JPH034053Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案はレーザ媒体としてCO₂等の気体を用い
た気体レーザ発振装置に関する。

［考案の技術的背景］ レーザ光はエネルギ密度をはじめ多くの優れた
特徴を有しており、これを生かして広範囲の産業
分野で実用化が進められている。

第１図のａおよびｂは、出願人が先に提案し
た、主として溶接、切断等の金属加工に用いられ
る大形の気体レーザ発振装置を示したもので、こ
の発振装置１中にはレーザ媒体としてCO₂，He，
N₂等の気体が大気圧以下の圧力で封入されてい
る。レーザ光Ｌは放電部２で生成されるが、この
とき媒体として用いられる上記気体は風洞３を経
由して送風機４により矢印Ｆの方向に循環され
る。また、風洞３の一部には熱交換器５が設けら
れ、封入気体の冷却が行なわれる。

図示の構成において、レーザ光Ｌを取り出すに
は放電部２に電気エネルギを供給し、これを前記
封入気体に作用させて光エネルギに変換したあと
光学系部材（図示せず）を経由して外部に導出す
る。このとき、放電部２には常に冷却された気体
を供給してレーザ発振の効率を上げるようにする
ため、送風機４および熱交換器５が設けられる。

［背景技術の問題点］ 上記レーザ発振装置において、風洞３は気体を
循環させるための経路としての機能を果している
が、第１図に示したように、これが全体に占める
体積比は半分以上であり、機器を大形なものにし
ていた。即ち、第１図の構成によると、放電部の
高さH₁、主として組立時の作業性から決まる寸
法H₂、送風機４の直径H₃とから全高H₀が求めら
れ、このH₀を直径として風洞３の外殻が決定さ
れることから、結果として機器全体が大きくなり
広い据付面積が必要になるという問題点を有して
いた。

［考案の目的］ 本考案は上記の点に鑑み、主要構成部材の配置
を改良することにより、機器の小形化を可能にし
た気体レーザの発振装置を提供することを目的と
する。

［考案の概要］ このため、本考案は放電部と送風機との中心軸
を合せて垂直に配置し、更にこれらに接続されて
封入気体を循環させるダクトを上記軸と同一平面
上に配置することにより、全体を小形化したこと
を特徴としている。

［考案の実施例］ 以下、本考案の一実施例を第２図によつて説明
する。

第２図は本考案による発振装置１を示したもの
で、ａはその側面図、ｂはその正面図である。図
中、第１図と同一符号は同一または相当部分を示
す。図において、送風機４の上方には放電部２が
各々の中心軸を合せて配置されてお、この間には
両部材を結合するダクト６が配設されている。こ
のダクト６の内側には、放電部２の間口の長さに
対し、送風機４の径が小さいので、気流Ｆが放電
部２の中心付近に集中するのを防止するために整
流板７が設けられている。

放電部２の上方開口端にはダクト８が設けてあ
り、熱交換器５が収納されている。この場合、熱
交換器５との距離H₄を小さく取りすぎると、放
電部２内を通過する気流に乱れが生じ、放電効果
を低下させることがあるので、適当な距離を置く
ことが望ましく、実施例の構成では300mm以上が
有効であつた。

同様な理由から、ダクト８の断面形状は、気流
が放電部２を通過したあと、ある距離、少なくと
も熱交換器５を通過するまでは、急激な形状およ
び寸法の変化は避けた構成にする。

ダクト８の一端はダクト９に接続され、更にダ
クト１０を経て送風機４の下端に接合されてい
て、気流Ｆが循環できるようになつている。これ
らのダクト６，８，９，１０は、各々の接合面は
フランジ構造になつており、パツキンを介してボ
ルト締めすることで真空が維持できる構造になつ
ている。

レーザ発振装置をこのような構造にすることに
より、放電部２、送風機４、ダクト６，８，９，
１０がそれぞれ同一平面図上に配置され、第２図
ｂに示すように、巾方向寸法が大巾に短縮され
る。即ち、第１図に示した構造では風洞３の外殻
寸法で据付面積が決定されたのに対して、本実施
例の場合には、概略、送風機４の直径内に機器全
体の巾方向寸法が納まり、巾方向寸法が大巾に短
縮される。

第３図は本考案の他の実施例を示したもので、
送風機４を横置にしたものである。このためにダ
クト６ａ，８ａ，１０ａは第２図に示すダクト
６，８，１０に相当する機能を有しているが若干
形状が異つている。

この実施例の場合、据付面積は第２図の実施例
の場合と変らないが、高さ寸法が低くできるとい
う効果が得られる。

［考案の効果］ 以上のように本考案によれば、据付面積を大巾
に低減することのできる小形のレーザ発振装置が
得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は出願人が先に提案したレーザ発振装置
の構成図で、ａはその正面図、ｂはその側面図、
第２図は本考案の一実施例を示すレーザ発振装置
で、ａはその側面図、ｂはその正面図、第３図は
本考案の他の実施例を示すレーザ発振装置の側面
図である。 １……レーザ発振装置、２……放電部、４……
送風機、５……熱交換器、６，８，９，１０……
ダクト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. レーザ光を生成させる放電部と、封入気体を循
   環させる送風機部と、前記放電部を通つた前記封
   入気体を冷却する熱交換手段と、前記送風機部に
   より強制循環された前記封入気体を送風する送風
   手段とを少なくとも有し、前記レーザ光の発振軸
   が少なくとも前記封入気体の流れ方向と直交する
   気体レーザ発振装置において、前記放電部と前記
   送風機部の中心軸とが同軸上に配置され、この配
   置された放電部及び送風機部と同一平面上に前記
   送風手段が配置され、前記送風機部の直径内に容
   器全体の幅方向寸法が納まるように構成されたこ
   とを特徴とする気体レーザ発振装置。