JPH0683448B2

JPH0683448B2 - テレビジョン信号のスクランブル信号送受信システム

Info

Publication number: JPH0683448B2
Application number: JP60108016A
Authority: JP
Inventors: 正喜管野
Original assignee: Sony Corp
Current assignee: Sony Corp
Priority date: 1985-05-20
Filing date: 1985-05-20
Publication date: 1994-10-19
Anticipated expiration: 2009-10-19
Also published as: JPS61265986A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この発明は加入者だけが視聴できるようにしたテレビジ
ョン放送システムに使用して好適なテレビジョン信号の
送受信方式に関する。

〔発明の概要〕

この発明は加入者だけが視聴できるようにしたテレビジ
ョン放送システムに使用して好適なテレビジョン信号の
送受信方式（以下スクランブル信号の送受信方式とい
う）に関し、特に水平同期信号を取り去ったビデオ信号
と、水平同期信号に同期したサブキャリヤーを音声信号
で変調した信号を混合したテレビジョン信号をスクラン
ブル信号として送受信することにより、信号伝送に伴う
信号劣化を回避すると共に、その回路構成を簡略化した
ものである。

〔従来の技術〕

例えば、衛星放送やCATVなどにおいて、ビデオ信号に対
して特別の信号処理を施し、加入者だけがそのチャンネ
ルを視聴でき、非加入者は視聴できないようにしたテレ
ビジョン信号のスクランブル方式が提案されている。

その手段の一つは第７図Ａに示す標準のビデオ信号に対
して同図Ｂに示すようにその水平同期信号P_Hのレベルを
1/2にしたり、同図Ｃに示すように水平同期信号P_HのDC
レベルを輝度レベル側にシフトして通常のテレビジョン
信号の信号形態とは異なる形態のスクランブル信号を形
成することによって、通常の受信機ではそのスクランブ
ル信号を元のテレビジョン信号に復元できなないように
して、非加入者の盗聴を防止している。

しかし、これらの信号はいずれもアナログ処理であるこ
とから、このスクランブル信号を容易にディスクランブ
ルすることができ、確実な盗聴防止方式とは言い難い。

このような欠点を解決するために、特願昭57-230603号
（特開昭59-122094号公報）に示されるようなスクラン
ブル方式（手段）が提案されている。

この手段は標準のテレビジョン信号、すなわちビデオ信
号（第８図Ａ）を任意の位置（水平位置）で区切り、区
切られた夫々の区間のビデオ信号の時間軸を移動させた
状態で伝送するようにしたもので、例えば第８図Ａに示
すように水平走査期間の中間点ｃを境としてその前半の
ビデオ信号（ａ〜ｃの期間）と後半のビデオ信号（ｃ〜
ｂの期間）を入れ替えて同図Ｂに示すようなビデオ信号
に変換し、その状態で伝送する。

同図Ｂのビデオ信号をそのまま受信すると、本来ならば
第９図Ａの画像が再現されるところ、同図Ｂに示す画像
が再現されることになる。

このことから、例えば、複数のフィールドを単位にする
と共に、単位内のフィールドにおける時間軸の移動区間
を異ならせれば、盗聴防止の効果は第９図の場合よりも
さらに高くなる。

例えば、あるフィールド（説明の便宜上第１のフィール
ドという）のビデオ信号を第10図Ａのように変換し、次
のフィールドすなわち第２のフィールドでは同図Ｂに示
すビデオ信号に変換し、第３のフィールドでは同図Ｃに
示すようにビデオ信号を変換し、第４のフィールドのビ
デオ信号は同図Ｄに示すように変換すれば、正常の画像
が第11図Ａであるのに対し、第１フィールドの画像は同
図Ｂとなり、以下同様に第２〜第４のフィールドの画像
は同図Ｃ〜Ｅのようになるから、合成画像は同図Ｆのよ
うに同一の画像が４重に重なり合って、画面上における
画像内容を判別することが不可能になる。動画では尚更
である。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところで、上述したスクランブル手段によるテレビジョ
ン信号の送受信方式では、ビデオ信号自体の時間軸を移
動しているため、第８図Ｂの破線で示すように信号伝送
系で波形の歪を受けるため、信号が劣化する欠点があ
る。

さらに、この送受信方式では、第８図あるいは第10図に
示すような信号処理はデジタル的に行う必要があるため
に、その送受信系にA/D変換器、メモリなどを必要と
し、さらにはスクランブル信号はその伝送帯域の点から
デジタル信号としては伝送することができないため、ス
クランブル信号をアナログ化するためのD/A変換器も設
けなければならず、回路構成が複雑化すると共に、安価
に構成できない欠点があった。

