JPH0335044Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、作業機連結装置に関し、地面の前後
左右の傾斜に対して草刈作業機を自在に追従走行
できるようにしたものである。

モアー等の刈高さ規制用のゲージ輪を有する草
刈の作業機をトラクタに三点リンク機構を介して
牽引装着して作業を行なう場合、これらの作業機
は地面の起伏等に追従させながら走行する必要が
ある。そこで、この種の作業機を使用する際に
は、作業機昇降用の油圧装置をフローテイング状
態にしておき、三点リンク機構の上下動によつて
作業機を追従させるようにしている。しかし、こ
れではトラクタと作業機が位置する部分の地面が
前後、或いは左右に傾斜していた場合には、作業
機を地面に追従させることができず、従つて、モ
アーであれば芝生等の刈高さが不揃いになる欠点
があつた。

本考案は、このような従来の問題点を解消する
ことを目的として提供されたものであつて、その
特徴とする処は、地面に接地して刈高さを規制す
るゲージ輪９，１０を備えた草刈作業機５を、各
ゲージ輪９，１０を接地させて地面に追従走行す
るように三点リンク機構１４を介してトラクタ１
に連結する作業機連結装置であつて、三点リンク
機構１４のトツプリンク１５と草刈作業機５側、
及び三点リンク機構１４の左右一対のロアリンク
１６と草刈作業機５側との間に、草刈作業機５の
走行時に上下方向に枢動自在な連結リンク２１，
２４を夫々介装し、かつ左右一対のロアリンク１
６と草刈作業機５側との間に介装された連結リン
ク２４の枢動範囲を制限する制限手段２８，２９
を設けた点にある。

以下、図示の実施例について本考案を詳述する
と、第１図及び第２図において、１はトラクタ
で、後輪２、作業機昇降用の油圧装置３、運転席
４等を有する。５はリヤーマウント型のモアー
で、モアーデツキ６、縦軸廻りに回転する複数個
の回転刃７、この回転刃７を駆動する巻掛伝動機
構８等を有する。モアーデツキ６の前後には刈高
さを規制するゲージ輪９，１０が設けられ、この
ゲージ輪９，１０が地面に接地して走行可能であ
る。モアーデツキ６上には、前部側に左右一対の
支持ブラケツト１１が設けられると共に、中央部
にトツプマスト１２、サポートリンク１３等が設
けられている。１４はトラクタ１の後方にモアー
６を牽引装着する三点リンク機構で、トツプリン
ク１５と左右一対のロアリンク１６とから成り、
そのロアリンク１６はリフトロツド１７を介して
油圧装置３のリフトアーム１８に連結されてい
る。トツプリンク１５は第３図及び第４図の如く
後端に球継手１９を有し、この球継手１９は取付
ピン２０を介して上部連結リンク２１に連結され
ている。上部連結リンク２１はトツプマスト１２
上端に取付ピン２２を介して連結されており、従
つて上部連結リンク２１は取付ピン２０，２２廻
りに枢動自在である。なお取付ピン２０，２２は
抜き差し自在である。左右一対のロアリンク１６
も後端に球継手２３を夫々有し、この球継手２３
は下部連結リンク２４の取付ピン２５に着脱自在
に連結されている。下部連結リンク２４には前後
方向の中間部に筒状のボス部２６が設けられ、こ
のボス部２６は支持ブラケツト１１とサポートリ
ンク１２とを連結する横軸２７に回動自在に套嵌
されており、従つて、下部連結リンク２４も取付
ピン２５、横軸２７廻りにロアリンク１６及び支
持ブラケツト１１に対して枢動自在である。下部
連結リンク２４の後端には係合ピン２８が設けら
れ、その係合ピン２８は支持ブラケツト１１に形
成された長孔２９に摺動自在に嵌合されており、
下部連結リンク２４は支持ブラケツト１１に対す
る枢動範囲は長孔２９の範囲内に規制される。な
お、係合ピン２８及び長孔２９により制限手段が
構成されている。なお実施例では連結リンク２
０，２４をモアー５側に設け、各種のトラクタに
装着できるようにしている。

上記構成において、芝刈り作業時には油圧装置
３をフローテイング状態にして、トラクタ１によ
り三点リンク機構１４を介してモアー５を牽引走
行しながら、各回転刃７を回転させ、この各回転
刃７によつて所定の刈高さで芝生を刈取つて行
く。この場合、第５図に示す如くトラクタ１が水
平地Ａ、モアー５が前下がりの傾斜地Ｂに夫々あ
つても、モアー５をその傾斜地Ｂに追従して走行
できる。即ち、この時にはトツプリンク１５と上
部連結リンク２１とが、取付ピン２０が下方に位
置するように屈折するため、モアー５はトラクタ
１に対して相対的に前傾姿勢をとり、傾斜地Ｂに
沿つて走行可能である。

