JP5542516B2 - 歯列矯正用ブラケット - Google Patents

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Description

本発明は,アーチワイヤなどのワイヤを保持する歯列矯正用ブラケットに関する。
歯列矯正用のブラケットやチューブを歯に固定し,ワイヤなどの弾性を利用する歯列の矯正方法が知られている。歯列矯正用ブラケットは,アーチワイヤの曲げや引っ張りにより生じる荷重を矯正したい歯に加えるために,患者の歯に固定されて使用される。
従来の歯列矯正用ブラケットには,ブラケット本体表側の中央部にスロット(溝)が形成されている。また,このスロットにはアーチワイヤがはめ込まれ,アーチワイヤが,ブラケット本体に形成された一対のウイングにくくりつけられる。矯正治療の際には,まずブラケット本体を歯の表面に接着剤により固定し,各ブラケット本体のスロット内にアーチワイヤをはめ込んだ後,アーチワイヤを一対のウイングにくくりつけていた。これにより,矯正したい歯にアーチワイヤの荷重を加えていた(例えば特許文献1)。
特開平6−233781号公報
しかしながら,特許文献1に記載の歯列矯正用ブラケットでは,スロットは,ブラケット本体の中央部に,ブラケット本体と歯との接着面に対して垂直に溝状に形成されている。このため,アーチワイヤの荷重は常に歯の表面に対して垂直な方向に加えられていた。したがって,例えば上下にずれた歯を矯正しようとする場合,歯を移動させたい上下方向にアーチワイヤの荷重を効率よく加えることができないという問題があった。
本発明は,矯正対象の歯を移動させたい方向に合わせて,アーチワイヤの荷重方向を選択し,アーチワイヤの荷重を矯正対象の歯に効率よく加えることができる歯列矯正用ブラケットを提供することを目的とする。
本発明における歯列矯正用ブラケット100は,ベース部110と,ベース部110に対向するように,ベース部110に連結して設けられた前板部120とを備えている。歯列矯正用ブラケット100は,ベース部110と前板部120との間で,ワイヤを保持する。歯列矯正用ブラケット100は,ワイヤを保持するために,ベース部110と前板部120の間に溝状に形成された第1および第2のスロット140,150を有している。第1および第2のスロット140,150は,ベース部110側に平面状の底面140a,150aを有している。歯列矯正用ブラケット100は,第1のスロット140の底面140aおよびベース部110の裏面がなす角度と,第2のスロット150の底面150aおよびベース部110の裏面がなす角度とが異なるように形成されている。
この構成において,各スロット140,150の底面140a,150aの向きを変更(設定)することにより,ワイヤ200がスロット140,150に保持された際に歯の表面に加わる荷重方向を変更(決定)することができる。本発明では,第1のスロット140の底面140aおよびベース部110の裏面のなす角度と,第2のスロット150の底面150aおよびベース部110の裏面のなす角度とが,異なる。このため,矯正したい歯に加えるべき荷重方向に合わせて,2つのスロットから1つのスロットを選択することができる。この結果,矯正対象の歯を移動させたい方向に合わせて,ワイヤの荷重方向を選択し,ワイヤの荷重を矯正対象の歯に効率よく加えることができる。
本発明における歯列矯正用ブラケット100において,第1のスロット140の底面140aおよびベース部110の裏面のなす角度と,第2のスロット150の底面150aおよびベース部110の裏面のなす角度のうちの一方は0度である。すなわち,第1のスロット140の底面140aとベース部110の裏面とが平行であるか,又は第2のスロット150の底面150aベース部110の裏面とが平行である。これにより,第1または第2のスロット140,150のいずれかにおいて,矯正対象の歯の表面に対して略垂直方向にワイヤの荷重を加えることができる。
本発明における歯列矯正用ブラケット100において,第1のスロット140が延びる方向と,第2のスロット150が延びる方向とが,互いに略平行である。これにより,矯正対象の歯に対する第1のスロット140と第2のスロット150の配置を上下で入れ換えることにより,ワイヤの荷重方向を簡単に切り換えることができる。このようにして,リバース利用できる歯列矯正用ブラケットを提供することができる。
本発明における歯列矯正用ブラケット100において,第1および第2のスロット140,150は,ワイヤ断面形状に合わせて形成されている。これにより,ワイヤを第1または第2のスロット140,150内に確実に保持することできる。
