JPH0339580Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は保管庫等家具類に使用される扉の係止
鎖錠装置に関するものである。これら家具類の扉
は、通常、キヤビネツト本体戸口の上下枠板にラ
ツチを係止して閉じており、扉前面の引手部には
このラツチの係脱装置を有しているが、扉が施錠
されている場合にはラツチの係脱装置が働らか
ず、従つてこれに気が付かず無理に扉を開けよう
として引手或はラツチ解除用作動部材を破損する
場合がある。

本考案においては引手開口を有するポケツト部
材にラツチ作動部材とシリンダ錠を取付けること
により引手部が極めてコンパクトに構成されると
共に、シリンダ錠に引手カバーを固定し、シリン
ダ錠を回動して施錠すると同時に引手カバーも回
動して引手開口を閉じ、上述の如き欠点を解消で
きるようにしたものである。

次にその詳細を図面の実施例について説明する
と、第１図において１はキヤビネツト本体、２，
２´は両開き扉、３は扉２に設けた引手部で、引
手部３は第２図以下に示すような構造になつてい
る。即ち、扉２の表板４の裏側適当個所に錠取付
板５が表板４との間に適当な間隔を保ち取付けら
れ、これには１側部に円筒状の錠保持部６ａ、他
側部に引手開口６ｂを有する横長の合成樹脂製ポ
ケツト部材６がその前縁部６ｃを扉表板４に設け
た開口縁に係合し、その背面を取付ねじ７，７で
上記錠取付板５に固定して取付けられている。４
´は扉の裏板である。

而してポケツト部材６には第７図に示す如くほ
ぼ対称の位置に肩部８ａ，８ｂを有する円形の孔
８およびこれに連接する長方形の溝９を有する断
面Ｌ字状のラツチ作動板１０がポケツト部材６の
引手開口６ｂの底部に設けた開口６ｄから錠保持
部６ａの背面と錠取付板５の間に摺動自在に嵌装
され、その幅狭の先端部１０ａが扉２に回動自在
に縦設された作動杆１１の保持筒１２の周面長手
方向に突設された係合片１２ａに係合し、基部の
前方に屈曲した押圧片１０ｂを引手開口６ｂに臨
ませてある。作動杆１１は錠取付板５上下の折曲
縁を貫通して戸の上下縁まで延出し、端部にはラ
ツチ１３が取付けられ、また、保持筒１２は作動
杆１１に被嵌固定され、保持筒１２に巻装された
ばね１４に弾発されて上記上下のラツチ１３が図
示しないがキヤビネツト本体１の戸口上下の枠板
１ａ（第１図）に穿設された係合孔の孔縁に係止
しており、引手開口６ｂに差入れた手指をもつて
ラツチ作動板１０基部の押圧片１０ｂを左方に押
すことにより（第２図、第３図および第６図）、
上記保持筒１２を介し作動杆１１がばね１４に抗
し回動してラツチ１３の係止が解除されるように
なつている。

上記ポケツト部材６の円筒状錠保持部６ａの入
口内面には小径の段部が設けられ、これには４個
所の係合溝６ｅがそれぞれ内周面前後方向に形成
され、この小径部にはシリンダ錠１５がその前縁
のフランジ部１５ａの背面を上記錠保持部６ａ内
面の段部に係合せしめて回動自在に嵌合し、後端
に突設した係合突起１５ｂ，１５ｂが上記ラツチ
作動板１０の円形の孔８に嵌合している（第７
図）。

１６は上記ポケツト部材６の開口部を覆うよう
に形成された合成樹脂製の引手カバーで、背面に
円筒状の保持部１６ａと係合突起１６ｂ，１６ｂ
を有し、保持部１６ａの円筒外周面には保持溝１
６ｃ，１６ｃが互いに対称の位置にほぼ90度の角
度範囲に刻設されており、この引手カバー１６が
背面の係合突起１６ｂ，１６ｂをシリンダ錠１４
の前端面に対応穿設された凹陥部に嵌合して上記
ポケツト部材６の円筒状錠保持部６ａに回動自在
に被嵌され、ポケツト部材６の縁部肉厚部に嵌着
せしめた係合ピン１７，１７を上記保持溝１６
ｃ，１６ｃに係合してポケツト部材６の錠保持部
６ａに取付けられている。従つてシリンダ錠１５
はそのフランジ部１５ａを錠保持部６ａと引手カ
バー１５の間に挟持され、引手カバーの係合突起
１６ｂ，１６ｂにより引手カバー１６に固定され
て引手カバー１６と共に回動する。第２図、第３
図および第４図において１８はシリンダ錠１５の
鍵孔を示す。

