JPH0337790B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、CATVシステムにおけるスクラン
ブル方式に関するものである。

（従来の技術） CATVシステムにおいて、受信契約をしてい
ない者や盗視聴をしようとする者に対しては、視
聴不可となるような対策を施さなければならな
い。したがつて、CATVの場合には、加入者へ
の引込線に有料番組のトラツプを設けておき、契
約した加入者にはそのトラツプを取り外して視聴
可能とする方法がある。また、有料番組を前もつ
て一般のTV受信機では視聴できないように、セ
ンタ側で信号処理が行われ、これは一般にスクラ
ンブルとよばれている。

更にこのような、盗視聴防止方式には、高周波
テレビジヨン複合信号の同期信号の同期レベルを
映像信号の尖頭値以下に圧縮するグレイシンク方
式やそれに類する方式がしばしば適用され、端末
器側の復調器により復調するようにしている。こ
のような復調は、一般にデスクランブルと呼ばれ
ている。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、グレイシンク方式によるスクラ
ンブルされた映像信号に対し、端末側においてデ
スクランブルする際の伸長パルスを生成するため
には、複雑なロジツク回路が必要とされている。
また、そのタイミングを生成するためには、映像
信号の同期信号を元に戻すことにより行われてい
るが、このときノイズ等によつて同期検出を誤つ
たり伸長すべき区間を間違えたりしている。更
に、同期信号周波数にジツタ等があり、映像信号
復調系や同期分離回路等にてその遅延特性が初期
設定よりずれた場合には、伸長タイミングがずれ
たりして正常なデスクランブルができずに復調画
像の乱れを起す欠点がある。

これらの欠点は、更に複雑な回路構成を備える
ことにより解消されるが、反面、複雑な回路構成
によりそれぞれの回路特性に様々な制約がもたら
されてしまう。

本発明は、このような事情に対処して成された
もので、端末側におけるデスクランブルの際に、
簡単な回路構成で安定且つ正確な伸長信号を得る
ことができるCATVシステムにおけるスクラン
ブル方式を提供することを目的とする。

（課題を解決しようとする手段） 本発明は、上記目的を達成するために、TVの
映像信号をスクランブルするCATVシステムに
おけるスクランブル方式において、映像被変調波
の水平あるいは垂直帰線消去期間を連続的あるい
は間欠的にレベル圧縮すると共に、前記レベル圧
縮する部分の映像搬送波の位相を反転させること
を特徴とする。

（作用） 本発明のCATVシステムにおけるスクランブ
ル方式では、レベル圧縮タイミングにより映像
IF信号をレベル圧縮及び位相反転させることに
より、結果的に映像信号伝送帯域にレベル圧縮タ
イミングが多重される。

これにより、端末側では簡単な回路構成で安定
かつ正確な伸長信号が得られる。

（実施例） 以下、本発明の実施例の詳細を図面に基づいて
説明する。

第１図は、本発明のCATVシステムにおける
スクランブル方式の一実施例に係るセンタ側の内
部構成を示すものである。

同図におけるスクランブル処理はIF段階にて
行われる。

同図に示すように、センタには、音声信号１及
び映像信号２を変調するIF変調器３、このIF変
調器３からの音声IF信号５に対して周波数変換
を施す周波数変換器１１、IF変調器３からの映
像IF信号４に対してレベル圧縮・位相反転を施
すレベル圧縮・位相反転回路１０が備えられてい
る。また、センタには、IF変調器３からの映像
IF信号４に対して同期分離を施す同期分離回路
６、同期分離された信号に基づいて圧縮タイミン
グパルスを生成する圧縮タイミング発生回路７が
備えられている。更に、センタには、同期分離さ
れた信号に基づいてランダムな態様や固定モード
等により任意にいずれかの水平又は垂直帰線消去
期間である圧縮するエリアを設定するための制御
信号を生成する圧縮ブロツク制御回路８が備えら
れている。更にまた、センタには、圧縮タイミン
グ発生回路７及び圧縮ブロツク制御回路８の出力
に基づいて圧縮信号を発生する圧縮信号発生回路
９が備えられている。

第２図は、端末側の内部構成を示すもので、セ
ンタ側から送出されたRF信号１２をIF信号に変
換するコンバータ１３、このコンバータ１３の出
力信号を検波し4.5MHzの音声信号を映像信号か
らインターキヤリア方式で分離するビデオ検波器
１４及び音声バンドパスフイルタ１５が備えられ
ている。また端末側には、逓倍増幅器１６及び分
周器１７が備えられており、分周器１７の出力は
掛算回路１８に送られるようになつている。