本発明における歯列矯正用ブラケット100において,第1および第2のスロット140,150は,前板部120に対向して設けられている。また,第1および第2のスロット140,150が形成された領域が,前板部120をベース部110側に投影した領域の内側に含まれるように,前板部120が形成されている。
これにより,前板部120側から各スロット140,150を見ようとした場合,各スロット140,150が前板部120の影となり,各スロット140,150を見ることはできない。このため,ワイヤ200が第1または第2のスロット140,150に保持された際に,ワイヤ200が前板部120により遮蔽され,前板部120側からワイヤ200を見ることができない。この結果,ワイヤ200を他人から見えないようにすることができ,審美性を高めることができる。
本発明における歯列矯正用ブラケット100において,ベース部110の裏面には,凹状の溝113が形成されている。これにより,ベース部110の裏面を矯正対象の歯の表面に接着剤により取り付けた際に,ベース部110の裏面と歯の表面との間で,接着剤を保持することができる。この結果,歯列矯正用ブラケット100を,歯の表面に確実に取り付けることができる。
本発明における歯列矯正用ブラケット100において,ベース部110の裏面の中央部には,第1および第2のスロット140,150が延びる方向に沿って,凹状の曲面111が形成されている。この凹状の部分にアーチワイヤが保持される。第1および第2のスロット140,150が延びる方向は,平行であることが好ましい。第1および第2のスロット140,150が延びる方向が平行なので,歯列矯正用ブラケット100を180度回転させることで,第1又は第2のスロット140,150を切り替えて用いることができることとなる。また,ベース部110の裏面の中央部を挟む両端部には,平面112が形成されている。これにより,中切歯や側切歯のように歯の表面が平面状の場合には,ベース部110の裏面に形成された平面112を歯の表面に密着させることができる。一方,犬歯や小臼歯や大臼歯のように歯の表面が曲面状の場合には,ベース部110の裏面に形成された曲面111を歯の表面に密着させることができる。このように,切歯から臼歯までの様々な歯の表面に,歯列矯正用ブラケット100を確実に取り付けることができる。
なお,本発明は,上記した各構成に限定されない。すなわち,以下の実施形態の説明の通り,上記の各構成に含まれる構成要素を,それぞれが属する構成を超えて組み合わせることもできる。
本発明は,矯正対象の歯を移動させたい方向に合わせて,ワイヤの荷重方向を選択し,ワイヤの荷重を矯正対象の歯に効率よく加えることができる歯列矯正用ブラケットを提供できる。
以下に本発明の実施の形態における歯列矯正用ブラケットの構成の例を図に基づいて説明する。
図1は本発明の歯列矯正用ブラケットの構成を示す斜視図である。図1(a)は上面側から視た斜視図,図1(b)は裏面側から視た斜視図である。図2は本発明の歯列矯正用ブラケットの構成を示す図である。図2(a)は構成を示す平面図であり,図2(a)は図1(a)のA矢視図であり,図2(b)は図1(a)のB矢視図である。
図1および図2に示されるように,本発明の歯列矯正用ブラケット100は,ベース部110と,前板部120と,支柱部130と,第1のスロット140と,第2のスロット150と,バーティカルホール160とを備える。歯列矯正用ブラケット100の大きさの例は,縦横共に3mm以下,高さは3mm以下である。ここで,歯列矯正ブラケット100の横寸法は,図2(a)の紙面上にて左右方向の大きさである。歯列矯正ブラケット100の縦寸法は図2(b)の紙面上にて左右方向の大きさである。歯列矯正ブラケット100の縦寸法は,歯列矯正ブラケットにおけるスロットの長手方向の大きさともいえる。歯列矯正ブラケット100の高さ寸法は図2(a)および図2(b)の紙面上にて上下方向の大きさである。歯列矯正ブラケット100の高さ寸法は,ベース部110の底面から前板部120の上面までの距離ともいえる。この例では,支柱部130の両脇に第1のスロット140と,第2のスロット150とが形成されている。すなわち,この例では,ベース部110が支柱部130を介して前板部120と連結されている。支柱部130の幅は,ベース部の幅や前板部の幅より狭くなっており,これにより支柱部130の両脇に第1のスロット140と,第2のスロット150とが形成されている。
歯列矯正用ブラケット100の材料には,例えば,セラミック(ジルコニア粒子を含むことが好ましい)やプラスティック樹脂(例えばポリカーボネート),ステンレス(例えばSUS304L)などが用いられる。歯列矯正用ブラケット100は,歯の表面に接着剤により取り付けられて使用される。
