JPH0336465Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、トラツク用サスペンシヨン組立装置
の改良に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

第１図は、トラツクに一般的に装備される、い
わゆるホチキス駆動と呼ばれるフロント側サスペ
ンシヨン装置を示す。図中、１はトラツクの車体
を構成するフレームであり、このフレーム１に取
付具２ａ，２ｂを介してフロントサスペンシヨン
であるリーフスプリング３が枢着される。なお、
このリーフスプリング３の一端部は上記取付具２
ａに直接枢着され、他端部はジヤツクルリンク４
を介して取付具２ｂに枢着されている。また、リ
ーフスプリング３の略中央部には一対のＵボルト
５，５が介挿され、その下方に向けられたねじ側
端部にはスプリングシート６が図示しないナツト
の締付けにより取着される。このスプリングシー
ト６にはロアアーム７の中途部およびシヨツクア
ブソーバ８の下端部が取付けられる。シヨツクア
ブソーバ８の上端部は上記フレーム１に取着され
てなる。

また、第２図は同じくホチキス駆動の場合のリ
ヤ側サスペンシヨン装置を示す。図中９はヘルパ
スプリングであり、１０はメインスプリングであ
つて、これらでリヤサスペンシヨンを構成する。
互いの両端部は取付具１１，１１および１２，１
２により上記フレーム１に取着される。これらス
プリング９，１０は、その略中央部が互いに重ね
合され、ともに一対のＵボルト１３，１３が介挿
される。Ｕボルト１３，１３の下方に向けられた
ねじ側端部にはアクスル支持具１４がナツト１５
…の締付けにより取付けられ、アクスル支持具１
４にはアクスル１６の端部が取着されてなる。

このようにして、構造が簡単で信頼性が大なる
トラツクのフロント側とリヤ側とのサスペンシヨ
ン装置が構成される。

また、この種サスペンシヨン装置を組立てるに
は、従来、次に述べるようにして行われている。
たとえば、リヤ側サスペンシヨン装置において
は、治具上にＵボルト１３，１３のねじ側端部を
上方に向けて固定し、このＵ型折曲部間にヘル
パ、メイン各スプリング９，１０を上下逆転した
方向に向けて挿入し、さらにねじ側端部にアクス
ル１６を取着したアクスル支持具１４を挿入のう
えナツト１５を螺合して確実に締付け、サブ組を
構成する。なお、サブ組を構成するための一連の
作業は、搬送路とは別の場所で行なう。しかる
後、Ｕボルト１３，１３のねじ側端部が下方に向
くようにサブ組を上下反転し、第２図に示す状態
にして、これを搬送路上に載せる。フロント側の
サスペンシヨン装置においても全く同様であり、
別の場所でサブ組を作り、これを反転してから搬
送路上に載せることとなる。搬送路にて搬送中
に、これらのサブ組上方部位にフレーム１が吊下
げられる。そこで、アタツチメントを用意し、こ
れで上記フレーム１を支持するとともにこの一端
部を持上げ、たとえばフロント側のサブ組をフレ
ーム１に取着する。さらに、アタツチメントを移
動してフレーム１のリヤ側を持上げ、リヤ側のサ
ブ組をフレーム１に取着することにより、各サス
ペンシヨン装置がフレーム１に組付けられること
となる。

ところで、このような組立手段によると、次に
述べるような欠点がある。すなわち、各サブ組の
組立てを搬送路とは別の場所で行うようになつて
いるため、専用のスペースが必要であり、組立後
これらを搬送路まで運搬する手間がかかり作業性
が悪い。さらに、Ｕボルトのねじ側端部を上に向
けた状態で各サブ組を組立てるので、これらを搬
送路に載せる際にはそれぞれねじ側端部が下に向
くよう反転する必要があり、手間がかかる。ま
た、現在搬送路の作業面高さが極めて低く、サブ
組をフレームに取着するのに位置合せがし難いと
ともに作業者は腰を屈めて行わなければならず、
困難な作業を要求されていた。このときにも、各
サブ組を取付けるためにアタツチメントを移動し
てフレームの両端部を順次上下する作業が要求さ
れる。したがつて、従来の組立て手段は多大の工
数を必要とし、コストに悪影響を与えていた。