ここで、掛算回路１８はPSK復調信号をロー
パスフイルタ１９を介して波形整形を行う波形整
形回路２０側に出力する。

更に、端末側には、波形整形された出力に対し
てパルス幅を設定するパルス幅設定回路２１が備
えられており、パルス幅設定回路２１は2MHzの
クロツクパルス発生回路２２からのクロツクに基
づいてレベル伸長タイミングを生成し、伸長パル
スを出力する。

更にまた、端末側には、音声信号及びスクラン
ブル映像信号を分波する映像・音声分波回路２
３、音声帯域を増幅する音声帯域増幅器２４、伸
長・位相反転を施す伸長・位相反転回路２５、こ
の伸長・位相反転回路２５及び音声帯域増幅器２
４の出力を合成する合成回路２６が備えられてい
る。そして、合成回路２６の出力はデスクランブ
ルTV信号２７とされて出力される。

このような構成のCATVシステムは、次のよ
うな動作を行う。

まず、スクランブル処理はIF段階にて行われ
る。つまり、音声信号１及び映像信号２は、TV
のIF変調器３で変調され、そのうち音声IF信号
５は直接に周波数変換器１１に入力される。一
方、映像IF信号４はレベル圧縮・位相反転回路
１０を経由してスクランブル処理された後、周波
数変換器１１に入力される。

そして同期分離回路６では、映像IF信号４か
ら映像の同期パルスを得て、これを圧縮タイミン
グ発生回路７に与える。圧縮タイミング発生回路
７は、その同期パルスを基にして圧縮タイミング
パルスを生成し、これを圧縮信号発生回路９に与
える。一方、上記の同期パルスは、圧縮ブロツク
制御回路８においてランダムなモードや固定モー
ド等により任意に圧縮するエリアが設定された
後、圧縮信号発生回路９に出力される。そして、
圧縮信号発生回路９は、実際にスクランブルする
ための圧縮パルスを上記のレベル圧縮・位相反転
回路１０へ送出する。レベル圧縮・位相反転回路
１０では、第３図に示すように、上記の圧縮パル
スにより水平帰線消去期間をレベル圧縮すると共
に、同時に映像キヤリアの位相反転も行う。

ここで、レベル圧縮・位相反転回路１０は、た
とえば第４図に示すような構成をとつている。

つまり、左端子よりIF変調器３からの映像IF
信号を受け入れ、右のSW１端子より圧縮パルス
を導入する。そして、圧縮パルス導入期間おいて
レベル圧縮を行うと共に、映像IF信号の位相を
180度反転させて、右端子（上側）よりスクラン
ブル映像IF信号を出力する。

このようにしてスクランブル処理された後、周
波数変換器１１によつて任意のチヤンネルに設定
されたRF信号１２が送出される。

端末装置の側（受信側）では、第２図に示した
ように、RF信号１２はコンバータ１３により特
定チヤンネルに周波数変換された後、その信号が
ビデオ検波器１４及び映像・音声の分波回路２３
に出力される。ビデオ検波器１４に取り込まれた
信号は、インターキヤリア方式により映像信号か
ら4.5MHzに離調した音声信号に分離される。そ
して4.5MHzに変換された音声信号は、音声バン
ドパスフイルタ１５に出力される。ここでは、
4.5MHzの音声キヤリアは、RFの映像信号と音声
信号の位相差をとることから得られるため、映像
信号キヤリアの位相反転処理を行つていない部分
の音声信号と、映像信号キヤリアの位相反転処理
を行つている部分の音声信号とをインターキヤリ
ア方式により出力される。これにより、時間的に
映像信号の圧縮された部分に相当するものは、そ
うでない部分に対して位相反転されていることに
なる。これは、２相の位相シフトキーイング
（PSK）と同じであり、この情報が多重されてい
るのと同じことになる。

