JPH0335616Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は自動車の天井構造に係り、特に、光
透過性ルーフを備えた自動車の天井構造の改良に
関する。

〔従来の技術〕

従来の自動車の天井構造は、例えば第４図に示
されるように、サンルーフやムーンルーフ等から
構成される光透過性ルーフ１下方に開口２を備え
た天井３と、前記開口２を被覆するサンシエード
４とを備えて構成されている。なお、図中の符号
５は前記天井３の開口２の周縁部を被覆するオー
プニングトリム、６はルーフパネルを示す。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、従来のサンシエード４を備えた
自動車の天井３は、天井３の開口２の端縁とサン
シエード４の端縁とが対向するように配置される
ため、天井３の開口２とサンシエード４との端縁
相互間に間隙が生じ、この間隙から外光が車室内
に侵入するという問題点を有する。

これに対し、第５図に示されるように、天井３
Ａの開口２の周縁部に、取付段部７Ａを凹設し、
この取付段部７Ａにサンシエード８の周縁部８Ａ
を重ねて、サンシエード８を天井３Ａの開口２に
取付けるようにした自動車の天井構造が考えられ
る。前記サンシエード８は、基材８Ｂとこの基材
８Ｂを被覆する表皮８Ｃにより構成されている。

しかしながら、天井３Ａの開口２の周縁部に取
付段部７Ａが形成される自動車の天井構造にあつ
ては、前記サンシエード８の基材８Ｂの周縁部端
面が一般面に対し垂直となり、この基材８Ｂの車
室側角部８Ｄのシヤープエツジとなるため、万一
の衝突事故時に乗員の頭部が天井に当つた場合
に、危険である。

これに対し、第６図に示されるように、前記サ
ンシエード８の基材８Ｂの車室側角部に円弧部８
Ｅを形成する場合には、前記表皮８Ｃが円弧部８
Ｅに沿つて円弧状となるため、サンシエード８の
周縁部８Ａと、天井部３Ｂの開口部２に形成され
た取付段部７Ｂの段差面との間に隙間９が生じ、
この隙間９によりサンシエード８と天井３Ｂとが
不連続となり、且つ、取付段部７Ｂの清掃等のメ
ンテナンス性が低下するという新たな問題点が生
じる。

〔考案の目的〕

この考案は上記従来の問題点に鑑みてなされた
ものであつて、乗員の頭部と接触する可能性のあ
る前記サンシエードの基材の車室側角部に円弧部
が形成される場合でも、この円弧部と天井の開口
周縁部との間の隙間をなくし、天井とサンシエー
ドとを外観上一体的に連続し、且つ、メンテナン
ス性を向上することのできる自動車の天井構造を
提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、光透過性ルーフ下方に開口を有す
る天井と、基材及びこの基材を被覆する表皮によ
り構成され、前記開口を被覆するサンシエード
と、を備え、前記開口の周縁部に、該周縁部車室
側面から上方にオフセツトした取付段部を凹設
し、この取付段部にサンシエードの周縁部を重ね
て、サンシエードを天井の開口に取り付けると共
に、前記基材の前記取付段部に臨む車室側角部に
円弧部を形成してなる自動車の天井構造におい
て、前記円弧部下方に前記表皮の車室側部分を基
材の車室側一般面に沿つて直線的に延出し、この
車室側延出表皮により、前記天井の取付段部と前
記円弧部との間の隙間を覆うようにすることによ
り、上記目的を達成するものである。

又、この考案の実施態様は、前記取付段部の段
差が前記サンシエードの周縁部厚さ分とされるも
のである。

〔作用〕 この考案において、取付段部に臨むサンシエー
ドの基材の円弧部下方に、前記表皮の車室側部分
を基材の車室側一般面に沿つて直線的に延出する
ことにより、前記円弧部と取付段部との間の隙間
をサンシエードの車室側表皮により覆うことがで
きる。これにより、乗員の頭部と接触する可能性
のある前記サンシエードの基材の車室側角部に円
弧部が形成される場合でも、この円弧部と天井の
開口周縁部との間の隙間をなくすことができ、天
井とサンシエードとを外観上一体的に連続して、
取付段部の清掃等のメンテナンス性を向上するこ
とができる。

〔実施例〕

以下この考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

第１実施例は、第１図及び第２図に示されるよ
うに、サンルーフやムーンルーフ等から構成され
る光透過性ルーフ下方に開口１０を有する天井１
２と、基材１４及びこの基材１４を被覆する表皮
１６により構成され、前記開口１０を被覆するサ
ンシエード１８とを備え、前記天井１２の開口１
０の周縁部に、該周縁部の車室側面、つまり一般
面１２Ｃから上方にオフセツトした取付段部２０
を凹設し、この取付段部２０にサンシエード１８
の周縁部１８Ａを重ねて、サンシエード１８を天
井１２の開口１０に取り付けると共に、前記基材
１４の前記取付段部２０に臨む車室側角部に円弧
部１４Ｂを形成して構成される自動車の天井構造
において、前記円弧部１４Ｂ下方に、前記表皮１
６の車室側部分１６Ａを基材１４の車室側一般面
１４Ｃに沿つて直線的に延出し、該車室側延出表
皮１６Ｃに表皮１６の外側部分１６Ｂを延設して
接着し、この車室側延出表皮１６Ｂにより、前記
天井１２の取付段部２０と前記円弧部１４Ｂとの
間の隙間を覆うようにして構成したものである。

