JPH0337073A - 抗血栓性医療材料およびその製法 - Google Patents

抗血栓性医療材料およびその製法

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JPH0337073A
JPH0337073A JP1173187A JP17318789A JPH0337073A JP H0337073 A JPH0337073 A JP H0337073A JP 1173187 A JP1173187 A JP 1173187A JP 17318789 A JP17318789 A JP 17318789A JP H0337073 A JPH0337073 A JP H0337073A
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JP1173187A
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Noboru Saito
昇 齋藤
Nobuyoshi Kashiwagi
延好 柏木
Masatomi Sasaki
正富 佐々木
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は抗血栓性材料およびその製法に関する。
〈従来の技術〉 ポリ塩化ビニルは優れた物性とその安価さの故に成形用
材料として広く利用されているが、医療用材料として要
求される抗血栓性に劣り、これを血液と接触する人工肺
、カテーテル、血液回路、シャントなどの医療用器具と
して用いた場合、血栓が形成され、血流の停止が起こり
合併症の原因となる危険性がある。 従って血栓が形成
されない材料でポリ塩化ビニル表面を被覆するか、また
はヘパリンなどの抗凝血剤をポリ塩化ビニル表面に結合
するなどの試みが種々なされている。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかし、従来のミクロ相分離構造による抗血栓性材料は
ポリ塩化ビニルとの相溶性が悪いためにひび割れを生じ
易く、曲げ応力のかかった場合は剥離し易いうえ、軟質
ポリ塩化ビニル表面へのコーティングは可塑剤のコーテ
ィング層への移行により本来のミクロ相分離構造を有さ
なくなるため抗血栓性に劣るという欠点がある。
またヘパリン結合材料については、カチオン界面活性剤
のbenZalkoniumにイオン結合によってヘパ
リンを結合させる方法などが開示されているが、ヘパリ
ンとの結合が弱いため血液中にヘパリンが急速に放出さ
れるので、抗血栓性が急激に失われる。 そこで長期に
わたって抗血栓性を保たせるため、ポリマーのマトリッ
クス中にヘパリンをイオン結合させたヘパリン化親水性
ポリマー(特開昭57−14358)が開発され、長期
間ヘパリン溶出量を一定に保つことができ、長期にわた
って抗血栓性を保持できるようになったが、溶出ヘパリ
ンによる異常出血、副作用の懸念がある。
したがって、本発明の目的は、上述した従来技術の問題
点を解消し、ヘパリンの抗凝血作用により長期間に亙り
安定した抗血栓性を保持する抗血栓性材料およびその製
法を提供することにある。
く課題を解決するための手段〉 本発明の第1の態様によれば、ヘパリンと、官能基が導
入されたポリ塩化ビニル変性体とが、共有結合により結
合してなることを特徴とする抗血栓性医療材料が提供さ
れる。
また前記ポリ塩化ビニル変性体とヘパリンとの結合が、
カップリング剤を介して共有結合してなるものが好まし
い。
本発明の第2の態様社よれば、前記抗血栓性材料を製造
するにあたり、ヘパリンと官能基が導入されたポリ塩化
ビニル変性体とを、共有結合により結合させることを特
徴とする抗血栓性医療材料の製法が提供される。
また前記ポリ塩化ビニル変性体とヘパリンとの結合が、
カップリング剤を介して共有結合させるもので、ヘパリ
ンの官能基とカップリング剤の官能基を共有結合させて
ヘパリン誘導体を得た後、残余のカップリング剤の官能
基とポリ塩化ビニル変性体の官能基とを共有結合させる
のが好ましい。
本発明の第3の!!!4様によれば、血液と接触する部
分を有する医療用器具において、血液と接触する部分の
表面の少なくとも一部が前記抗血栓性材料で構成されて
いることを特徴とする医療用器具が提供される。
また前記血液と接触する部分の基材が前記官能基を有す
るポリ塩化ビニル変性体と共通溶媒をもつ樹脂からなる
