JPH033487B2 - - Google Patents

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JPH033487B2
JPH033487B2 JP5933785A JP5933785A JPH033487B2 JP H033487 B2 JPH033487 B2 JP H033487B2 JP 5933785 A JP5933785 A JP 5933785A JP 5933785 A JP5933785 A JP 5933785A JP H033487 B2 JPH033487 B2 JP H033487B2
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bracket
groove
protrusion
orthodontic
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Deii Kuriikumoa Toomasu
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 この発明は歯列矯正用のブラケツトに関する。
このブラケツトは歯列矯正医が使用して、患者の
歯を正確に動かして位置決めする装置である。特
に、この発明は歯列矯正用のブラケツトの構造を
強い矯正力をもつように改良したものである。な
お、ここでいう改良ブラケツトは1対の固定翼を
備えた長さの短いブラケツト(いわゆる、シング
ルブラケツト)の利点と2対の固定翼を備えた長
さの比較的長いブラケツト(いわゆる、ツインブ
ラケツト)の利点とを併せ持つたものをいう。
発明の背景 歯列矯正方法には多種類あるけれども、現在、
アメリカの歯列矯正医の多くは、2つの基本的な
治療方法のいずれかを利用している。この2つの
基本的な方法はライトワイヤ(light−wire)法
とエツジワイズ(edgewise)法である。ライト
ワイヤ装置を最初に開発したのはオーストラリア
の歯列矯正医アール・ピー・ベツグ(R.P.Begg)
であるが、彼はここで差動力制御(differential
force control)という概念を取り入れている。
歯列矯正時の歯の作動のうちある種の動作は他の
ものに比べて菌茎等の抵抗が顕著であり、また、
ある種の動作はこれに比べて迅速に起ることを考
慮して、ベツクは次のように考えた。すなわち、
歯に必要な動作を適正に選択し、かつ相互の反動
を適当に関連させれば、歯をきちんと配列させう
るということである。ベツグのライトワイヤ法に
は多くの特徴がある。ブラケツトは患者の第1白
歯を含むすべての前歯の全面(外側)に取り付け
られる。歯列矯正用のワイヤは歯列に沿つて弓形
に形成され、その断面は丸く、ほぼ水平に取り付
けられる。この弓形ワイヤは各ブラケツトに緩挿
され、固定されていない。ベツグの開発したブラ
ケツトは弓形ワイヤに対して一点で接触している
ため、摩擦が少なく、歯はワイヤに対して自在に
スライド可能で、矯正のために回転され、傾斜さ
れ、かつねじられる。しかしこの回転、傾斜、ね
じりは補助具によつて行なわれるものであつて、
後述するエツジワイズ法の場合のように、弓形ワ
イヤとブラケツトとの整合による力の伝達によつ
て行なわれるものではなく、弓形ワイヤに対して
固定具は使用されない。引き抜き位置の前後の歯
を選択的に利用し、かつあご骨の弾力性を活用す
ることによつて相互の固定が行われる。現在で
は、ライトワイヤ装置は様々に変形されているけ
れども、歯の動作および固定を制御する理論にお
いて複雑な概念が使用されていることに変わりは
ない。標準的なライトワイヤ治療においては、特
別な引張り使用(抜歯を伴う場合もある)は使用
されておらず、従来のエツジワイズ治療の場合以
上に補助具が使用されている。
これに対して、アメリカで最も広く利用されて
いる歯列矯正治療法は、エドワード・エイチ・ア
ングル博士(Dr.Edward H.Angle)によつて開
発されたエツジワイズ法である。この発明のブラ
ケツトはこのエツジワイズ法に主として利用され
るものであるが、マルチフエーズ(mnlti−
phase)法、ツインワイヤエツジワイズ法等の歯
列矯正法にも適用できる。エツジワイズ法による
治療の初期の段階においては、断面円形の弓形ワ
イヤが使用されている。断面円形の弓形ワイヤは
可撓性に優れているため、比較的小さい力で矯正
ができるときに、不整位置の歯を広範囲にわたつ
て動かすことができる。歯を動かすためにさらに
力を要するエツジワイズ法の第2期および終期に
おいては、断面長方形の弓形ワイヤをブラケツト
の同形のワイヤ溝に嵌合し、さらに複数のバンド
によりこれを固定できる多帯精密器具
(multibanded precision appliance)がブラケツ
トとして使用される。なお、このワイヤの断面の
長方形においては、溝の深さに対応する辺が溝の
幅に対応する辺よりも長く設定されている。この
弓形ワイヤは金属製の固定ワイヤまたは弾性バン
ド等の機械的保持部材によつて、ブラケツトに水
平に形成されたワイヤ溝内に正しく整合(fit)
された後、縛着して固定される。なお、このブラ
ケツトは通常、第1白歯、時には第2白歯をも含
むすべての永久歯の外側に取り付けられる。歯列
に沿う弓形ワイヤの両端部は長方形の通路を有す
る管状のブラケツトに挿通される。弓形ワイヤは
ステンレス鋼や貴金属で形成され、その装着時に
は外側のせまい端縁(エツジ)を唇側および頬側
に向けて配置される。そのため、この方法はエツ
ジワイズ法と呼ばれる。このエツジワイズ法は
個々の歯をあらゆる方向すなわち3次元的方向に
動かすよう制御が可能であり、個々の歯を望まし
い矯正方向に動かすことができる。例えば、門歯
は弓形ワイヤの1回の調整でその長軸の回りに回
転動され、すなわち向きを変えられかつ舌側に傾
けたり、やや引き抜く方向に動かされる。弓形ワ
イヤは断面長方形に形成されているので、円形断
面と異なり所望の範囲にわたつてねじりを加える
ことができる。また、この弓形ワイヤはバネ性を
有しているため、この復元力を通してねじり力が
歯に伝えられる。すなわち、弓形ワイヤのねじれ
がそのバネ作用によつて元の形状に戻るときに、
歯に対して回転力が付与される。ブラケツトのワ
イヤ溝は精密加工により長方形断面に形成されて
おり、歯列矯正医は精密に同寸法に形成された弓
形ワイヤを選択して、両者を正確に整合させるこ
とができる。ブラケツトと弓形ワイヤとの整合に
よつて、歯に対して傾倒、ねじりおよび回転力が
伝えられる。余分の口内固定具は使用しなくても
よい。抜歯あるいは引き抜き位置の前方の歯を内
部のあご骨の弾力性で引き込ませるために、引き
抜き位置の後方の歯を選択的に利用しあるいは弓
形ワイヤをループ状にすることによつて相互固定
が可能である。この発明のブラケツトはエツジワ
イズ法、特に、歯列矯正システムに用いられるも
のである。そして、この矯正システムの特許は弓
形ワイヤをブラケツトに一方の固定翼部もしくは
両方の固定翼部によつて締着することが選択的に
できるエツジワイズ装置によつて与えられる。
次に従来のシングルブラケツトおよびツインブ
ラケツトの得失について説明する。
エツジワイズ法に使用されるシングルブラケツ
トは、その短い全長に亘つて弓形ワイヤを嵌合さ
せるための断面長方形のワイヤ溝を有するベース
より成る。ワイヤ溝の幅方向両側において、1対
の固定翼がベースから延びている。これらの固定
翼とワイヤ溝は、このブラケツトが取り付けられ
る歯の表面の幅方向中央部に位置されることにな
る。固定用の金属ワイヤもしくは弾性バンドは両
固定翼を巡つてループ状にされ、ワイヤ溝の両端
において弓形ワイヤ上を横切り、この弓形ワイヤ
をワイヤ溝内に固定するものである。
シングルブラケツトは歯に対して最も効率よく
前後への傾倒力および歯の向きを変えるねじり力
を付与しうるものであるが、左右への傾きを変え
