JPH0340115B2 - - Google Patents
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- JPH0340115B2 JPH0340115B2 JP59213979A JP21397984A JPH0340115B2 JP H0340115 B2 JPH0340115 B2 JP H0340115B2 JP 59213979 A JP59213979 A JP 59213979A JP 21397984 A JP21397984 A JP 21397984A JP H0340115 B2 JPH0340115 B2 JP H0340115B2
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Description
本発明は、鋼板表面にFeとNiからなる合金層、
NiとSnからなる合金層、Sn層、クロメート被膜
層とを順次積層してなる耐食性に優れた缶用、特
に食缶、飲料缶用表面処理鋼板に関するものであ
る。 <従来技術とその問題点> 食缶用の素材としては従来一般にブリキと称さ
れるSnめつき鋼板が広く用いられて来た。この
缶胴の接合方式としては、以前は半田による接合
方式が採用されていたが、半田に含まれるPbの
毒性の問題から近年純Sn半田が使用されるよう
になつた。しかし、純Sn半田は接合時の濡れ性
が劣ることから半田接合の技術上の問題があり、
更に高価な純Sn半田を使用することによる製造
コストの上昇の問題があつた。 ブリキ缶の上記欠点を解消する目的で、最近半
田接合法に代つて缶胴を電気抵抗溶接によつて接
合する方式が発展し、普及するようになつて来
た。そのためには電気抵抗溶接に適した缶用素材
が必要である。 従来のブリキはSnを厚くめつきしたもので、
溶接性に必要な金属Snを十分に有しており、優
れた溶接性能を有している。 一方、近年食品容器は例えばポリエチレン、ア
ルミニウム、ガラス、紙などの低価格競合材料の
進出に直面しており、上記の如き高価なSnを付
着量2.8〜11.2g/m2の如く厚くめつきしたブリ
キ缶は製造コストが高いので、耐食性溶接性にす
ぐれた特性を有しているとはいえ、苦しい競合的
立場を強いられている。 コストを下げるためには、高価なSnを減らし
て薄目付ブリキにすれば良いが、耐食性が著しく
劣化するので実用に供することはできない。 従来から用いられている缶用材料としては、上
記ブリキの外にクロムタイプのテインフリースチ
ール(以後TFSという)がある。これは電解ク
ロメート処理を施し、表面に金属クロムとクロム
水和酸化物層を形成したもので、安価な材料であ
るが、表面に存在する厚いクロム水和酸化物層が
高電気抵抗物質であるために溶接性が悪く溶接部
の強度不足を生じ、経済性には優れているが溶接
缶用素材としては適当でない。 電気抵抗溶接に適する缶用素材の具備すべき要
件としては溶接性と耐食性が優れたものであるこ
とが要求される。この要件を具体的に説明する
と、溶接の際に十分の溶接強度があり、しかも溶
接部にいわゆる「散り」などの溶接欠陥を生じな
い適正溶接電流範囲を有していることであり、ま
た缶内容物に対して十分な耐食性を有しているこ
とである。また溶接缶のほとんどは塗装して使用
される。したがつて塗膜の有する耐食性を有効に
利用することも重要であり優れた塗料密着性が必
要である。 <発明の目的> 本発明の目的は、溶接缶用素材の上記従来の欠
点を解消し、上記溶接缶用材料として具備すべき
上記要件を兼備する食缶用素材を提供することに
ある。 すなわち、本発明は、鋼板表面に片面当り、厚
さ10〜5000Åで、Ni/(Fe+Ni)の重量比が
0.02〜0.90のFeとNiからなる合金層を有し、その
上にSn/(Ni+Sn)の重量比が0.50〜0.95のNi
とSnからなる合金層を20〜1500mg/m2の付着量
有し、その上にSn層を有し、さらにその上にク
ロメート被膜層を有することを特徴とする塗装後
耐食性に優れた缶用表面処理鋼板を提供するもの
である。 以下、本発明を更に詳細に説明する。 Snは高価な金属であるが、溶接性、特に商業
生産で最も多く使われている30m/分以上の高速
溶接性を得るために必要である。 すなわち、Snは柔らかく、かつ融点が低い金
属であるので、溶接時に容易に溶融して広がり、
強固な接合部となるからである。 Snは50mg/m2以上、好ましくは100mg/m2以上
