JPH0337375B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 この発明は、屋内電気配線で電線を保護するた
めに用いられる配線モール用フレキシブルカバー
に関する。

〔背景技術〕

配線モールは造営材に密着させて取りつけるの
で、使用場所に適した形状や寸法のものが必要と
なるが、どんな構造にも対応できるような点数の
配線モールを揃えることは、生産コストの面から
みて高価に付く。特に、出角、入角などは、現場
によつて構造が様々であるので、どのような部分
にも取り付けられる部材は揃えることができない
と言つてよい。

従来ある硬質の配線モールだけでは、柱を乗り
越えたり、段差のある面には対応できなかつた。
さらに、電線が高低差を持つて屈曲する部分を保
護できる硬質配線モールはなかつた。そのため、
従来、このような部分では電線が露出するので、
外観を損なつた。

そこで、電線の屈曲部分等を覆うために、中央
に屈曲可能な可撓部、両端に配線モール用ベース
の受け部に連結する固定部を有するフレキシブル
カバーなるものが案出された。しかし、このもの
は、可撓部を構成する軟質樹脂層と固定部を構成
する硬質樹脂層がはがれやすく、屋内の美観を損
ねるという問題があつた。

〔発明の目的〕

この発明は、このような問題を解決するために
なされたものであつて、段差があつたり、屈曲し
ている電線を覆うことのできる配線モール用フレ
キシブルカバーで、可撓部と固定部がはがれたり
しないものを供給することをその目的とする。

〔発明の開示〕

前記のような目的を達成するために、この発明
は、屋内電気配線で電線を保護するために用いら
れる配線モール用フレキシブルカバーであつて、
全長にわたり軟質樹脂で形成され、中間を屈曲可
能な可撓部、両端をベースの受け部に連結される
固定部とし、前記固定部が外側に前記軟質樹脂
層、内側に硬質樹脂層の二重構造となつていて、
これらの２層がインサート成形により一体化され
ていることを特徴とする配線モール用フレキシブ
ルカバーをその要旨とする。

以下に、この発明を、その一実施例をあらわす
図面とともに説明する。

第１図にみるように、この発明にかかる配線モ
ール用フレキシブルカバー６は、段差のある造営
面Ｘ上において、コンセント２０から屈曲して配
置されている電線Ｗの、丁度段にあたる部分を覆
うものである。平面上の電線は配線モール１のベ
ース２上に配置されている。ベース２上には、受
け部４が形成されていて、この受け部に嵌合され
たカバー３で電線を覆うようになつているのであ
る。フレキシブルカバー６は断面コ字形で、中間
部を可撓部７とし、その両端に配線モールと連結
する固定部１０を有している。第２図にみるよう
に、固定部１０は外側に可撓部７につながる外層
９と、内側に固定板１２を有する。固定板１２に
は、第３図ａ〜ｃにみるように、天面１３および
側面１４にそれぞれ開口部たる穴１３ａおよびＵ
字形の切欠き１４ａが設けられている。第３図ｂ
はａのＡ−A′断面図、第３図ｃはａのＢ矢視図
であるが、図にみるように、穴１３ａ、切欠き１
４ａは途中で段がつき内側の方が一回り大きくな
る形状となつている。さらに、側面１４の内壁の
切欠き１４ａ間には、突条１１が設けられてい
る。

フレキシブルカバー６は、インサート成形によ
つて得られる。まず、固定板１２を硬質塩化ビニ
ル樹脂で形成した後、軟質塩化ビニル樹脂で可撓
部および外層を形成するが、この時、軟質塩化ビ
ニル樹脂は固定板１２に設けられた穴１３ａおよ
び切欠き１４ａに充填される。軟質塩化ビニル樹
脂は、さらに、切欠き１４ａより内側に注入さ
れ、固定板１２の突条１１を連続して形成するよ
うになつている。第４図は突条の長手方向に沿つ
て固定部を真横に切つた、第２図のＣ−C′断面図
であるが、第２図および第４図にみるように、外
層９と固定板１２は鉤状に接している。

このようにして得られたフレキシブルカバー６
を第１図にみるように、コンセントの入線部の配
線モール受け部４および段上の配線モール受け部
４と嵌合させるが、カバー固定部１０の内壁に設
けられた突条１１が受け部４を側面から押圧する
ので、カバー６は配線モール１にしつかり固定さ
れる。フレキシブルカバーの可撓部にはフレキシ
ブルカバーを造営面に固定するモール受け部がな
いので、両面テープ５でフレキシブルカバー可撓
部７を電線Ｗに接着することにより、固定され
る。