る回転コントロールについて劣つている。すなわ
ち、初期においては、回転コントロールは歯に取
り付けられたバンドの中心線上もしくは端部に小
孔を溶接あるいははんだ付けによつて形成するこ
とによつて行なわれていた。矯正医はこの小孔を
弓形ワイヤに固定して、その面を弓形ワイヤーに
一層近づくように引張つて、歯をその中央に位置
させたブラケツトの回りに回転させるのである。
この方法は作業性が悪いとともに効率の悪い回転
コントロール法である。
シングルブラケツトの中央部には、歯の中心線
上を末端方向に突出する可撓性の回転レバーが取
り付けられる。このように、回転させる歯はブラ
ケツトよりも顔面側に突出する回転翼を有する。
弓形ワイヤはこの回転翼に接触し、このワイヤが
ブラケツトに固定されることによつて、歯はブラ
ケツトの回りに回転される。回転レバーの突出程
度はある程度調節できる。したがつて、矯正医は
弓形ワイヤよりもむしろ回転レバーを調節するこ
とによつて、歯に対して所望の回転量を設定する
ことができる。
歯の動作に近い回転レバーの欠点は、治療の初
期の段階で明白である。当初歯が大きく傾斜およ
び回転しているならば、弓形ワイヤは回転レバー
と接触しないであろう。また、弓形ワイヤが固定
された状態において、弓形ワイヤが回転レバーに
打ち当るように調節されていなければ、弓形ワイ
ヤによるどのような歯の動作を起らないであろ
う。このように、初期における弓形ワイヤのブラ
ケツトへの挿着は効率が悪く、その固定には熱練
を要する。
シングルブラケツトのもつ回転効率の悪さを軽
減させるために、ブラケツトを2個用いる方法が
導入された。この方法は歯の中央部に1つのブラ
ケツトを設ける代わりに、歯の横方向両端に2つ
のブラケツトを設けるものである。したがつて、
各ブラケツトに弓形ワイヤが固定されると、歯の
表面と弓形ワイヤとが方向を一致するように、歯
が回転力を受ける。
歯列矯正において歯を回転させる際の原則の1
つに、回転された歯が後刻少し逆戻りするのを補
償するため、予め少し過度に回転しておくことが
行なわれる。この過度の矯正は特に回転される歯
に必要とされる。しかし前記のようにブラケツト
を2個用いるいわゆるツインブラケツト法には過
度回転(over−rotation)の能力はない。ツイン
ブラケツト法において、過度回転を行なうために
は、弓形ワイヤを湾曲させる必要があり、さら
に、ブラケツトの中央部もしくは末端部を押して
弓形ワイヤから離すために補助部材も必要とな
る。また、回転レバーを備えていないシングルブ
ラケツトは、過度回転コントロール能力を備えて
いない。なお、この過度回転コントロール能力に
ついては後に詳述する。
シングルブラケツトの重要な利点の1つは、隣
接する歯に設けたブラケツト間にある弓形ワイヤ
の有効長さが長いことに起因する利点である。こ
の長さは「ブラケツト間距離(interbracket
width)」と呼ばれるものである。隣接する歯に
設ける各ブラケツトの取り付け位置はそれぞれの
歯のほぼ中央であるので、その間の弓形ワイヤの
長さ、すなわちブラケツト間距離は、隣接するそ
れぞれの歯の中央部付近の点の間の距離に相当す
る。シングルブラケツトの場合、その間にある弓
形ワイヤのスパン(てこのアーム長に相当)が長
いことによつて、歯に対しては比較的弱い力が加
えられる。しかしこの力が加えられる時間は、前
述のように1つの歯面に2つのブラケツトが設け
られて、ブラケツト間距離が制限され、その間の
弓形ワイヤのスパンが短い場合に比べると長いこ
とを要する。また、スパンの長い弓形ワイヤはそ
の弾性限界を越えて永久変形を起すことなく十分
にねじられる。逆にブラケツト間の弓形ワイヤの
長さが制限される従来のツインブラケツトが各歯
に使用された場合には、弓形ワイヤのねじりもし
くは撓みが最も小さい状態で、歯に対して大きい
力が加えられる。このようにして、歯が所定の範
囲内で動かされた後、ブラケツト間距離の短い弓
形ワイヤによつて生じた力は迅速に消失するた
め、効果的に歯を動作させるための最適な力を維
持するためには、頻繁に調節をする必要がある。
矯正装置を頻繁に調節するためには、当然のこと
ながら、患者はそのために通院を余儀なくされ、
患者にとつては全く不都合である。また、このよ
うに頻繁に調節をするためには、必然的に矯正施
設における治療時間が長くなり、その結果、患者
の負担する治療費がかさむだけでなく、一部の歯
列矯正医にとつては営業上の不都合を招く。この
ような理由から患者の通院回数が少なくて済むと
ともに治療時間も短くて済み、患者にも医者にも
好都合な治療方法が望まれていた。
エツジワイズ法のために、ツインブラケツトが
かなりの期間にわたつて使用されている。ツイン
ブラケツトはブラケツトのベースに形成された1
対の離間した突起を有しており、この各突起が弓
形ワイヤ装着用のワイヤ溝をそれぞれの中央に形
成する。このワイヤ溝が協働して、ベースのほぼ
全長に相当する効果をもつワイヤ溝を一直線上に
形成する。名突起にはブラケツトの幅方向両側に
固定翼が形成されているため、合計4つの固定翼
が存在することになる。これらの固定翼およびワ
イヤ溝はベースの両端まで達している。矯正すべ
き歯の中央部にベースを設定すると、固定翼は歯
の幅方向両側に対をなして配設されるため、有効
な回転コントロールを有するブラケツトが形成さ
れる。そして、選ばれた固定翼と弓形ワイヤとの
間に固定ワイヤもしくは弾性部材を使用すれば、
有効な回転コントロールのために必要な力のモー
メントが得られる。
従来のツインブラケツトの使用における代表的
な欠点は既に述べたように、ワイヤ溝および固定
翼がブラケツトの長手方向両端部に設けられるた
め、ブラケツト間距離が短くなる点である。この
ように、ブラケツト間距離が短くなると、エツジ
ワイズ法においては、歯を効果的に動作させるた
めの最適範囲の力を保持するために、装置を頻繁
に調節する必要があり、通常、患者の通院回数が
増加するとともに治療時間も長くなるとともに治
療時間も長くなるという不都合を生じる。
ツインブラケツトにおけるその他の欠点として
は、隣接するブラケツトの固定翼間の間隔が短い
ため、弓形ワイヤを締結する固定ループおよび弾
性材ループのための十分な空間が得られないこと
があげられる。したがつて、ツインブラケツトの
利点を損うことなく、しかも、隣接するブラケツ
トの固定翼間に十分な空間を有し、エツジワイズ
法におけるワイヤループおよび弾性材ループの使
用が容易なブラケツトの開発が望まれる。
発明の目的 この発明の主な目的は、歯に対して過回転コン
トロールを付与しうる新規なシングル兼ツイン型
歯列矯正ブラケツト提供することである。
この発明の別の目的は、効果的な回転コントロ
ールを行なうためのツイン(2組)固定翼を有
し、かつ隣接するブラケツト間における弓形ワイ
ヤの作動域の長さを最大値に維持するため、通常
シングルブラケツトによつて得られるブラケツト
間距離を与えうる新規な菌列矯正ブラケツトを提
供することである。
この発明の別の目的は、最適な回転コントロー
ルを成しうるツイン固定翼を有し、かつ中央部に
協働する弓形ワイヤに対する作用部を有する新規
な歯列矯正ブラケツトを提供することである。な
お、このブラケツトにおける作用部には精密加工
によつて弓形ワイヤと少なくとも幅の整合するワ
イヤ溝が形成されている。このワイヤ溝によつて
得られる歯の回転および傾倒モーメントは、従来
のエツジワイズ法で使用された(1対の固定翼を
有するのみの)シングルブラケツトによつて得ら
れるモーメントと同等である。
この発明の別の目的は、ブラケツトの両端部に
それぞれ1対の固定翼を有するツインブラケツト
の特性を併せ有し、かつ弓形ワイヤに対して金属
又は弾性材ループを有効に縛着させるための十分
なブラケツト間距離を与える、新規な歯列矯正ブ
ラケツトを提供することである。
この発明の別の目的は、従来のツインブラケツ
トに比して回転コントロールおよび過回転コント