あれば良好な高速溶接性が得られることを本発明
者らは既に知見している。しかしSnは高価な金
属であるのでSn量をあまり多くするとコスト上
不利となるので好ましくない。 Sn自体は耐食性の良い金属であるがSnめつき
層のみで用いようとすると、従来ブリキと同等
か、あるいはそれ以上のSnめつき厚が必要とな
り実用的でない。通常のブリキではSnめつき後
にリフロー処理と称するSn層の溶融処理を行つ
て、FeSn2なる合金層を形成させて耐食性を向上
させている。FeSn2合金層は柱状晶から成る比較
的粗な合金層であるため、量を多くしなければ効
果が十分でなく、安価な素材とするには不適当で
ある。 本発明者らは、Ni−Sn合金めつきを用いるこ
とにより少量で優れた耐食性が得られることを既
に知見している。 本発明者らは特願昭59−001094「高速溶接性、
耐食性に優れたシーム溶接缶用表面処理鋼板」に
てNi−Sn合金めつきを用いたSn/Ni−Sn合金2
層めつき鋼板を開示しているが、本発明者らは、
この後Ni−Sn合金属について更に詳しい検討を
行つた結果、Ni−Sn合金めつき層と上層のSnめ
つき層とはめつき後経過時間とともに室温で合金
化が起こり、7〜10日間で平衡状態に達すること
が分つた。すなわち、Ni−Sn合金めつきは
NiSn、Ni3Sn4、Ni3Sn2のいずれかの構造、ある
いはこれらが混ざり合つた構造となつているが、
上層のSnめつき層と合金化して原子比Ni:Sn=
1:3にほぼ等しい組成の合金となることが分つ
た。 この現象はSn/Ni2層めつきについても同様に
起こることが知られている。すなわち、1979年の
Transactions of the Institute of Metal
Finishing Vol57のP.J.KayとC.A.Macakyによる
論文「Barrier Layers Against Diffusion」に
述べられているところによればNiめつき層とSn
めつき層は100℃以下においてNiSn3なる合金を
形成する。 したがつてNi−Sn合金めつき、あるいはNiめ
つきの上層にSnめつきを行つた場合、めつき後
保管している間に上記合金化が進み、原子比
Ni:Sn=1:3にほぼ等しい合金層となる。こ
の合金層は緻密で優れた耐食性を有していること
が分つた。 本発明者らはさらに室温以上の温度における合
金化、すなわち加熱処理した場合の合金化につい
て検討を行つた結果温度が高くなるとNi3Sn4を
主体とした合金となり、さらに温度が高くなると
素地鉄との合金化が起こりFe(Ni)−Sn2型の合金
となることが分つた。これらの合金層はいずれも
緻密で優れた耐食性を有し、室温で形成される合
金とほぼ同等の性能である。 これらの合金層は少量で優れた耐食性を示す
が、地鉄が露出した場合Feの溶出を促進する。
すなわち、これらの合金は通常ブリキのFeSn2合
金に比べても電位的に貴であり、電位的に卑な
Feとの電位差が大きく、Feの溶解が促進される
のである。したがつてピンホールにおける地鉄の
露出、あるいは傷が入つた場合の地鉄の露出等が
あると、Feの溶解が速く進行し穴あき缶になる
恐れがある。 これに対し、本発明者らは、上記合金層と地鉄
との間に両者の中間の電位を示すFeとNiからな
る合金層を設けることによりFeの溶解を抑制で
きることを新規に見い出し、本発明に到達したも
のである。 なお、先行技術として特開昭57−23091「溶接缶
用容器用鋼板とその製造法」、特開昭57−67196
「高耐食性表面処理鋼板」、特開昭58−73792「容器
用メツキ鋼板の製造方法」に開示されているとこ
ろによれば、これらは全てNiめつき上にSnめつ
きを施した2層めつき鋼板であり、2層めつきに
したことによるピンホールの減少および熱処理さ
れた際にできるNiとSnの合金の耐食性の良さに
ついて記されているが、ピンホールあるいは傷等
からのFe溶出については何ら考慮されていない。 また、特開昭58−164794「高耐食性マツト仕上
げ製缶用表面処理鋼板」、特開昭58−207388「マツ
ト仕上げ製缶用表面処理鋼板」に開示されている
ところによれば、NiまたはNi−Sn合金の上にSn
めつきを施したもので、実施例によれば通常ブリ
キ並の厚目付を対象としているが、薄目付にした
場合についての記述はなく、ピンホールあるいは
傷等からのFe溶出については全く考慮されてい
ない。 これに対し、本発明鋼板は、ピンホールあるい