のが好ましい。
本発明の第4の態様によれば、前記医療用器具を製造す
るにあたり、官能基が導入されたポリ塩化ビニル変性体
とヘパリンとの共有結合と、該官能基が導入されたポリ
塩化ビニル変性体の医療用器具の血液と接触する部分の
表面の少なぐとも一部への被着とを任意の順序で行うこ
とを特徴とする医療用器具の製法が提供される。
以下に本発明の詳細な説明する。
本発明の抗血栓性材料は、ヘパリンと官能基が導入され
たポリ塩化ビニル変性体とが直接、あるいはカップリン
グ剤を介して、共有結合により結合されているものであ
る。
本発明に用いるポリ塩化ビニル変性体は、ヘパリンの官
能基またはカップリング剤のエポキシ基、アルデヒド基
、カルボキシル基等の官能器と反応する官能基が導入さ
れたものであり、導入される官能基としては水酸基、ア
ミノ基、カルボキシル基、チオール基、あるいはエポキ
シ基等がある。
以下にポリ塩化ビニル変成体にアミノ基、エポキシ基を
導入する方法を例示する。
アミン基を有するポリ塩化ビニル変性体はポリ塩化ビニ
ルと低分子試剤との反応による高分子反応によって合成
することができ、また、塩化ビニルモノマーとアミノ基
への変換が可能な官能基を有するモノマーとの共重合反
応によっても合成することができる。
ポリ塩化ビニルと低分子試剤との高分子反応によるアミ
ノ基を有するポリ塩化ビニル変性体の合成法としては、
従来公知の技術(大河原信編、高分子反応、共立出版、
1978、など)が使用できる。 その例としては次式
%式% 等で表されるポリ塩化ビニルと低分子試剤との反応があ
る。
このアミノ基のポリ塩化ビニルへの導入の割合は高分子
反応の条件を変えることにより任意に変えることができ
、従ってヘパリンの結合量を調整できる。 第2図にそ
の具体例として、ポリ塩化ビニルとアジ化ナトリウムの
反応時間とアジド基導入率の関係を示す。 これにより
任意にアミノ基の導入率を変えたポリ塩化ビニルを合成
でき、すなわちヘパリン結合量を任意に変化させること
ができる。 アミノ基の導入割合は80mo1%以下、
好ましくは0.05〜40moJ2%、さらに好ましく
は5〜20mof1%である。 導入割合が80mo1
%より多いと、ポリ塩化ビニル変性体の親水性が高くな
ってしまい、変性体の回収率の低下あるいは回収不能と
なる可能性があるので好ましくない。
また塩化ビニルモノマーと、アミノ基への変換可能な官
能基を有するモノマーとの共重合反応によるアミノ基を
有するポリ塩化ビニル変性体の合成法としては、従来公
知の技術が使用できる。  その例として次式 %式% で表される塩化ビニルモノマーとN−アセチルビニルア
ミンモノマーとの共重合反応、それに続く変換反応等が
ある。 このアミノ基の割合は共重合反応Cおけるモノ
マー組成を変えることにより任意に変えることができ、
したがってヘパリンの結合量を調整できるが、好ましい
モノマー組成は塩化ビニルモノマーが20mai1%以
上、好ましくは60〜99.5moJ2%、さらに好ま
しくは80〜95mo11%である。  20moI1
%未満ではポリ塩化ビニル変性体の親水性が高くなって
しまい、変性体の回収率の低下、あるいは回収の不能と
なる可能性があるので好ましくない。
またポリ塩化ビニルにエポキシ基を導入する方法として
は例えば、次式で表わされるポリ塩化ビニルの部分脱塩
酸後の過酢酸によるエポキシ化反応により合成される。
Cl3         0 このエポキシ基の割合は、0.05〜40no1%、さ
らに好ましくは5〜20moIL%とするのがよい。
前記官能基が導入されたポリ塩イヒビニル変性体は、ヘ
パリンと直接、またはヘパリン誘導体と共有結合する。
ヘパリンとは、エステル状に結合した硫酸を含む多糖類
の一種であり、アミノ基、水酸基、カルボキシル基等の
官能基を有する。
また、ヘパリン誘導体とはヘパリンと2個以上のエポキ
シ基、アルデヒド基、カルボキシル基等の官能基を有す
る化合物との反応生成物であって、ヘパリンのアミノ基
等の官能基と前記化合物のエポキシ基、アルデヒド基等
の官能基とが結合し、かつ反応生成物中に未反応のエポ
キシ基、アルデヒド基、カルボキシル基等の官能基が残
存しているものである。 例えばエポキシ基を有するヘ
パリン誘導体は、ヘパリンと2個以上のエポキシ基を有
するエポキシ化合物をpH7以上の液体中で反応させる
ことによって得られる。 この2個以上のエポキシ基を
