JPH0335297B2 - - Google Patents

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JPH0335297B2
JPH0335297B2 JP4003684A JP4003684A JPH0335297B2 JP H0335297 B2 JPH0335297 B2 JP H0335297B2 JP 4003684 A JP4003684 A JP 4003684A JP 4003684 A JP4003684 A JP 4003684A JP H0335297 B2 JPH0335297 B2 JP H0335297B2
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Japan
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extractive distillation
butadiene
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solvent
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JP4003684A
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Masatoshi Arakawa
Kazumi Nakazawa
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JSR Corp
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Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
(発明の利用分野) 本発明は1,3−ブタジエンの回収方法に関
し、さらに詳しくはナフサクラツキングまたは脱
水素反応等の方法で得られた、少量のC5炭化水
素の混入した、1,3−ブタジエンを含有する
C4炭化水素留分から1,3−ブタジエンを回収
する方法に関する。 (発明の背景) 1,3−ブタジエン(以下、ブタジエンと略称
する)を含有するC4炭化水素留分から高純度の
ブタジエンを高収率で分離回収する方法として抽
出蒸留法が広く知られており、工業的にも実施さ
れている。この際の選択的溶剤としては、例えば
アセトニトリル、ジメチルフオルムアミド、N−
メチルピロリドン、フルフラール、アセトン、ジ
メチルアセトアミド等の極性物質またはこれらと
水との混合物が用いられている。 原料C4炭化水素留分中には、通常少量のC4
セチレン類が含まれているが、このC4アセチレ
ン類を除去するために2段抽出蒸留法が広く採用
されている。 例えばChem.Tech.,28Jg.,Heft8,
Aug.1976,463〜466頁および有機合成化学、第
38巻、第6号、92〜99頁には、ジメチルフオルム
アミドを選択溶剤とするブタジエンの2段抽出蒸
留法が開示されている。 また、Hydrocarbon Processing Vol.47,No.
11,135〜138頁にはN−メチルピロリドンを選択
溶剤とする2段抽出蒸留法が開示されており、ま
た特開昭47−34207号公報にはアセトニトリルを
選択溶剤とする2段抽出蒸留法が開示されてい
る。 これらの方法においては、第1抽出蒸留工程で
ブタジエンから溶剤との親和力の弱い成分(ブタ
ン−ブテン類等)が軽留分として除かれ、次の第
2抽出蒸留工程でブタジエンより溶剤との親和力
の強い成分(C4アセチレンン類等)が重質分と
して除かれ、このようにして得られる少量の不純
物を含む粗ブタジエンが次の軽質分分離塔およ