は傷等からのFe溶出を極力抑えることを特徴と
したFeとNiからなる合金層とNiとSnからなる合
金層とSn層の3層構造からなり、さらにクロメ
ート被膜層を設けてなる耐食性に優れた缶用鋼板
であつて、上記発明とは製品の構成、技術の思想
が全く異なつたものである。 さて、本発明において、鋼板表面にFeとNiか
らなる合金層を設ける目的はピンホールあるいは
傷等からのFe溶出の抑制である。FeとNiからな
る合金層の厚さは10〜5000Å、好ましくは100〜
3000Åである。Fe−Ni合金層の厚さを10〜5000
Åに限定する理由は、10Å以下ではFe溶出を抑
制する効果が不十分であり、5000Å以上になると
Fe溶出を抑制する効果は十分であるが、合金層
が硬く、かつ脆くなるため、クラツクが入り易く
なりクラツクからのFe溶出が起こるからである。
FeとNiの合金組成は重量比でNi/(Fe+Ni)=
0.02〜0.90が好ましい。この重量比が0.02未満で
は(イ)Niによる合金化の効果がなくなりFe溶出を
抑制する効果が不十分となり、0.90をこえると(ロ)
合金の電位が貴なNiに近くなり卑なFeの溶出を
抑制する効果が無くなるからである。 Fe−Niからなる合金層を形成させる方法とし
ては、工業的に次のいずれの方法によるも差支え
ない。 (a) 鋼板表面にNiめつきを施した後、非酸化性
雰囲気中で熱処理してNiめつきを全て鋼中に
拡散させる方法。 (b) 鋼板表面にFe−Ni合金めつきを施した後、
非酸化性雰囲気中で熱処理してFe−Ni合金め
つきの一部もしくは全部を拡散させる方法。 (c) 鋼板表面にFe−Ni合金めつきを施す方法。 これらの方法をそれぞれ単独もしくは2種以上
組合わせてもよい。これらの方法によつて深さ方
向に種々の組成を有するFeとNiからなる合金層
を形成させることができる。 本発明では上記Fe−Ni合金層の上に耐食性の
優れたNiとSnからなる合金層を設ける。 NiとSnからなる合金層の量の好ましい範囲は
20〜1500mg/m2であり、特に溶接缶用としてより
好ましい範囲は20〜400mg/m2である。Ni−Sn合
金の量が20mg/m2未満では(ハ)耐食性を向上させる
効果が不十分であり、1500mg/m2をこえると(ニ)耐
食性を向上される効果が飽和してしまい、不経済
となるからである。NiとSnの組成比は特に限定
しないが、好ましくは重量比Sn/(Ni+Sn)=
0.50〜0.95である。この重量比が0.50未満では(ホ)
合金層が硬くなり、加工によつてクラツクが入り
易く、0.95をこえると(ヘ)Snが多くなり不経済とな
るからである。 NiとSnからなる合金層を形成させる方法とし
ては工業的に次のいずれの方法によるも差支えな
い。 (a) NiまたはNi−Sn合金めつきを行つた後さら
にSnめつきを施し、特に加熱することなく室
温で経時させてNiとSnからなる合金層とSnと
を同時に形成させる方法。 (b) NiまたはNi−Sn合金めつきを行つた後さら
にSnめつきを施し、Snの融点以下の温度で短
時間加熱処理し、NiとSnからなる合金層とSn
層とを同時に形成させる方法。 本発明ではNi−Sn合金層の上にSn層を設け
る。Sn層の目的は溶接性であり、50mg/m2以上、
好ましくは100mg/m2以上であれば良い。Sn層が
50mg/m2未満では(ト)十分な溶接性が得られないか
らである。 塗装して使用される場合、塗装後の焼付処理に
よりSnの合金化が起るので、この合金化の分を
見込んでSn量を決めれば良い。即ち、塗装後に
50mg/m2以上、好ましくは100mg/m2以上金属Sn
層が存在する様にSn量を決めれば良い。Sn量に
は特に上限はないが、安価な素材とするために
は、1000mg/m2以下にしておくことが望ましい。 本発明鋼板は安価な溶接缶用素材を目的として
いるが、Sn量を従来ブリキ並みに厚くして高耐
食性のブリキとして使用しても良い。 本発明では、Sn層の上に塗料密着性、塗装後
耐食性の向上を目的としてクロメート被膜層を設
ける。 クロメート被膜はクロム水和酸化物のみで構成
されても良く、また金属クロムとクロム水和酸化
物とから構成されても良い。 クロメート被膜は高電気抵抗物質であるので、
溶接缶として用いる場合は良好な溶接性をうるに
はクロメート被膜量は30mg/m2以下にしておくこ
とが望ましい。 <実施例> 次に本発明を実施例こよび比較例につき具体的
