JP5530792B2 - 歯列矯正用チューブ - Google Patents

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Description

本発明は,アーチワイヤなどのワイヤを保持する歯列矯正用チューブに関するものである。
歯列矯正治療において,ブラケットやチューブなどの歯列矯正器具を歯に固定し,ワイヤなどの弾性を利用して,歯を移動させる治療方法が広く知られている。歯列矯正用器具は,アーチワイヤの曲げや引っ張りにより生じる荷重を矯正したい歯に加えるために,患者の歯に固定されて使用される。
特開平10−94548号公報(特許文献1)には,歯列矯正用チューブが開示されている。この歯列矯正用チューブは,その中心にワイヤを通すための貫通孔が設けられている。
特開平10−94548号公報
しかしながら,特許文献1に記載の歯列矯正用器具では,その中心にワイヤを通すための貫通孔が形成されている。このため,アーチワイヤの荷重は常に歯の表面に対して垂直な方向に加えられていた。したがって,例えば上下にずれた歯を矯正しようとする場合,歯を移動させたい上下方向にアーチワイヤの荷重を効率よく加えることができないという問題があった。
本発明は,矯正対象の歯を移動させたい方向に合わせて,アーチワイヤの荷重方向を選択し,アーチワイヤの荷重を矯正対象の歯に効率よく加えることができる歯列矯正用チューブを提供することを目的とする。
本発明における歯列矯正用チューブ100は,ベース部110と,前記ベース部110に対向するように,前記ベース部110に連結して設けられた前板部120とを備えている。歯列矯正用チューブ100は,前記ベース部110と前記前板部120との間で,ワイヤを保持する。歯列矯正用チューブ100は,前記ワイヤを保持するために,前記ベース部110と前記前板部120の間に形成された第1および第2のワイヤ保持部140,150を有している。前記第1および第2のワイヤ保持部140,150は,前記ベース部110側に平面状の底面140a,150aを有している。そして,本発明における歯列矯正用チューブ100は,前記第1のワイヤ保持部140の底面140aおよび前記ベース部110の裏面の間の角度と,前記第2のワイヤ保持部150の底面150aおよび前記ベース部110の裏面の間の角度とが,互いに異なるように形成されたことを特徴としている。
この構成において,各ワイヤ保持部140,150を構成する底面の向きを変更(設定)することにより,ワイヤ200がワイヤ保持部140,150に保持された際に歯の表面に加わる荷重方向を変更(決定)することができる。本発明では,第1のワイヤ保持部140の底面140aおよびベース部110の裏面の間の角度と,第2のワイヤ保持部150の底面150aおよびベース部110の裏面の間の角度とが,互いに異なる。このため,矯正したい歯に加えるべき荷重方向に合わせてワイヤ保持部を選択することができる。この結果,矯正対象の歯を移動させたい方向に合わせて,ワイヤの荷重方向を選択し,ワイヤの荷重を矯正対象の歯に効率よく加えることができる。
本発明における歯列矯正用チューブ100において,前記第1のワイヤ保持部140の底面140aおよび前記ベース部110の裏面の間の角度と,前記第2のワイヤ保持部150の底面150aおよび前記ベース部110の裏面の間の角度のうちの一方は,約0度である。これにより,第1または第2のワイヤ保持部140,150のいずれかにおいて,矯正対象の歯の表面に対して垂直方向にワイヤの荷重を加えることができる。
本発明における歯列矯正用チューブ100において,前記第1のワイヤ保持部140が延びる方向と,前記第2のワイヤ保持部150が延びる方向とが,互いに平行である。これにより,矯正対象の歯に対する第1のワイヤ保持部140と第2のワイヤ保持部150の配置を上下で入れ換えることにより,ワイヤの荷重方向を簡単に切り換えることができる。このようにして,リバース利用できる歯列矯正用チューブを提供することができる。
本発明における歯列矯正用チューブ100において,前記第1および第2のワイヤ保持部140,150は,前記ワイヤの断面形状に合わせて形成されている。これにより,ワイヤを第1または第2のワイヤ保持部140,150内に確実に保持することできる。
