JPH0340522Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、工作機械の自動工具交換装置に把持
されて主軸端の工具挿着用テーパ孔の清掃を行な
う清掃装置に関する。

（従来の技術） 一般にマシニングセンタ等の工作機械は加工の
種類に応じて種々の工具を交換しながら加工作業
を行なつている。しかしながら工具交換を度々行
つている間に主軸端のテーパ孔の内周面に切粉や
塵等が付着し、工具ヘツドを精度の良い状態で装
着することが出来なくなると共に、加工精度の向
上も期待出来なくなる。そこで、従来、作業者が
定期的に布や紙等で主軸のテーパ孔の内周面を清
掃しているが、手間が掛り、作業能率が悪く、危
険でもある。また、その都度マシニングセンタを
停止してテーパ孔の清掃をしていたのでは作業効
率が極めて悪く、マシニングセンタの使用価値が
薄れることとなる。

かかる事情に対処すべく主軸のテーパ孔を自動
的に清掃するスピンドル孔清掃装置が提案されて
いる（特開昭60−34245公報）。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上記スピンドル孔清掃装置は、
構成が極めて複雑であるために高価となり、更に
構造上大型且つ重くなり、使用し難い等の問題点
がある。

本考案はこのような問題点に着目してなされた
もので、構成が簡単且つ小型、軽量化を図り上記
問題点を解決した工作機械の主軸テーパ孔清掃装
置を提供することを目的としている。

（問題点を解決するための手段） かかる目的を達成するために本考案の要旨とす
るところは、自動工具交換装置を有する工作機械
の主軸孔を清掃する主軸テーパ孔清掃装置であつ
て前記自動工具交換装置で把持可能な把持部材
と、この把持部材の軸芯に貫設された外周部に前
記主軸テーパ孔に向けてエアーを吹きつけるエア
ー吹きつけ用の孔を前記主軸テーパ部に沿つて複
数ヶ所設け、且つ、主軸テーパ孔の内周面との間
に除去された付着物を収納自在な空間を有して設
置される支軸と、この支軸外方に配設されて前記
主軸テーパ孔の内周面に摺設して付着物を除去す
る非金属の清掃部材と、この清掃部材を被覆し前
記把持部材に係止され、前記主軸との間で相対回
転可能に前記空間に設けられ、前記主軸軸線方向
前記主軸テーパ孔に沿つて清掃部材が主軸テーパ
孔の内周面に摺設するように付勢し、且つ、前記
把持部材側から前記支軸先端方向に縮径し、且つ
テーパ孔の内周面に付着する切粉等を該テーパ孔
の開口端方向にはき出す方向に巻回されている円
錐型コイルスプリングとからなり、前記自動工具
交換装置に前記把持部材が把持された状態で、前
記円錐型コイルスプリングと、前記主軸との相対
的回転により主軸テーパ孔の付着物を除去すると
ともに、前記支軸の孔からエアーを主軸テーパ孔
に吹きつけ付着物を前記空間を介して強制的にテ
ーパ孔外に排出するようにした工作機械の主軸テ
ーパ孔清掃装置に存する。

（作用） しかして、自動工具交換装置（以下ATCとい
う）により前記清掃装置を把持し、主軸のテーパ
孔内に前記清掃部材を嵌挿させて該テーパ孔の内
周面に摺接させ、主軸を駆動回転させることによ
り当該主軸のテーパ孔の内周面に附着せる切粉、
塵埃等を除去して清掃するようにしたものであ
る。

（実施例） 以下、図面に基づき本考案の一実施例を説明す
る。

第１図において清掃装置１の把持部材２は円盤
状をなし中央には孔２ａが穿設され、外周面には
ATC把持用の環状溝２ｂが設けられている。支
軸３の一端３ａの外周面にはねじが刻設されてお
り、この一端３ａは把持部材２の孔２ａに嵌挿さ
れナツト４を介して当該把持部材２に強固に螺着
固定されている。支軸３の他端にはフランジ３ｂ
が設けられ、端面３ｃには軸芯に穴３ｄが穿設さ
れ、該穴３ｄは軸方向に適宜の間隔で半径方向に
穿設された複数の孔３ｅを介して外周面に開口さ
れている。