に説明する。 実施例 1 冷延鋼板を電解脱脂した後、Niめつきもしく
はFe−Ni合金めつきを行い、引き続いて10%H2
+90%N2のガス雰囲気中で加熱処理を行つてFe
とNiからなる合金層を形成させた。さらに1%
のスキンパスを行つた後、電解脱脂、酸洗を行
い、NiめつきもしくはNi−Sn合金めつきを行
い、引き続いてSnめつきを行い、さらにクロメ
ート処理を行つた後10日間室温で経時させた。 実施例 2 ブリキ原板を電解脱脂、酸洗した後、Fe−Ni
合金めつきを行い、引き続いてNiもしくはNi−
Sn合金めつきを行い、さらに引きい続いてSnめ
つきを行い、さらにクロメート処理を行つた。こ
の後10日間室温で経時させた。 比較例 1 ブリキ原板を電解脱脂、酸洗した後Niもしく
はNi−Sn合金めつきを行い、引き続いてSnめつ
きを行い、さらにクロメート処理を行つた。この
後10日間室温で経時させた。 比較例 1 ブリキ原板を電解脱脂、酸洗をした後Snめつ
きを行い、さらにクロメート処理を行つた。 実施例および比較例で用いた各めつき浴の組成
は次の如くである。 ≪Niめつき浴≫ NiSO4・6H2O 250g/ NiCl2・6H2O 45g/ H3BO3 30g/ ≪Fe−Ni合金めつき浴≫ FeCl2・4H2O 20〜230g/ NiCl2・6H2O 30〜300g/ H3BO3 25g/ ≪Ni−Sn合金めつき浴≫ NiCl2・6H2O 250g/ SnCl2・2H2O 50g/ NH4HF2 50g/ ≪Snめつき浴≫ SnCl2・2H2O 60g/ NaHF2 20g/ NaF 50g/ NaCl 50g/ ≪クロメート浴≫ Na2Cr2O7・2H2O 30g/ あるいは CrO3 15g/ H2SO4 0.12g/ 以上のように処理した鋼板の性能を以下の方法
で評価した。 (1) 溶接性 上記鋼板を、塗装後の焼付処理を摸して210
℃×20分の熱処理を行つた後、溶接速度40m/
分、接胴加圧力40Kgf、オーバーラツプ0.4mm
でシーム溶接を行い、「散り」を発生せず、か
つ十分な強度を有するナゲツトが形成される溶
接電流範囲(適正溶接電流範囲)を求め、次の
如く評価した。
NiとSnからなる合金層、Sn層、クロメート被膜
層とを順次積層してなる耐食性に優れた缶用、特
に食缶、飲料缶用表面処理鋼板に関するものであ
る。 <従来技術とその問題点> 食缶用の素材としては従来一般にブリキと称さ
れるSnめつき鋼板が広く用いられて来た。この
缶胴の接合方式としては、以前は半田による接合
方式が採用されていたが、半田に含まれるPbの
毒性の問題から近年純Sn半田が使用されるよう
になつた。しかし、純Sn半田は接合時の濡れ性
が劣ることから半田接合の技術上の問題があり、
更に高価な純Sn半田を使用することによる製造
コストの上昇の問題があつた。 ブリキ缶の上記欠点を解消する目的で、最近半
田接合法に代つて缶胴を電気抵抗溶接によつて接
合する方式が発展し、普及するようになつて来
た。そのためには電気抵抗溶接に適した缶用素材
が必要である。 従来のブリキはSnを厚くめつきしたもので、
溶接性に必要な金属Snを十分に有しており、優
れた溶接性能を有している。 一方、近年食品容器は例えばポリエチレン、ア
ルミニウム、ガラス、紙などの低価格競合材料の
進出に直面しており、上記の如き高価なSnを付
着量2.8〜11.2g/m2の如く厚くめつきしたブリ
キ缶は製造コストが高いので、耐食性溶接性にす
ぐれた特性を有しているとはいえ、苦しい競合的
立場を強いられている。 コストを下げるためには、高価なSnを減らし
て薄目付ブリキにすれば良いが、耐食性が著しく
劣化するので実用に供することはできない。 従来から用いられている缶用材料としては、上
記ブリキの外にクロムタイプのテインフリースチ
ール(以後TFSという)がある。これは電解ク
ロメート処理を施し、表面に金属クロムとクロム
水和酸化物層を形成したもので、安価な材料であ
るが、表面に存在する厚いクロム水和酸化物層が
高電気抵抗物質であるために溶接性が悪く溶接部
の強度不足を生じ、経済性には優れているが溶接
缶用素材としては適当でない。 電気抵抗溶接に適する缶用素材の具備すべき要
件としては溶接性と耐食性が優れたものであるこ
とが要求される。この要件を具体的に説明する
と、溶接の際に十分の溶接強度があり、しかも溶
接部にいわゆる「散り」などの溶接欠陥を生じな
い適正溶接電流範囲を有していることであり、ま
