JPH0338820Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は、静止誘導機器に関するものであ
り、とりわけ、巻線と鉄心との間に、巻線の絶縁
距離を確保し、かつ、巻線を機械的に支持する絶
縁スペーサを備えた、変圧器やリアクトルなどの
静止誘導機器に関するものである。

〔従来の技術〕

第１図、第２図は従来のこの種の装置を示し、
静電板１を並設した巻線２の端部に絶縁チヤンネ
ル３が装着され、鉄心４に近接する絶縁アングル
５と絶縁チヤンネル３との間に、絶縁バリア６と
絶縁スペーサ７を交互に介在させてなるものであ
つた。かような構成により、巻線２と鉄心４間の
絶縁を確保し、かつ、巻線２を機械的に支持して
いた。

以上の構成において、巻線２と鉄心４間の等電
位線密度は、誘電率に逆比例して配分されるの
で、一般に誘電率の大きい固体絶縁物内では粗に
なり、また、誘電率の低い液体あるいは気体絶縁
物の部分では密になる。電界は等電位線密度に比
例するので上記のような従来の構造では、巻線２
と鉄心４との間の絶縁物で特に絶縁スペーサ７の
部位で誘電率の高い絶縁物の割合が高まり、第２
図に示す絶縁スペーサ７の端部に形成される誘電
率の低い微少ギヤツプＧに電界集中が起こり、コ
ロナが発生しやすいという欠点があつた。また、
絶縁スペーサ７が固体絶縁物であつたために、機
器の重量が増大する欠点もあつた。

〔考案の概要〕

この考案は、上記のような従来装置の欠点を解
消するためになされたもので、局部電界集中をな
くして絶縁寸法の縮少，信頼性の向上および機器
の重量低減を目的とし、中空の絶縁スペーサを、
その軸方向が巻線の巻方向と直角に配置してなる
静止誘導機器を提供する。

〔考案の実施例〕 以下、この考案の一実施例を第３図、第４図に
ついて説明する。図において、符号１〜６は第１
図におけると同一部分である。絶縁スペーサ８は
断面矩形の中空の絶縁体でなり、巻線２に巻方向
と軸線が直角に、複数配置されている。

第５図は絶縁スペーサ８の他の変形を示し、同
図ａのように断面コ字状のものを１対組合わせた
もの、同図ｂは２つの矩形中空部を有するもの、
同図ｃのように円形のもの等を採用することがで
きる。

以上の構成により、巻線２と鉄心４の間の誘電
率の大きい絶縁物が実質的に減り、機器を浸漬し
た液体あるいは気体の誘電率の低い部分の比率が
高まる。その結果、液体あるいは気体の誘電率の
低い部分での等電位線が従来と比べて粗になつて
電界が緩和され、このことは特に電界が局部集中
していた絶縁スペーサ端部の微少ギヤツプでの効
果が著しい。また、絶縁スペーサ８の向きをその
軸線が巻線２の巻方向と直角に配置しているの
で、絶縁スペーサ８の数を容易に増減できる。し
たがつて巻線２と鉄心４間の構成物に大きな機械
的支持力が必要なときは絶縁スペーサ８の取付ピ
ツチを小さくして数を増やし、小さな支持力でよ
い場合は、このピツチを大きくして絶縁スペーサ
８の数を減らす構成が容易にできる利点がある。

〔考案の効果〕

この考案は、以上説明したとおり、巻線と鉄心
の間の絶縁物を効果的に減らすことによつて、電
界緩和を計り、絶縁性能の信頼性を向上しうる。
また、電界が緩和されるので絶縁寸法を縮少で
き、機器の小形化および重量の低減を具現するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のものの要部概略断面図、第２図
は第１図の一部拡大図、第３図、第４図および第
５図はこの考案の一実施例を示し、第３図は要部
概略平面図、第４図は第３図の−線に沿う平
面での断面図、第５図は絶縁スペーサの変形の断
面図である。 １……静電板、２……巻線、３……絶縁チヤン
ネル、４……鉄心、５……絶縁アングル、６……
絶縁バリヤ、８……絶縁スペーサ。なお、各図
中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 巻線と鉄心との間に介在配置され前記巻線の絶
   縁距離確保および機械的支持を担持する絶縁スペ
   ーサを備えた静止誘導機器において、中空絶縁体
   でなり軸方向が前記巻線の巻方向と直角に配置さ
   れた複数の前記絶縁スペーサを備えてなることを
   特徴とする静止誘導機器。