前記天井１２は成形天井であつて、合成樹脂製
あるいはダンボール、フエルトからなる基材１２
Ａの車室側面に厚手の塩化ビニールや繊維等から
なる表皮１２Ｂが貼り付けられて構成されてい
る。なお、必要に応じて基材１２Ａと表皮１２Ｂ
との間にウレタンパツト等を介在させてもよい。
前記開口１０は天井１２の略中央部に光透過性ル
ーフに対応する位置で略矩形状に切り欠き形成さ
れている。

又、前記サンシエード１８の基材１４は合成樹
脂等から形成され、表皮１６は厚手の合成繊維等
から形成されている。

前記円弧部１４Ｂは、半径が５mm以上の円弧面
として形成されている。

本実施例によれば、前記円弧部１４Ｂ下方に、
前記表皮１６の車室側部分１６Ａを基材１４の車
室側一般面１４Ｃに沿つて直線的に延出し、該車
室側延出表皮１６Ｃに表皮１６の外側部分１６Ｂ
を接着することにより、前記円弧部１４Ｂと取付
段部２０の段差面との間に生じる隙間を直線的に
延出される車室側延出表皮１６Ｃにより覆うこと
ができ、これにより、天井１２とサンシエード１
８とを外観上一体的に連続して、天井部の清掃等
のメンテナンス性を向上することができる。しか
も、天井部の一体感が得られ、天井部の見栄えを
向上することができる。

又、前記サンシエード１８の周縁部１８Ａの基
材１４の車室側角部に円弧部１４Ｂが形成される
ことにより、車内側に突出されるシヤープエツジ
がなくなり、乗員の頭部が万一の車両衝突事故時
に天井に当つた場合でも怪我することのないよう
にできる。

又、サンシエード１８の端縁と天井１２との間
の間隙が取付段部２０によつて外側から覆われる
ことにより外光の車室内侵入を防止することがで
きる。

なお、前記実施例においては、取付段部２０を
天井１２の開口１０の周縁部一般面１２Ｃから単
に上方にオフセツトしたものとして、前記一般面
１２Ｃよりも上方にサンシエード１８の車室側面
を位置させたものとされたが、この考案はこれに
限定されることなく、例えば、第３図に示される
第２実施例の如く、前記取付段部２０の段差をサ
ンシエード１８の周縁部１８Ａ厚さ分として、天
井１２の一般面１２Ｃとサンシエード１８の車室
側面とが面一にされたものとしてもよい。この第
２実施例によれば、天井部の清掃等のメンテナン
ス性をより一層向上することができる。又、天井
部の面一感及び一体感が得られ、天井部の見栄え
をより一層向上することができる。

〔考案の効果〕

この考案は上記のように構成したので、乗員の
頭部と接触する可能性のある前記サンシエードの
基材の車室側角部に円弧部が形成される場合で
も、この円弧部と天井の開口周縁部との間の隙間
を解消し、天井とサンシエードとを外観上一体的
に連続して天井部の清掃等のメンテナンス性及び
外観の見栄えを向上することができるという優れ
た効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る自動車の天井構造の第
１実施例の要部を示す斜視図、第２図は第１図に
おける−線に沿う断面図、第３図はこの考案
の第２実施例の要部を示す第１図−線相当断
面図、第４図は従来の自動車の天井構造の要部を
示す第１図−線相当断面図、第５図乃至第６
図は他の自動車の天井構造の要部を示す第１図
−線相当断面図である。 １０……開口、１２……天井、１４……基材、
１４Ｂ……円弧部、１６……表皮、１６Ｃ……延
出車室側表皮、１８……サンシエード、１８Ａ…
…周縁部、２０……取付段部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 光透過性ルーフ下方に開口を有する天井と、
   基材及びこの基材を被覆する表皮により構成さ
   れ、前記開口を被覆するサンシエードと、を備
   え、前記開口の周縁部に、該周縁部車室側面か
   ら上方にオフセツトした取付段部を凹設し、こ
   の取付段部にサンシエードの周縁部を重ねて、
   サンシエードを天井の開口に取り付けると共
   に、前記基材の前記取付段部に臨む車室側角部
   に円弧部を形成してなる自動車の天井構造にお
   いて、前記円弧部下方に前記表皮の車室側部分
   を基材の車室側一般面に沿つて直線的に延出
   し、この車室側延出表皮により、前記天井の取
   付段部と前記円弧部との間の隙間を覆うように
   したことを特徴とする自動車の天井構造。 (2) 前記取付段部の段差は、前記サンシエードの
   周縁部厚さ分とされる実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の自動車の天井構造。