た缶内容物に対して十分な耐食性を有しているこ
とである。また溶接缶のほとんどは塗装して使用
される。したがつて塗膜の有する耐食性を有効に
利用することも重要であり優れた塗料密着性が必
要である。 <発明の目的> 本発明の目的は、溶接缶用素材の上記従来の欠
点を解消し、上記溶接缶用材料として具備すべき
上記要件を兼備する食缶用素材を提供することに
ある。 すなわち、本発明は、鋼板表面に片面当り、厚
さ10〜5000Åで、Ni/(Fe+Ni)の重量比が
0.02〜0.90のFeとNiからなる合金層を有し、その
上にSn/(Ni+Sn)の重量比が0.50〜0.95のNi
とSnからなる合金層を20〜1500mg/m2の付着量
有し、その上にSn層を有し、さらにその上にク
ロメート被膜層を有することを特徴とする塗装後
耐食性に優れた缶用表面処理鋼板を提供するもの
である。 以下、本発明を更に詳細に説明する。 Snは高価な金属であるが、溶接性、特に商業
生産で最も多く使われている30m/分以上の高速
溶接性を得るために必要である。 すなわち、Snは柔らかく、かつ融点が低い金
属であるので、溶接時に容易に溶融して広がり、
強固な接合部となるからである。 Snは50mg/m2以上、好ましくは100mg/m2以上
あれば良好な高速溶接性が得られることを本発明
者らは既に知見している。しかしSnは高価な金
属であるのでSn量をあまり多くするとコスト上
不利となるので好ましくない。 Sn自体は耐食性の良い金属であるがSnめつき
層のみで用いようとすると、従来ブリキと同等
か、あるいはそれ以上のSnめつき厚が必要とな
り実用的でない。通常のブリキではSnめつき後
にリフロー処理と称するSn層の溶融処理を行つ
て、FeSn2なる合金層を形成させて耐食性を向上
させている。FeSn2合金層は柱状晶から成る比較
的粗な合金層であるため、量を多くしなければ効
果が十分でなく、安価な素材とするには不適当で
ある。 本発明者らは、Ni−Sn合金めつきを用いるこ
とにより少量で優れた耐食性が得られることを既
に知見している。 本発明者らは特願昭59−001094「高速溶接性、
耐食性に優れたシーム溶接缶用表面処理鋼板」に
てNi−Sn合金めつきを用いたSn/Ni−Sn合金2
層めつき鋼板を開示しているが、本発明者らは、
この後Ni−Sn合金属について更に詳しい検討を
行つた結果、Ni−Sn合金めつき層と上層のSnめ
つき層とはめつき後経過時間とともに室温で合金
化が起こり、7〜10日間で平衡状態に達すること
が分つた。すなわち、Ni−Sn合金めつきは
NiSn、Ni3Sn4、Ni3Sn2のいずれかの構造、ある
いはこれらが混ざり合つた構造となつているが、
上層のSnめつき層と合金化して原子比Ni:Sn=
1:3にほぼ等しい組成の合金となることが分つ
た。 この現象はSn/Ni2層めつきについても同様に
起こることが知られている。すなわち、1979年の
Transactions of the Institute of Metal
Finishing Vol57のP.J.KayとC.A.Macakyによる
論文「Barrier Layers Against Diffusion」に
述べられているところによればNiめつき層とSn
めつき層は100℃以下においてNiSn3なる合金を
形成する。 したがつてNi−Sn合金めつき、あるいはNiめ
つきの上層にSnめつきを行つた場合、めつき後
保管している間に上記合金化が進み、原子比
Ni:Sn=1:3にほぼ等しい合金層となる。こ
の合金層は緻密で優れた耐食性を有していること
が分つた。 本発明者らはさらに室温以上の温度における合
金化、すなわち加熱処理した場合の合金化につい
て検討を行つた結果温度が高くなるとNi3Sn4を
主体とした合金となり、さらに温度が高くなると
素地鉄との合金化が起こりFe(Ni)−Sn2型の合金
となることが分つた。これらの合金層はいずれも
緻密で優れた耐食性を有し、室温で形成される合
金とほぼ同等の性能である。 これらの合金層は少量で優れた耐食性を示す
が、地鉄が露出した場合Feの溶出を促進する。
すなわち、これらの合金は通常ブリキのFeSn2合
金に比べても電位的に貴であり、電位的に卑な
Feとの電位差が大きく、Feの溶解が促進される
のである。したがつてピンホールにおける地鉄の
露出、あるいは傷が入つた場合の地鉄の露出等が
あると、Feの溶解が速く進行し穴あき缶になる
恐れがある。 これに対し、本発明者らは、上記合金層と地鉄