本発明における歯列矯正用チューブ100において,前記ベース部110の裏面には,凹状の溝113が形成されている。これにより,ベース部110の裏面を矯正対象の歯の表面に接着剤により取り付けた際に,ベース部110の裏面と歯の表面との間で,接着剤を保持することができる。この結果,歯列矯正用チューブ100を,歯の表面に確実に取り付けることができる。
本発明における歯列矯正用チューブ100において,前記ベース部110の裏面の中央部には,前記第1および第2のワイヤ保持部140,150が延びる方向に沿って,凹状の曲面111が形成されている。また,前記ベース部110の裏面の前記中央部を挟む両端部には,平面112が形成されている。これにより,歯の表面が平面状の場合には,ベース部110の裏面に形成された平面112を歯の表面に密着させることができる。一方,歯の表面が曲面状の場合には,ベース部110の裏面に形成された曲面111を歯の表面に密着させることができる。このように,様々な歯の表面に,歯列矯正用チューブ100を確実に取り付けることができる。なお,歯列矯正用チューブ100は,主に大臼歯に取り付ける。
本発明における歯列矯正用チューブ100において,前記ベース部110の表面上であって,前記第1および第2のワイヤ保持部140,150が延びる方向における両端部には,前記ワイヤを固定するための溝160が形成されている。これにより,左右チューブ間の距離を任意の一定な距離に保持できる。
なお,本発明は,上記した各構成に限定されない。すなわち,以下の実施形態の説明の通り,上記の各構成に含まれる構成要素を,それぞれが属する構成を超えて組み合わせることもできる。
本発明は,矯正対象の歯を移動させたい方向に合わせて,ワイヤの荷重方向を選択し,ワイヤの荷重を矯正対象の歯に効率よく加えることができる歯列矯正用チューブを提供できる。
以下に本発明の実施の形態における歯列矯正用チューブの構成例を図に基づいて説明する。図1および図2は本発明の歯列矯正用チューブの構成を示す斜視図である。図1(a)は歯列矯正用チューブを上面側から視た斜視図,図1(b)は裏面側から視た斜視図である。図2(a)は歯列矯正用チューブの構成を示す平面図であり,図2(a)は図1(a)のA矢視図であり,図2(b)は図2(a)のB−B’切断線における断面図である。
図1および図2に示されるように,本発明の歯列矯正用チューブ100は,ベース部110と,前板部120と,支柱部130と,第1のワイヤ保持部140と,第2のワイヤ保持部150とを備える。ベース部110は,ワイヤ固定用溝160を有するベース部である。ベース部110と前板部120とは支柱部130を介して対向するように連結されている。ベース部110と前板部120とは平行な位置にある。
歯列矯正用チューブ100の大きさの例は,横1cm以下,縦1cm以下,高さは5mm以下である。ここで歯列矯正チューブ100の横寸法は,図2(a)の紙面上にて左右方向の大きさをいい,縦寸法は図2(b)の紙面上にて左右方向の大きさをいい,高さ寸法は図2(a)および図2(b)の紙面上にて上下方向の大きさをいう。
歯列矯正用チューブ100の材料には,例えば,ステンレス(例えばSUS304L),セラミック(ジルコニア粒子を含むことが好ましい),及び樹脂(例えばポリカーボネートなどのプラスティック樹脂)などが用いられる。歯列矯正用チューブ100は,歯の表面に接着剤により取り付けられて使用される。
ベース部110は,矩形状の裏面を有し,歯列矯正用チューブ100の底部に位置する。ベース部110の裏面とは,ベース部110の前板部120側と反対側の面をいう。ベース部110の大きさの例は,横5mm以下,縦3mm以下,高さが1mm以下である。ベース部110の裏面は,接着剤を介して,矯正対象の歯の表面に取り付けられる。これにより,歯列矯正用チューブ100が矯正対象の歯に固定される。なお,ベース部110の裏面は矩形状であると説明したが,これに限定されない。
図1(b)および図2(a)に示されるように,ベース部110の裏面には,凹状の曲面111と2つの平面112が形成されている。凹状の曲面111は,ベース部110の裏面の中央部に形成されている。この曲面111は,第1および第2のワイヤ保持部140,150が延びる方向に沿って形成されている。なお,この曲面111の曲率は例えば数mm〜十数mmに設定される。一方,2つの平面112は,凹状の曲面111を挟むように,ベース部110の裏面の両端部に形成されている。
