JPH0338285Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は油圧シヨベルやシヨベルローダのア
ームの先端に取り付けて、土砂等の掘削やすくい
を行うバケツトを、物をつかむフオーククローに
兼用できるようにした、建設機械用フオーククロ
ー兼用バケツトの改良に関するものである。

（従来の技術） 油圧シヨベルやシヨベルローダは建設機械の主
流をなすもので、アームの先端に種々のアタツチ
メントを取り付けて広範な工事に利用するもので
あつて、アタツチメントの主なものは土砂等の掘
削やすくいを行うバケツトであり、このバケツト
にも対象に応じて構造や形状の異つたものが多種
類利用されている。

このバケツトに次いで多く利用されるのが、物
をつかむフオーククローである。

こうした従来のバケツトやフオーククローは個
別な機能しか持たないものであるため工事の状況
に応じて必要の都度取り付け替えを行つていたも
のである。

こうしたアタツチメントの取り付け替えは、面
倒であり時間がかかつて作業を停滞させるもので
あり、例えば建造物の解体工事の如く瓦礫をすく
つたり、大きいものをつかむ作業を頻繁に繰り返
し行わねばならない場合に非常に困るため、バケ
ツトとフオーククローを兼ねるアタツチメントが
開発された。（例えば実開昭59−10356号公報参
照） このものは、バケツトをバケツト本体と、先端
に爪を有する周縁部からなるバケツト副体とに２
分割し、このバケツト本体とバケツト副体とを後
端部で回動自在に枢着して油圧シリンダーにより
バケツト副体がバケツト本体に対して先端から開
閉できるようにしたもので、開口して物をつかむ
フオーククローとしての働きと、閉口して掘削や
土砂等をすくうバケツトとしての働きとを兼ねて
２様な使い方ができるものである。

（考案が解決しようとする問題点） 普通のバケツトには先端に数本の掘削爪が付い
ているが、前記した実開昭59−10356号公報のバ
ケツトとフオーククローを兼ねるものはバケツト
副体に爪が付いている。この場合バケツト副体は
枠型のものであるため強度が不充分であり、この
弱体なバケツト副体に設けた爪では掘削力が劣る
ため爪に大きな負荷、例えば軟質岩を砕くとか、
掘削時に大きい石に当るなどでバケツト副体が変
形して使えなくなるといつた問題点があつた。

この考案は上記の問題点を解消するために爪を
強化して掘削力を増大するとともに、フオークク
ローとしての能力を増すことを可能にした、建設
機械用フオーククロー兼用バケツトを提供するこ
とを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達するためのこの考案は、バケツ
ト本体と、このバケツト本体の上縁に重なる枠型
のバケツト副体とを後端部でヒンジにより連結
し、このヒンジを基点として油圧力により上記バ
ケツト本体とバケツト副体とを開閉可能に構成し
たフオーククロー兼用バケツトにおいて、 上記バケツト本体とバケツト副体との先端にそ
れぞれ複数本の掘削爪を、このバケツト本体とバ
ケツト副体とが閉じたとき重なり合うとともに、
本体掘削爪が副体掘削爪より長く突出して設け、
さらに上記本体掘削爪の後端からバケツト本体の
外面に沿つて延びる補強部材を固着してなる、建
設機械用フオーククロー兼用バケツトである。

（作用） 上記の構成からなる本考案建設機械用フオーク
クロー兼用バケツトは、バケツト本体の上縁にバ
ケツト副体が乗つて重なり合つた状態でバケツト
となり、バケツト副体が油圧シリンダを作動させ
てヒンジを基点として先端を開口し、バケツト本
体とバケツト副体との間に物をつかむフオークク
ローとなつて、１個のアタツチメントで２役を果
すことができるものである。

（実施例） 以下図面にもとづいて実施例を説明する。

１はバケツト本体で、円弧状の底を持つ箱形に
して両側板の上辺には山形の本体凹凸２が連続的
に設けてあり、前端には外側から伸びて前方に突
出する本体掘削爪３が数本適当な間隔で設けてあ
る。

４はバケツト副体で、バケツト本体１の上辺に
乗る枠型に構成し、両側辺の下面には前記バケツ
ト本体１の上辺に設けた本体凹凸２に噛み合うよ
うに山形の副体凹凸５が設けてあり、先端には内
面から伸びて前方に突出する副体掘削爪６が前記
本体掘削爪３に重なるように設けてある。この本
体掘削爪３は副体掘削爪６より第１図に示すＨだ
け長くしてある。