ロール能力の優れた新規なシングル兼ツイン型歯
列矯正ブラケツトを提供することである。
この発明の別の目的は、各種のツインブラケツ
トを選択して中間に作用部を結合するだけで、回
転および過回転コントロール、ねじり力および傾
倒力を様々に組み合わせて設定しうる新規な歯列
矯正ブラケツトを提供することである。
この発明の別の目的は、結束部材を弓形ワイヤ
の適所に対して効果的に締着しうる歯列矯正ブラ
ケツトを提供することである。
この発明の別の目的は、構造が簡単で、しか
も、取り付けの容易さおよび使用性の面で従来の
ブラケツト劣らず、かつ他の同様な歯列矯正ブラ
ケツトのもつ欠点を解消した新規なシングル兼ツ
イン型歯列矯正ブラケツトを提供することであ
る。
この発明のさらに別の目的、利点、特徴は以下
の実施例の説明によつて明らかにされるであろ
う。
発明の概要 この発明のエツジワイズ法による歯列矯正ブラ
ケツトは、歯の表面に対して横方向に不動に取り
付けられるベースを有する。ベースを有する。こ
のベースは歯に予め固定されたバンドに取り付け
られるか、歯面に対して直接接着される。
この発明の1つの例においては、ベースには長
手方向ほぼ全長に亘つて延びる突起が形成されて
いる。そして、この突起の長手方向中間部分には
離間した平行側壁とその間の底壁とによつて断面
長方形の前記弓形ワイヤを嵌合しうるワイヤが溝
が形成され、また突起の長手方向両端部分には、
それぞれ前記ワイヤ溝に続く一直線上に同ワイヤ
溝より断面の大きいワイヤリリーフ溝が形成され
かつ突起両端部分の上縁が幅方向外方へ延出する
とともにその先端を下方ベース側へ湾曲してブラ
ケツトの長手方向両端部分にそれぞれ1対の固定
翼を形成している。
なお、前記突起は中間部分と各端部分との3部
分にそれぞれの間に若干の空隙を設けて分割され
てもよい。各端部分に形成されるワイヤリリーフ
溝は、その溝幅および/または溝深さを、中間部
分に形成されて弓形ワイヤを整合するワイヤ溝の
溝幅、溝深さより大きくして弓形ワイヤに対して
リリーフ(解放)機能を十分に発揮する。突起の
中間部分は弓形ワイヤに対して実質的な作用部と
しての機能を有し、弓形ワイヤによる回転力、傾
倒力およびねじり力はこの作用部を介して、その
ブラケツトを取り付けた歯に伝えられる。また各
端部分に設けた固定翼は、弓形ワイヤのブラケツ
トに対する固定位置を種々変えることを可能にし
ており、ワイヤリリーフ溝の形成は、隣接するブ
ラケツト間距離を従来のシングルブラケツト使用
時と同程度の最大値にする利点を有し、十分な弓
形ワイヤによる歯列矯正の制御能力が得られる。
この発明のブラケツトには、その作用効果を限
定強化するために、部分的にやや形状を変更した
ものがある。
その一つの例においては、歯列矯正用のブラケ
ツトのツイン固定翼部の間に平行側壁によりワイ
ヤ溝が形成されている。しかしこの場合、このワ
イヤ溝には、その深さのみにリリーフ機能が付与
されている。すなわちベース表面の中間部分には
この特別なワイヤ溝の底壁より高く突出された弓
形ワイヤ支持部が形成され、前記ツインのワイヤ
溝に嵌合される弓形ワイヤに対して、ブラケツト
がこの高い中央の支持部のまわりに回動可能な限
定されたリリーフ機構を有する。したがつて、隣
接する歯に取り付けられたブラケツトの支持部に
よつて限定されるブラケツト間距離は、主に回転
および過回転のために利用される。
また別の例においては、シングル兼ツイン型ブ
ラケツトがベース表面の突起をT字形に配置して
いる。すなわち突起の長手方向中間部分が従来の
シングルブラケツト状に構成され、弓形ワイヤを
嵌合しうるワイヤ溝と、1対の逆向き固定翼を有
し、この固定翼の一方を含む突起の長手方向には
その両端部分にこの一方の固定翼と一直線をなし
て同形の固定翼が互いに離間して形成されてい
る。また前記中間部分におけるワイヤ溝の両端部
分からブラケツトの長手方向端部に向かつてワイ
ヤ溝の底壁より表面の下がるリリーフ部が開放状
に形成される。この特殊なブラケツトは、歯が小
さかつたり、特に近接していて、従来のツインブ
ラケツトの固定翼をその形状、寸法で有していた
いのでは、隣接するブラケツトの固定翼間の間隔
が極端に狭くなるために、弓形ワイヤを縛着する
固定ワイヤまたは弾性ループの使用が困難である
場合に利用される。このT字形突起と開放状リリ
ーフ部を備えたブラケツトは、隣接するブラケツ
ト間で整合ワイヤ溝間の距離が大きく、しかも隣
接する歯相互の位置ずれが大きい場合でも弓形ワ
イヤが突起の端部によつて動きを制約されないの
で、十分な曲げおよびねじり能力が得られる。
この発明の總合的な作用効果および特徴は、前
述の目的の欄の記載および以下のお実施例の説明
によつて明白となろう。
実施例 第1図乃至第4図についてまず一つの実施例を
説明する。この発明の歯列矯正用ブラケツト10
は本体部としてベース12を有しており、このベ
ース12が歯列矯正治療を受ける患者の歯のそれ
ぞれの外側(頬または唇側)に固定される。すな
わちベース12は必要に応じて、歯を取り巻く金
属バンド(第8図参照)にスポツト溶接等によつ
て固定されるか、その歯の表面のエナメル質に直
接接合(bonding)される。ベース12は好まし
くはステンレス鋼または貴金属等の金属で形成さ
れるが、このベースおよびそれに続く突出部分
は、エツジワイズ歯列矯正治療に適用できるもの
であれば、別の材料で形成することもできる。各
ベース12が患者の歯もしくは前記金属バンドに
固定されると、弓形の歯列に適合された一連の弓
形ワイヤが患者の唇および頬の内面に面するよう
にすべてのブラケツト10に取り付けられる。
(第8図参照)。
ベース12の片面には1対の突起14,16
が、ブラケツト10が歯の外側に固定されたと
き、外方に向くように突設されている。突起1
4,16は溶接等によつてベース12に接合され
るか、ベース12と一体に形成される。突起1
4,16はベース12の長手方向両端縁18,2
0にそれぞれ隣接して配設されている。その結
果、突起に力が加えられ、この力が歯の辺縁部に
作用するため、歯に対して所定の作動力が加えら
れることになる。各突起14,16にはそれぞれ
1対の固定翼22,24または26,28が側方
に延出され、その端部は湾曲して凹みが形成され
ている。突起14,16はベース12の両端部に
配設されているので、各対の固定翼は治療される
菌の中心に対して偏心している。固定ワイヤもし
くは弾性バンドを適宜の固定翼の回りに巻いて、
弓形ワイヤを通すと、回転モーメントを有する力
が固定翼を介してベース12ひいては歯に加えら
れる。その結果、各歯槽内において歯が矯正方向
に回転される。歯列矯正用のブラケツト10のこ
のような回転能力については以下に詳述するが、
さらに、一旦矯正された歯が後日、少しもとに戻
る傾向のあることを予測して患者の歯に加えられ
る過度の回転制御について述べることにする。
このブラケツト10の中間部には弓形ワイヤに
対する作用部30が設けられている。作用部30
はベース12に固定されるかもしくはベース12
と一体に形成され、かつその設置位置は両方の突
起14,16の中間部分である。作用部30には機
械加工等によつて高精度に弓形ワイヤに適合する
ワイヤ溝32が中心線上長手方向に形成されてい
る。ワイヤ溝32は平行に離間された平面状の側
壁34,36と底壁38とを有する。そして、こ
れらの壁面はその間に断面長方形の弓形ワイヤを
受容しうるように正確に設定されている。図に開
示したワイヤ溝32は、通常ベース12に対して
ほぼ垂直(第3図参照)に形成されているのが、
矯正すべき歯に対して所要の回転その他の作動力
を付与しうるものであれば、この発明の精神およ
び範囲を逸脱しない限り、ベースに対して種々の
角度で傾斜させたワイヤ溝も利用できる。また歯
列矯正治療の初期においては、ひどい不正咬合に
適応させるために、可橈性に優れた断面円形の弓
形ワイヤが使用されることもある。治療の中・後