清掃部材５は円錐型のコイルスプリング６と、
該スプリング６を被覆する弾性部材例えば硬質ゴ
ムのチユーブ７から成り、スプリング６は支軸３
の外側に同心的に配置され、一端６ａは軸方向外
方に折曲されて把持部材２の端面周縁に穿設され
た穴２ｄ内に嵌合係止され、他端６ｂは支軸３の
フランジ３ｂの片側面に軸方向に穿設された図示
しない穴内に嵌合係止されているが、単にフラン
ジ面にスプリング６を当接しても良い。この円錐
型コイルスプリング６は図示のように把持部材２
側から支軸３の先端方向に、マシニングセンタの
主軸１０のテーパ孔１０ａの内周面１０ｂのテー
パ角度と対応して縮径するように形成されてい
る。そして、このコイルスプリング６の巻回方向
は、テーパ孔１０ａの内周面１０ｂに付着する切
粉或は塵埃等をテーパ孔１０ａの開口端方向には
き出す方向に巻回されている。

次に作用を説明する。

清掃装置１は把持部材２の溝２ｂを介してマシ
ニングセンタのATC（図示せず）に把持され、支
軸３及び清掃部材５が当該マシニングセンタの主
軸１０のテーパ孔１０ａ内に図示のように嵌挿さ
れる。このとき、主軸１０の端面１０ｃに突設さ
れたキー１０ｄとの干渉を避けるために、清掃装
置１は、スプリング６の一端６ａの折曲部と主軸
端面１０ｃとの間隔がキー１０ｄの突出高よりも
僅かに大きい所定の間隔△ｌだけ主軸軸線方向に
離間した位置に停止される。この状態において、
ゴムチユーブ７又は皮被覆されたスプリング６の
ばね力によりテーパ孔１０ａの内周面１０ｂに摺
接する。そして、主軸１０が所定方向に緩動回転
すると、テーパ孔１０ａの内周面１０ｂに附着す
る切粉或は塵埃等はゴムチユーブ７により拭き取
られ、且つ当該ゴムチユーブ７の螺旋方向に沿つ
てテーパ孔１０ａの開口端方向に移動し、当該開
口端から外方に排出される。

尚、主軸１０のテーパ孔１０ａの奥から空気が
噴出される場合には、当該空気は支軸３の穴３
ｄ、各孔３ｅを介してテーパ孔１０ａの内周面１
０ｂに吹き付けられ、軽い切粉や塵埃等を吹き飛
ばし、ゴムチユーブ７の拭き取り作用と相俟つて
当該内周面１０ｂに付着する切粉、塵埃等をより
効果的に取り除くことができる。

更に、本実施例においては、コイルスプリング
６にゴム部材を被覆したが、これに限定されるも
のではなく、非金属の物質例えばプラスチツクな
どでもよい。

（考案の効果） 本考案に係る工作機械の主軸テーパ孔清掃装置
によれば、主軸テーパ孔と支軸との間に充分な空
間を有しているので、除去された付着物は滞留す
ることなくこの空間を介してスムーズにテーパ孔
外に排出できる。このように極めて簡単に且つ清
掃時間が短縮して主軸のテーパ孔を清掃すること
ができ、しかも清掃装置の構成が簡素であり、簡
易型の清掃装置安価に提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る工作機械の主軸テーパ孔
清掃装置の一実施例を示す断面図である。 ２…把持部材、３…支軸、６…円錐型コイルス
プリング、７…ゴムチユーブ、１０…主軸、１０
ａ…テーパ孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動工具交換装置を有する工作機械の主軸孔を
   清掃する主軸テーパ孔清掃装置であつて前記自動
   工具交換装置で把持可能な把持部材と、この把持
   部材の軸芯に貫設され外周部に前記主軸テーパ孔
   に向けてエアーを吹きつけるエアー吹きつけ用の
   孔を前記主軸テーパ部に沿つて複数ヶ所設け、且
   つ、主軸テーパ孔の内周面との間に除去された付
   着物を収納自在な空間を有して設置される支軸
   と、この支軸外方に配設されて前記主軸テーパ孔
   の内周面に摺設して付着物を除去する非金属の清
   掃部材と、この清掃部材を被覆し前記把持部材に
   係止され、前記主軸との間で相対回転可能に前記
   空間に設けられ、前記主軸軸線方向前記主軸テー
   パ孔に沿つて清掃部材が主軸テーパ孔の内周面に
   摺設するように付勢し、且つ、前記把持部材側か
   ら前記支軸先端方向に縮径し、且つテーパ孔の内
   周面に付着する切粉等を該テーパ孔の開口端方向
   にはき出す方向に巻回されている円錐型コイルス
   プリングとからなり、前記自動工具交換装置に前
   記把持部材が把持された状態で、前記円錐型コイ
   ルスプリングと、前記主軸との相対回転により主
   軸テーパ孔の付着物を除去するとともに、前記支
   軸の孔からエアーを主軸テーパ孔に吹きつけ付着
   物を前記空間を介して強制的にテーパ孔外に排出
   するようにしたことを特徴とする工作機械の主軸
   テーパ孔清掃装置。