上記実施例では、開口部の形状が内側で一回り
大きくなつているので、外側の硬質塩化ビニル樹
脂層と内側の軟質塩化ビニル樹脂層が鉤状に接合
し、はがれたりしない。

第５図は別の実施例で用いられる固定板１２′
をあらわす。固定板１２′は天面１３に凹み１５
が形成され、その中に開口部たる、貫通する複数
個の穴１３ｂがさらに形成されている。また、側
面１４に凹み１６が、その中に開口部たる穴１４
ｂが、側面の両角部には開口部たる切欠き１７が
形成されている。このような固定板１２′を用い
てフレキシブルカバーを形成すると、複数の穴１
３ｂより入り込んだ樹脂は、凹み１５内で互いに
つながり、その断面は第６図にみるようになる。
一方、固定板１２′と外層９は穴１４ｂの縦断面
でみると、第７図ａ，ｂのようになつており、側
面の穴１４ｂ、切欠き１７から入り込んだ樹脂
は、互いに固定板内側でつながつて突条１１の一
部を連続的に形成している。

この実施例では、固定板の外側に形成される軟
質塩化ビニル樹脂層が硬質塩化ビニル樹脂層に形
成された開口部を通り内側で互いにつながつてい
るので、固定部を切断しないかぎり硬質塩化ビニ
ル樹脂層と軟質塩化ビニル樹脂層がはがれてしま
うことがない。

この発明にかかる配線モール用フレキシブルカ
バーは以上のように構成されているので、段差が
あつたり、屈曲している部分の電線を覆うことが
でき、固定部において、外側の軟質樹脂層と内側
の硬質樹脂層がはがれてしまうこともない。ま
た、このフレキシブルカバーは、インサート成形
により簡単に得られる。

この発明にかかる配線モール用フレキシブルカ
バーの構成は、前記実施例のごときものに限られ
ない。樹脂は塩化ビニル樹脂に限られない。フレ
キシブルカバーに設けられる開口部の形状、位
置、大きさは、前記実施例に限られない。しか
し、外側の軟質樹脂層を硬質樹脂層の内側でつな
がるようにするには開口部は少なくとも２つ必要
である。

〔発明の効果〕

この発明は、以上のように構成されているの
で、段差があつたり、曲がつていたりする電線で
もカバーすることができ、可撓部および固定部外
側を形成する軟質樹脂層と固定部内側を形成する
硬質樹脂層がはがれたりすることがないので、屋
内の美観を損ねない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明にかかる配線モール用フレキ
シブルカバーを用いて電線を覆う様子を示す分解
斜視図、第２図は同じく配線モール用フレキシブ
ルカバーの一部断面図、第３図ａ〜ｃは固定板の
それぞれ斜視図、第３図ａのＡ−A′断面図、第
３図ａのＢ矢視図、第４図は第２図のＣ−C′断面
図、第５図は別の実施例にかかる固定板の斜視
図、第６図は同じく配線モール用フレキシブルカ
バーの一部断面図、第７図ａ，ｂは同じく固定部
の一部を切り欠いた斜視図および断面図である。 １……配線モール、２……ベース、４……受け
部、６……配線モール用フレキシブルカバー、７
……可撓部、９……外層、１０……固定部、１
２，１２′……固定板、１３ａ，１３ｂ，１４ａ，
１４ｂ，１７……開口部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 屋内電気配線で電線を保護するために用いら
   れる配線モール用フレキシブルカバーであつて、
   全長にわたり軟質樹脂で形成され、中間を屈曲可
   能な可撓部、両端をベースの受け部に連結される
   固定部とし、前記固定部が外側に前記軟質樹脂
   層、内側に硬質樹脂層の二重構造となつていて、
   これらの２層がインサート成形により一体化され
   ていることを特徴とする配線モール用フレキシブ
   ルカバー。 ２ 硬質樹脂層には、途中で段がつき内側の方が
   一回り大きくなつている形状の開口部が設けられ
   ていて、この開口部に軟質樹脂層から食みだした
   部分が充填されている特許請求の範囲第１項記載
   の配線モール用フレキシブルカバー。 ３ 硬質樹脂層には複数の開口部が設けられてい
   て、軟質樹脂層から食みだした部分がこれらの開
   口部に入り込み、硬質樹脂層内側でつながつてい
   る特許請求の範囲第１項記載の配線モール用フレ
   キシブルカバー。