期においては、断面長方形の弓形ワイヤが使用さ
れる。この弓形ワイヤは断面長方形のライヤ溝内
に隙間なく嵌合されるので、歯に作用する矯正力
は強く、弓形ワイヤからブラケツト10へと伝達
される。ワイヤ溝32の平面状の底壁38は作用
部30の図示上面40に対して平行に設定され
る。なお、底壁38と上面40との間隔は、弓形
ワイヤの寸法に合わせて、通常弓形ワイヤをワイ
ヤ溝32内に装着した場合に、ワイヤの上面と作
用部30の上面40とがほぼ同一面となるように
設定される。しかしながら、留意すべきことは、
この発明の精神および範囲を逸脱しない限り、溝
内の弓形ワイヤの上面は作用部30の図面上面よ
り若干高くても低くてもよいことである。
ここにおいて、従来型の歯列矯正用ツインブラ
ケツトの有した回転制御性を制限しない範囲にお
いて、ブラケツト10の両端部に弓形ワイヤに対
する1対の固定部(例えば固定翼のある突起)を
備えたブラケツトを提供することが望まれる。こ
の発明によれば、エツジワイズ治療における歯の
矯正は、ブラケツト10の中間部に設けられた作
用部30を介して行なわれる。作用部30はベー
ス12のほぼ中央部に突設され、その軸線に沿う
ワイヤ溝32の長さはシングルブラケツトにおけ
るワイヤ溝の長さにほぼ同じで、ツインブラケツ
トの全長に比べるとかなり短いものである。従つ
て隣接する歯に固定されたブラケツト間の作用上
有効な間隔は両者の作用部30に形成されたワイ
ヤ溝32相互の隣接端部間の距離(例えば第8図
におけるl)となる。これは各突起14,16の
中央に長手方向に形成された溝が、その中を通る
弓形ワイヤに概ね触れないように、両側壁および
底壁をブラケツトの端に近づくほど末広がり(フ
レアー)状にして、こでは弓形ワイヤを解放(リ
リーフ)しているからである。このような溝は第
2図にワイヤリリーフ溝42,44として示され
ており、側壁のフレアー面46,48,54,5
6および底壁の外下りに傾斜しかつ内方へ先細り
のにテーパ面50,58によつて各リリーフ溝4
2,44がそれぞれ限定されている。これらのフ
レアー面およびテーパ面はいずれも通常平面であ
るが、これらの面およびワイヤリリーフ溝42,
44の形状は図示態様に限定されず、ブラケツト
10中央の作用部30におけるワイヤ溝32から
長手方向の両外方に延びる弓形ワイヤをワイヤリ
ーフ溝42,44の壁面にほとんど接触させずに
曲げたりねじつたりできる形状であればよい。し
かし歯列矯正治療の初期の段階(特に、ひどい不
正咬合の場合)においては、使用される弓形ワイ
ヤは、十分に曲げたりねじつたりする必要があ
り、このようなワイヤーリリーフ溝42,44の
外縁と接触する。このようなときには必然的に隣
接するブラケツト間の距離は短くなる。治療によ
つて不正咬合の歯が矯正され始めると、リリーフ
溝42,44の外縁の弓形ワイヤの接触はおのず
と解消し、隣接するブラケツト間の距離は最大と
なる。フレアー面46,48および54,56に
よつて弓形ワイヤに対して十分な解放関係が形成
されるため、弓形ワイヤには隣接するブラケツト
の作用部の間でかなりの曲げやねじりが許容され
る。その結果、伝統的なエツジワイズ治療によつ
て、本発明のブラケツトを介して歯に十分な作動
力が加えられることになる。ワイヤリリーフ溝4
2は、その底面としてフレアー面46,48の下
縁の間にテーパ面50を有している。このテーパ
面50は中央の作用部30におけるワイヤ溝32
の底壁38の高さと同じ高さから外下がりに傾斜
した面である。このデーパ面50を傾斜状に形成
したため、突起14の存在によつてブラケツトの
歯列矯正時の回転能力が阻害されることはない。
さらに、各突起14,16のテーパ面50,58
の共同作用によつて、ブラケツト10の過回転制
御能力が与えられる。反対側の突起16にもワイ
ヤリリーフ溝44が形成されている。このワイヤ
リリーフ溝44は両側のフレアー面54,56お
よび外下がりに傾斜したテーパ面58を有する。
各突起14,16に形成されたワイヤリリーフ溝
42,44の発散角は広く形成されているので、
かなり長いブラケツト間距離、すなわち隣接する
歯に取り付けられたブラケツトの作用部間距離に
わたつて、弓形ワイヤは曲げられ、もしくはねじ
られる。歯列矯正治療において、歯を回転させて
矯正するため、制御された回転力を与えるため
に、弓形ワイヤをブラケツトにくくりつけるのに
結束ワイヤ、外部バネ、弾性部材等が使用され、
従来シングルブラケツトを使用した場合にのみ許
容された効果のある回転運動が発生される。さら
にこれらの広く開いたワイヤリリーフ溝によつ
て、ブラケツトに対して過回転能力が有効に付与
される。そして、この回転力の作用で、患者の歯
は迅速に回転矯正され、歯槽弓内において正常位
置に達する。
このブラケツト10によれば、シングルブラケ
ツトおよびツインブラケツトの双方の特徴を併用
することによつて良好な歯の動作が可能である。
シングルブラケツトはその長さが短いため、ブラ
ケツト間距離が長く、歯に対する有効な回転モー
メントや傾倒モーメントを生じ、比較的弱い力で
も歯に対して有効に作用する。この発明のブラケ
ツトは、その全長がツインブラケツトと同等であ
り、シングルブラケツトのほぼ全長に相当する長
さの作用部を中間に有し、この両側に隣接する突
起部にワイヤリリーフ溝を有しているので、この
ブラケツトはシングルブラケツトおよびツインブ
ラケツトの双方の機能を発揮する。すなわち、こ
のブラケツトはシングルブラケツト相当のねじり
モーメントおよび傾倒モーメントを発生し、かつ
通常ツインブラケツトによつてのみ得られる有効
な回転および過回転コントロールを行い得る。こ
の後者の特徴は通常シングルブラケツトでは得ら
れないか、もしくは得られてもあまり効果的では
ない。すなわち、効果的な回転コントロールは第
1図乃至第4図のブラケツトによつて得られる。
第5図乃至第7図に示したシングル兼ツイン型
ブラケツト60は、この発明の別の実施例による
ブラケツトであるが、その原理は第1図乃至第4
図に示されたブラケツト10と同様である。この
ブラケツト60は構造が簡略化されているので、
製造および市販の観点からすれば好ましい実施例
である。図示のようにブラケツト60にはベース
62が設けられている。このベース62はベース
12(第1図乃至第4図参照)と同様患者の歯に
固定される。突起64はベース62に突起される
が、この突起はベースと一体状に形成してもよい
し、別々に形成して取り付けてもよい。また、こ
の場合一連の突起64の中央部には弓形ワイヤの
幅に適合するワイヤ溝68を有する作用部66が
形成されている。このワイヤ溝68は歯列矯正治
療のエツジワイズ法に基づいて弓形ワイヤを嵌入
しうるものである。第6,7図より明らかなよう
に、ワイヤ溝68は対向する平行な面70,72
および平らな底面74によつて限定される。弓形
ワイヤが底面74と接触した状態において、ワイ
ヤの上面は作用部66の図示上面76とほぼ同一
面となる。なお、留意すべきことは、ワイヤ第6
8の長さは従来のシングルブラケツト溝の長さに
等しいということである。
突起64は両端部に固定部78,80を有す
る。固定部78には1対の固定翼82,84が形
成されている。その両固定翼82,84は突起の
図示上部から側方へ延びアンダーカツトを形成す
る。このアンダーカツトには弓形ワイヤをワイヤ
溝68に保持するための固定ワイヤ、弾性バンド
等が係着される。さらに固定部78内側には、1
対のフレアー面86,88が形成されている。こ
の両フレアー面と内側にテーパ(先細り)した傾
斜面90とによつて、中間のワイヤ溝68の一方
に隣接するワイヤリリーフ溝が形成される。ブラ
ケツト60の他端における固定部80にも、固定
翼82,84と同様な1対の固定翼92,94が
形成されている。また、固定部80内側にも1対
のフレアー面96,98が形成されている。そし
て、この両フレアー面と内側にテーパした傾斜面
100とによつて、ワイヤ68の他方に隣接する