び/または重質分分離塔で精製されて高純度のブ
タジエンが得られる。 すなわち、従来の2段抽出蒸留法においては、
まず原料炭化水素留分を、ブタン−ブテン類を除
去するための第1抽出蒸留塔に供給して、塔頂付
近から供給される選択溶剤の存在下に抽出蒸留を
行い、塔頂からブタン−ブテン留分を留出せしめ
る。一方第1抽出蒸留塔の塔底から回収されたブ
タジエンに富む炭化水素成分を含有する選択溶剤
が、前溶剤放散塔を経由して、または直接に、
C4アセチレン類等の有害不純物を除去するため
の第2抽出蒸留塔および溶剤放散塔から成る第2
抽出蒸留工程へ供給され、ここで第2抽出蒸留塔
の塔頂付近から供給される選択溶剤の存在下に抽
出蒸留を行い、第2抽出蒸留塔の塔頂からC4
セチレン類等の有害成分を除去した粗ブタジエン
留分が回収される。次いでこの粗ブタジエン留分
中に少量混入する軽質成分および/または重質成
分が、前述のように重質分分離塔および/または
重質分分離塔で除去され、高純度のブタジエンが
分離回収される。 これらの方法に供給される原料C4炭化水素留
分は、工業的には少量のC3炭化水素成分および
C5炭化水素成分を含有しているのが普通である。 このうちC3炭化水素成分は前記2段抽出蒸留
法において、その大部分が第1抽出蒸留工程でブ
タン−ブテン類と共に除去され、残りの部分(主
としてアレンおよび/またはメチルアセチレンか
ら構成される)は第2抽出蒸留工程の後の軽質分
分離塔で除去される。 一方、C5炭化水素成分については、このうち
の、ある種のもの、例えばC5パラフイン類およ
びC5モノオレフイン類のうち沸点が相対的に低
い成分(例えばイソペンタン、n−ペンタン等の
C5パラフイン類および3−メチル−1−ブテン
等のC5モノオレフイン類)等は、原料C4炭化水
素と共に抽出蒸留工程に供給されると、抽出蒸留
工程の系内に蓄積する傾向があり、これを無理に
系外に排出するために、前記の従来法では余分の
エネルギーが使用されることになる。 これらのC5成分は、該抽出蒸留塔内に蓄積し
ても運転が不能になるまでには到らず、通常少量
ずつ塔頂部および/または塔底部から系外に排出
され、一定濃度以上に濃縮されることはない。し
かしながら、このC5成分の蓄積は該第2抽出蒸
留塔の目的とするC4アセチレン類その他の軽質
有害不純物の分離に悪影響を与えるものである。
このため、従来法では、C4アセチレン類等の有
害不純物を所定の濃度以下に除去するために余分
のエネルギーを要することになり、その改善が望
まれていた。 C5パラフイン類および軽質C5モノオレフイン
類の抽出蒸留系への蓄積を回避する方法として
は、特開昭53−40702号公報に開示されたものが
あるが、この方法によれば、ブタン−ブテン類を
分離するための抽出蒸留帯域から出たフアツト溶
媒中に存在するC5炭化水素が、ストリツピング
帯域およびフラツシング帯域から回収された蒸気
流中に濃縮してくるので、該蒸気流の一部を分流
して選択溶剤を除去した後、抽出蒸留帯域の前の
分離帯域(C5除去塔)に供給してC5成分を除去
するとともに、該分流中に含まれるブタジエンの
回収を行つている。 この方法は、C5成分の抽出蒸留系への蓄積を
防ぎ、ブタジエンの分離精製を効率的に行う上で
は好ましい方法ではあるが、次のような重大な欠
点を有している。すなわち、前記ストリツピング
帯域およびフラツシング帯域から回収された蒸気
流中には、濃縮されたC5成分以外にブタジエン、
C4アセチレン類等をも含んでいるため、該分流
蒸気流中のブタジエンを回収するためには、C5
成分以外にC4アセチレン類の分離が必要であり、
例えば同号証公報にも示されているように、抽出
蒸留域の前に設けられた分離帯域(C5除去塔)
にリサイクルすることが必要である。従つて、こ