ベース部110は,略矩形状の裏面を有し,歯列矯正用ブラケット100の底部に位置する。ベース部110の大きさの例は,縦横共に3mm以下,高さが1mm以下である。ベース部110の裏面は,接着剤を介して,矯正対象の歯の表面に取り付けられる。これにより,歯列矯正用ブラケット100が矯正対象の歯に固定される。なお,ベース部110の裏面は矩形状であるものを用いて説明したが,これに限定されない。
図1(b)および図2(b)に示されるように,ベース部110の裏面には,凹状の曲面111と2つの平面112が形成されているものが好ましい。凹状の曲面111は,ベース部110の裏面の中央部に形成されている。この曲面111は,第1および第2のスロット140,150が溝状に延びる方向に沿って形成されている。なお,この曲面の曲率は例えば数mm〜十数mmに設定される。一方,2つの平面112は,凹状の曲面111を挟むように,ベース部110の裏面の両端部に形成されている。
これにより,歯列矯正用ブラケット100を歯の表面が平面状の歯に付ける場合は,ベース部110の裏面に形成された平面112を歯の表面に密着させることができる。歯の表面が平面状の歯として中切歯及び側切歯があげられる。一方,歯列矯正用ブラケット100を,歯の表面が曲面状である歯につける場合は,ベース部110の裏面に形成された曲面111を歯の表面に密着させることができる。歯の表面が曲面状の歯として,犬歯,小臼歯及び大臼歯があげられる。このように,ベース部110の裏面には,凹状の曲面111と2つの平面112が形成されているので,切歯から臼歯までの様々な歯の表面に,歯列矯正用ブラケット100を確実に取り付けることができる。
前板部120は,略矩形状の板部材により形成されている。前板部はベース部と対向しており,前板部とベース部とは平行な位置関係となる。前板部120の大きさの例は,縦横共に3mm以下,高さが1mm以下である。前板部120とベース部110は,支柱部130により連結されている。
図1(a)および図2(a)に示されるように,第1のスロット140と第2のスロット150は,前板部120に対向して設けられている。第1のスロット140と第2のスロット150は,ベース部110の表面側と前板部120の裏面側の間に,コの字の溝状に形成されている。各スロット140,スロット150の幅の例は,0.5mm,深さの例は0.5mmである。これら第1のスロット140または第2のスロット150を構成する溝内には,ワイヤが保持される。
ワイヤには,個人の歯の形態や治療ステップに合わせて歯科矯正医がワイヤを曲げて使用する直線状のものや,既に平均的な歯の形態に合わせて曲げられているアーチ状のもの(アーチワイヤ)がある。なお,以下の本発明の説明では,アーチワイヤを用いるものとして説明する。ただし,本発明のワイヤは,アーチワイヤに限られない。アーチワイヤは,弾性を利用して歯を移動させる際に用いられるワイヤであって,その材料には通常,ステンレス鋼や,コバルトクロム合金や,ニッケルチタン合金などが用いられる。
第1のスロット140および第2のスロット150の各溝は,アーチワイヤの断面形状に合わせて形成される。すなわち,アーチワイヤの断面形状が正方形であれば,各スロット140,150を構成する溝の形状も正方形に対応させる。アーチワイヤの断面形状が長方形であれば,各スロット140,150を構成する溝の形状も長方形に対応させる。このように,アーチワイヤの断面形状に合わせて各スロット140,150を構成する溝を形成することにより,アーチワイヤを各スロット140,150内に確実に保持することができる。なお,第1のスロット140および第2のスロット150の溝内に角部がある場合には,この角部に対して面取り処理を施している。これにより,アーチワイヤの外面と各スロット140,150との間で生じる摩擦を低減することができる。
ここで,図2(a)に示されるように,第1のスロット140と第2のスロット150は,ベース部110側に平面状の底面140a,150aを有している。第1のスロット140の底面140aと,第2のスロット150の底面150aは,ベース部110の裏面を基準面とした場合において,それぞれ異なる角度に傾いている。図2(a)の例では,第1のスロット140の底面140aは,ベース部110の裏面に対して略平行に形成されている。つまり,第1のスロット140の底面140aと,ベース部110の裏面とがなす角度は,約0度である。
一方,第2のスロット150の底面150aは,ベース部110の裏面に対してθ度傾いて形成されている。言い換えると,第2のスロット150の底面150aと,ベース部110の裏面とがなす角度は,θ度となる。θは例えば1度〜45度である。θを45度よりも大きくすると,支柱部130を前板部120に連結することができなくなる。θの別の例は,5度〜30度であり,10度〜25度でもよい。また,アーチワイヤ200が外れにくいように,第2のスロット150の中心線が,支柱部130側に傾くように構成されている。また,第1のスロット140の溝が延びる方向と,第2のスロット150の溝が延びる方向は,互いに略平行になるように構成されている。