との間に両者の中間の電位を示すFeとNiからな
る合金層を設けることによりFeの溶解を抑制で
きることを新規に見い出し、本発明に到達したも
のである。 なお、先行技術として特開昭57−23091「溶接缶
用容器用鋼板とその製造法」、特開昭57−67196
「高耐食性表面処理鋼板」、特開昭58−73792「容器
用メツキ鋼板の製造方法」に開示されているとこ
ろによれば、これらは全てNiめつき上にSnめつ
きを施した2層めつき鋼板であり、2層めつきに
したことによるピンホールの減少および熱処理さ
れた際にできるNiとSnの合金の耐食性の良さに
ついて記されているが、ピンホールあるいは傷等
からのFe溶出については何ら考慮されていない。 また、特開昭58−164794「高耐食性マツト仕上
げ製缶用表面処理鋼板」、特開昭58−207388「マツ
ト仕上げ製缶用表面処理鋼板」に開示されている
ところによれば、NiまたはNi−Sn合金の上にSn
めつきを施したもので、実施例によれば通常ブリ
キ並の厚目付を対象としているが、薄目付にした
場合についての記述はなく、ピンホールあるいは
傷等からのFe溶出については全く考慮されてい
ない。 これに対し、本発明鋼板は、ピンホールあるい
は傷等からのFe溶出を極力抑えることを特徴と
したFeとNiからなる合金層とNiとSnからなる合
金層とSn層の3層構造からなり、さらにクロメ
ート被膜層を設けてなる耐食性に優れた缶用鋼板
であつて、上記発明とは製品の構成、技術の思想
が全く異なつたものである。 さて、本発明において、鋼板表面にFeとNiか
らなる合金層を設ける目的はピンホールあるいは
傷等からのFe溶出の抑制である。FeとNiからな
る合金層の厚さは10〜5000Å、好ましくは100〜
3000Åである。Fe−Ni合金層の厚さを10〜5000
Åに限定する理由は、10Å以下ではFe溶出を抑
制する効果が不十分であり、5000Å以上になると
Fe溶出を抑制する効果は十分であるが、合金層
が硬く、かつ脆くなるため、クラツクが入り易く
なりクラツクからのFe溶出が起こるからである。
FeとNiの合金組成は重量比でNi/(Fe+Ni)=
0.02〜0.90が好ましい。この重量比が0.02未満で
は(イ)Niによる合金化の効果がなくなりFe溶出を
抑制する効果が不十分となり、0.90をこえると(ロ)
合金の電位が貴なNiに近くなり卑なFeの溶出を
抑制する効果が無くなるからである。 Fe−Niからなる合金層を形成させる方法とし
ては、工業的に次のいずれの方法によるも差支え
ない。 (a) 鋼板表面にNiめつきを施した後、非酸化性
雰囲気中で熱処理してNiめつきを全て鋼中に
拡散させる方法。 (b) 鋼板表面にFe−Ni合金めつきを施した後、
非酸化性雰囲気中で熱処理してFe−Ni合金め
つきの一部もしくは全部を拡散させる方法。 (c) 鋼板表面にFe−Ni合金めつきを施す方法。 これらの方法をそれぞれ単独もしくは2種以上
組合わせてもよい。これらの方法によつて深さ方
向に種々の組成を有するFeとNiからなる合金層
を形成させることができる。 本発明では上記Fe−Ni合金層の上に耐食性の
優れたNiとSnからなる合金層を設ける。 NiとSnからなる合金層の量の好ましい範囲は
20〜1500mg/m2であり、特に溶接缶用としてより
好ましい範囲は20〜400mg/m2である。Ni−Sn合
金の量が20mg/m2未満では(ハ)耐食性を向上させる
効果が不十分であり、1500mg/m2をこえると(ニ)耐
食性を向上される効果が飽和してしまい、不経済
となるからである。NiとSnの組成比は特に限定
しないが、好ましくは重量比Sn/(Ni+Sn)=
0.50〜0.95である。この重量比が0.50未満では(ホ)
合金層が硬くなり、加工によつてクラツクが入り
易く、0.95をこえると(ヘ)Snが多くなり不経済とな
るからである。 NiとSnからなる合金層を形成させる方法とし
ては工業的に次のいずれの方法によるも差支えな
い。 (a) NiまたはNi−Sn合金めつきを行つた後さら
にSnめつきを施し、特に加熱することなく室
温で経時させてNiとSnからなる合金層とSnと
を同時に形成させる方法。 (b) NiまたはNi−Sn合金めつきを行つた後さら
にSnめつきを施し、Snの融点以下の温度で短
時間加熱処理し、NiとSnからなる合金層とSn
層とを同時に形成させる方法。 本発明ではNi−Sn合金層の上にSn層を設け