の方法では、原料C4炭化水素留分中のC5成分の
濃度の高低にかかわらず、分流帯域(C5除去塔)
を設置することが必要であるばかりでなく、リサ
イクルすることにより抽出蒸留系での処理量を増
大させることになり、処理量の増大を招くことに
なる。 (発明の目的) 本発明の目的は、これら従来技術の欠点を除去
し、第2抽出蒸留系へのC5成分の蓄積を抑制し、
少量のC5炭化水素の混入したブタジエンを含有
するC4炭化水素留分から2段抽出蒸留法を用い
てC4アセチレン類等の有害物質の除去を効果的
に行つて、効率よく、1,3−ブタジエンを回収
する方法を提供することにある。 (発明の概要) 本発明者らは、この目的を達成するため鋭意研
究を進めたところ、C5パラフイン類および軽質
C5モノオレフイン類はブタジエンからC4アセチ
レン等を除去するための第2抽出蒸留塔の選択溶
剤を供給する段の付近に濃縮する傾向があること
を見い出し、しかもこの付近ではC4アセチレン
類等の有害成分の濃度は該塔の塔頂部分から得ら
れる粗ブタジエン中の濃度とほとんど変わらない
(選択溶剤の供給段より上では、粗ブタジエン中
のC4アセチレン類の濃度はほとんど減少しない)
ことを見い出した。これらの知見に基づきさらに
検討を重ねた結果、該第2抽出蒸留塔の選択溶剤
供給段の近傍段からC5成分を比較的高い濃度で
含む蒸気流を側流として少量抜き出し、該側流中
に含まれる選択溶剤を除去した後、これを該抽出
蒸留塔の後流に向けられた、ブタジエンから重質
分を除去するための重質分分離塔に供給して、該
側流中に含まれているC5成分を塔底から除去す
ることにより、従来技術の有している前記欠点を
解消し得ることを見出し、本発明に到達した。 本発明は、1,3−ブタジエンを主成分として
含有しC4炭化水素並びに少量のC5パラフイン類、
軽質C5モノオレフイン類等を含む原料炭化水素
留分を、選択溶剤を用いたブタン−ブテン類の分
離を目的とした第1抽出蒸留工程、C4アセチレ
ン類の分離を目的とした第2抽出蒸留工程および
溶剤放散工程から成る2段抽出蒸留法を用いて分
離精製し、かくして得られる粗1,3−ブタジエ
ン留分中に少量混入する不純物を、必要に応じて
軽質分分離塔および/または重質分分離塔で除去
して、高純度の1,3−ブタジエンを分離回収す
る方法において、第2抽出蒸留塔の選択溶剤供給
段の近傍段から相対的にC5成分に富む留分を側
流として抜き出し、該側流中に含まれる選択溶剤
を除去した後、これを重質分分離塔に供給して、
C5成分を系外に排出せしめることを特徴とする。 本発明において使用されるC4炭化水素原料は
ナフサクラツキング、ブタン−ブテン留分の脱水
素等により得られる少量のC5成分を含んだもの
であり、一般的には少量のC3成分も含有してい
る。これら成分の含有率は、ナフサクラツキン
グ、脱水素等の工程の設計条件および運転条件に
より異なるが、C5成分は一般に0.02〜0.5重量%
程度の濃度になつている。供給されるC4炭化水
素原料中のC5炭化水素成分の濃度が高い場合に
は、第1抽出蒸留塔に供給する前に脱ペンタン塔
を設け、大部分のC5成分を除去した後第1抽出
蒸留塔に供給することが好ましいが、C5炭化水
素成分の濃度が0.5重量%以下であれば、直接第
1抽出蒸留塔にC4炭化水素原料を供給すること
ができる。 本発明方法においては、C4炭化水素原料中に
少量混入するC5成分のうち、C5パラフイン類
(n−ペンタン、イソペンタン)および軽質C5
ノオレフイン類(3−メチルペンテン等)は第2
抽出蒸留塔の選択溶剤供給段の近傍段から側流と
して、一方重質C5モノオレフイン類(2−メチ
ル−2−ブテン等)およびC5ジオレフイン類、
C5アセチレン類は第2抽出蒸留工程中の溶剤放
散塔の中段から側流としてC4アセチレン類等と