図2(b)に示されるように,バーティカルホール160は,両スロット140,150の溝が延びる方向に対して略垂直方向に,ベース部110を貫通して形成される。バーティカルホール160の大きさは,内径0.5mmである。バーティカルホール160の大きさの例は内径0.1mm以上2mm以下である。バーティカルホール160には,スプリング,リガチャーワイヤなどを挿入できる。スプリングをバーティカルホール160に挿入することで,歯の傾きを矯正できる。リガチャーワイヤをバーティカルホール160に挿入することで,ブラケット100の位置を保持でき,また歯を牽引できる。
次に,本発明の歯列矯正用ブラケット100の使用例について図に基づいて説明する。
図3は本発明の実施の形態における歯列矯正用ブラケットの使用例を示す図である。図3(a)は歯列矯正用ブラケットを歯の表面に固定し,歯列矯正用ブラケットにアーチワイヤが保持された状態を示す斜視図であり,図3(b)は図3(a)のC矢視図である。図3(a)の上側および図3(b)の左側を,歯の上側(上顎の歯の場合は歯茎側)として例示する。
図3(a)および図3(b)に示されるように,歯列矯正用ブラケット100は,矯正対象の歯の表面Tに接着剤により固定されて使用される。歯列矯正用ブラケット100は,通常は複数の歯に固定され,アーチワイヤ200を保持する。スロットに挿入されたワイヤと前板部との間にリガチャーワイヤを入れることで,ワイヤを固定してもよい。また,スロットに挿入されたワイヤと前板部との間に合成ゴムを入れることで,ワイヤを固定してもよい。この際,本発明の歯列矯正用ブラケット100は,前板部が存在するため,アーチワイヤとリガチャーワイヤとの間の摩擦や,アーチワイヤと合成ゴムとの間の摩擦を制御できることとなる。このようにアーチワイヤにかかる摩擦を制御できることは,矯正治療において大変有効である。図3(a)および図3(b)において実線で示す例では,アーチワイヤ200は,第1のスロット140に保持されている。
第1のスロット140を構成する底面140aは,上述の通り,ベース部110の裏面に対して略平行に形成されている。つまり,第1のスロット140の底面140aと,ベース部110の裏面とがなす角度は,約0度である。このため,アーチワイヤ200が歯列矯正用ブラケット100に保持されることにより,アーチワイヤ200の荷重がベース部110の裏面に対して略垂直方向に加わる。なお,アーチワイヤ200が第1のスロット140に保持されている場合,第2のスロット150にはたとえば脱着式のフックを装着できる。これにより,脱着式のフックにゴムを引っ掛けることができるようになる。このように,アーチワイヤを挿入しない方のスロットも,矯正における様々な用途に用いることができることとなる。
次に,アーチワイヤ200が第2のスロット150に保持されている状態を見る。図3(b)には,第2のスロット150にアーチワイヤ200が保持された状態を一点鎖線(仮想線)で表している。
第2のスロット150を構成する底面150aは,上述の通り,ベース部110の裏面に対してθ度傾いて形成されている。つまり,第2のスロット150を構成する溝の底面150aと,ベース部110の裏面とがなす角度は,θ度である。この場合,アーチワイヤ200は,ねじるようにして第2のスロット150に挿入される。このため,第2のスロット150には,アーチワイヤが元に戻ろうとする力(復元力)が加わることとなる。このアーチワイヤ200の復元力は,具体的には,図3(b)に示すように,時計回りの旋回力である。そして,この旋回力は,ベース部110を介して歯に伝わり,歯を時計回りに旋回させるように作用することとなる。このような旋回力を歯に継続的に作用させることで,歯を,図3(b)に示す方向に移動させることができる。これにより,歯列を矯正することができる。
このように,各スロット140,150の底面140a,150aの向きを変更(設定)することにより,ワイヤ200がスロット140,150に保持された際に歯の表面に加わる荷重方向を変更(決定)することができる。本発明では,第1のスロット140の底面140aおよびベース部110の裏面のなす角度と,第2のスロット150の底面150aおよびベース部110の裏面のなす角度とが,互いに異なる。このため,矯正したい歯に対して加えるべき荷重方向に合わせて,2つのスロット140,150から1つのスロットを選択することができる。この結果,矯正対象の歯を移動させたい方向に合わせて,アーチワイヤ200の荷重方向を選択し,アーチワイヤ200の荷重を矯正対象の歯に効率よく加えることができる。