そこで、この発明ではこのような従来の欠点を解決した
ものであって、信号伝送よる信号の劣化を防止すると共
に、安価に構成できるテレビジョン信号の送受信方式を
提案するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上述の問題点を解決するため、この発明では水平同期信
号を取り去ったビデオ信号と、水平同期信号に同期した
サブキャリヤーを音声信号で変調した信号を混合したテ
レビジョン信号を送信し、受信機側では、受信されたテ
レビジョン信号からサブキャリヤーを分離し、このサブ
キャリヤーに同期した発振回路より水平同期信号を得
て、これをビデオ信号に重畳するようにして、ディスク
ランブルすることにより、元の信号形態のテレビジョン
信号を得るようにしたものである。

そのため、スクランブル信号のエンコーダは第１図に示
すように、PLL構成の可変発振回路５が設けられ、水平
同期信号に同期したサブキャリヤーSCが形成され、この
サブキャリヤーSCが音声信号S_Aで変調される。

受信側ではこの音声信号からサブキャリヤーSCを抽出
し、この抽出されたサブキャリヤーSCから同期信号生成
回路44を駆動してビデオ信号に必要な各種の同期信号が
形成される。

〔作用〕

この構成において、サブキャリヤーSCは水平同期信号に
同期しているから、このサブキャリヤーSCを利用して水
平同期信号P_Hを形成すれば、元の時間軸をもつ水平同期
信号を含むビデオ信号に再編成することができる。

そして、第２図に示すようなスクランブル信号のデコー
ダをもたない受信機では、このスクランブル信号をディ
スクランブルして元のテレビジョン信号に変換すること
は容易ではないため、盗聴防止も確実である。

〔実施例〕

第１図以下を参照してこの発明に係るテレビジョン信号
の送受信方式を衛星放送に適用した場合について説明す
る。第１図は上述したスクランブル信号のエンコーダ
で、第２図がそのデコーダである。

第１図から説明すると、10はスクランブルされたテレビ
ジョン信号（スクランブル信号）S_BS形成用のエンコー
ダを全体として示し、端子１に供給されたビデオ信号
（第３図参照）S_Vはバッファ２を経て同期分離回路３に
供給されて、ビデオ信号S_V中に含まれる各種の同期信号
が分離される。すなわち、水平同期信号P_H、垂直同期信
号P_V、複合同期信号Ｃ・SYNC及びコンポジットのブラン
キング信号Ｃ・BLKが分離される。

そのうち、水平同期信号P_Hは可変発振回路５に供給され
る。この可変発振回路５は音声用のサブキャリヤーSCを
得るためのもので、可変発振器６をもつPLL構成となさ
れており、その発振周波数（サブキャリヤー周波数）は
周知のように5.7272MHzである。７はこのサブキャリヤ
ー周波数を発振する水晶振動子を示す。サブキャリヤー
SCはカウンタ８にて1/Nに分周される。

サブキャリヤー周波数は水平同期周波数f_Hの364倍であ
ることから、Ｎ＝364に設定され、分周された水平同期
周波数のクロックP_H′は同期分離回路３より出力された
水平同期信号P_Hと共に位相比較器９に供給されて位相比
較され、その比較出力がローパスフィルタ11及びアンプ
12を経て可変発振器６に供給されることにより、水平同
期信号P_Hに同期したサブキャリヤーSCが得られる。

サブキャリヤーSCはさらにバンドパスフィルタ14でサブ
キャリヤー周波数のみ抽出されたのち、ドライバー15を
経てPSK変調器16に供給される。一方、端子18に供給さ
れた音声信号S_AがPCMエンコーダ19でPCM化され、PCM化
された音声データがPSK変調器16に供給されることによ
り、この音声データでサブキャリヤーSCがPSK変調され
る。

上述のビデオ信号S_Vはさらにブランキング回路21に供給
されて、同期分離回路３より出力されたブランキング信
号Ｃ・BLKによりビデオ信号S_V中に含まれる全ての同期
信号がブランキングされる。従って、水平周期を単位と
して見れば、第４図に示すように水平同期信号P_Hが完全
にブランキングされ、垂直周期を単位として見れば、第
５図Ａに示すように垂直ブランキング期間に挿入される
各種の同期信号が完全にブランキングされた状態で出力
される。

同期信号がブランキングされたビデオ信号は合成器23に
供給されて、フレーム同期信号形成回路22より出力され
たフレーム同期信号Ｆ・SYNCがこのビデオ信号に挿入さ
れる。挿入位置は垂直ブランキング期間の垂直同期信号
P_Vの位置であり、垂直同期信号の期間だけ挿入される
（第５図Ｂ）。