ワイヤリリーフ溝が形成される。
第5図乃至第7図に示されたブラケツト60の
機能は、第1図乃至第4図に示されたブラケツト
10の機能と同等である。このブラケツト60の
中間の作用部66に形成されたワイヤ溝68の長
さは前述のように限定されており、歯に対する傾
倒制御および最大の隣接ブラケツト間距離という
観点からすれば、シングルブラケツトにおけるワ
イヤ溝とほぼ同等の機能を発揮する。このブラケ
ツトの固定部78,80に形成されたワイヤリリ
ーフ溝によるワイヤリリーフ(解放)機能によつ
て、有効な回転制御が得られるとともに、ブラケ
ツトに対して有効な過回転能力が付与される。し
たがつて、このブラケツト60もエツジワイズ法
において使用されるツインブラケツトおよびシン
グルブラケツトの機能を併せ持つものである。
第8図は患者の歯に対して、この発明の歯列矯
正装置を取り付けた状態を示す図である。図示A
のように、固定ワイヤWが図示左右両方の固定翼
にわたつて掛けられている場合には、これによつ
て係着された弓形ワイヤWから歯に対して回転力
が付与されないが、図示B,Cのように固定ワイ
ヤWが一方の固定翼に対してのみ掛けられている
場合には、図中央矢印で示される方向の回転力が
弓形ワイヤWによつてそれぞれの歯に付与され
る。
現在よく知られているツインブラケツトを使用
した歯列矯正治療において、さらに強い回転制御
および過回転能力を得るためにテコの作用を活用
したい場合には、ブラケツトの形状を第9,10
図のようにするのが望ましい。ブラケツト102
はベース104を有する、そして、このベース1
04には一体状の突起106が形成されている。
突起106は1対の離間した固定部108,11
0を有し、その各固定部外側にはアンダカツトの
ある固定翼112,114および116,118
がそれぞれ形成されている。突起106の中心線
上にはその全長にわたつて同一幅のワイヤ溝12
0が形成されているため、前記2つの実施例と異
なり、その全長にわたつて弓形ワイヤと協働す
る。ワイヤ溝120には互いに対向して平行面1
22,124が形成され、突起106の全長にわ
たつて、断面長方形の弓形ワイヤの両側面と正確
に係合するようになつている。ブラケツト102
の中央部には溝の底面で弓形ワイヤを支える支持
部126が形成されており、その長さはワイヤ溝
の平坦な底面128によつて限定される。底面1
28の両端から長手方向外側に向つて傾斜した面
130,132が形成され、ワイヤ溝120は両
端ほど深くなつている。その結果、ブラケツトに
は中間の支持部から両端に向うリリーフ溝が形成
されることになる。弓形ワイヤをワイヤ溝120
に挿着すると、ワイヤの内面は底面128によつ
て限定された支持部126に接触する。傾斜面1
30,132は弓形ワイヤの内側の面と接触して
いないので、弓形ワイヤは底面128の両端から
延出されたリリーフ溝の部分においてベースの方
へ曲折可能である。そのため、ワイヤ溝120が
ブラケツト102の突起106の全長にわたつて
同一の幅で形成されている場合でも、効果的な回
転制御および過回転能力が得られる。これが、従
来の単純なシングルブラケツトおよびツインブラ
ケツトにみられない優れた特徴である。なお、第
1図乃至第7図のブラケツトに対しても、第9,
10図の場合と同様な態様でてこの作用を付与す
ることができる。
エツジワイズ法に従つて従来のツインブラケツ
トが使用される場合、さらに次のような欠点があ
つた。すなわち、そのツイン固定翼においては隣
接するブラケツトの固定翼間の間隔が狭くなるた
めに、弓形ワイヤを保持するための締結ループ、
固定ループ等をブラケツトに装着するための間隔
がほとんど得られないことである。締結ループや
固定ループの使用が望ましい場合には、この発明
に基づいて形成されるブラケツトは第11,12
図に示されるブラケツト134のような構造にす
ることができる。固定翼をほぼT字形に配置され
たこのブラケツト134は長方形のベース136
を有している。このベース136は前記ブラケツ
ト10,60におけるベース12,62と全く同
様なものてある。このベース136には一体状の
突起138が形成されている。この突起の図示上
部片側には、ブラケツトの長手方向に離間して固
定翼140,142が形成されている。両固定翼
140,142の間には、その設置および使用が
任意の中央固定翼143が配設される。そして、
各固定翼140,142はブラケツトの端部を形
成し、歯の回転を制御するために弓形ワイヤを縛
り付けるのに使用される。中間固定翼143の反
対側には、ブラケツト中間の支持部から延びた一
つの固定翼144が形成されている。突起138
には、この固定翼144の両側にブラケツトの長
手方向端部に向かつて表面の下がるリリーフ部1
46,148が開放状に形成されている。このリ
リーフ部を設けたことによつて、単独固定翼14
4と隣接する両翼型ブラケツトの固定翼との間隔
がかなり広くなる。この間隔はエツジワイズ法に
おいて弓形ワイヤ保持のために使用される固定ル
ープおよび締結ループを使用するのには十分であ
る。突起138中間の支持部にはワイヤ溝150
が形成されている。このワイヤ溝150は対向す
る平行面152,154および平坦な底面156
によつて限定される。突起138には、ワイヤ溝
150の一方の平行面154の両端に続いてフレ
アー面158,159が形成されている。この両
フレアー面によつて、ブラケツトの両端固定翼部
と、ワイヤ溝150に挿通される弓形ワイヤとの
間に側面リリーフが形成される。この側面リリー
フが形成されたためブラケツト間距離が長くな
り、弓形ワイヤによつて、隣接するブラケツトの
作動ワイヤ溝間に十分に曲げおよびねじり能力が
発生される。さらに、リリーフ部146,148
はそれぞれワイヤ溝150の端部から突起138
の端縁に向つて端下がりに傾斜している。ワイヤ
溝150が中央に位置し、端下がりの傾斜面と片
開きのフレアー面158,159によつてワイヤ
溝両側にリリーフ部が形成されているため、この
ブラケツト134においても、隣接ブラケツト間
距離は上記ブラケツト10,60の場合とほぼ同
程度である。独立固定翼144は、締結ループお
よび固定ループの取り付け用にのみ形成されてい
るのではなく、固定翼140,142と協働し
て、固定ワイヤ、弾性部材等を用いて弓形ワイヤ
をワイヤ溝150内に固定することができる。な
お、回転コントロールが必要とされない場合に
は、弓形ワイヤを中央固定翼143と独立固定翼
144に対してのみ固定すればよい。中央固定翼
143と固定翼140,142との間隔は、その
間に固定ワイヤを通しうる程度に設定される。
この発明の別の実施例を第13,14図に示
す。ブラケツト160はベース162を有する。
このベース162の一端には1対の固定翼16
4,166が形成され、その他端には1対の固定
翼168,170が形成されている。そして、各
固定翼対によつて弓形ワイヤ挿着用のワイヤ溝1
72,174が形成される。ベース162には、
両固定翼対の中間において支持部176が形成さ
れている。なお、この支持部176は第14図の
ようなエツジを有する尾根状もしくはその他適宜
の突状に形成される。弓形ワイヤ182を固定翼
部に形成されたワイヤ溝172,174内に挿着
すると、ワイヤの図示下面は支持部176と接触
する。また、このときワイヤーの上面は固定翼部
の上面と同一面をなす。ブラケツトは支持部17
6からブラケツトの両端に向つて傾斜する傾斜面
178,180を有する。この傾斜面178,1
80はワイヤ溝172,174の底面をなすもの
である。第14図において一点鎖線で示されるよ
うに、弓形ワイヤ182はワイヤ溝内に適宜挿着
される。傾斜面178,180は弓形ワイヤ18
2の図示下面に対して傾斜状に離間しているの
で、弓形ワイヤが支持部176を中心に回動する
際のリリーフ部が形成される。したがつて、弓形
ワイヤ182はこれらの傾斜面によつて妨害され