したがつて、4.5MHzの音声信号からPSK復調
処理を行うことにより、圧縮タイミング情報が得
られることになる。つまり、ビデオ検波器１４を
経た信号は、音声バンドパスフイルタ１５を介し
て掛算回路１８に送られ、また分岐されたものは
逓倍増幅器１６及び分周器１７を経て掛算回路１
８に取り込まれ、ここでPSK復調信号としてロ
ーパスフイルタ１９側に出力される。ローパスフ
イルタ１９を経た信号は、ローパスフイルタ１９
を介して波形整形回路２０に取り込まれ、ここで
波形整形された後、パルス幅設定回路２１側に出
力される。このパルス幅設定回路２１には、クロ
ツクパルス発生回路２２から2MHzのクロツクが
入力されており、これによりパルス幅設定回路２
１はレベル伸長タイミングを生成し、伸長パルス
を出力する。

一方、上記のコンバータ１３によりIF周波数
に変換された信号は、映像・音声分波回路２３に
よつて音声信号及びスクランブル映像信号に分波
され、この分波されたもののうち音声信号は音声
帯域増幅器２４によつて増幅される。一方、映像
信号は伸長・位相反転回路２５により、上記の伸
長パルスに基づいてデスクランブルされ、このデ
スクランブルされた映像信号は合成回路２６を介
してデスクランブルTV信号２７として出力され
る。

ここで、その伸長・位相反転回路２５は、たと
えば第５図に示すような回路構成をとる。

つまり、ここでは端子SW２にパルス幅設定回
路２１からの伸長パルスが入力され、スクランブ
ル信号は左端子より入力される。そして、そのス
クランブル信号は右端子より、位相反転され且つ
圧縮領域を伸長された状態で出力される。

このように、本実施例では、レベル圧縮のタイ
ミングをスクランブルチヤンネルの同一伝送帯域
内に多重するように構成したので、デスクランブ
ルするための伸長パルスを安定且つ正確に復元す
ることができる。また、送出側でいかなる複雑な
パターンによる水平又は垂直同期信号の圧縮のス
クランブルを行つても、回路的に何等影響を及ぼ
されることもないため、タイミングのずれを生ず
ることなくデスクランブルすることができる。更
に、この種の方式では、従来欠点とされていた端
末用コンバータによる離調特性についても比較的
良い安定性が得られる。

なお、本実施例では、映像信号の水平帰線消去
期間についてのみ説明したが、垂直帰線消去期間
を圧縮する場合にも同様にして適用することがで
きる。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明のCATVシステ
ムにおけるスクランブル方式によれば、レベル圧
縮のタイミングをスクランブルチヤンネルの同一
伝送帯域内に多重するように構成したので、デス
クランブルするための伸長パルスを安定かつ正確
に復元することができ、また送出側でいかなる複
雑なスクランブルを行つても、回路的に何の影響
もなく、タイミングのずれを生ずることなくデス
クランブルでき、更にこの種の方式で従来欠点と
されている端末用コンバータによる離調特性につ
いても比較的良い安定性が得られるという効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のCATVシステムにおけるス
クランブル方式の一実施例に係るセンタ側の内部
構成を示すブロツク図、第２図はその端末側の内
部構成を示すブロツク図、第３図はスクランブル
を行つた場合の映像信号の波形図、第４図はスク
ランブル処理を行うレベル圧縮・位相反転回路の
一例を示す回路図、第５図はデスクランブル処理
を行うレベル伸長・位相反転回路の一例を示す回
路図である。 １……音声信号、２……映像信号、３……TV
のIF変調器、４……映像IF信号、５……音声IF
信号、６……同期分離回路、７……圧縮タイミン
グ発生回路、８……圧縮ブロツク制御回路、９…
…圧縮信号発生回路、１０……レベル圧縮・位相
反転回路、１１……周波数変換回路、１２……
TVのRF信号、１３……コンバータ、１４……
ビデオ検波器、１５……4.5MHzバンドパスフイ
ルタ、１６……逓信増幅器、１７……分周器、１
８……掛算回路、１９……ローパスフイルタ、２
０……波形整形回路、２１……パルス幅設定回
路、２２……クロツク発生器、２３……映像・音
声分波回路、２４……音声帯域増幅器、２５……
伸長・位相反転回路、２６……合成回路、２７…
…デスクランブル信号。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ TVの映像信号をスクランブルするCATVシ
   ステムにおけるスクランブル方式において、 映像被変調波の水平あるいは垂直帰線消去期間
   を連続的あるいは間欠的にレベル圧縮すると共
   に、前記レベル圧縮する部分の映像搬送波の位相
   を反転させることを特徴とするCATVシステム
   におけるスクランブル方式。