有するエポキシ化合物は、好ましくは1.4−ブタンジ
オールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール
ジグリシジルエーテルである。
また、本発明においてカップリング剤とは、官能基が導
入されたポリ塩化ビニル変性体の官能基と共有結合しつ
る官能基およびヘパリンの官能基と共有結合しつる官能
基を有する化合物をいい、そのようなカップリング剤と
してはジアルデヒド類やジ(またはポリ)グリシジルエ
ーテル類、ジ(またはポリ)カルボキシル類等が挙げら
れる。
本発明の抗血栓性材料はこれらの材料を用いて、以下の
方法によって共有結合される。
すなわち、官能基が導入されたポリ塩化ビニル変性体と
ヘパリンとが直接またはカップリング剤を介して、共有
結合する方法として、■アミノ基等、ヘパリンのカルボ
キシル基と反応しつる官能基が導入されたポリ塩化ビニ
ル変性体とヘパリンのカルボキシル基を共有結合する方
法、■エポキシ基等、ヘパリンのアよノ酸または水酸基
と反応しつる官能基が導入されたポリ塩化ビニル変性体
とヘパリンのアミノ基または水酸基を共有結合する方法
、■アミノ基、チオール基、カルボキシル基、水酸基、
などの官能基が導入されたポリ塩化ビニル変性体とヘパ
リンの水酸基、アミノ基をカップリング剤を用いて共有
結合する方法等がある。 カップリング剤を用いた共有
結合をおこなう場合は、先にヘパリンの官能基とカップ
リング剤を共有結合させヘパリン誘導体とした後、残余
のカップリング剤の官能基とポリ塩化ビニル変性体の官
能基とを共有結合させることがヘパリンの抗凝血活性を
保持する点から好ましい。
前記■のアミノ基等、ヘパリンのカルボキシル基と反応
しうる官能基が導入されたポリ塩化ビニル変性体とヘパ
リンのカルボキシル基を共有結合させるには、例えば前
記ヘパリンに、l−エチル−3(3−ジメチルアミノプ
ロピル)カルボジイミド(EDC)、ジシクロへキシル
カルボジイミド塩酸塩等の脱水縮合剤、溶媒として水、
親水性混合溶媒等を併用してヘパリン溶液とし、前記ポ
リ塩化ビニル変性体に前記ヘパリン溶液を接触させれば
良い。
また、■のエポキシ基等、ヘパリンのアミノ基または水
酸基と反応しつる官能基が導入されたポリ塩化ビニル変
性体とヘパリンのアミノ基または水酸基を共有結合させ
るには、例えば■の方法と同様、前記ポリ塩化ビニル変
性体に前記ヘパリンを直接、あるいはアルカリ、三級ア
ミン類等の塩基性溶媒と共に、溶媒として水または親水
性混合溶媒を用いて液状とし、前記へバリン溶液を接触
させれば良い。
■のアよノ基、チオール基、カルボキシル基、水酸基等
の官能基が導入されたポリ塩化ビニル変性体と、ヘパリ
ンの水酸基、アミン基とをカップリング剤を用いて共有
結合させるには、例えば、はじめにカップリング剤の官
能基とポリ塩化ビニル変性体の官能基とを結合させてか
らカップリング剤の残余の官能基とヘパリンの官能基と
を共有結合させてるか、これとは逆に上記カップリング
剤の官能基とヘパリンの官能基とを結合させ、ヘパリン
誘導体とした後、残余の上記カップリング剤の官能基と
、官能基が導入されたポリ塩化ビニル変性体とを共有結
合させてもよい。
尚、上述した反応は、■の場合、pH3〜6とし、さら
に好ましくはpH4〜5とするのがよい。  pH3未
満ではヘパリン分子中のスルホアミノ基が破壊され、ヘ
パリンのもつ抗血栓性が示されなくなる可能性がある。
  pH6超では縮合反応が起こりにくくなる。 また
、反応時間はpHや反応温度等の他の反応条件によって
異なるが、一般に30分間ないし10日間である。 特
にpH4,75、室温では6時間〜3日間が好ましい。
■の場合、pH3〜pH13とし、さらに好ましくはp
H9〜10とするのがよい。 pH3未満ではヘパリン
分子中のスルホアミノ基が破壊され、ヘパリンのもつ抗
血栓性が示されなく 1する可能性がある。  pH1
3超ではヘパリンの変性あるいは結合部位が加水分解さ
れる可能性がある。 また、反応時間はpHや反応温度
等の他の反応条件によって異なるが一般に30分間ない
し10日間である。 特にpH9,0、室温では1〜5
日間が好ましい。
また■の場合、pH3〜pH13とし、ヘパリン誘導体
のエポキシ基を用いてポリ塩化ビニル変性体に結合する
場合、さらC好ましくはpH3〜6とし、特に好ましく
はpH4〜5とするのがよい。  pH3未満ではヘパ
リン分子中のスルホアミノ基が破壊され、ヘパリンのも
