JPH034002Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、２連回転型可変抵抗器や２回路ロー
タリスイツチなどに代表される２連回転型電気部
品に関する。

〔考案の背景〕

VTRや電子レンジなどの電気製品においては、
そのフロントパネルにプツシユスイツチやロータ
リスイツチあるいはボリユーム等の電気部品が配
設されており、中でも回転型の電気部品として
は、１つの操作体が２種類の抵抗層あるいは導電
層と組合わされてなる２連回転型電気部品を配置
することが多い。

第２図は、従来のこの種回転型電気部品を示す
２連回転型可変抵抗器の一部断面側面図である。
同図において、回転自在な操作体１は、その受け
部２の両面はそれぞれ第１の摺動子３と第２の摺
動子４とが固着されており、該受け部２が２枚の
基板５，６の間の所定位置に設定されている。そ
して、基板５上に印刷形成されている第１の抵抗
層７に前記第１の摺動子３が弾接し、基板６上に
印刷形成されている第２の抵抗層８に前記第２の
摺動子４が弾接しており、操作体１を回転操作す
ることによつてこれら第１および第２の摺動子
３，４がそれぞれ第１および第２の抵抗層７，８
上を摺動して所望の抵抗値が各々得られるように
なつている。

ところで、近年の薄型化の傾向に伴つて、プツ
シユスイツチについては、可撓性を有するシート
を積層してなるいわゆるメンブレンスイツチが広
く採用されるようになつてきており、回転型の電
気部品、特に比較的厚みがでやすい２連回転型電
気部品についても、薄型化に対する要望が高まつ
ている。しかしながら、上記構造の従来の２連回
転型電気部品は、２枚の基板５，６を組込まねば
ならないため、該基板５，６を厚みが支障となつ
て薄型化が不所望に制限されるという欠点があつ
た。

このほか、従来、１枚の基板の同一平面上に２
種類の回路パターンを形成して薄型化をはかる２
連回転型電気部品も提案されているが、その場
合、回路パターンを広くとらねばならないため占
有スペースが大きくなつてしまうという問題が発
生する。また、歯車等を組込んでこうした問題点
に対処することも考えられるが、構造が複雑化し
てしまうため好適とはいえない。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、上述した従来技術の欠点を除
き、占有スペースの増大や構造の複雑化を伴うこ
となく薄型化が可能な２連回転型電気部品を提供
するにある。

〔考案の概要〕

この目的を達成するために、本考案は、操作体
に所定間隔おいて対向する２つの受け部を設けて
これら各受け部にそれぞれ第１の摺動子と第２の
摺動子とを固着するとともに、第１および第２の
回路パターンを形成した絶縁シートを支持板を挾
んで折返えすことにより、該支持板の両面の相対
応する位置にそれぞれ該第１の回路パターンと該
第２の回路パターンとを設定し、前記支持板を操
作体の前記２つの受け部の間に配置して前記第１
および第２の回路パターンにそれぞれ前記第１お
よび第２の摺動子を弾接せしめたことを特徴とす
る。

〔考案の実施例〕

第１図は本考案の一実施例を示す２連回転型可
変抵抗器の一部断面側面図であつて、符号１０は
操作体、１１，１２はその受け部、１３は第１の
摺動子、１４は第２の摺動子、１５は第１の抵抗
層、１６は第２の抵抗層、１７は上部支持板、１
８は下部支持板１９は上部シート、２０は下部シ
ート、２１はスペーサシート、２２は上部電極、
２３は下部電極である。

同図において、回転自在な操作体１０には、所
定間隔おいて対向する２つの受け部１１，１２が
設けてあり、各受け部１１，１２の対向面にはそ
れぞれ第１の摺動子１３と第２の摺動子１４とが
熱融着等により固着されている。そして、第１の
摺動子１３は第１の抵抗層１５に、また第２の摺
動子１４は第２の抵抗層１６に、それぞれ弾接し
ており、操作体１０を回転操作することによつて
これら第１および第２の摺動子１３，１４がそれ
ぞれ第１および第２の抵抗層１５，１６上を摺動
し、所望の抵抗値が各々得られるようになつてい
る。