共に系外に排出させることができ、効率のよい運
転状態を維持することができる。 本発明において、第2抽出蒸留塔の側流として
相対的にC5成分に富んだ留分を抜き出す位置は
重要である。2段抽出蒸留法におけるブタジエン
からC4アセチレン類を除くための第2抽出蒸留
塔においては、選択溶剤の供給段より上部では、
液相中の選択溶剤濃度が低くなるため、これらの
C5成分はブタジエンを主成分とするC4炭化水素
類より相対揮発度が低くなるが、一方選択溶剤の
供給段より下部では、液相中の選択溶剤濃度が高
くなるため、これらC5成分は該液相中の炭化水
素成分中の大部分を占めるブタジエンよりも相対
揮発度が高くなる。その結果、これらのC5成分
は該抽出蒸留塔の上方にも下方にも移動すること
が困難となり、結局、選択溶剤供給段付近に濃縮
される傾向がある。そのため、本発明において
は、選択溶剤供給段の近傍段からC5成分に富む
留分を側流として抜き出すのが好ましい。側流を
抜き出す位置がこれより高すぎると、側流中の
C5成分濃度が低くなり、これをカバーするため
に側流の流量を増すことが必要になり、その結果
該側流から選択溶剤を除去する工程の処理量が多
くなり好ましくない。一方、側流を抜き出す位置
がこれより低すぎると、側流中のC4アセチレン
類等有害物の濃度が高くなつて、これを重質物分
離塔に供給すると、該塔ではこれら有害物の除去
ができないため、結果として高純度のブタジエン
が得られなくなる。一般に選択溶剤供給段の位置
を基準にして−10〜+5段目の位置から側流を抜
き出すのが好ましい。 選択溶剤供給段の近傍段から抜き出す側流は、
抜き出す位置が選択溶剤を供給段より上の場合に
は液相からでも気相からでもよいが、抜き出す位
置が選択溶剤供給段またはそれより下の場合に
は、蒸気相から抜き出すことが好ましい。この際
液相から抜き出すことも勿論可能であるが、この
場合液相中の選択溶剤濃度が蒸気相に比して著る
しく高いので、抜き出し量を増加させる必要があ
り、その分該側流から選択溶剤を除去する工程の
負荷が高くなる。 第2抽出蒸留塔の選択溶剤供給段の近傍段から
抜き出す側流の量は、第1抽出蒸留塔に供給され
るC4炭化水素原料中のC5成分の濃度によるが、
通常はきわめてわずかな量でよく、C4炭化水素
原料供給量の5重量%以下(炭化水素基準−溶剤
フリー)、好ましくは1重量%以下である。また
側流の抜き出し量は、C5成分の蓄積の抑制効果
および後述の溶剤除去の面から、該側流中のC5
成分濃度が炭化水素基準で好ましくは0.5〜10重
量%、より好ましくは1〜5重量%になるように
設定される。 このようにして選択溶剤供給段の近傍段から抜
き出した側流中に含まれる選択溶剤を除去する方
法としては、例えば蒸留法、水洗法等が好適であ
る。蒸留法の場合には、蒸気流として抜かれた側
流は別に設けられた溶剤除去塔の塔底部に供給さ
れ、該塔底部からは回収された溶剤が得られる
が、この中には炭化水素成分が含まれているの
で、第2抽出蒸留塔から側流を抜き出した段の近
傍段(通常同一段が好まい)に戻される。一方、
溶剤除去塔の塔頂からは溶剤を含んでいない炭化
水素留分が得られるので、一部を還流として溶剤
除去塔の塔頂部に戻し、残りは蒸気相のまま、ま
たは凝縮して液相の形で次の重質分分離塔に供給
される。この場合、溶剤除去塔の塔頂部に独立の
凝縮器を設けてもよいが、本発明者らの別の発明
に係る特開昭56−128724号公報に記載されている
ように、溶剤の除去塔の塔頂蒸気流を直接重質分
分離塔の中央部に供給し、該蒸気流の供給段の近
傍段から液流を抜き出し、還流として該溶剤除去
塔の塔頂部に供給することもできる。後者の方法
は工程の経済性を高める上でより好ましいもので
ある。 溶剤除去塔へ供給される側流が液相で第2抽出