ることなく十分に変形されるため、過回転能力が
得られる。この実施例で支持部176は所定の角
度を有しているので、回転動作のためのブラケツ
ト間距離は隣接するブラケツトの中心間距離とな
る。
留意すべきは、第13,14図に示されたツイ
ンブラケツトは従来通りの特性をもつたツイン固
定翼を有するため、従来通りの方法でもこのブラ
ケツトを使用できる。しかしさらに付加的に回転
能力および過回転能力を発揮しうるブラケツトを
使用する必要がある場合には、中央から両端へか
けてリリーフ部を有する第13,14図のブラケ
ツトが選択される。弓形ワイヤは従来のツインブ
ラケツトと同様に方法でブラケツトに固定されう
る。したがつて、歯列矯正医は従来のツインブラ
ケツトを使用した治療法を大きく変更する必要は
ない。さらに付加的な回転コントロールもしくは
過回転能力が必要とされる場合には、弓形ワイヤ
に相対してブラケツトおよび歯の回転を誘起させ
るために、中央(第11図)もしくは末端(第1
3図)の固定翼のみを弓形ワイヤにくくりつけれ
ばよい。
第13,14図に示したブラケツト160にお
いては、支持部176は両側の傾斜面178,1
80によつてエツジを有する尾根状に形成されて
いるが、別の形状に形成してもよい。例えば、第
15図(第14図に対応する断面図)に示される
実施例においては、支持部194は断面長方形に
形成されている。第15図に示されるように、ブ
ラケツト184にはベース186が形成されてい
る。そして、このベース186は、前記第1図乃
至第14図の実施例の場合と同様な方法で歯に固
定される。ベース186の図示上部両側には、第
13図の固定翼の同様な2対の固定翼188,1
90が形成されている。各対の固定翼は上部をブ
ラケツト側方へ延出されるとともに、その間に弓
形ワイヤを嵌めるワイヤ溝を形成している。この
ワイヤ溝は深く、底面に傾斜がない。そして、こ
のワイヤ溝内には弓形ワイヤ192が挿着され
る。
2対の固定翼188,190の間において、ベ
ース186には側断面長方形の支持部194が形
成されている。そして、その支持部194は、そ
の両側に位置するワイヤ溝内に配設された弓形ワ
イヤ192を中間で支持する。支持部194は第
14図の支持部176に比べて頂部が広く形成さ
れており、隣接するブラケツト間距離は頂部の半
分の長さだけ短くなる。有効な回転能力を得るた
めに、この形式のツインブラケツトには、そのブ
ラケツトの中央支持部から隣接するブラケツトの
固定翼端にかけて十分な長さを有するてこのアー
ムが弓形ワイヤによつて与えられる必要がある。
なお、この際、固定翼の両端で縛ることによつて
弓形ワイヤは適度に変形される。弓形ワイヤとブ
ラケツトの中間支持部との相互作用で、歯に対し
て回転力が加えられる。しかしこの回転力は歯の
回転に伴つて消失し、弓形ワイヤは元の弓形に復
元される。ブラケツトが十分に長い場合、かなり
広い支持部を使用してもこのアームは極端に短く
なることはない。しかしながら、ブラケツトの長
さが短い場合には、かなり狭い支持部もしくは鋭
いエツジを有する支持部を使用しないと、有効な
回転力を発生しうる長さのてこのアームが得られ
ない。第15図に示した長方形の支持部194
は、機械加工や鋳造が容易で安価であるので、市
販する上では好ましい形状である。
第1図乃至第7図においては、各ブラケツトは
両端に向かつて開くフレアー状のワイヤリリーフ
溝を有している。しかし、このワイヤリリーフ溝
の形状は、この発明の精神および範囲を逸脱しな
いかぎり任意に選択できる。第16,17図に示
すブラケツト200はベース202を有し、この
ベースには固定翼部204,206が離間して形
成されている。そして、各固定翼部には1対の固
定翼が側方へ延出されている。なお、これらの固
定翼には前記実施例と同じく弓形ワイヤを縛りつ
ける固定ワイヤ等が巻き付けられる。また、ベー
ス202の中間部に形成された作用部208に
は、第1図乃至第7図において説明したような、
弓形ワイヤに整合するワイヤ溝210が形成され
ている。さらに、ベース202上には、ワイヤ溝
210の両端に続いて、段差を付して拡張された
ほぼ長方形のワイヤリリーフ溝212,214が
中心線を一致して形成されている。ワイヤリリー
フ溝212,214は、幅も、深さも中央のワイ
ヤ溝210の幅および深さに比べて大きいので、
ワイヤ溝210に嵌め込まれた弓形ワイヤに対し
て十分なワイヤリリーフ効果が得られる。これら
のリリーフ溝によつて得られるワイヤリリーフ効
果は、第1図乃至第7図のフレアー状のリリーフ
溝によつて得られるリリーフ効果と実質的に同等
である。
いずれの場合にも固定部材によつて、弓形ワイ
ヤをブラケツトに縛り付ける場合、この固定部材
によつて加えられる力は、ワイヤ溝210内に弓
形ワイヤをしつかりと保持しうる力でなくてはな
らない。歯に対してねじり力を加えるために、中
央作用部208におけるワイヤ溝210に対して
固定翼部のリリーフ溝が角ばつて拡張させてある
場合、弾性固定部材による締付力が弓形ワイヤに
十分に伝えられない場合がある。すなわちこの場
合には、締付力はリリーフ溝の拡張方向に一致し
ており、従つて弓形ワイヤはワイヤ溝内に保持さ
れるが、その保持力は不十分であるので、弓形ワ
イヤがワイヤ溝からはずれることがある。そのよ
うな場合には、当然、弓形ワイヤによつて生ずる
歯に対する作動力は消失する。そして、弓形ワイ
ヤがワイヤ溝内に正しく戻されない限り、すべて
の作動力は回復されない。
第18,19図はこの点を改良したシングル兼
ツイン型の歯列矯正用ブラケツトを示す。このブ
ラケツトにおいては、弾性固定部材によつて弓形
ワイヤがワイヤ溝内にしつかりと保持されるよう
に、締付力が効果的に方向に加えられる。ブラケ
ツト220には、このブラケツトを患者の歯のエ
ナメル質の前面に対して直接接着しるベース22
2が形成されている。なお、必要に応じて、この
ブラケツトを金属バンドに固定し、この金属バン
ドを歯に固定するとこによつて間接的に固定して
もよい。ブラケツト220は本体224を有し、
この本体224には1対の固定翼226,228
が両端部分にそれぞれ形成されている。この固定
翼226,228には下向きのシヨルダ230,
232が形成されていて、このシヨルダ230,
232に係合して弾性固定部材236が保持され
る(第18,19図参照)。
ブラケツトの本体224の中央部には断面長方
形のワイヤ溝238が形成されている。この中央
部の長さは従来の代表的なシングルブラケツトの
長さにほぼ等しい。ワイヤ溝238長手方向両側
には三方に拡張されたワイヤリリーフ溝240,
242が形成されている。このワイヤリリーフ溝
240,242はそれぞれ中央のワイヤ溝238
の端部からブラケツトの長手方向の端部にわたつ
て所定の幅に形成されている。前記の場合と同
様、このワイヤリリーフ溝の存在によつて、弓形
ワイヤ244はワイヤ溝238の両端から撓み可
能となる。ブラケツト220の全長は従来のツイ
ンブラケツトの全長にほぼ等しいので、このブラ
ケツトにも、従来のツインブラケツトおよびシン
グルブラケツト双方の特徴が兼備されていると言
える。
弓形ワイヤ244をワイヤ溝238内に効果的
に着座させ、かつこの弓形ワイヤをワイヤ溝23
8内に確実に保持するための力を弓形ワイヤに対
して効率よく加えるために、このブラケツトには
固定部材を通す溝246,248(第18図)、
274,276(第20,21図参照)が形成さ
れている。第18図に示すように、これらの溝2
46,248はブラケツトの各端において、ワイ
ヤリリーフ溝240と交差する。弾性固定部材を
2対の固定翼226,228の下側に取り付け
て、固定用の溝内に通し、さらに弓形ワイヤの両
側面から上面へ通すと、弾性部材は、第18,1
9図に示されるように湾曲され、この弾性部材に
よつて矢印(第18図)の方向への力が生じ、弓
形ワイヤ244はワイヤ溝238内に圧着される。