つ抗血栓性が示されなくなる可能性がある。
pH13超ではヘパリンの変性あるいはエポキシ基の自
己付加反応が起こり易くなる。 また、反応時間はpH
や反応温度等の他の反応条件によって異なるが一般に3
0分間ないし10日間である。 特にpH4,5,45
℃では6時間〜5日間、特に好ましくは1〜3日間であ
る。
次に血液と接触する部分を有する医療用器具において、
前述した抗血栓性材料を用いて、血液と接触する部分の
表面の少なくとも一部が、上記の抗血栓性材料から構成
されている医療用器具について説明する。
この医療用器具の製法は種々あるが、前記抗血栓性材料
を成形物として利用する場合には官能基が導入されたポ
リ塩化ビニル変性体を、必要であれば他の樹脂・添加剤
と共に押し出し、射出成形、または溶液からのキャスト
成形、適当な凝固浴を用いる湿式成形等により成形物を
得た後、ヘパリンと直接またはカップリング剤を介して
9共有路合せしめる方法がある。
また、官能基を有するポリ塩化ビニル変性体と共通溶媒
を有する樹脂からなる医療用成形物を成形し、その血液
と接触する部分の、表面の少なくとも一部に、官能基を
有するポリ塩化ビニル変性体の溶液をコーティングし、
さらにヘパリンと直接、またはカップリング剤を介して
共有結合せしめる方法もある。
このとき、上記抗血栓性材料は、官能基を有するポリ塩
化ビニル変性体と共通溶媒を有する樹脂からなる医療用
成形物基材に用いると、相溶性に優れ、接着性が良く、
ひび割れ、剥離の煉いヘパリン結合層が形成された医療
用器具を得ることができる。
この様な官能基を有するポリ塩化ビニル変性体と共通溶
媒を有する樹脂としては、ポリ塩化ビニルの他、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重
合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化
ビニル−ウレタン共重合体、ポリ塩化ビニルーアクリロ
ニトリル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸メチル共
重合体、および上記ポリマーと可塑性とからなる軟質塩
化ビニル系樹脂、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポ
リスチレン、アクリロニトリル−ブタジェン−スチレン
(ABS)  アクリロニトリル−スチレン樹脂、ポリ
メタクリル酸メチルなどがある。
医療用器具の製法においては、前述の抗血栓性材料に用
いるポリ塩化ビニル変性体と共通溶媒を有する樹脂を成
形し、その上にポリ塩化ビニル変性体およびヘパリンを
塗布および/または含浸等により接触させ、共有結合さ
せるのがよい。 またこのときカップリング剤と、前記
ポリ塩化ビニル変性体および/またはヘパリンとを共有
結合させたものを用いてもよい。
あるいはポリ塩化ビニル変性体はシート状に加工したも
のを用い、前記樹脂の成形体に貼ってもよい。
このようにして得られた抗血栓性材料表面は基材医療成
形物の形状・物性を維持しながら長期に安定した抗血栓
性を有し、血管内留置カデーテル、血液回路、血液濾過
器、血漿分離器のような血液と接触するような医療用具
の材料として好適に使用される。
〈実施例〉 以下に実施例によって本発明を説明するが、本発明はこ
れによって限定されるものではない。
(実施例1) (1)アミノ基が導入されたポリ塩化ビニル変性体の合
成 ポリ塩化ビニル(重合度1000)20gをN、N−ジ
メチルホルムアミド400mnに溶解し、20gのアジ
化ナトリウムを添加し、60℃で2時間反応せしめ、水
に再沈後メタノールで洗浄し、乾燥することによりアジ
ド化ポリ塩化ビニルを得た。
このアジド化ポリ塩化ビニル20gをテトラヒドロフラ
ン660mfに溶解し、水素化リチウムアルミニウム8
gを添加し、窒素雰囲気下60℃で2時間反応せしめ、
反応終了後、水160muを徐々に加えて残存する水素
化リチウムアルミニウムを分解し、無機塩を濾過・分離
した。
濾7夜を濃縮し、多量の水中に注いでポリマーを沈殿さ
せ水洗後乾燥することによりアミノ化ポリ塩化ビニル塩
酸塩を得た。
このアミノ化ポリ塩化ビニル塩酸塩をテトラヒドロフラ
ンに溶解し、O,0OINN aOHOH水溶心中沈殿
し、ヘキサン−メタノールd合格媒中で洗浄・真空乾燥
する。
この重合体の組成は元素分析の結果、塩化ビニル81.