蒸留塔から抜き出される場合には、溶剤除去塔の
塔底部には通常再沸器が設けられる。 一方、選択溶剤除去の別の好ましい方法である
水洗法の場合には、水洗塔に供給される側流は蒸
気流でも液流(第2抽出蒸留塔から液流として抜
かれたもの、または蒸気流として抜かれたものを
凝縮器により凝縮したもの)でもよく、この流れ
は水洗塔の塔底部に供給され、一方水洗塔の塔頂
部からは実質的に選択溶剤を含まない水が供給さ
れる。水洗塔の塔頂からは選択溶剤の除去された
炭化水素の流れが得られ、この流れは重質分分離
塔の中央部に供給される。一方水洗塔の塔底から
は選択溶剤と水との混合物が得られ、この流れは
別に設けられた溶剤濃縮塔で濃縮された後、抽出
蒸留系に戻される。 第2抽出蒸留塔から抜き出された側流は、この
ように選択溶剤を除去した後、重質分分離塔へ供
給される。この重質分分離塔への側流の供給位置
は、通常第2抽出蒸留塔からの粗ブタジエン流が
供給される段か、またはその下方近傍段である。
この際あまり下方に供給するとブタジエンの損失
につながり好ましくない。また、粗ブタジエン供
給段の上方の段に供給することもできるが、あま
り上方に供給すると、製品ブタジエン中にC5
分の混入を招くことになる。 重質分分離塔の塔頂留分として得られるブタジ
エン中には、使用されるC4炭化水素原料の種類
により、なおメチルアセチレン、アレン等の有害
不純物を含むことがある。その場合には、さらに
重質分分離塔の塔頂留分を軽質分分離塔へ供給
し、これらの有害不純物を除去することにより、
軽質分分離塔の塔底留分として高純度のブタジエ
ンが得られる。従来通常行われているように、ま
ず軽質分分離塔で、次いで重質分分離塔でブタジ
エンを精製する方法は、本発明の場合には、第2
抽出蒸留塔の側流留分中にメチルアセチレンが含
まれてくることがあり、これが製品ブタジエン中
に混入してくることになるので好ましくない。 (発明の実施例) 以下図面により、本発明をさらに詳細に説明す
る。なお図には簡明を期するため、説明に特に必
要のないポンプ、熱交換器等は大部分省略し、主
要部のみを示した。 第1図は本発明方法の1実施例を示す装置系統
図である。図において、まず少量のC5成分が混
入したブタジエンを含むC4炭化水素原料が導管
1により第1抽出蒸留塔2の中段に供給される。
第1抽出蒸留塔2の塔頂付近には選択溶剤が導管
3を経て供給される。第1抽出蒸留塔の塔頂から
はブタン−ブテン留分が導管4を経て系外に排出
され、一方塔底からは炭化水素成分としてブタジ
エンに富み、C4アセチレン類、C5成分等を含む
選択溶剤が導管5を経て排出され、導管12を経
て排出される第2抽出蒸留塔10の塔底留分と合
流した後、導管6により溶剤放散塔7の塔頂部に
供給される。溶剤放散塔7の塔頂からは蒸気流が
導管8を経て第2抽出蒸留塔10の塔底部に供給
され、一方、第2抽出蒸留塔10の塔頂付近には
選択溶剤とC4炭化水素の分離のために必要な段
を確保して、導管9により選択溶剤が供給されて
いる。第2抽出蒸留塔10の選択溶剤供給段の近
傍段からは導管18により側流が蒸気流として抜
かれ、凝縮器19で凝縮された後、水洗塔20の
塔底部に供給される。水洗塔20の塔頂部からは
洗滌水が導管21を経て供給され、塔頂からは、
実質的に選択溶剤を含まない、相対的にC5成分
に富む炭化水素の流れが導管22を経て得られ
る。この流れは、導管22aまたは22bを経て
重質分分離塔24の中段に供給される。一方水洗
塔20の塔底からは導管23を経て水で希釈され
た選択溶剤が得られ、これは溶剤回収装置(図示
せず)で濃縮された後、抽出蒸留系に戻される。 第2抽出蒸留塔10の塔頂からは、導管11を
経て蒸気流が抜き出され、そのまま凝縮されるこ
となく重質物分離塔24の中段に供給される。一