一方、上部シート１９と下部シート２０はいず
れも可撓性を有する絶縁シートからなり、上部シ
ート１９の下面には上部電極２２が、また下部シ
ート２０の上面には下部電極２３が、それぞれ印
刷形成されている。これら上部シート１９と下部
シート２０との間には、所定位置にいくつかの透
孔２１ａを有するスペーサシート２１が介装され
ており、該透孔２１ａを介して前記上部および下
部電極２２，２３が接離可能に対向してメンブレ
ンスイツチが構成されている。すなわち、上部お
よび下部電極２２，２３は通常離反状態で対向し
ているが、上部シート１９が図面矢印方向に押圧
されると、上部電極２２が下部電極２３に接触し
てオン状態となり、上部シート１９へのかかる押
圧力が取り除かれると、上部シート１９の復元力
により両電極２２，２３が離反して再びオフ状態
となる。

かかるメンブレンスイツチは、上部支持板１７
と下部支持板１８との間に配設されて、これら両
支持板１７，１８によつて挾持固定されている。
また、前記下部シート２０の一部は、下部支持板
１８の縁部１８ａにて折返されて該支持板１８の
両面に固定されており、前記操作体１０の両受け
部１１，１２と対向している。そして下部シート
２０には、受け部１１と対向する部分に前記第１
の抵抗層１５が、また受け部１２と対向する部分
に前記第２の抵抗層１６が、それぞれ印刷形成さ
れており、こうしたメンブレンスイツチ構成体の
一部が可変抵抗器の一部として利用されている。

このようにメンブレンスイツチの一部を利用し
た２連回転型可変抵抗器は、極めて薄い絶縁シー
トである下部シート２０に第１および第２の抵抗
層１５，１６が形成されており、該シート２０を
折返して両抵抗層１５，１６を下部支持板１８の
両面の相対応する位置に設定してあるので、絶縁
シートに比べてかなりの厚みを有する基板を用い
る必要がなくなつて薄型化および部品点数削減が
実現されているのみならず、占有スペースの増化
や構造の複雑化を招くこともない。しかも、下部
支持板１８には適宜薄いものを用いることができ
るので、２枚の基板を必要とした先の従来例に比
して、全体の厚みを著しく薄型化することも可能
である。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、操作体
に互いに対向する２つの受け部を設けて各受け部
の対向面にそれぞれ摺動子を固着するとともに、
絶縁シートを折返して支持板の両面に固定したも
のを前記両受け部の間に配置し、該絶縁シートに
形成した２種類の回路パターン上をそれぞれ前記
各摺動子が摺動する構成となつているため、絶縁
シートに比べてかなりの厚みを有する基板が不要
となつて大幅な薄型化が可能となり、しかも占有
スペースが増大せず構造も簡単である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す２連回転型可
変抵抗器の一部断面側面図、第２図は従来例を示
す２連回転型可変抵抗器の一部断面側面図であ
る。 １０……操作体、１１，１２……受け部、１３
……第１の摺動子、１４……第２の摺動子、１５
……第１の抵抗層（第１の回路パターン）、１６
……第２の抵抗層（第２の回路パターン）、１８
……下部支持板（支持板）、１８ａ……縁部、２
０……下部シート（絶縁シート）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転自在な操作体に固着された第１の摺動子と
   第２の摺動子とが、前記操作体の回転に伴いそれ
   ぞれ第１の回路パターン上と第２の回路パターン
   上とを摺動する２連回転型電気部品において、前
   記操作体に所定間隔おいて対向する２つの受け部
   を設け、これら各受け部の対向面にそれぞれ前記
   第１の摺動子と前記第２の摺動子とを固着すると
   ともに、前記第１および第２の回路パターンを形
   成した絶縁シートを支持板を介して折返すことに
   より、該支持板の両面の相対応する位置にそれぞ
   れ該第１の回路パターンと該第２の回路パターン
   とを設定し、前記支持板を操作体の前記２つの受
   け部の間に配置して前記第１および第２の回路パ
   ターンにそれぞれ前記第１および第２の摺動子を
   弾接せしめたことを特徴とする２連回転型電気部
   品。