6moI1.%、ビニルアミン18.4mai1%であ
った。 すなわち塩化ビニルの塩素の18.4moj2
%がアミノ基に置換されたものであった。 また、第1
図に赤外吸収スペクトルを示す。
また、炎光分析、tcp発光分析によりアミノ化ポリ塩
化ビニル変性体中にはリチウムが0.2ppm以下、ア
ルミニウムがtppm以下であり、精製が十分行われて
いることがわかった。
(2)抗血栓性材料の製造 (1)で得られたアジド化ポリ塩化ビニル変性体をテト
ラヒドロフランに溶解した5重量%溶液をキャスティン
グにてシート状のアミン化塩化ビニル成形物を得た。
次に0.5gのヘパリンを15mj2の蒸留水に溶解し
、これに0.24gの1−エチル−3(3−ジメチルア
ミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)を10
mj2の蒸留水に溶解したものを4℃、pH4,75に
おいて6時間かけて滴下した。 このヘパリン水溶液中
に上述のキャスティングシートを25℃、24時間浸漬
することによりアよノ化ポリ塩化ビニル変性体のアミノ
基とヘパリンのカルボキシル基を、直接、共有結合させ
た。 次いで生理食塩水により洗浄することにより未共
有結合のヘパリンを除去し、乾燥した。
該シートのヘパリン誘導体結合層のヘパリンに由来する
硫黄の量をX線光電子分光法(ESCA :日本電子製
JPS90SX)により測定したところ、2.56原子
moJ2.%であった。
(実施例2) (1)実施例1の(1)で得られたアミノ基が導入され
たポリ塩化ビニル変性体をテトラビトロフランに溶解し
た5重量%溶液からキャスティングにてシート状の成型
物を得た。
(2)ヘパリンの官能基とカップリング剤を共有結合さ
せたヘパリン誘導体の合成 ポリ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル(分
子量1100)0.444gを10mjZの水に溶解さ
せ、これにヘパリンナトリウム1.0gを加え均一に溶
解させた後、0、INの水酸化ナトリウム溶凛で反応溶
液のPHを9.0e調製した。  この溶液を室温で5
日間攪拌反応させ、さらに0.INの硫酸でpHを7.
0に調製した。 未反応ポリ(エチレングリコール)ジ
グリシジルエーテルを除くためCクロロホルム10mj
Zを加え攪拌後、3200rpmで30分遠心分離器に
かけ、ヘパリン誘導体水溶液を得た。
(3)抗血栓性材料の製造 (1)で得られたシートを(2)で得られたヘパリン誘
導体の0.2重量%水溶液中に浸漬、0.IN硫酸によ
りpHを4.5に調製し45℃、3日間反応させること
によりアミノ基が導入されたポリ塩化ビニル変性体のア
ミノ基とヘパリンのアミノ基とをポリエチレングリコー
ル鎖を有するカップリング剤で共有結合した。 次いで
生理食塩水により洗浄することにより未共有結合ヘパリ
ン誘導体を除去し、乾燥した。
該シートのヘパリン誘導体結合層のヘパリンに由来する
硫黄の量をxPA光電子分光法(ESCA:日木電子製
JPS90SX)により測定したところ1.75原子m
oIL%であった。
(実施例3) (1)抗血栓性材料を備えた医療用器具の製造 実施例1の(1)で得られたアミン基が導入されたポリ
塩化ビニル変性体をテトラビトロフランの3重量%溶液
とし、軟質ポリ塩化ビニル製のシート(可塑剤ニジエチ
ルへキシルフタレート含有率45部)の内面および外面
にディッピングによりコーティングを施し、40℃、2
4hrの真空乾燥にて乾燥した。
該ポリ塩化ビニルのシートを実施例2の(2)で得られ
たヘパリン誘導体の0.2重量%水溶液中に浸漬、0.