方、重質物分離塔24の中段から液が側流として
抜き出され(抜き出される段は、導管11の供給
段と同一段またはその近傍段が好ましい)導管3
0を経て第2抽出蒸留塔10の塔頂部に還流とし
て供給される。 溶剤放散塔7の中段からは導管14を経て、側
流が蒸気流として抜き出され、溶剤回収塔15の
塔底部に供給され、一方溶剤回収塔の塔底からは
導管17を経て液流が抜き出され、溶剤放散塔7
へ戻される。導管17の溶剤放散塔7への供給側
は側流が導管14により抜き出された段の近傍
段、好ましくは同一段である。 溶剤回収塔15の塔頂部からは、実質的に選択
溶剤が除去されたC4アセチレン類に富む留分が
得られ、導管16を経て系外に排出される。溶剤
放散塔7の塔底からは導管13により実質的に炭
化水素を含んでいない流れが得られ、この流れは
熱回収工程および冷却器(いずれも図示せず)に
より、所定の温度まで冷却された後、一部は導管
13を経て第1抽出蒸留塔2へ、残りは導管9を
経て第2抽出蒸留塔10へ循環される。 重質分分離塔24の塔底からは、導管11およ
び22により供給された粗ブタジエン中に少量含
まれている重質オレフイン類(トランスおよびシ
ス−ブテン−2)、1,2−ブタジエン、C5成分
等が導管26により抜き出されて系外に排出され
る。一方、重質分分離塔24の塔頂からは、少量
のメチルアセチレン、アレン等の混入したブタジ
エンが導管25を経て得られ、この流れは軽質分
分離塔27へ供給される。軽質分分離塔27の塔
頂からはメチルアセチレン等の軽質分が除去され
て導管28により系外には排出され、こうして軽
質分分離塔の塔底から導管29を経て高純度のブ
タジエンが得られる。 第1図に示す第1抽出蒸留工程および第2抽出
蒸留工程の構成はあくまでも1例を出したものに
過ぎず、従来公知の種々の構成に本発明を適用す
ることができるのは当然である。 次に比較例および実施例によりさらに詳細に本
発明を説明する。 比較例 第1図において、アセトニトリル/水(90/10
重量比)混合物を選択溶剤として用い、18〜23の
装置およびラインは使用しない従来の方法によ
り、ブタジエンの精製を行つた。 重質分分離塔24の運転条件は次の通りであつ
た。 総段数 100 原料供給段(下から) 45 塔頂圧力(Kg/cm2G) 3.5 塔頂温度(℃) 41 還流比 5.0 精製処理後の主な導管中の炭化水素成分の流量
および組成を第1表に示す。なお第1表には、選
択溶剤を含む流れ(例えば導管4)があるが、簡
明を期するため選択溶剤を除去した後の数値のみ
を示した。 また第2図は、第2抽出蒸留塔10および溶剤
放散塔7中のC5成分の組成分布を示したもので
ある。第2図からC5成分が第2抽出蒸留塔10
の選択溶剤の供給段付近に濃縮していることがよ
くわかる。第2図中、Aは比較例の場合、Bは実
施例の場合、Cは溶剤放散塔7の塔底部、Dは溶
剤放散塔7の導管14の抜き出し段、Eは溶剤放
散塔7の塔頂部(=第1抽出蒸留塔10の塔底
部)、Fは第2抽出蒸留塔10の導管9の供給段
(=導管18の抜き出し段)、Gは第2抽出蒸留塔
10の塔頂部をそれぞれ示す。
【表】 実施例 アセトニトリル/水(90/10重量比)混合物を
選択溶剤として用い、第1図に示す系統図の工程
に従い、比較例と同じ組成の原料(第1表および
第2表の導管1の欄に記載)を用いて、ブタジエ
ンの精製を行つた。 第2抽出蒸留塔10の選択溶剤供給段と同一段
から導管18により蒸気流が538.5Kg/H(炭化水
素成分として505.3Kg/H)抜き出され、凝縮器
19で凝縮された後、水洗塔20の塔底部に供給
された。水洗塔20は磁製充填物(Intalox
Saddle)を高さ9m充填した充填塔で、塔頂部か
らは水が600Kg/Hの流量で導管21を経て供給
