JPH033784Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はごみ焼却炉にごみを供給する給塵機に
係り、特にごみをほぐす機能と破砕機能とを付加
した給塵機に関する。

［従来の技術］ 第４図はごみ焼却プラントで使用される給塵機
の１例を示すもので、トラフａ内に備えたスクリ
ユーｂの回転により、その一端の投入ホツパｃか
ら投入されたごみｄを他端の排出口ｅへ移送し
て、排出口ｃから排出されるようになつている。
そして、排出されたごみｄはシユートｆを通つて
焼却炉ｇへ輸送され、焼却される。

［考案が解決しようとする問題点］ ところで、従来では特に流動床式焼却炉でごみ
を燃焼させる場合、流動しやすいようにごみを細
かく破砕した方がよいと考えられていたので、給
塵機ｈの前段に別個独立した破砕機ｉを設けてい
た。しかるに、破砕機ｉで細かく破砕されたごみ
ｄが給塵機ｈのトラフａ内をスクリユーｂの回転
によつて移送される際に、圧縮されて大きな塊ｊ
となり、定量的な排出が困難となる問題があつ
た。そして、このごみｄの塊ｊはやがて落下し、
焼却炉ｇへ輸送されて燃焼されるので、一時的に
酸素欠乏状態となり不完全燃焼を起こして煙害が
発生する問題があつた。特に焼却炉ｇが流動床式
の場合には、燃焼速度がきわめて速く空気の瞬間
制御ができないので影響が大きかつた。また、破
砕機ｉが別途必要な分だけ、設備コストおよびス
ペースを多く必要としていた。

そこで、本考案は上記従来技術の問題点を解決
すべくなされたもので、その目的は別個独立した
破砕機を必要としないで、大きなごみを適当な大
きさに破砕しつつほぐして定量的に焼却炉に供給
することができる給塵機を提供するにある。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、ごみをそれ程細かく破砕しないで
も、塊りがほぐされていてある程度の大きさであ
るならば焼却炉において充分燃焼させ得ることを
見出し、トラフ内のスクリユーによりその一端の
投入ホツパから投入されたごみを他端の排出口へ
移送して排出口から焼却炉等へ排出する給塵機に
おいて、上記トラフの排出口側開口端にテーパ状
に固定刃を設けると共に、該固定刃に対してテー
パ状の回転刃を接近離反移動可能に設けたもので
ある。

［作用］ 従つて、スクリユーにより移送されるごみを固
定刃と回転刃との間で適当な大きさに破砕しつつ
ほぐし、定量で排出する。

また、固定刃と回転刃との間に大きなごみを噛
み込んだ場合でも、回転刃を固定刃から離反させ
ることにより、そのごみを排出できる。

［実施例］ 以下に本考案の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。

第１図、第２図において、１は給塵機のトラフ
であり、トラフ１内にはその一端から長手方向に
沿つてスクリユー２が挿入され、スクリユー２は
トラフ１外に延出した基端側軸部分が軸受３によ
り回転自在に支持されている。スクリユー２はモ
ータ４によりベルト５を介して回転駆動される。

トラフ１のスクリユー軸基端側の一端にはごみ
６の投入ホツパ７が半径方向へ臨んで形成され、
他端にはトラフ１の内径よりも拡大した排出口８
が形成されている。また排出口８の下端はシユー
ト９を介して焼却炉１０に接続されている。上記
トラフ１の排出口８側へ臨む開口端はテーパ状に
拡大して形成され、このテーパ状内壁面には第１
図、第３図に示すようにその内壁面に沿つてテー
パ状に且つ周方向に適宜間隔で固定刃１１が取付
けられ、排出口８内には固定刃１１に対してテー
パ状乃至截頭円錐状の回転刃１２が接近離反移動
可能に設けられている。回転刃１２は截頭円錐体
１３の外周にその壁面に沿つてテーパ状に且つ周
方向に適宜間隔で刃体１４を取付けてなつてい
る。尚、これら刃体１４および上記固定刃１１は
着脱可能に取付けてもよい。

上記スクリユー２の先端部は回転刃１２と接触
しないよう排出口８の近傍まで延出されている。
回転刃１２はトラフ１の他端から排出口８内に挿
入された回転軸１５に取付けられ、この回転軸１
２のトラフ外延出基端部は移動台１６上に軸受１
７を介して支持されている。そして、回転軸１５
は移動台１６に固定したモータ１８によつてベル
ト１９を介して回転駆動されるようになつてい
る。

上記移動台１６は回転軸１５の軸方向に沿つて
往復移動可能にテーブル２０上に支持されると共
にねじ棒２１の回転によつて移動されるようにな
つている。ねじ棒２１はテーブル２０に回転自在
に取付けられ、モータ２２によつてベルト２３を
介して回転駆動されるようになつている。

以上の構成において、投入ホツパ口７から投入
されたごみ６はスクリユー２の回転によりトラフ
１内を排出口８方向へ移送され、固定刃１１と回
転状態の回転刃１２との間で破砕されつつほぐさ
れて排出口８から排出される。移動台１６の移動
によつて固定刃１１と回転刃１２との間を適当な
幅に調節し、ごみ６が適当な大きさに破砕され、
かつほぐされるようにする。これにより、ごみが
適当な大きさに破砕されると共にほぐされるの
で、ごみを定量的に排出させて焼却炉１０に供給
することができ、焼却炉での不完全燃焼がなくな
る。また、別途独立した破砕機が不要となり、設
備コストおよびスペースを減少できる。更に、ご
み６を固定刃１１と回転刃１２との間に噛み込ん
でしまつた場合、ねじ棒２１の回転により移動台
１６および回転軸１５を介して回転刃１２を固定
刃１１から後退させればよく、これにより噛み込
んだごみを簡単に取り除いて排出口８から排出さ
せることができる。

尚、移動台１６の移動手段はねじ棒２１に限ら
ず、シリンダ等であつてもよい。

［考案の効果］ 以上要するに本考案によれば次のごとき優れた
効果を発揮する。

(1) スクリユーによつて移送されるごみを固定刃
と回転刃との間で適当な大きさに破砕しつつほ
ぐして排出するので、ごみが排出口付近で塊と
なるようになることはなく、定量的に焼却炉に
供給することができ、焼却炉での不完全燃焼を
解消できる。

(2) ごみを破砕することができるので、別途独立
した破砕機を必要とせず、その分設備コストお
よびスペースを減少できる。

(3) 回転刃を固定刃に対して接近離反できるの
で、噛み込んだごみを簡単に排出することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る給塵機の一実施例を示す
縦断面図、第２図は同平面図、第３図は第１図Ａ
−Ａ線断面図、第４図は従来の給塵機を示す概略
構成図である。 図中、１はトラフ、２はスクリユー、７は投入
ホツパ、８は排出口、１１は固定刃、１２は回転
刃である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トラフ内のスクリユーによりその一端の投入ホ
   ツパから投入されたごみを他端の排出口へ移送し
   て排出口から焼却炉等へ排出する給塵機におい
   て、上記トラフの排出口側開口端にテーパ状に固
   定刃を設けると共に、該固定刃に対してテーパ状
   の回転刃を接近離反移動可能に設けたことを特徴
   とする給塵機。