JPH0337503Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、トイレツトペーパーや手拭き用ペ
ーパーさらにはキツチン用ペーパー、合成樹脂製
フイルムないしシートなど（この明細書において
これらを総称して「シート」という）を保持する
ホルダーに関し、さらに詳しくはホルダーに保持
されたロール状シートをカバー板の長孔から引出
す際に、紙の片側が長孔の端縁にひつかかつて破
れることがないように創案された紙の破れ防止構
造に関する。

従来技術およびその問題点 従来のペーパーホルダー５４では、第４図およ
び第５図に示すように、カバー板５２の裏面の左
右両側にそれぞれ設けられた補強リブ５３は薄肉
に形成されており、同リブ５３の各内側面５５が
カバー板５２の紙引出し用の長孔５１の各端縁５
１ａから外方に位置していた。

ところが、このような構造では、左右一対のフ
ツク５６に保持されたロール状ペーパーＰは、補
強リブ５３との間に若干遊び間隙を有するため、
ペーパー引出し方向が正面から右または左へわず
かでもそれると、ロール状ペーパーＰが長孔５１
から片方の補強リブ５３の方へ片寄つてしまうこ
とがある。そしてこのように片寄つた状態のペー
パーＰをさらに長孔５１から引出すと、ペーパー
Ｐの側部P₁が長孔５１の端縁５１ａに引つ掛か
つて破れてしまい、紙が見映えのよくないものに
なり、時には使用できなくなることさえあつた。

この考案は、上記の如き問題を解消すべくなさ
れたもので、紙の引出し時にその側部が破れるの
を確実に防ぐことのできる紙の破れ防止構造を提
供することを目的とする。

問題点の解決手段 この考案による紙の破れ防止構造は、第１図か
ら第３図に示すように、紙引出し用の長孔１を有
するカバー板２の裏面の左右両側にそれぞれ補強
リブ３が設けられているホルダー４において、こ
れら補強リブ３の各内側面に内方斜め下方を向く
ロール案内用の傾斜面６ないし弧面を有するガイ
ド部１５がそれぞれ設けられ、これら傾斜面６な
いし弧面の上端が長孔１の各端縁１ａにそれぞれ
合致せしめられていることを特徴とするものであ
る。

この明細書において、「内外」関係については、
カバー板２の長さ方向すなわち長孔１の長さ方向
において、各端部から長さの中央へ向く方向を内
方と称し、長さの中央から端部へ向く方向を外方
と称することとする。

ペーパーホルダー４の材質は特に限定されない
が、通常は合成樹脂である。

実施例 つぎに、この考案の実施例について図面を基に
具体的に説明する。

第１図および第２図において、ペーパーホルダ
ー４は、合成樹脂製であつて、上方から見てコ字
状のホルダー本体７と、これの左右両側壁８にそ
れぞれ内方突出状に設けられた左右一対のロール
掛止め用のフツク９と、ホルダー本体７の後部上
端に枢着されたカバー板２とよりなる。

両側壁８にはそれぞれフツク収納用のケース１
０が組込まれており、左右一対のフツク９が各下
端部においてケース１０の下端部に枢着されてい
る。そしてフツク９は、これらに力を作用しない
状態ではフツク９とケース１０の間に介在された
バネの付勢力によつて横倒されて内方突出状に水
平位置を保つが、上向きの押力によつて起立させ
られてそれぞれケース１０内に収まるように構成
されている。したがつて、ロール状ペーパーＰを
ホルダー本体７の両側壁８の間に下から上向きに
配すると、これによつて左右のフツク９が押し上
げられて起立させられ、ついでバネの付勢力によ
つて円筒状巻芯にはまり込むように横倒し、水平
位置を保つ。こうしてペーパーホルダー４にロー
ル状ペーパーＰが保持される。