フレーム同期信号Ｆ・SYNCは16ビットデータであって、
挿入極性は図示するように輝度レベル側である。これ
は、水平同期信号P_Hの削除と相俟って、フレーム同期信
号Ｆ・SYNCを輝度レベル側に挿入すれば、映像信号のダ
イナミックレンジが拡がり、後述するFM変調時のS/Nを
向上させることができるからである。また、このように
フィールド周期ではなく、フレーム周期でフレーム同期
信号Ｆ・SYNCを挿入したのは、第２図に示すデコーダ30
側でのフィールド判別を容易にするためである。

フレーム同期信号Ｆ・SYNCは次のようにして形成され
る。すなわち、同期信号形成回路22には、同期分離され
た垂直同期信号P_V及び複合同期信号Ｃ・SYNCと共に、上
述のサブキャリヤーSCがクロックとして供給される。複
合同期信号Ｃ・SYNCに含まれる垂直同期信号P_Vの位置
に、所定のコード内容を有する16ビットのコードデータ
よりなるフレーム同期信号Ｆ・SYNCがサブキャリヤーSC
のクロックに基づいて形成され、これが垂直同期信号の
得られるタイミングに出力されるものである。

複合同期信号の替わりに、新たに挿入されたフレーム同
期信号Ｆ・SYNCをもつビデオ信号S_V′はローパスフィル
タ24、映像アンプ25を経てFM変調器26に上述のPSK変調
された音声信号S_MAと共に供給されてFM変調されること
により、出力端子27には衛星放送用のテレビジョン信号
S_BSが得られる。

このテレビジョン信号S_BSは第５図Ｂに示すように、水
平同期信号P_Hを始として複合同期信号のないテレビジョ
ン信号であって、この複合同期信号の替わりに垂直ブラ
ンキング期間の所定の位置にフレーム同期信号Ｆ・SYNC
が挿入されたものとなっている。このテレビジョン信号
S_BSがスクランブル信号として送信される。

第２図はこのようにスクランブルされたテレビジョン信
号S_BSを受信して元の信号形態をもった通常のテレビジ
ョン信号に変換するためのデコーダ30の一例を示す系統
図である。

第２図において、BSアンテナ31で受信されたスクランブ
ル状態にあるテレビジョン信号S_BSはBSコンバータ32を
介してBSチューナを構成する信号分離回路33に供給され
て、ビデオ信号S_V′と音声信号S_MAとが分離され、音声
信号S_MAは音声復調器34に供給されてPSK復調されると共
に、復調された音声信号S_Aはアンプ35を介してスピーカ
36に供給される。

音声復調器34より得られるサブキャリヤーSCはバッファ
40を経て波形整形回路41に供給されて、サブキャリヤー
SCのパルス波形が整形されたのちカウンタ42に供給され
る。カウンタ42の分周比Ｍはこの例では13に設定されて
おり、従ってこのカウンタ42からは28f_HのクロックCKが
出力される。このクロックCKは同期信号生成回路44にそ
の基準クロックとして供給される。

同期信号生成回路44はアドレスデータ形成用のカウンタ
45と、そのアドレスデータに基づいて生成される同期信
号用のタイミング発生回路46とで構成され、発生回路46
は連続的に供給されるアドレスデータで指定されたアド
レスにストアされたデータ群を時系列化することによっ
て、複合同期信号を構成する複数の同期信号が生成され
る。従って、この発生回路46の端子46Aにはアナログの
水平同期信号P_Hが出力され、同様に、端子46Bには垂直
同期信号P_Vが、端子46Cには複合同期信号Ｃ・SYNCが夫
々出力される。さらに、端子46Dには後述するクランプ
パルスCP（第６図）が出力される。

また、この発生回路46からの垂直リセットパルスがカウ
ンタ45にリセットパルスとして供給されて、垂直同期が
図られる。

そのため、この発生回路46は必要な容量をもったROMで
構成される。

このように、送信側での水平同期信号に同期したサブキ
ャリヤーSCより形成された28f_Hの基準クロックCKに基づ
いてアドレスデータを形成すると共に、このアドレスデ
ータでタイミング発生回路46を駆動したので、これより
出力される各種の同期信号は送信側の水平同期信号にい
ずれも同期した状態で出力される。