る。Sn層の目的は溶接性であり、50mg/m2以上、
好ましくは100mg/m2以上であれば良い。Sn層が
50mg/m2未満では(ト)十分な溶接性が得られないか
らである。 塗装して使用される場合、塗装後の焼付処理に
よりSnの合金化が起るので、この合金化の分を
見込んでSn量を決めれば良い。即ち、塗装後に
50mg/m2以上、好ましくは100mg/m2以上金属Sn
層が存在する様にSn量を決めれば良い。Sn量に
は特に上限はないが、安価な素材とするために
は、1000mg/m2以下にしておくことが望ましい。 本発明鋼板は安価な溶接缶用素材を目的として
いるが、Sn量を従来ブリキ並みに厚くして高耐
食性のブリキとして使用しても良い。 本発明では、Sn層の上に塗料密着性、塗装後
耐食性の向上を目的としてクロメート被膜層を設
ける。 クロメート被膜はクロム水和酸化物のみで構成
されても良く、また金属クロムとクロム水和酸化
物とから構成されても良い。 クロメート被膜は高電気抵抗物質であるので、
溶接缶として用いる場合は良好な溶接性をうるに
はクロメート被膜量は30mg/m2以下にしておくこ
とが望ましい。 <実施例> 次に本発明を実施例こよび比較例につき具体的
に説明する。 実施例 1 冷延鋼板を電解脱脂した後、Niめつきもしく
はFe−Ni合金めつきを行い、引き続いて10%H2
+90%N2のガス雰囲気中で加熱処理を行つてFe
とNiからなる合金層を形成させた。さらに1%
のスキンパスを行つた後、電解脱脂、酸洗を行
い、NiめつきもしくはNi−Sn合金めつきを行
い、引き続いてSnめつきを行い、さらにクロメ
ート処理を行つた後10日間室温で経時させた。 実施例 2 ブリキ原板を電解脱脂、酸洗した後、Fe−Ni
合金めつきを行い、引き続いてNiもしくはNi−
Sn合金めつきを行い、さらに引きい続いてSnめ
つきを行い、さらにクロメート処理を行つた。こ
の後10日間室温で経時させた。 比較例 1 ブリキ原板を電解脱脂、酸洗した後Niもしく
はNi−Sn合金めつきを行い、引き続いてSnめつ
きを行い、さらにクロメート処理を行つた。この
後10日間室温で経時させた。 比較例 1 ブリキ原板を電解脱脂、酸洗をした後Snめつ
きを行い、さらにクロメート処理を行つた。 実施例および比較例で用いた各めつき浴の組成
は次の如くである。 ≪Niめつき浴≫ NiSO4・6H2O 250g/ NiCl2・6H2O 45g/ H3BO3 30g/ ≪Fe−Ni合金めつき浴≫ FeCl2・4H2O 20〜230g/ NiCl2・6H2O 30〜300g/ H3BO3 25g/ ≪Ni−Sn合金めつき浴≫ NiCl2・6H2O 250g/ SnCl2・2H2O 50g/ NH4HF2 50g/ ≪Snめつき浴≫ SnCl2・2H2O 60g/ NaHF2 20g/ NaF 50g/ NaCl 50g/ ≪クロメート浴≫ Na2Cr2O7・2H2O 30g/ あるいは CrO3 15g/ H2SO4 0.12g/ 以上のように処理した鋼板の性能を以下の方法
で評価した。 (1) 溶接性 上記鋼板を、塗装後の焼付処理を摸して210
℃×20分の熱処理を行つた後、溶接速度40m/
分、接胴加圧力40Kgf、オーバーラツプ0.4mm
でシーム溶接を行い、「散り」を発生せず、か
つ十分な強度を有するナゲツトが形成される溶
接電流範囲(適正溶接電流範囲)を求め、次の
如く評価した。
【表】
(2) 塗装後耐食性
上記鋼板にエポキシフエノール系塗料を50
mg/dm2塗装し、210℃×20分×2回焼付した
後、鋭利なナイフで地鉄に達するクロスカツト
を入れ1.5%NaClと1.5%クエン酸の混合溶液中
に55℃で96時間浸漬した後、腐食状況を、クロ
スカツト部のテープ剥離により塗膜剥離幅とク
ロスカツト部からのFe溶出量で評価した。 上記鋼板についての諸性能を示した表2から明
らかなように、本発明鋼板は優れた溶接性を有
し、比較例に対しより優れた塗装後耐食性を有し
ていることが分る。 <発明の効果> 本発明においては、鋼板上に特にFe−Ni合金
層、Ni−Sn合金層、Sn層及びクロメート層を形
成し、特にFe−Ni合金層の厚さを10〜5000Å、
Ni/(Ni+Fe)の重量比を0.02〜0.90とするこ
とにより、特に上記表面処理層にピンホール、傷
などが生じた時にもFeの溶出のない、すなわち
塗装後耐食性がすぐれた缶用表面処理鋼板が得ら
れる。
mg/dm2塗装し、210℃×20分×2回焼付した