これにより,中切歯や側切歯のように歯の表面が平面状の場合には,ベース部110の裏面に形成された平面112を歯の表面に密着させることができる。一方,歯の表面が曲面状の場合には,ベース部110の裏面に形成された曲面111を歯の表面に密着させることができる。このように,様々な歯の表面に,歯列矯正用チューブ100を確実に取り付けることができる。なお,一般的な歯列矯正用チューブは,主にアーチワイヤの端部側を固定するために,大臼歯に付けて用いられる。これに対して,本発明の歯列矯正用チューブ100では,大臼歯に限らず,切歯から臼歯までの様々な歯の表面に取り付けることができる。
前板部120は,矩形状の板部材により形成されている。前板部120の大きさは,横4mm以下,縦3mm以下,高さが1mm以下である。前板部120とベース部110は,支柱部130により連結されている。
図1(a)および図2(b)に示されるように,第1のワイヤ保持部140と第2のワイヤ保持部150は,前板部120に対向して設けられている。第1のワイヤ保持部140と第2のワイヤ保持部150は,ベース部110の表面側と前板部120の裏面側の間に,角筒状に形成されている。各ワイヤ保持部140,150の幅は0.7mm,高さが0.5mmである。これら第1のワイヤ保持部140または第2のワイヤ保持部150には,ワイヤが保持される。
ワイヤには,個人の歯の形態や治療ステップに合わせて歯科矯正医がワイヤを曲げて使用する直線状のものや,既に平均的な歯の形態に合わせて曲げられているアーチ状のもの(アーチワイヤ)などがある。なお,以下の本発明の説明では,アーチワイヤを用いるものとして説明する。ただし,本発明のワイヤは,アーチワイヤに限られない。アーチワイヤは,弾性を利用して歯を移動させる際に用いられるワイヤであって,その材料には通常,ステンレス鋼や,コバルトクロム合金や,ニッケルチタン合金などが用いられる。なお,図2(b)に示されるように,第1および第2のワイヤ保持部140,150には,開口部141,151が設けられている。例えばワイヤにエラストメリックチェーンを用いた場合,エラストメリックチェーンの各輪を開口部141,151近傍の突起部141a,151aに引っ掛けて固定することができる。
第1のワイヤ保持部140および第2のワイヤ保持部150は,アーチワイヤの断面形状に合わせて形成される。すなわち,アーチワイヤの断面形状が正方形であれば,各ワイヤ保持部140,150の形状も正方形に対応させる。アーチワイヤの断面形状が長方形であれば,各ワイヤ保持部140,150の形状も長方形に対応させる。ワイヤ保持部140,150の形状は,円柱状であってもよい。このように,アーチワイヤの断面形状に合わせて各ワイヤ保持部140,150を形成することにより,アーチワイヤを各ワイヤ保持部140,150内に確実に保持することができる。なお,第1のワイヤ保持部140および第2のワイヤ保持部150内に角部がある場合には,この角部に対して面取り処理を施している。これにより,アーチワイヤの外面と各ワイヤ保持部140,150との間で生じる摩擦を低減することができる。ワイヤ保持部140,150は,ベース部110と前板部120との間に設けられる。さらに説明すると,ワイヤ保持部140,150は,ベース部110と前板部120の間において,支柱部130を介して対向するように形成される。
ここで,図2(b)に示されるように,第1のワイヤ保持部140および第2のワイヤ保持部150は,ベース部110側に平面状の底面140a,150aを有している。第1のワイヤ保持部140の底面140aと,第2のワイヤ保持部150の底面150aは,ベース部110の裏面を基準面とした場合において,それぞれ異なる角度に傾いている。図2(b)の例では,第1のワイヤ保持部140の底面140aは,ベース部110の裏面に対して平行に形成されている。つまり,第1のワイヤ保持部140の底面140aと,ベース部110の裏面とがなす角度は,約0度である。
一方,第2のワイヤ保持部150の底面150aは,ベース部110の裏面に対してθ度傾いて形成されている。言い換えると,第2のワイヤ保持部150の底面150aと,ベース部110の裏面とがなす角度は,θ度である。θは例えば0度〜45度である。θを45度よりも大きくすると,支柱部130を前板部120に連結することができなくなる。また,第2のワイヤ保持部150の中心線(図2(b)に図示)が,支柱部130側に傾くように構成されている。また,第1のワイヤ保持部140が延びる方向と,第2のワイヤ保持部150が延びる方向は,互いに平行になるように構成されている。なお,各ワイヤ保持部140,150が延びる方向は,各ワイヤ保持部140,150が角筒状に形成された方向に沿った方向である。