された。導管22からは実質的にアセトニトリル
を含まない、炭化水素留分505.3Kg/Hが得られ、
この流れは導管22bにより重質分分離塔24の
下から40段目に供給された。 精製処理後の主な導管中の炭化水素成分の流量
および組成を第2表に示す。
【表】 また、第2図には、第2抽出蒸留塔10および
溶剤放散塔7中のC5成分の組成分布を示した。
比較例の場合の分布に比して選択溶剤の供給段付
近のC5成分の濃度が大幅に減少していることが
分る。 本発明の実施例によれば、第2抽出蒸留塔10
中のC5成分の蓄積を抑制することにより、ブタ
ジエンとC4アセチレン類の分離効率がよくなり、
比較例の場合に比して、導管30を経て供給され
る還流の量を大幅に削減することができた。 また比較例に対して、溶剤放散塔7および重質
分分離塔24の塔底再沸器の負荷変動は次の通り
であつた。 溶剤放散塔7 再沸器 555×10√Kcal/H減 重質分分離塔24 再沸器 50×10√Kcal/H増 合 計 505×10√Kcal/H減 なお導管29を経て得られる製品ブタジエンの
品質は比較例と同等のものであつた。 (発明の効果) 以上、本発明方法によれば、原料中に少量含ま
れてくるC5成分の1部を第2抽出蒸留塔10の
側流として抜き出し、重質分分離塔24に供給し
て処理することにより、第2抽出蒸留系へのC5
成分の蓄積が抑制されるので、C4アセチレン類
等の有害物質の除去を効果的に行うことができ
る。また、従来技術のように、C5成分の蓄積を
抑えるために抜き出した側流を第1抽出蒸留塔の
前にリサイクルする必要がなく、軽質分分離塔で
処理できるので、処理量の増大を招く等の不利な
点も克服することができ、さらにC4原料炭化水
素留分中のC5成分の濃度が低い場合には、独立
の脱ペンタン塔を設けることも不要となり、これ
らの点で従来技術に比し、格段に省エネルギー化
されたプロセスとすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明方法の1実施例を示す装置系
統図、第2図は、本発明の実施例および比較例に
ついて、第2抽出蒸留塔10および放散塔7にお
けるC5成分の濃度分布を示した図である。 2……第1抽出蒸留塔、7……溶剤放散塔、1
0……第2抽出蒸留塔、15……溶剤回収塔、2
0……水洗塔、24……重質分分離塔、27……
軽質分分離塔。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 1,3−ブタジエンを含有するC4炭化水素
    並びに少量のC5パラフイン類および軽質C5モノ
    オレフイン類を含む原料炭化水素留分を、選択溶
    剤を用いたブタン−ブテン類の分離を目的とした
    第1抽出蒸留工程、C4アセチレン類の分離を目
    的とした第2抽出蒸留工程および溶剤放散工程か
    ら成る2段抽出蒸留法を用いて分離精製して得ら
    れる粗1,3−ブタジエン留分中に少量混入する
    不純物を、重質分分離塔および必要に応じて軽質
    分分離塔で除去して、高純度の1,3−ブタジエ
    ンを分離回収する方法において、第2抽出蒸留塔
    の選択溶剤供給段の近傍段から相対的にC5成分
    に富む留分を側流として抜き出し、該側流中に含
    まれる選択溶剤を除去した後、これを重質分分離
    塔に供給してC5成分を系外に排出せしめること
    を特徴とする1,3−ブタジエンの回収方法。
JP4003684A 1984-03-02 1984-03-02 1,3−ブタジエンの回収方法 Granted JPS60184030A (ja)

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