JPH0338280Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は多数枚の鋼製パネルを、互いの鋼製パ
ネルの外周縁に形成した接合用のフランジ同士を
ボルトにより締結させて連結することにより構築
される地下構造物の連結構造に関する。

（従来の技術） 従来のこの種の地下構造物の連結構造としては
互いに対向配置に複数のボルト挿通孔が穿設され
た防水用の帯状のシール材を、互いのボルト挿通
孔を合わせた状態で介在させるとともに、両フラ
ンジおよびシール材の各ボルト挿通孔に挿通させ
た複数のボルトおよび、ボルトに螺着したナツト
により、両フランジを互いに締結して、このシー
ル材を締代分圧縮させた構成となつている。

（考案が解決しようとする問題点） 一般に上述のような構成の連結構造においては
複数か所で行われるボルトナツトの締結の際、所
定の締代分シール材を圧縮させて締結を行うもの
であるが、従来の連結構造ではこの所定量締める
るのにもつぱら作業者の勘にたよつていたので、
場所によつて締めすぎてシール材を傷め、経時で
のシール性の低下を早めたり、時にはフランジが
波状の変形をきたしてフランジ間に介在されるシ
ール材のシール性の低下を招いたりすることがあ
り、また逆に締めが足りなくて、シール材の弾発
力が充分に働かずこのためシール性の低下を招く
という問題があるものであつた。

本考案はかかる従来の問題点に鑑み、誰にでも
所定の締代分だけ確実に締めることができる地下
構造物の連結構造の提供を目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するため本考案は、多数枚の鋼
製パネルを該鋼製パネルの各々の外周縁に形成し
た接合用のフランジ同士を互いに防水用の帯状の
シール材を介して複数か所ボルトにより締結させ
て連結してなる地下構造物の連結構造において、
互いにボルトにより締結された両フランジの一方
のフランジは、接合面の各ボルト挿通孔開口縁部
に一定の長さに突設させた環状の突出部を有し、
該突出部を他方のフランジの接合面に当接させ、
かつ両フランジ間に介在させた前記帯状のシール
材は所定の締代分だけ圧縮されている構成にし
た。

（作用） 上述のように構成される地下構造物の連結構造
では両フランジを締結する際、ナツトを締めて両
フランジ間に介在させたシール材を所定の締代分
圧縮させると、一方のフランジに設けられた突出
部が他方のフランジの接合面に当接されるので、
これ以上ナツトを締めることができなくなる。

（実施例） 次に本考案の実施の一例を図面を参照にして説
明する。

図中１ａ，１ｂは互いに隣接する構成パネル２
ａ，２ｂの各々の周縁に溶接等により固定した接
合用のフランジである。両フランジ１ａ，１ｂは
長手方向に互いに対向させて穿設した複数のボル
ト挿通孔３，３，……を有しており、また両フラ
ンジ１ａ，１ｂは互いのボルト挿通孔３，３，…
…に挿通させた複数のボルト４，４，……および
各ボルト４，４，……に螺着したナツト５，５，
……により互いに締結されている。

両フランジ１ａ，１ｂのうち一方のフランジ１
ａは接合面の各ボルト挿通孔開口縁部に突設した
環状の突出部６，６，……を有しており、フラン
ジ１ａはこの突出部６，６，……の上面を他方の
フランジ１ｂの接合面に当接させてフランジ１ｂ
と接合している。

両フランジ１ａ，１ｂの間には防水を図るため
の帯状のシール材７が所定の締代分圧縮された状
態で介在されている。

シール材７は表面形状がほぼ各フランジの接合
面の大きさに合わせて形成され、かつ厚みが一定
の長板体からなつている。シール材７にはフラン
ジ１ａの各突出部６に対応する位置にこの突出部
６よりやや長径の貫通孔８がそれぞれ穿設されて
おり、シール材７はこの各貫通孔８にフランジ１
ａの各突出部を挿入させて、両フランジ１ａ，１
ｂ間に介在されている。図中９は座金である。

このようなシール材７はフランジの突出部６の
長さを一定に保つことで各締結部分において一定
の締代分だけ圧着されるようになされている。本
実施例においては圧縮前のシール材の厚みは５mm
であり、フランジの突出部の長さは２mmであり、
締代は３mmとなつている。

尚シール材としては例えばブチルゴム、シリコ
ンゴム、ポリウレタン等の弾性に富み、かつ気密
性に優れた材料が使用される。

このように構成される地下構造物の連結構造で
は、フランジの突出部の長さを選択することで、
シール材が最もシール効果を発揮できる圧縮状態
（圧縮比）に容易にすることができる。

（考案の効果） 本考案は上述のように構成され、互いにボルト
接合される両フランジの一方のフランジが、接合
面の各ボルト挿通孔開口縁部に一定の長さ突出さ
せた環状の突出部を他方のフランジの接合面に当
接させて他方のフランジと互いに締結された時
に、両フランジ間に介在させたシール材が所定の
締代分圧縮される構成としたことにより、シール
材を締め過ぎたり、締め不足することがなくな
り、シール性に優れたものになると同時に締結時
の作業性に優れたものとなる等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の一実施例を示す
もので第１図は縦断側面図、第２図は縦断正面図
である。 １ａ，１ｂ……フランジ、３……ボルト挿通
孔、４……ボルト、５……ナツト、６……突出
部、７……シール材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数枚の鋼製パネルを、該鋼製パネルの各々の
   外周縁に形成した接合用のフランジ同士を互いに
   防水用の帯状のシール材を介して複数か所ボルト
   により締結させて連結してなる地下構造物の連結
   構造において、互いにボルトにより締結された両
   フランジの一方のフランジは、接合面の各ボルト
   挿通孔開口縁部に一定の長さに突設させた環状の
   突出部を有し、該突出部を他方のフランジの接合
   面に当接させ、かつ両フランジ間に介在させた前
   記帯状のシール材は所定の締代分だけ圧縮されて
   いることを特徴とする地下構造物の連結構造。