図2(a)に示されるように,ワイヤ固定用溝160は,ベース部110の表面側の両端部に形成されている。すなわち,ワイヤ固定用溝160は,ベース部110の表面上であって,第1および第2のワイヤ保持部140,150が延びる方向における両端部に,形成されている。ワイヤ固定用溝160は,第1および第2のワイヤ保持部140,150が延びる方向に対して垂直な方向(図2(a)の紙面に対して垂直方向)に沿って形成されている。ワイヤ固定用溝160の溝幅は約0.5mmである。なお,この溝幅は,使用するアーチワイヤの寸法に応じて変更してもよい。ワイヤ固定用溝160には,アーチワイヤの端部を折り曲げて引っ掛けることができる。これにより,クリンパブルフックなどの付加器具をワイヤの端部に設けることなく,アーチワイヤの端部を歯頚(歯の根元)側に折り曲げて,これをワイヤ固定用溝160に引っ掛けるだけで,左右チューブ間のアーチワイヤの長さを一定に保持できる。
次に,本発明の歯列矯正用チューブ100の使用例について図に基づいて説明する。
図3は本発明の実施の形態における歯列矯正用チューブの使用例を示す図である。図3(a)は歯列矯正用チューブを歯の表面に固定し,歯列矯正用チューブにアーチワイヤが保持された状態を示す斜視図であり,図3(b)は図2(b)の断面図においてアーチワイヤを保持した状態を示す図である。図3(a)の上側および図3(b)の左側を,歯の上側(上顎の歯の場合は歯茎側)として例示する。
図3(a)および図3(b)に示されるように,歯列矯正用チューブ100は,矯正対象の歯の表面Tに接着剤により固定されて使用される。歯列矯正用チューブ100は,通常は複数の歯に固定され,アーチワイヤ200を保持する。このとき,アーチワイヤ200の両端部の各先端は,歯列矯正用チューブ100のワイヤ固定用溝160に折り曲げられて引っ掛けられる。なお,バンドを臼歯の全周囲を囲むように取り付けて,バンドに設けられた取付け穴にアーチワイヤ200の両端の先端部を取り付けてもよい(バンドは例えば特開平9−173357号公報に示されるものを用いる)。図3(a)および図3(b)において実線で示す例では,アーチワイヤ200は,第1のワイヤ保持部140に保持されている。
第1のワイヤ保持部140の底面140aは,上述の通り,ベース部110の裏面に対して平行に形成されている。つまり,第1のワイヤ保持部140の底面140aと,ベース部110の裏面とがなす角度は,約0度である。このため,アーチワイヤ200が歯列矯正用チューブ100に保持されることにより,アーチワイヤ200の荷重がベース部110の裏面に対して垂直方向に加わる。アーチワイヤ200が第1のスロット140に保持されている場合,第2のスロット150には,たとえば脱着式のフックを装着できる。これにより,脱着式のフックにゴムを引っ掛けることができるようになる。このように,アーチワイヤを挿入しない方のスロットも,矯正における様々な用途に用いることができることとなる。
次に,アーチワイヤ200が第2のワイヤ保持部150に保持されている状態を見る。図3(b)には,第2のワイヤ保持部150にアーチワイヤ200が保持された状態を一点鎖線(仮想線)で表している。
第2のワイヤ保持部150の底面150aは,上述の通り,ベース部110の裏面に対してθ度傾いて形成されている。つまり,第2のワイヤ保持部150の底面150aと,ベース部110の裏面とがなす角度は,θ度である。この場合,アーチワイヤ200は,ねじるようにして第2のワイヤ保持部150に挿入される。このため,第2のワイヤ保持部150には,アーチワイヤ200が元に戻ろうとする力(復元力)が加わることとなる。このアーチワイヤ200の復元力は,具体的には,図3(b)に示すように,時計回りの旋回力である。そして,この旋回力は,ベース部110を介して歯に伝わり,歯を時計回りに旋回させるように作用することとなる。このような旋回力を歯に継続的に作用させることで,歯を,図3(b)に示す方向に移動させることができる。これにより,歯列を矯正することができる。
このように,各ワイヤ保持部140,150の底面140a,150aの向きを変更(設定)することにより,ワイヤ200がワイヤ保持部140,150に保持された際に歯の表面に加わる荷重方向を変更(決定)することができる。本発明では,第1のワイヤ保持部140の底面140aおよびベース部110の裏面の間の角度と,第2のワイヤ保持部150の底面150aおよびベース部110の裏面の間の角度とが,互いに異なる。このため,矯正したい歯に対して加えるべき荷重方向に合わせて,2つのワイヤ保持部から1つのワイヤ保持部を選択することができる。この結果,矯正対象の歯を移動させたい方向に合わせて,アーチワイヤ200の荷重方向を選択し,アーチワイヤ200の荷重を矯正対象の歯に効率よく加えることができる。