７はヒンジ軸で、バケツト副体４の後端に固着
され、その両端をバケツト本体１の後端上部に回
動自在に支持されている。

８は油圧シリンダで、バケツト本体１の二重壁
に構成した後部壁の内部空間に収まつて後端をバ
ケツト本体１に軸支し、ロツドの先端をヒンジ軸
７に設けた突起９の先端に係止して、ロツドが伸
びた時第１図実線で示すようにヒンジ軸７に一体
に固定されているバケツト副体４がバケツト本体
１の上縁に乗り、本体凹凸２と副体凹凸５が噛み
合つた状態となつて、バケツト本体１とバケツト
副体４が一体となつてバケツトを形成して第４図
に示す如く、土砂等をすくつたり掘削を行うもの
である。

また、油圧シリンダ８のロツドを引くとヒンジ
軸７が回動してバケツト副体４が第１図仮想線及
び第３図に示す如くヒンジ軸７を起点として先端
から開口し、この開口部に第５図に示す如くつか
みたい物を挟み込んで油圧シリンダ８を作動し強
く挟持するフオーククローとなる。

１０は補強部材で、本体掘削爪３の後端からバ
ケツト本体１の外面に沿つて延びて固着され、そ
の下辺１０ａは直線状に形成してある。

この補強部材１０は本体掘削爪３とバケツト本
体１との両方を補強するとともに、下辺１０ａは
掘削時に地面と摺れ合う接地面となることから、
地面との摺れ合いによるバケツト本体１の摩耗を
軽減する効果がある。

また、この補強部材１０の下辺１０ａは、この
フオーククロー兼用バケツトを単独に据え置く場
合の座となつて、第１図の状態に安定して据えら
れ、保管や輸送に好都合なものである。

尚、バケツト本体１の二重の後部壁には、内部
空間に装着してある油圧シリンダ８をサービスす
るための窓蓋を内壁に設けるものであるが、図示
は省略してある。

（考案の効果） 本考案は以上説明した通りであるから、１個の
アタツチメントでバケツトとフオーククローの２
役を果すことができるので、掘る、すくうという
働きと、つかむ働らきがアタツチメントを取り付
け替えすることなく使えるため、まことに便利で
あるとともに、バケツト本体とバケツト副体の両
方に掘削爪を重なるように設けたことにより、掘
削爪が強化されるとともに、フオーククローとし
て使用するとき、掘削爪の長さだけつかみ代が長
くなつて、つかみ能力が増大し、さらに本体側掘
削爪を副体掘削爪より長くして、本体掘削爪に主
に負荷がかかるようにするとともに、この本体掘
削爪を補強部材により強化してこの主たる負荷に
耐え得るようにしたことにより、掘削能力を大幅
に増大させることができ、さらに補強部材はバケ
ツトとして使用するときに、下面が地面に接する
ことで、バケツト本体の摩耗を軽減することがで
きるとともに、このフオーククロー兼用バケツト
を単独で据え置くときに補強部材が座となつて安
定した据え置きができるため、保管や輸送に好都
合である等、多くの効果が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案フオーククロー兼用バケツトの一
実施例を示すもので、第１図は全体側面図、第２
図は第１図をＡ矢印の方向に見た掘削爪部分の平
面図、第３図はバケツト本体とバケツト副体とが
開口した状態を示した斜視図、第４図はバケツト
としての使用状態斜視図、第５図はフオーククロ
ーとしての使用状態斜視図である。 １……バケツト本体、２……本体凹凸、３……
本体掘削爪、４……バケツト副体、５……副体凹
凸、６……副体掘削爪、７……ヒンジ軸、８……
油圧シリンダ、９……突起、１０……補強部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 バケツト本体と、このバケツト本体の上縁に重
   なる枠型のバケツト副体とを後端部でヒンジによ
   り連結し、このヒンジを基点として油圧力により
   上記バケツト本体とバケツト副体とを開閉可能に
   構成したフオーククロー兼用バケツトにおいて、 上記バケツト本体とバケツト副体との先端にそ
   れぞれ複数本の掘削爪を、このバケツト本体とバ
   ケツト副体とが閉じたとき重なり合うとともに、
   本体掘削爪が副体掘削爪より長く突出して設け、
   さらに上記本体掘削爪の後端から上記バケツト本
   体の外面に沿つて延びる補強部材を固着したこと
   を特徴とする、建設機械用フオーククロー兼用バ
   ケツト。