またモアー５の走行地が前上がりの傾斜地であ
れば、ロアリンク１６と下部連結リンク２４と
が、取付ピン２５が上方に位置するように上向き
に屈折できるため、モアー５は後傾姿勢も任意に
とることができる。

トラクタ１の走行地に対してモアー５の走行地
が左右に傾斜している時には、左右のロアリンク
１６と下部連結リンク２４とが夫々独自に同方向
又は逆方向に屈折するため、モアー５はトラクタ
１に関係なく走行地の傾斜に追従して走行でき
る。

モアー５を持上げる際には、油圧装置３を上昇
方向に作動させ、リフトロツド１７により左右一
対のロアリンク１６を持上げる。すると下部連結
リンク２４の枢動範囲が長孔２９で規制されてい
るため、下部連結リンク２４が長孔２９の範囲ま
で枢動した後モアー５が後下りの状態になりなが
ら上昇し始め、連結リンク２１，２４を使用して
いるにも拘らず、油圧装置３による昇降が可能で
ある。

下部連結リンク２４は、第６図の如く支持ブラ
ケツト１１に固定の横軸２７にボス部２６を着脱
自在に套嵌しても良く、また第７図に示すように
横軸２７をサポートリンク１３の下端に固着し、
この横軸２７をネジ部３０とナツト３１により支
持ブラケツト１１に着脱自在に固定し、この横軸
２７で下部連結リンク２４を支持しても良い。

なお上記実施例は、何れも下部連結リンク２４
を支持ブラケツト１１に対して所定範囲内で枢動
自在としているが、この下部連結リンク２４は第
８図及び第９図の如くロアリンク１６側に設けて
も良い。即ち、この下部連結リンク２４には、中
途に取付ピン３２が固着されると共に、前端に長
孔２９が、後端に球継手３３が夫々設けられてい
る。そして、下部連結リンク２４の長孔２９とロ
アリンク１６とにピン３４が挿抜自在に挿入さ
れ、また球継手３３は支持ブラケツト１１に固定
の取付ピン３５に着脱自在に連結されている。勿
論、取付ピン３２はロアリンク１６の球継手２３
に挿入されている。このようにすれば、下部連結
リンク２４を必要としないときには、取外しても
使用できる。

本考案によれば、三点リンク機構１４のトツプ
リンク１５と草刈作業機５側、及び三点リンク機
構１４の左右一対のロアリンク１６と草刈作業機
５側との間に、草刈作業機５の走行時に上下方向
に枢動自在な連結リンク２１，２４を夫々介装し
ているので、ゲージ輪９，１０を地面に接地させ
て刈高さを規制しながら走行する草刈作業機５を
三点リンク機構１４を介してトラクタ１に連結し
ているにも拘らず、草刈作業機５を地面の前後、
左右の何れの傾斜に対しても自在に追従させるこ
とができる。

また左右一対のロアリンク１６と草刈作業機５
側との間に介装された連結リンク２４の駆動範囲
を制限する制限手段２８，２９を設けているの
で、トツプリンク１５及び左右一対のロアリンク
１６の夫々を連結リンク２１，２４を介して草刈
作業機５に連結しているにも拘らず、三点リンク
機構１４を介して草刈作業機５を持上げることも
可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例を示す側面図、第
２図は同平面図、第３図は同要部の破断側面図、
第４図は同要部の平面図、第５図は作用説明図、
第６図は第２実施例を示す要部の破断平面図、第
７図は第３実施例を示す要部の破断平面図、第８
図は第４実施例を示す要部の側面図、第９図は同
平面図である。 １……トラクタ、５……モアー、１４……三点
リンク機構、１５……トツプリンク、１６……ロ
アリンク、２１……上部連結リンク、２４……下
部連結リンク、２８……係合ピン、２９……長
孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 地面に接地して刈高さを規制するゲージ輪９，
   １０を備えた草刈作業機５を、各ゲージ輪９，１
   ０を接地させて地面に追従走行するように三点リ
   ンク機構１４を介してトラクタ１に連結する作業
   機連結装置であつて、三点リンク機構１４のトツ
   プリンク１５と草刈作業機５側、及び三点リンク
   機構１４の左右一対のロアリンク１６と草刈作業
   機５側との間に、草刈作業機５の走行時に上下方
   向に枢動自在な連結リンク２１，２４を夫々介装
   し、かつ左右一対のロアリンク１６と草刈作業機
   ５側との間に介装された連結リンク２４の枢動範
   囲を制限する制限手段２８，２９を設けたことを
   特徴とする作業機連結装置。