ここで,図3(b)に示されるように,第1および第2のワイヤ保持部140,150は,前板部120の裏面に対向するように配置されている。第1および第2のワイヤ保持部140,150が形成された領域が,前板部120をベース部110側に投影した領域の内側に含まれる。
また,特許文献1に記載の従来の歯列矯正用器具では,アーチワイヤは器具中央部に保持されていた。このため,例えば,歯列矯正用器具を下顎の前歯に取り付けた場合,上顎の歯がアーチワイヤを咬み込んでしまうことがあった。これに対して,本発明の歯列矯正用チューブ100では,中央部から偏った位置に形成された第1または第2のワイヤ保持部140,150にアーチワイヤ200が保持される。したがって,本発明の歯列矯正用チューブ100では,アーチワイヤ200は,歯列矯正用チューブ100の中央部から偏った位置で保持される。このため,例えば,歯列矯正用チューブ100を下顎の前歯に取り付けた場合において,下顎の歯の下側(歯茎側)に歯列矯正用チューブ100が偏って配置されるように,歯列矯正用チューブ100を歯に固定すれば,従来と比較して,上顎の歯が歯列矯正用チューブ100に咬み込みにくくすることができる。
また,上述の通り,第1のワイヤ保持部140が延びる方向と,第2のワイヤ保持部150が延びる方向は,互いに平行になるように構成されている。矯正対象の歯に対する第1のワイヤ保持部140と第2のワイヤ保持部150の配置を上下で入れ換えるだけで,アーチワイヤ200の荷重方向(歯に対する負荷方向)を簡単に切り換えることができる。このようにして,リバース利用できる歯列矯正用チューブを提供することができる。なお,本発明は,リバース利用できるチューブに限定されることはなく,上述した第2の保持部のみが形成されたチューブであってもよい。その場合には,矯正対象の歯に合わせて,第2の保持部の底面とベース部110の裏面とがなす角度が設定される。
一方,第1および第2のワイヤ保持部140,150は,ベース部110の表面側の中央部で,円柱状又は角筒状に形成されている。このため,アーチワイヤ200を保持したとき,アーチワイヤ200の外周面がワイヤ保持部140,150に取り囲まれる。これに対して,第1および第2のワイヤ保持部140,150以外では,アーチワイヤ200の外面を取り囲む構成となっていない。したがって,アーチワイヤ200が第1または第2のワイヤ保持部140,150に保持された状態であっても,ベース部110の表面側の両端部側では,各ワイヤ保持部140,150が形成された中央部と比較して,アーチワイヤ200を自由に動かすことができる。このようにして,本発明の歯列矯正用チューブ100では,歯列矯正用チューブ100の中央部でアーチワイヤ200をしっかり保持し,中央部以外でアーチワイヤ200が中央部と比較して自由に動かせる構造を採用している。
図4は,本発明の実施の形態における歯列矯正用チューブを互い隣接する歯の双方に取り付けた場合の模式図である。図4に示されるように,歯列矯正用チューブ100の中央部Dでアーチワイヤ200が第1または第2のワイヤ保持部140,150によって固定されている。一方,歯列矯正用チューブ100の両端部Eでは,アーチワイヤ200は自由に動かすことができる。このように,例えば隣接する歯T1,T2の双方に歯列矯正用チューブ100を取り付けた場合であっても,歯T1と歯T2の間において,アーチワイヤ200が自由となる範囲Wを大きくとることができる。このため,図に示すように,歯の前側と奥側で大きくずれた歯を移動させる場合であっても,アーチワイヤ200が歯に引っかかるようなことなく,アーチワイヤ200を取り付けることができる。
以上,本発明の実施の形態を例示により説明したが,本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく,請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更または変形することが可能である。