図は引手カバー１６が垂直位置に回動した状態
を示し、図示しないがシリンダ錠１５の摺動子は
ポケツト部材の錠保持部６ａの内面の左右の係合
溝６ｅ（第６図）内に突出係合しているので引手
カバー１６はこの位置に固定され、またシリンダ
錠１５後端部の係合突起１５ｂも左右方向に向い
ている（第７図）。従つて引手開口６ｂは開いて
おり、この開口６ｂに差入れた手指をもつてラツ
チ作動板１０の押圧板１０ｂを押せば、シリンダ
錠の係合突起１５ｂの右側のものはラツチ作動板
１０の孔８から溝９内に移行できるのでラツチ作
動板１０は左行し、保持筒１２の係合片１２ａを
介し作動杆１１およびラツチ１３を回動させて扉
２の係止を外すので引手開口６ｂの前面に張出し
た引手カバー１６の縁部に指を掛けて扉２を開く
ことができる。この場合ラツチ作動板１０の押圧
片１０ｂは引手カバー１６の保持部１６ａの外周
面に係止して止まる。また押圧板１０ｂから手を
離せばラツチ１３と作動杆１１はばね１４により
元の位置に回動し、ラツチ作動板１０はそのスト
ツパー１０ｃがポケツト部材６の外壁に係止して
止まる。また扉２を閉じるときはラツチ１３の背
面がキヤビネツト本体１戸口の枠板１ａの係合孔
の孔縁に係止されるがラツチ１３の回動により孔
縁を通過し、通過後ばね１４により元の位置に復
し、ラツチは孔縁に係止される。

次にシリンダ錠１５に鍵孔１８からキーをさし
込めばシリンダ錠の摺動子がポケツト部材６の錠
保持部６ａの係合溝６ｅからシリンダ錠内に引込
むので、キーによりシリンダ錠１５を回動させれ
ば引手カバー６も第２図、第６図の矢印Ａ方向に
回動し、保持部１６ａの保持溝１６ｃの他端部が
係合ピン１７に係止して止まり、引手開口６ｂを
閉じるので、キーを鍵孔１８から引抜けば摺動子
がポケツト部材６の錠保持部６ａの上下の係合溝
６ｅに係止するので、この位置でシリンダ錠１５
は施錠される。

またシリンダ錠１５の係合突起１５ｂ，１５ｂ
の第７図矢印方向に回動し、それぞれ孔８の他の
肩部８ａに係止するのでラツチ作動板１０は係合
突起１５ｂ，１５ｂに係止されて動かず、鎖錠さ
れる。即ち肩部８ａはラツチ作動板１０の係止部
の役目をしている。

本考案の扉の係止鎖錠装置は上述のように引手
開口６ｂを有するポケツト部材６にラツチ作動板
１０とシリンダ錠１５を取付けたから引手部が極
めてコンパクトに構成され、扉への取付けも容易
であり、また上述のようにシリンダ錠１５に引手
カバー１６を固定し、シリンダ錠１５を回動して
施錠すると同時に引手カバー１６も回動して引手
開口６ｂを閉じるようにしたから極めて簡単な操
作で引手開口６ｂを閉じることができ、不注意に
手指を差入れて、引手或はラツチ作動板１０等を
破損することが防止される等の実用的な効果を有
している。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の１実施例を示し、第１図はキヤ
ビネツト本体の外観斜視図、以下拡大して示し、
第２図は引手部の正面図、第３図は第２図のＸ−
Ｘ線断面図、第４図は同Ｙ−Ｙ線断面図、第５図
は同Ｚ−Ｚ線断面図、第６図は第５図のＢ−Ｂ線
断面図、第７図はラツチ作動板の正面図である。 １……キヤビネツト本体、２，２´……扉、３
……引手部、４……扉表板、５……錠取付板、６
……ポケツト部材、７……取付ねじ、１０……ラ
ツチ作動板、１１……作動杆、１２……保持筒、
１３……ラツチ、１４……ばね、１５……シリン
ダ錠、１６……引手カバー、１７……係合ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扉２の前面に錠保持部６ａと引手開口６ｂを有
   するポケツト部材６を固設して該錠保持部６ａに
   は後端に係合突起１５ｂを有するシリンダ錠１５
   を回動自在に嵌装すると共に該シリンダ錠１５に
   は引手カバー１６を固定し、上記ポケツト部材６
   には係止部８ａを有するラツチ作動板１０を摺動
   自在に嵌装してその先端部１０ａを扉２に回動自
   在に縦設した作動杆１１の保持筒１２の周囲に突
   設した係合片１２ａに係合せしめ、上記作動杆１
   １の端部にラツチ１３を固設して該ラツチ１３を
   戻しばね１４で弾発してキヤビネツト本体１戸口
   の枠板１ａに穿設した係合孔に係止すると共に上
   記作動板１０基部の押圧片１０ｂを上記ポケツト
   部材６の引手開口６ｂに臨ませ、該引手開口６ｂ
   に差入れた手指をもつて上記押圧片１０ｂを押す
   ことにより上記保持筒１２を介し作動杆１１が回
   動してラツチ１３の係止を解除し、引手開口６ｂ
   に設けた手掛部により扉２を開くことができ、か
   つラツチ１３の係止状態において上記シリンダ錠
   １５を回動することにより上記係合突起１５ｂが
   上記係止部８ａを介し作動板１０を係止して鎖錠
   状態とすると共に、上記引手カバー１６がシリン
   ダ錠１５と共に回動して上記引手開口６ｂを閉鎖
   するようにしてなる家具類における扉の係止鎖錠
   装置。