〔考案の目的〕

本考案は、上記事情に着目してなされたもので
あり、その目的とするところは、組立作業の容易
化を図り、作業性の向上を得るとともに作業スペ
ースの縮小化を得るトラツク用サスペンシヨン組
立装置を提供しようとするものである。

〔考案の概要〕

すなわち本考案は、搬送路の作業面の高さを人
間工学的に最適な高さに形成し、この搬送路に沿
つて搬送される第１の台車に上部から下方に向け
て介挿されたＵボルトのねじ側端部にナツトを緩
く螺合することによりこれを介してロアアームが
仮組されたフロントサスペンシヨンを載置し、こ
の第１の台車と所定間隔を存し上記搬送路に沿つ
て搬送される第２の台車に上部から下方に向けて
挿入されたＵボルトのねじ側端部にナツトを緩く
螺合することによりこれを介してリヤサスペンシ
ヨンが仮組されたアクスルを載置し、これら第１
の台車および第２の台車にそれぞれ近接し搬送路
に沿つて搬送される補助台車にその載置端部が上
記フロントサスペンシヨンおよびリヤサスペンシ
ヨンより高く突出したフレーム受け具を載置し、
この補助台車が上記第１の台車および第２の台車
とともに所定位置に搬送されたとき上記フレーム
受け具にフレームを載置し、このフレームが所定
位置に搬送されたときクレーン機構で上記ロアア
ームおよびアクスルを吊り上げフロントサスペン
シヨンおよびリヤサスペンシヨンを上記フレーム
に組付け作業させ、上記Ｕボルトに螺合するナツ
トを搬送路の下方から多軸ナツトランナによつて
締付け上記クレーン機構の吊り上げによりフレー
ムに組付けられたフロントサスペンシヨンにロア
アームおよびリヤサスペンシヨンにアクスルを取
付固定することを特徴とするトラツク用サスペン
シヨン組立装置である。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面にもとづいて説
明する。第３図は、トラツク用サスペンシヨン組
立装置を示す。図中２０は、作業面高さＨを人間
工学的に最も良い高さに設定したメイン搬送路で
ある。このメイン搬送路２０には、所定間隔を存
して台車組２１ａと２１ｂとが搬送される。上記
台車組２１ａは、第１の台車２２と、この第１の
台車２２の前部に近接するよう連結される補助台
車２３とから構成される。台車組２１ｂは、第２
の台車２４と、この第２の台車２４の前部に近接
するよう連結される補助台車２３とからなる。上
記第１の台車２２には、後述するフロント側のサ
スペンシヨン装置の仮組２５が載置搬送され、第
２の台車２４には、後述するリヤ側のサスペンシ
ヨン装置の仮組２６が載置搬送される。また、各
補助台車２３，２３にはフレーム受け具２７，２
７が載置される。

上記フロント側の仮組２５は、第１図に示す、
ロアアーム７を連結したスプリングシート６上に
リーフスプリング３を載せ、これらに一対のＵボ
ルト５，５を介挿し、このねじ側端部にナツトを
緩く螺合した状態のものである。すなわち、Ｕボ
ルト５，５は上部から下方に向けて介挿される。
リヤ側の仮組２６においても略同様であり、第２
図に示す、アクスル１６の端部にアクスル支持具
１４を嵌合し、これにメインスプリング１０とヘ
ルパスプリング９を載せてからＵボルト１３，１
３を介挿し、このねじ側端部にナツト１５…を緩
く螺合した状態のものである。すなわち、Ｕボル
ト１３，１３は上部から下方に向けて介挿されて
いる。これらの仮組２５，２６を構成する作業
は、作業者がメイン搬送路２０の搬入部におい
て、かつそれぞれの台車２２，２４上において行
う。このとき作業面Ｈは理想高さであるので、作
業し易い。

これら台車組２１ａ，２１ｂが所定位置まで搬
送されると、上記フレーム受け具２７，２７上に
フレーム１が載置される。ただし、このフレーム
受け具２７，２７の載置部である上端部は第１、
第２の台車２２，２４上の仮組２５，２６よりも
上方に突出しているので、ここではフレーム１の
位置は各仮組２５，２６よりも上部にある。