特に歯の傾きを矯正するために特定の歯に取り
付けられるブラケツトには、中間のワイヤ溝をブ
ラケツトのベースの垂直線に対して傾斜させたも
のがある。例えば、第20,21図に示されるよ
うなシングル兼ツイン型ブラケツトにおいては、
中間のワイヤ溝226は約45゜傾斜されていて、
要すれば歯の舌側の面に配設することもできる。
第20,21図に示されたブラケツト250は本
体252を有し、さらに、この本体にはベース2
54が取り付けられている。本体252の両端に
はそれぞれ1対の離間した固定翼256,258
が外向状に形成されている。さらに、各固定翼の
下部にはアンダーカツトによつて形成されたシヨ
ルダ260,262が形成されている。
本体の両端固定翼固定翼対の間には作用部26
4が形成されている。そして、この作用部には断
面長方形の弓形ワイヤ268を傾斜状(第20図
参照)に保持するためのワイヤ溝266が形成さ
れている。本体のワイヤ溝266の両側には幅お
よび深さが拡大されたワイヤリリーフ溝270,
272が形成されている。このワイヤリリーフ溝
によつて、弓形ワイヤはワイヤ溝266の両端を
境として解放される。ワイヤ溝の長さは従来のシ
ングルブラケツトのワイヤ溝の長さとほぼ同一で
あるので、隣接するブラケツトのワイヤ溝間の距
離は、シングルブラケツトの場合とほぼ同一であ
る。第21図においては、ブラケツトの構造を理
解しやすくするために、弓形ワイヤ固定用弾性部
材は図示を省略した。傾斜したワイヤ溝266の
側面は平行に形成されているが、これはエツジワ
イズ法による断面長方形の弓形ワイヤ268の作
用力を伝達しやすくするためである。
特に、第20,21図のように、ワイヤ溝26
6が著しくベース254に対して傾斜されている
場合には、固定部材(特に、弾性部材)は、ブラ
ケツトと弓形ワイヤ268との間に的確な方向の
力を発生し、その弓形ワイヤをワイヤ溝266内
に確実に着座させうるものであることが望まし
い。ブラケツトにツイン固定翼が一体状に形成さ
れている場合には、これらの係着され固定部材に
よつて弓形ワイヤに加えられる力はその作用方向
が必ずしもよくないので、一般に弓形ワイヤをワ
イヤ溝内に確実に着座させることができない。こ
の欠点を除くために、第20,21図に示された
ブラケツト250には横方向に固定部材を通す溝
274,276が形成されている。第20図にお
いて、弾性部材278はシヨルダ260,262
の下面に沿つて延び、さらにブラケツトの両端に
おいて横方向の溝274,276に通される。さ
らに、この弾性部材278はブラケツトのワイヤ
リリーフ溝270,272内を上下に通され、中
央のワイヤ溝266内に係合された弓形ワイヤ2
68の延出部を乗り越えることによつてワイヤ2
68を十分に押さえつける。第20,21図に示
されるように、弓形ワイヤが著しく傾斜されてい
ても、弾性部材による力は、第20図において矢
印で示されるように、ほぼ弓形ワイヤの傾斜した
側面に沿つて加えられる。これらの力の協同作用
によつて、弓形ワイヤ268はワイヤ溝266内
にしつかりと保持される。したがつて、第18図
乃至第21図に示されたブラケツトを使用すれ
ば、弓形ワイヤをしつかりと保持することができ
るので、弓形ワイヤがワイヤ溝からはずれるおそ
れはほとんどなくなる。
上記のように、この発明はシングル兼ツイン型
の歯列矯正用ブラケツトであつて、従来のシング
ルブラケツトおよびツインブラケツトの利点を効
果的に兼備させたものである。このようなブラケ
ツトにおける隣接ブラケツト間距離は前記リリー
フ溝の存在によつて十分に長いものとなる。な
お、このような長いブラケツト間距離は、従来の
リリーフ機構のないツインブラケツトでは通常得
られない。このブラケツトを用いたシステムをエ
ツジワイズ法に適用すると、不正歯に対して十分
な傾倒、ねじりおよび回転能力、さらに矯正後に
歯が少しもとに戻るのを配慮した過回転能力が得
られる。なお、これらの複合的能力は、シングル
ブラケツトもしくはツインブラケツト単独では、
通常同時に得ることはできないものである。この
発明のブラケツトの中心に位置する作用部には弓
形ワイヤに密接可能のワイヤ溝が形成されている
が、このワイヤ溝によつてエツジワイズ法が有効
に実施される。さらに、ブラケツトの長手方向両
端部にはワイヤリリーフ溝が形成されている。こ
のワイヤリリーフ溝は外方に向つて溝幅をフレア
ー状に拡大しているので、中間のワイヤ溝に嵌合
された弓形ワイヤはこれらのリリーフ溝にはほと
んど接触せず、従つて隣接ブラケツト間距離を実
質的に増大し、それによつて弓形ワイヤの湾曲性
を増加する。また、このワイヤリリーフ溝は深さ
も外方に向つて深くなつているので、ブラケツト
の回転能力および過回転制御能力が向上してい
る。また、ここに開示されたシングル兼ツイン型
ブラケツトは固定ワイヤまたは弾性部材によつて
弓形ワイヤその間に十分な保持力を生じうるもの
であり、ワイヤ溝が著しく傾斜されている場合で
あつても、弓形ワイヤの溝へと着座を確実に行な
うことができる。上記の観点からすれば、この発
明は当初のすべての目的を達成するものであり、
上記特徴および作用効果によつて、エツジワイズ
法による歯列矯正治療にとつてきわめて有用な発
明である。
上記の発明の実施例は発明の概念を説明するた
めのものであつて、発明の範囲を制限するもので
はない。したがつて、この発明は発明の範囲を逸
脱しない限り様々に変形することができる。な
お、発明の範囲は特許請求の範囲によつて定めら
れる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明による1つの実施例における
歯列矯正用ブラケツトの斜視図、第2図は第1図
の平面図、第3図は第1図の3−3線矢視図、第
4図は第2図の4−4線断面図、第5図はこの発
明の別の実施例における歯列矯正用ブラケツトの
斜視図、第6図は第5図の平面図、第7図は第6
図の7−7線断面図、第8図は第5図乃至第7図
のブラケツトを患者の歯に取りつけた状態を示す
部分図、第9図はこの発明のさらに別の実施例に
おける歯列矯正用ブラケツトの平面図、第10図
は第9図の10−10線断面図、第11図はこの
発明のさらに別の実施例における歯列矯正用ブラ
ケツトの平面図、第12図は第11図の12−1
2線矢視図、第13図はこの発明のさらに別の実
施例における歯列矯正用ブラケツトの平面図、第
14図は第13図の14−14線断面図、第15
図は第13図及び第14図に示した歯列矯正用ブ
ラケツトを一部変形したブラケツトの断面図、第
16図は第6図及び第7図に示した歯列矯正用ブ
ラケツトを一部変形したブラケツトの平面図、第
17図は第16図の17−17線断面図、第18
図はこの発明のさらに別の実施例における歯列矯
正用ブラケツトの側面図、第19図は第18図の
ブラケツトの平面図、第20図は第18図の歯列
矯正用ブラケツトの中央ワイヤ溝を傾斜させたブ
ラケツトの側面図、第21図は第20図のブラケ
ツトの斜視図である。 10,60,102,134,160,18
4,200,220,250……ブラケツト、1
2,62,104,136,162,186,2
02,222,252……ベース、14,16,
64,106,138……突起、22,24,2
6,28,82,92,94,112,114,
116,118,140,142,164,16
6,168,170,188,190,226,
228,256,258……固定翼、30,6
6,264……作用部、32,68,120,1
50,172,174,210,238,266
……ワイヤ溝、42,44,212,214,2
40,242,270,272……ワイヤリリー
フ溝、126,176,194……支持部、22
4,252……本体。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 エツジワイズ法による歯列矯正治療におい
    て、各歯の表面に横方向に装着されて歯列に沿う