後、鋭利なナイフで地鉄に達するクロスカツト
を入れ1.5%NaClと1.5%クエン酸の混合溶液中
に55℃で96時間浸漬した後、腐食状況を、クロ
スカツト部のテープ剥離により塗膜剥離幅とク
ロスカツト部からのFe溶出量で評価した。 上記鋼板についての諸性能を示した表2から明
らかなように、本発明鋼板は優れた溶接性を有
し、比較例に対しより優れた塗装後耐食性を有し
ていることが分る。 <発明の効果> 本発明においては、鋼板上に特にFe−Ni合金
層、Ni−Sn合金層、Sn層及びクロメート層を形
成し、特にFe−Ni合金層の厚さを10〜5000Å、
Ni/(Ni+Fe)の重量比を0.02〜0.90とするこ
とにより、特に上記表面処理層にピンホール、傷
などが生じた時にもFeの溶出のない、すなわち
塗装後耐食性がすぐれた缶用表面処理鋼板が得ら
れる。
Claims (1)
- 1 鋼板表面に片面当たり、厚さ10〜5000Åで、
Ni/(Fe+Ni)の重量比が0.02〜0.90のFeとNi
からなる合金層を有し、その上にSn/(Ni+
Sn)の重量比が0.50〜0.95のNiとSnからなる合
金層を20〜1500mg/m2の付着量有し、その上に
Sn層を有し、さらにその上にクロメート被膜層
を有することを特徴とする塗装後耐食性に優れた
缶用表面処理鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21397984A JPS6191393A (ja) | 1984-10-12 | 1984-10-12 | 塗装後耐食性に優れた缶用表面処理鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21397984A JPS6191393A (ja) | 1984-10-12 | 1984-10-12 | 塗装後耐食性に優れた缶用表面処理鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6191393A JPS6191393A (ja) | 1986-05-09 |
JPH0340115B2 true JPH0340115B2 (ja) | 1991-06-17 |
Family
ID=16648233
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21397984A Granted JPS6191393A (ja) | 1984-10-12 | 1984-10-12 | 塗装後耐食性に優れた缶用表面処理鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6191393A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002275641A (ja) * | 2001-03-21 | 2002-09-25 | Kawasaki Steel Corp | 表面処理鋼板 |
KR101018951B1 (ko) * | 2006-02-09 | 2011-03-02 | 신닛뽄세이테쯔 카부시키카이샤 | 내부식성이 우수한 주석 도금 강판 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57200592A (en) * | 1981-06-04 | 1982-12-08 | Kawasaki Steel Corp | Manufacture of surface treated steel plate for welded can |
-
1984
- 1984-10-12 JP JP21397984A patent/JPS6191393A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57200592A (en) * | 1981-06-04 | 1982-12-08 | Kawasaki Steel Corp | Manufacture of surface treated steel plate for welded can |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6191393A (ja) | 1986-05-09 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |