JPH0335228Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、圧力鍋、圧力釜などの加圧加熱調理
容器の蓋に関する。

（従来の技術） 従来、内部を透視できる圧力鍋等の蓋として、
蓋の一部に開口部を設けこの開口部を透明な厚い
ガラスブロツク体で密封して耐圧耐熱性をもたせ
た構成において、ガラスブロツク体の取付けは、
ガラスブロツク体を支持した支枠のフランジ部を
蓋本体の開口部の周囲の上面または下面に取付け
た構成が考えられていた。

（考案が解決しようとする問題点） しかし上述のような従来の構成によるときは、
厚いガラスブロツク体が蓋体の表面に突出して邪
魔になりかつ外観を損つたり、また内面に突出さ
せると内容物の邪魔になり煮炊容積を減少すると
いう問題があつた。

この点例えば実開昭57−99515号公報に記載さ
れているように、ガラスあるいは耐熱プラスチツ
ク板等よりなる透明板をパツキングを介して取付
ける構成が考えられるが、実施する場合には薄い
透明板では耐圧耐熱性に問題があり、容器内が高
圧高温になつたときに透明板が破損し危険である
という問題があり、透明板を厚くせざるを得なか
つた。

また密封性についても、単に一部にパツキング
材を介しただけの構造では高圧高温時に蒸気洩れ
が生じる問題があつた。

さらに透明板を固定するためのボルト等が外部
に露出すると蒸気洩れの原因となり外観を悪化す
る問題があつた。

本考案の目的は上記問題点に鑑み、耐圧耐熱性
の高い厚いガラスブロツク体を使用しつつ、この
ガラスブロツク体を殊更に蓋本体の内外に突出さ
せることなく外観を良くし邪魔にならずまたボル
ト等が外部に露出せず密封性の高い加圧加熱調理
容器の蓋を提供するものである。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本考案の加圧加熱調理容器の蓋は、透視用開口
部を有する加圧加熱調理容器の蓋本体と、周囲に
環状空間を介して前記開口部内に嵌合される透明
ガラスブロツク体と、前記環状空間で上下に重ね
合わされて外周縁部で前記蓋本体の前記開口部の
開口縁を挾着し内周縁部で前記ガラスブロツク体
の外周縁部を挾着し下方の環状金具の通孔に挿通
され上方の環状金具の有底の雌ねじ孔に螺合させ
たねじで締着される上下の環状金具と、前記ガラ
スブロツク体と前記上下環状金具の内周縁部間に
介在させたパツキングと、よりなるものである。

（作用） 本考案は、耐圧耐熱性の高い厚いガラスブロツ
ク体が蓋本体の開口部に嵌合され、上下から環状
金具で支持されて蓋本体の開口部中に保持され蓋
本体の上面や裏面に殊更に突出することがない。
また、耐圧耐熱性の高い厚いガラスブロツク体を
使用しているので高圧高温時にも破損のおそれが
なく安全である。またガラスブロツク体に加圧加
熱容器から内圧が加わるとガラスブロツク体は環
状パツキング材に強く圧着されて密封性が高ま
る。さらにねじが蓋体を貫通せず、外部に露出し
ていないため密封性が高く、外観もよい。

（実施例） 以下、本考案の加圧加熱調理容器の蓋の実施例
を第１図および第２図に基づいて説明する。

１は蓋本体で、この蓋本体１は、加圧加熱調理
容器本体（図示せず）の上面開口部を開閉自在に
かつ気密性および耐圧性をもつて閉塞するもので
ある。なお、図面において、下側が容器本体側、
上側が外気側である。そして、前記蓋本体１は、
たとえば厚さ３mm程度のアルミニウムなどの金属
板をプレス加工することにより成形されており、
蓋本体１の一部には開口部２が形成されている。

また、３は前記開口部２を閉塞するに必要な耐
熱、耐圧性を有する透明なガラスブロツク体で、
このガラスブロツク体３は前記開口部２より径小
で周囲に環状空間４を介して開口部２に嵌合され
ている。

さらにガラスブロツク体３は１枚の厚い耐熱ガ
ラスを用いるか、あるいは第２図に示すように上
下に２枚のガラス板３ａ，３ｂを重ね合わせ透明
な接着フイルムまたは接着剤で接着したものを用
いてもよい。積層されるガラス板３ａ，３ｂは上
下何れも強化ガラス板または何れも耐熱ガラス板
あるいは上下何れかを耐熱ガラス板、何れかを強
化ガラス板にしてもよい。さらに３枚以上積層し
てもよい。

また５，６は例えばアルミニウムなどの金属の
ダイキヤスト加工による上下の環状金具で、前記
開口部２の内周面と前記ガラスブロツク体３の外
周面間の間の環状空間４に上下から嵌合されて重
ね合わされ、複数個所を下方の環状金具６の通孔
７に挿通され上方の環状金具５の有底の雌ねじ孔
８に螺合させたねじ９で上下方向に締着されてい
る。さらに、上方の環状金具５の外周縁部として
の外周面と下端部を切欠いた環状段部１０と、下
方の環状金具６の外周縁部としての外周面と上端
面を切欠いた環状段部１１よりなる外周環状凹溝
１２に前記蓋本体１の開口部２の開口縁１３が下
面に耐熱、耐食、耐薬品性の高いシリコーンパツ
キング１４を介して上下の環状金具５，６に締着
され気密に嵌着されている。また、上方の環状金
具５の内周縁部としての内周面と下端面を切欠い
た環状段部１５と、下方の環状金具６の内周縁部
としての内周面と上端面を切欠いた環状段部１６
よりなる内周環状凹溝１７に、前記ガラスブロツ
ク体３、外周縁部１８が上下面に耐熱、耐食、耐
薬品性の高いシリコーンパツキング１９，１９を
介して上下方向に締着され気密に嵌着されてい
る。

また、内外の前記シリコーンパツキング１９，
１４の上下面には何れも環状小突起２０（パツキ
ング１４の小突起は図示せず）が形成され、密封
性を高めるようになつている。シリコーンパツキ
ング１９は第２図に示すような平板状、或いは第
３図に示すような断面Ｌ字形、または第４図に示
すように断面コ字形のものが用いられる。

そして、加圧加熱調理時には、調理容器本体の
上面開口部を蓋本体１により気密に閉塞するが、
この蓋本体１の透明なガラスブロツク体３により
閉塞された開口部２を介して調理容器本体内の被
調理物の状態を見ながら煮炊することができる。
また調理容器本体内の内圧が高まると、ガラスブ
ロツク体３が強く上方のパツキング１９に圧着さ
れ気密性が一層高くなる。また、ねじ９の先端は
上方の環状金具５の有底の雌ねじ孔８中に螺合さ
れているから、ねじ９の螺着部から蒸気が洩れる
ようなことがない。

〔考案の効果〕

本考案によれば、加圧加熱調理容器内を透視す
る透明ガラスブロツク体を蓋本体の開口部中に上
下の環状金具を介して保持させたから、耐圧耐熱
性の高い厚いガラスブロツク体が蓋本体の上面や
容器内に殊更に突出して邪魔になるようなことが
ない。また耐圧耐熱性の高い厚いガラスブロツク
体を使用しているので高圧高温時にも破損のおそ
れがなく安全である。また加圧加熱調理時に容器
の内圧が高まるとガラスブロツク体は強くシリコ
ーンパツキングに圧着されて気密性を一層高める
ことができる。さらにねじが蓋体を貫通せず、外
部に露出していないため、密封性が高く外観もよ
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す加圧加熱容器
の蓋の縦断正面図、第２図は同上ガラスブロツク
体の他の実施例を示す縦断正面図、第３図、第４
図は同上パツキングの夫々異る他の実施例示す縦
断正面図である。 １……蓋本体、２……開口部、３……ガラスブ
ロツク体、４……環状空間、５，６……環状金
具、７……通孔、８……雌ねじ孔、９……ねじ、
１０，１１……外周縁部としての環状段部、１
５，１６……内周縁部としての環状段部、１９…
…パツキング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 透視用開口部を有する加圧加熱調理容器の蓋本
   体と、 周囲に環状空間を介して前記開口部内に嵌合さ
   れる透明ガラスブロツク体と、 前記環状空間で上下に重ね合わされて外周縁部
   で前記蓋本体の前記開口部の開口縁を挾着し内周
   縁部で前記ガラスブロツク体の外周縁部を挾着し
   下方の環状金具の通孔に挿通され上方の環状金具
   の有底の雌ねじ孔に螺合させたねじで締着される
   上下の環状金具と、 前記ガラスブロツク体と前記上下環状金具の内
   周縁部間に介在させたパツキングと、 よりなることを特徴とする加圧加熱調理容器の
   蓋。