IN硫酸によりPHを4.5に調製し45℃、3日間反
応させた。
次いで生理食塩水により洗浄することにより、未共有結
合ヘパリン誘導体を除去し、乾燥した。
該シートのヘパリン誘導体結合層のヘパリンに由来する
硫黄の量をX線光電子分光法(ESCA:日本電子製J
PS90SX)により測定したところ1.21原子mO
角%であった。
(実施°例4) (1)抗血栓性を備えた医療用器具の製造実施例1の(
1)で得られたアミノ基が導入されたポリ塩化ビニル変
性体をテトラビトロフランの3重量%溶液とし、軟質ポ
リ塩化ビニル製のチューブ(内径1.4mm、長さ20
0mm)にコーティングを行い、実施例3と同様の方法
でヘパリン誘導体を結合した。
該チューブの抗血栓性をChandlerの回転チュー
ブ法により評価した。 該チューブに兎静脈から採血し
た新鮮な血液を注入し、該チューブをシリコンチューブ
で接続した後、毎分8回の速度で回転させ血栓が形成し
閉塞するまでの時間を測定したところ、90分の回転に
おいても血栓は形成されず閉塞することはなかった。
(比較例〉 実施例4で用いた軟質ポリ塩化ビニル製のチューブに本
発明の処理を施さず、そのまま実施例4と同様にCha
ndlerの回転チューブ法に従い血栓が形成し閉塞す
るまでの時間を測定したところ、6〜9分であった。
〈発明の効果〉 本発明の抗血栓性医療材料は、官能基が導入されたポリ
塩化ビニル変性体により基材との接着性に優れ、これに
結合したヘパリンの抗凝血活性により長期にわたって抗
血栓性を示す。
また本発明の抗血栓性材料を用いた医療用材料はヘパリ
ンの溶出がないので異常出血、副作用などがなく、血管
内留置カテーテル、血液回路、血液濾過器、血漿分離器
などの医療用器具として好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1の(1)で得られた本発明のアミ°ノ
基を有するポリ塩化ビニル変性体を示す赤外吸収スペク
トルである。 第2図は本発明のアくノ基を有するポリ塩化ビニル変性
体の合成法としてポリ塩化ビニルとアジ化ナトリウムの
高分子反応を用いた場合の反応時間とアジド基導入率の
関係を示したグラフである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ヘパリンと、官能基が導入されたポリ塩化ビニル
    変性体とが、共有結合により結合してなることを特徴と
    する抗血栓性医療材料。
  2. (2)前記ポリ塩化ビニル変性体とヘパリンとの結合が
    、カップリング剤を介して共有結合してなる請求項1に
    記載の抗血栓性医療材料。
  3. (3)請求項1に記載の抗血栓性材料を製造するにあた
    り、ヘパリンと官能基が導入されたポリ塩化ビニル変性
    体とを、共有結合により結合させることを特徴とする抗
    血栓性医療材料の製法。
  4. (4)前記ポリ塩化ビニル変性体とヘパリンとの結合が
    、カップリング剤を介して共有結合させるもので、ヘパ
    リンの官能基とカップリング剤の官能基を共有結合させ
    てヘパリン誘導体を得た後、残余のカップリング剤の官
    能基とポリ塩化ビニル変性体の官能基とを共有結合させ
    る請求項3に記載の抗血栓性材料の製法。
  5. (5)血液と接触する部分を有する医療用器具において
    、血液と接触する部分の表面の少なくとも一部が請求項
    1に記載の抗血栓性材料で構成されていることを特徴と
    する医療用器具。
  6. (6)前記血液と接触する部分の基材が前記官能基を有
    するポリ塩化ビニル変性体と共通溶媒をもつ樹脂からな
    る請求項5に記載の医療用器具。
  7. (7)請求項6に記載の医療用器具を製造するにあたり
    、官能基が導入されたポリ塩化ビニル変性体とヘパリン
    との共有結合と、該官能基が導入されたポリ塩化ビニル
    変性体の医療用器具の血液と接触する部分の表面の少な
    くとも一部への被着とを任意の順序で行うことを特徴と
    する医療用器具の製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008510569A (ja) * 2004-08-23 2008-04-10 ザ・リージェンツ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・ミシガン 血管内装置のための多機能性生体適合性コーティング

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