上記実施形態の説明では,第1のワイヤ保持部140の底面140aは,ベース部110の裏面に対して平行に形成されているとした。このとき,第1のワイヤ保持部140の底面140aと,ベース部110の裏面とがなす角度は,約0度である。しかし,第1のワイヤ保持部140の底面140aと,ベース部110の裏面とがなす角度は,約0度でなくてもよい。つまり,第2のワイヤ保持部150と同じように,第1のワイヤ保持部140の底面140aを,ベース部110の裏面に対してδ度傾いて形成してもよい。このとき,第1のワイヤ保持部140の底面140aと,ベース部110の裏面とがなす角度は,δ度となる。この場合においても,δは例えば0度〜45度程度である(ただし,θ≠δ)。このような構成であっても上述した本発明の効果を奏する。
図5は,本発明の歯列矯正用チューブの変形例におけるベース部の裏面を示す。図5に示されるように,本発明において,ベース部110の裏面には,接着剤用溝113(ハッチィング部分)が複数形成してもよい。これにより,ベース部110の裏面を矯正対象の歯の表面に接着剤により取り付けた際に,ベース部110の裏面と歯の表面との間に接着剤を保持することができる。この結果,歯列矯正用チューブ100を歯の表面に確実に取り付けることができる。
本発明は,アーチワイヤなどのワイヤを保持する歯列矯正用チューブに関する技術分野において利用されうる。
図1は本発明の実施の形態における歯列矯正用チューブの構成を示す斜視図であり,図1(a)は上面側から視た斜視図,図1(b)は裏面側から視た斜視図である。 図2は本発明の実施の形態における歯列矯正用チューブの構成を示す平面図であり,図2(a)は図1(a)のA矢視図であり,図2(b)は図2(a)のB−B’切断線における断面図である。 図3は本発明の実施の形態における歯列矯正用チューブの使用例を示す図であり,図3(a)は歯列矯正用チューブを歯の表面に固定し,歯列矯正用チューブにアーチワイヤが保持された状態を示す斜視図であり,図3(b)は図2(b)の断面図においてアーチワイヤを保持した状態を示す図である。 図4は,本発明の実施の形態における歯列矯正用チューブを互い隣接する歯の双方に取り付けた場合の模式図である。 図5は,本発明の歯列矯正用チューブの変形例におけるベース部の裏面図である。
100 歯列矯正用チューブ
110 ベース部
111 曲面
112 平面
113 接着剤用溝
120 前板部
130 支柱部
140 第1のワイヤ保持部
150 第2のワイヤ保持部
160 ワイヤ固定用溝
200 アーチワイヤ

Claims (3)

  1. ベース部(110)と,
    前記ベース部(110)に対向するように,前記ベース部(110)に連結して設けられた前板部(120)とを備え,
    前記ベース部(110)と前記前板部(120)との間で,ワイヤを保持する歯列矯正用チューブであって,
    前記ワイヤを保持するために,前記ベース部(110)と前記前板部(120)の間に,形成された第1および第2のワイヤ保持部(140,150)を有し,
    前記第1および第2のワイヤ保持部(140,150)は,前記ベース部(110)側に平面状の底面(140a,150a)を有し,
    前記第1のワイヤ保持部(140)の底面(140a)および前記ベース部(110)の裏面の間の角度と,前記第2のワイヤ保持部(150)の底面(150a)および前記ベース部(110)の裏面の間の角度とが,互いに異なるように形成され
    前記第1のワイヤ保持部(140)の底面(140a)および前記ベース部(110)の裏面の間の角度と,前記第2のワイヤ保持部(150)の底面(150a)および前記ベース部(110)の裏面の間の角度のうちの一方は,0度であり,
    前記ベース部(110)の裏面の中央部には,前記第1および第2の通路(140,150)が延びる方向に沿って,凹状の曲面(111)が形成され,
    前記ベース部(110)の裏面の前記中央部を挟む両端部には,平面(112)が形成されている
    歯列矯正用チューブ。
  2. 前記第1のワイヤ保持部(140)が延びる方向と,前記第2のワイヤ保持部(150)が延びる方向とが,互いに平行である
    請求項1に記載の歯列矯正用チューブ。
  3. 前記第1および第2のワイヤ保持部(140,150)は,前記ワイヤの断面形状に合わせて形成された
    請求項1又は請求項2に記載の歯列矯正用チューブ。
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