カバー板２は、紙引出し用の長孔１を有しかつ
前縁に紙切り部１１を有する水平部１２と、これ
の前端寄りに横断面円弧部１３を介して下方延長
状に設けられた紙隠し用の垂下部１４とよりな
る。

長孔１は水平部１２のやや前寄りに形成せら
れ、その長さはペーパーＰの幅より若干長くなさ
れている。

カバー板２の裏面の左右両側部には、その幅方
向にそれぞれ補強リブ３が設けられている。補強
リブ３の各内側には、第２図中に破線Ａで示すよ
うに、内方斜め下方を向くロール案内用の傾斜面
６を有する横断面台形のガイド部１５がそれぞれ
設けられている。したがつて補強リブ３の肉厚
は、第２図と第５図の比較から明らかなように、
従来のペーパーホルダー５４の補強リブ５３のそ
れに比べて厚くなされている。そして補強リブ３
の各内側面５は長孔１の各端縁１ａにそれぞれ合
致せしめられ、したがつて傾斜面６の上端が端縁
１ａに合致せしめられている。

ロール掛止め用の左右一対のフツク９の各上面
には、先端方向に下り勾配のロール案内用の傾斜
面９ａと、これの下端からフツク９の先端に至る
水平のロール受け部９ｂとがそれぞれ設けられて
いる。そしてロール受け部９ｂの基端がカバー板
２の長孔１の端縁１ａに合致するように位置せし
められている。

第３図はこの考案の変形例を示すもので、この
例では補強リブ３の内側には、同図中に破線Ｃで
示すように、横断面直角三角形のガイド部１５が
設けられている。そしてガイド部１５の傾斜面６
の上端がやはり長孔１の端縁１ａに合致せしめら
れている。

なお、上記実施例および変形例では、ガイド部
１５は傾斜面６を有するものであるが、ガイド部
は内方斜め下方を向く緩やかな弧面を有するもの
であつてもよい。

考案の効果 この考案のシートロールホルダーによれば、こ
れら補強リブ３の各内側下端部にロール案内用の
傾斜面６を有するガイド部１５がそれぞれ設けら
れ、これら傾斜面６の上端が長孔１の各端縁１ａ
にそれぞれ合致せしめられているので、第２図に
破線Ｂで示すように片方の補強リブ３の方へ片寄
つているロール状ペーパーＰは、その一端肩部に
ガイド部１５の傾斜面６が当接してカバー板２の
荷重が及ぼされることによつて、第２図に実線で
示すように長孔１に合致する正規の位置に案内さ
れる。したがつて、このように長孔１の位置に合
致させられたロール状ペーパーＰは、その先端を
長孔１から引出しても、冒頭で述べた従来のペー
パーホルダーの場合のように、側部P₁が長孔１
の端縁に引つ掛かつて破れるおそれが全くない。
こうしてこの考案によれば、紙の引出し時にその
側部が破れるのを確実に防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示すペーパーホル
ダーの斜視図、第２図は第１図中の−線に沿
う拡大断面図、第３図はこの考案の変形例を示す
第２図相当の拡大断面図、第４図は従来のペーパ
ーホルダーを示す平面図、第５図は第４図中の
−線に沿う拡大断面図である。 １……長孔、１ａ……端縁、２……カバー板、
３……補強リブ、４……ペーパーホルダー、５…
…内側面、６……傾斜面、７……ホルダー本体、
８……側壁、９……フツク、１０……ケース、１
１……紙切り部、１５……ガイド部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 紙引出し用の長孔１を有するカバー板２の裏面
   の左右両側にそれぞれ補強リブ３が設けられてい
   るホルダー４において、これら補強リブ３の各内
   側面に内方斜め下方を向くロール案内用の傾斜面
   ６ないし弧面を有するガイド部１５がそれぞれ設
   けられ、これら傾斜面６ないし弧面の上端が長孔
   １の各端縁１ａにそれぞれ合致せしめられている
   ことを特徴とする、シートロールホルダーにおけ
   る紙の破れ防止構造。