    弓形ワイヤを係着可能の歯列矯正用ブラケツトで
    あつて、 (a) 歯面に不動に固定するのに適合されたベース
    と、 (b) ベース表面の長手方向にほぼ全長に亘つて突
    出された突起とから成り、この突起の長手方向
    中間部には離間した平行側壁とその間の底壁と
    によつて断面長方形の前記弓形ワイヤを嵌合し
    うるワイヤ溝が形成され、また突起の長手方向
    両端部分には、それぞれ前記ワイヤ溝に続く一
    直線上に同ワイヤ溝より断面の大きいワイヤリ
    リーフ溝が形成されかつ突起両端部分の上縁部
    が幅方向外方へ延出するとともにその先端を下
    方ベース側へ湾曲してブラケツトの長手方向両
    端部分にそれぞれ1対の固定翼を形成している
    ことを特徴とする歯列矯正用ブラケツト。 2 前記ワイヤリリーフ溝は、ブラケツトが歯面
    に装着された状態において、咬合側と歯茎側方向
    の溝幅を前記中間部分のワイヤ溝の溝幅より大き
    く形成されている特許請求の範囲第1項記載の歯
    列矯正用ブラケツト。 3 前記ワイヤリリーフ溝は、ブラケツトが歯面
    に装着された状態において、頬側と舌側方向の溝
    深さを前記中間部分のワイヤ溝の溝深さより大き
    く形成されている特許請求の範囲第1項記載の歯
    列矯正用ブラケツト。 4 前記ワイヤリリーフ溝は、ブラケツトが歯面
    に装着された状態において、咬合側と歯茎側方向
    の溝幅および頬側と舌側方向の溝深さを共に前記
    中間部分のワイヤ溝の溝幅、溝深さよりそれぞれ
    大きく形成されている特許請求の範囲第1項記載
    の歯列矯正用ブラケツト。 5 前記ベースから突出された突起が、弓形ワイ
    ヤの係着を確実にするため、その長手方向各端部
    分と長手方向中間部分との3部分に分割されて成
    り、中間部分は独立作用部として弓形ワイヤを嵌
    合しうる前記ワイヤ溝を有し、各端部分は前記ワ
    イヤリリーフ溝と1対の固定翼とをそれぞれに有
    している特許請求の範囲第1項記載の歯列矯正用
    ブラケツト。 6 前記ワイヤ溝がその溝の深さを前記中間部分
    の長手方向中央において最も浅く形成されて、該
    中央の稜線を以て弓形ワイヤを一線支持可能であ
    る特許請求の範囲第1項または第5項記載の歯列
    矯正用ブラケツト。 7 前記ワイヤリリーフ溝が、前記溝幅および溝
    深さをいずれも突起中間部分のワイヤ溝の溝幅お
    よび溝深さと同寸法から突起の両端部分の各外端
    へ向けて漸増している特許請求の範囲第4項記載
    の歯列矯正用ブラケツト。 8 前記ワイヤリリーフ溝が、前記溝幅および溝
    深さを共に突起中間部分のワイヤ溝の溝幅および
    溝深さに対してそれぞれ段差を付して拡張されて
    ほぼ長方形のリリーフ空間を形成している特許請
    求の範囲第4項記載の歯列矯正用ブラケツト。 9 前記突起の長手方向中間部分に設けられた弓
    形ワイヤ嵌合用ののワイヤ溝が、その底壁を中央
    で高く両端で低い傾斜状に形成している特許請求
    の範囲第1項記載の歯列矯正用ブラケツト。 10 エツジワイズ法による歯列矯正治療におい
    て、各歯の表面に横方向に装着されて歯列に沿う
    弓形ワイヤを係着可能の歯列矯正用ブラケツトで
    あつて、 (a) 歯面に不動に固定するのに適合された長方形
    のベースと、 (b) ベース表面にほぼT字形に配置して突出され
    た突起とから成り、この突起の長手方向中間部
    分には離間した平行側壁とその間の底壁とによ
    つて断面長方形の前記弓形ワイヤを嵌合しうる
    ワイヤ溝が形成され、さらに同中間部分の上縁
    部が共に幅方向外方へ延出するとともその先端
    を下方ベース側へ湾曲して1対の逆向き固定翼
    を形成し、この固定翼の一方を含む突起の長手
    方向にはその両端部分にこの一方の固定翼と一
    直線をなして同形の固定翼が互いに離間して形
    成され、また前記中間部分におけるワイヤ溝の
    両端部分からブラケツトの長手方向端部に向か
    つてワイヤ溝の底壁より表面が下がるリリーフ
    部が開放状に形成されて成る歯列矯正用ブラケ
    ツト。 11 エツジワイズ法による歯列矯正治療におい
    て、各歯の表面に横方向に装着されて歯列に沿う
    弓形ワイヤを係着可能の歯列矯正用ブラケツトで
    あつて、 (a) 歯面に不動に固定するのに適合されたベース
    と、 (b) ベース表面の長手方向両端部分に突出された
    1組の突起とから成り、この各突起には離間し
    た平行側壁によつて断面長方形の前記弓形ワイ
    ヤを嵌合しうるワイヤ溝がブラケツト長手方向
    に形成され、また各突起の上縁部が共に幅方向
    外方へ延出するとともにその先端を下方ベース
    側へ湾曲されて、ブラケツトの長手方向両端部
    分にそれぞれ1対の固定翼を形成し、さらにベ
    ース表面の中間部分には前記ワイヤ溝の底壁よ
    り高く突出された弓形ワイヤ支持部が形成さ
    れ、前記ワイヤ溝に嵌合される弓形ワイヤに対
    してブラケツトがこの高い支持部のまわりに回
    動可能なリリーフ機構を有することを特徴とす
    る歯列矯正用ブラケツト。 12 前記弓形ワイヤ支持部がベースの長手方向
    中央に最も高い稜線部分を有し、両方のワイヤ溝
    の底壁を合わせてベースの長手方向両端縁まで傾
    斜面を連続している特許請求の範囲第11項記載
    の歯列矯正用ブラケツト。 13 前記1組の突起が前記ワイヤ溝を形成する
    平行側壁の部分を互いにベース中間部分に延出し
    て一体状に連結され前記ワイヤ溝を一直線上に連
    通している特許請求の範囲第11項記載の歯列矯
    正用ブラケツト。 14 エツジワイズ法による歯列矯正治療におい
    て、各歯の表面に横方向に装着されて歯列に沿う
    弓形ワイヤを係着可能の歯列矯正用ブラケツトで
    あつて、 (a) 歯面に不動に固定するのに適合されたベース
    と、 (b) ベース表面の長手方向にほぼ全長に亘つて突
    出された突起とから成り、この突起の長手方向
    中間部分には離間した平行側壁とその間の底壁
    とによつて断面長方形の前記弓形ワイヤを嵌合
    しうるワイヤ溝が形成され、また突起の長手方
    向両端部分には、それぞれ前記ワイヤ溝に続く
    一直線上に同ワイヤ溝より断面の大きいワイヤ
    リリーフ溝が形成されかつ突起両端部分の上縁
    部が幅方向外方へ延出するとともにその先端を
    下方ベース側へ湾曲してブラケツトの長手方向
    両端部分にそれぞ1対の固定翼を形成し、さら
    に突起両端部分には各固定翼の下側から前記ワ
    イヤリリーフ溝に交叉状に通ずる横方向の溝が
    弓形ワイヤのブラケツトに対する固定を確実に
    するために設けられていることを特徴とする歯
    列矯正用ブラケツト。 15 前記突起の中間部分におけるワイヤ溝が、
    ブラケツトの長手方向に沿う中心面に対して傾斜
    状に形成されている特許請求の範囲第14項記載
    の歯列矯正用ブラケツト。 16 前記ワイヤ溝の中心面に対する傾斜角度が
    ほぼ45゜である特許請求の範囲第14項記載の歯
    列矯正用ブラケツト。
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JP5530792B2 (ja) * 2009-04-27 2014-06-25 剛 亀田 歯列矯正用チューブ
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