断面拡大
図である。 1……フイルム状漆材、2……フイルム状支持
体、3……フイルム状乾燥漆層。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 フイルム状支持体と該支持体の一面に形成し
    たフイルム状乾燥漆層からなるフイルム状漆材。
JP13099584A 1984-06-27 1984-06-27 漆転写材 Granted JPS6110497A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13099584A JPS6110497A (ja) 1984-06-27 1984-06-27 漆転写材

Applications Claiming Priority (1)

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JP13099584A JPS6110497A (ja) 1984-06-27 1984-06-27 漆転写材

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Publication Number Publication Date
JPS6110497A JPS6110497A (ja) 1986-01-17
JPH0340719B2 true JPH0340719B2 (ja) 1991-06-19

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JP13099584A Granted JPS6110497A (ja) 1984-06-27 1984-06-27 漆転写材

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WO2009041171A1 (ja) 2007-09-26 2009-04-02 Toshiba Lighting & Technology Corporation 照明装置

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