フレーム１を載置したまま台車組２１ａ，２１
ｂが所定位置まで搬送されると、クレーン機構２
８が作動する。このクレーン機構２８は、たとえ
ばホイストクレーンであり、フロント側の仮組２
５のロアアーム７と、リヤ側の仮組２６のアクス
ル１６を順次吊り上げる。したがつて、ロアアー
ム７とともにリーフスプリング５の両端部がフレ
ーム１の高さまで移動することとなり、作業者は
取付具２ａ，２ｂを介してこれらを互いに取付け
る。また、アクスル１６の吊り上げによつてヘル
パスプリング９およびメインスプリング１０の両
端部がフレーム１の高さまで移動することとな
り、作業者は取付具１１，１１，１２，１２を介
してこれらを互いに取付ける。

次に、多軸ナツトランナ２９が台車組２１ａ，
２１ｂの搬送に同期して移動し、タイミングをと
つて下部から上方に向けて作業杆を突出する。フ
ロント側の仮組２５におけるＵボルト５，５端部
と、リヤ側の仮組２６におけるＵボルト１３，１
３端部にそれぞれ係合する。これらの端部には、
フロント側では図示しないナツト、かつリヤ側で
はナツト１５…が緩く螺合した状態にあり、上記
多軸ナツトランナ２９はそれぞれのナツト１５…
に係合して確実に締付ける。したがつて、各仮組
２５，２６はフレーム１に取付けられ、サスペン
シヨン装置Ｓとして完成することになる。

メイン搬送路２０の搬出端部には乗り継ぎ搬送
路３０が連結されていて、台車組２１ａ，２１ｂ
上のサスペンシヨン装置Ｓのみ、乗り継ぎ搬送さ
れる。台車組２１ａ，２１ｂはそのままメイン搬
送路２０のリターン側に沿つて搬送され、再びこ
の搬入側において次のサブ組２５，２６の載置搬
送に供される。上記サスペンシヨン装置Ｓは乗り
継ぎ搬送路３０から、組立搬送路３１に搬出さ
れ、ここでトラツクとしての組立てがなされるこ
ととなる。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、仮組を反
転することなく組立てができるとともに作業者は
無理のない姿勢を保持して作業でき、作業性の簡
素化とともに容易化を図れ、さらにまた作業スペ
ースの縮小を得るなどの効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はフロント側のサスペンシヨン装置の斜
視図、第２図はリヤ側のサスペンシヨン装置の斜
視図、第３図は本考案の一実施例を示すサスペン
シヨン組立装置の概略的構成図である。 ２０……（メイン）搬送路、５……Ｕボルト、
７……ロアアーム、３……フロントサスペンシヨ
ン（リーフスプリング）、２２……第１の台車、
１３……Ｕボルト、１５……ナツト、９，１０…
…リヤサスペンシヨン（ヘルパスプリング、メイ
ンスプリング）、１６……アクスル、２４……第
２の台車、１……フレーム、２３……補助台車、
２８……クレーン機構（ホイストクレーン）、２
９……多軸ナツトランナ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 作業面の高さが人間工学的に最適な高さに形成
   された搬送路と、この搬送路に沿つて搬送され上
   部から下方に向けて介挿されたＵボルトのねじ側
   端部にナツトを緩く螺合することによりこれを介
   してロアアームが仮組されたフロントサスペンシ
   ヨンを載置する第１の台車と、この第１の台車と
   所定間隔を存し上記搬送路に沿つて搬送され上部
   から下方に向けて挿入されたＵボルトのねじ側端
   部にナツトを緩く螺合することによりこれを介し
   てリヤサスペンシヨンが仮組されたアクスルを載
   置する第２の台車と、これら第１の台車および第
   ２の台車にそれぞれ近接し搬送路に沿つて搬送さ
   れその載置端部が上記フロントサスペンシヨンお
   よびリヤサスペンシヨンより高く突出しフレーム
   を載置する補助台車と、上記フレームが所定位置
   に搬送されたとき上記ロアアームおよびアクスル
   を吊り上げて上記フレームに対しフロントサスペ
   ンシヨンおよびリヤサスペンシヨンの組付け作業
   をさせるクレーン機構と、上記Ｕボルトに螺合す
   るナツトを搬送路の下方から締付けフロントサス
   ペンシヨンにロアアームおよびリヤサスペンシヨ
   ンにアクスルを取付固定する多軸ナツトランナと
   からなることを特徴とするトラツク用サスペンシ
   ヨン組立装置。