一方、回路33で分離されたビデオ信号S_V′はバッファ50
を経てエネルギー拡散除去回路51に供給されて、これに
供給されるクランプパルスCPに基づいて、送信側で付与
されたエネルギーの拡散が除去される。そののち、フレ
ーム同期信号Ｆ・SYNCのブランキング回路52に供給され
て、タイミング発生回路46の端子46Eより得られるフレ
ーム単位のブランキングパルスＦ・BLKでビデオ信号
S_V′からフレーム同期信号Ｆ・SYNCが除去されることに
なる。

除去されたビデオ信号S_VOは合成器53に供給されて端子4
6Cに得られる複合同期信号Ｃ・SYNCがこのビデオ信号S
_VOに挿入されて、通常の信号形態となされたビデオ信号
S_Vが形成され、これがローパスフィルタ54で帯域制限
（4.2MHz程度）されたのちアンプ55を経て出力端子56に
供給される。

エネルギー拡散除去されたビデオ信号S_V′はさらにフレ
ーム同期信号Ｆ・SYNCの波形整形回路60を経て比較器61
に供給されて、ビデオ信号S_V′中に挿入されたフレーム
同期信号Ｆ・SYNCが比較され、比較器61の比較用データ
とフレーム同期信号Ｆ・SYNCのデータが一致したとき、
比較出力が得られ、これがタイミング調整回路62に供給
されて、ビデオ信号S_Vとの時間軸のタイミングが調整さ
れ、タイミング調整された比較出力はカウンタ42にその
リセットパルスとして供給されると共に、アドレスデー
タ形成用のカウンタ45にリセットパルスとして供給され
る。

これによって、カウンタ42と45のタイミングが調整さ
れ、タイミング発生回路46より出力される各種の同期信
号はフレーム同期信号Ｆ・SYNC、従って垂直同期信号P_V
及び水平同期信号P_Hに夫々同期したものとなる。

このようなことから、合成器53より出力されるビデオ信
号S_Vの複合同期信号はスクランブル前の時間軸に完全に
一致したものとなっている。

故に、出力端子56に得られるビデオ信号S_Vは通常の複合
同期信号の挿入されたものとその信号形態が完全に一致
し、従って、このビデオ信号S_Vをモニタすれば、スクラ
ンブル前の画像を正しく再現することができる。

受信側にこのようなデコーダ30がない場合には、スクラ
ンブルされた状態のビデオ信号をモニタすることにな
り、この場合ビデオ信号中には複合同期信号がないた
め、モニタ上に映出される画像は同期が全く取られず、
画像が安定して映出されないから、その映像内容を非加
入者は盗聴できない。

なお、上述ではこの発明に係るテレビジョン信号の送受
信方式を衛星放送に適用したが、その他のテレビジョン
放送システムに適用して好適なるはいうまでもない。

〔発明の効果〕

以上説明したように、この発明によれば、スクランブル
されたテレビジョン信号中には本来の複合同期信号が全
く存在しなく、所定のコード内容を有するコードデータ
よりなるフレーム同期信号をビデオ信号に挿入するの
で、従来よりも盗聴効果が確実となり、またこのスクラ
ンブル処理では映像信号自体には何等の処理もしていな
いために、信号伝送によってそのS/Nが劣化することも
なく、画質の改善を図ることができる。

そして、スクランブルするためのエンコーダ10及びその
デコーダ30にはA/D変換器やD/A変換器などを必要としな
いから、その構成も比較的簡単であり、この発明による
送受信方式を実現するための手段を安価に提供できる効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係るテレビジョン信号の送受信方式
のうちスクランブル信号を形成するためのエンコーダの
一例を示す系統図、第２図はそのデコーダの一例を示す
系統図、第３図はテレビジョン信号の周波数特性図、第
４図はスクランブルされたビデオ信号の水平周期を単位
とする波形図、第５図は同じく垂直周期を単位とする波
形図、第６図はクランプパルスの一例の波形図、第７図
〜第11図は従来のスクランブル方式の一例を示す説明図
である。 10はスクランブル信号形成用のエンコーダ、30はそのデ
コーダ、21は複合同期信号のブランキング回路、５は可
変発振回路、19はPCMコーダ、SCはサブキャリヤー、Ｆ
・SYNCはフレーム同期信号、44は同期信号生成回路、Ｃ
・SYNCはコンポジットの同期信号である。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】送信側では、水平同期信号を取り去ったビ
デオ信号と、上記水平同期信号に同期したサブキャリヤ
ーを音声信号で変調した信号を混合したテレビジョン信
号を送信し、受信側では、上記テレビジョン信号を受信して、この受
信されたテレビジョン信号からサブキャリヤーを分離
し、このサブキャリヤーに同期した発振器より水平同期
信号を得るようにしたことを特徴とするテレビジョン信
号のスクランブル信号送受信システム。