ここで,図3(b)に示されるように,第1および第2のスロット140,150は,前板部120の裏面に対向するように配置されている。すなわち,支柱部130の幅は,前板部の幅より狭くなっており,これにより支柱部130の両脇に第1のスロット140と,第2のスロット150とが形成されている。第1および第2のスロット140,150が形成された領域が,前板部120をベース部110側に投影した領域の内側に含まれる。
このようにして,第1および第2のスロット140,150と,前板部120とを配置することにより,前板部120側から各スロット140,150を見ようとした場合,各スロット140,150が前板部120の影となり,各スロット140,150を見ることはできない。このため,アーチワイヤ200が第1または第2のスロット140,150に保持された際に,アーチワイヤ200が前板部120により遮蔽され,前板部120側から,保持されたアーチワイヤ200を見ることができない。この結果,アーチワイヤ200を他人から見えないようにすることができ,審美性を高めることができる。
また,特許文献1に記載の従来の歯列矯正用ブラケットでは,アーチワイヤはブラケットの中央部に保持されていた。このため,例えば,歯列矯正用ブラケット100を下顎の前歯に取り付けた場合,上顎の歯がアーチワイヤを咬み込んでしまうことがあった。これに対して,本発明の歯列矯正用ブラケット100では,中央部から偏った位置に形成された第1または第2のスロット140,150にアーチワイヤ200が保持される。したがって,本発明の歯列矯正用ブラケット100では,アーチワイヤ200は,歯列矯正用ブラケット100の中央部から偏った位置で保持される。このため,例えば,歯列矯正用ブラケット100を下顎の前歯に取り付けた場合において,下顎の歯の下側(歯茎側)に歯列矯正用ブラケット100が偏って配置されるように,歯列矯正用ブラケット100を歯に固定することができる。このようにすることで,アーチワイヤ200の上部に存在する歯列矯正用ブラケット100部分を少なくすることができる。これにより,上顎の歯が歯列矯正用ブラケット100を咬み込みにくくすることができる。
先に説明したように,本発明の歯列矯正用ブラケット100は,矯正対象の歯に対する第1のスロット140と第2のスロット150の配置を上下で入れ換えるだけで,アーチワイヤ200の荷重方向(歯に対する負荷方向)を簡単に切り換えることができる。このようにして,リバース利用できる歯列矯正用ブラケットを提供することができる。なお,本発明は,リバース利用できるブラケットに限定されることはなく,上述した第2のスロットのみが形成されたブラケットであってもよい。その場合には,矯正対象の歯に合わせて,第2のスロットの底面とベース部110の裏面とがなす角度が設定される。
以上,本発明の実施の形態を例示により説明したが,本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく,目的に応じて変更または変形することが可能である。
上記実施形態の説明では,第1のスロット140の底面140aは,ベース部110の裏面に対して略平行に形成されているとした。このとき,第1のスロット140の底面140aと,ベース部110の裏面とがなす角度は,約0度である。しかし,第1のスロット140の底面140aと,ベース部110の裏面とがなす角度は,約0度でなくてもよい。つまり,第2のスロット150と同じように,第1のスロット140の底面140aを,ベース部110の裏面に対してδ度傾いて形成してもよい。このとき,第1のスロット140の底面140aと,ベース部110の裏面とがなす角度は,δ度となる。この場合においても,δは例えば0度〜45度程度である(ただし,θ≠δ)。このような構成であっても上述した本発明の効果を奏する。
図4は,本発明の歯列矯正用ブラケットの変形例におけるベース部の裏面を示す。図4に示されるように,本発明において,ベース部110の裏面には,接着剤用溝113(ハッチィング部分)が複数形成してもよい。これにより,ベース部110の裏面を矯正対象の歯の表面に接着剤により取り付けた際に,ベース部110の裏面と歯の表面との間に接着剤を保持することができる。この結果,歯列矯正用ブラケット100を歯の表面に確実に取り付けることができる。
本発明は,アーチワイヤなどのワイヤを保持する歯列矯正用ブラケットに関する技術分野において利用されうる。
図1は本発明の実施の形態における歯列矯正用ブラケットの構成を示す斜視図であり,図1(a)は上面側から視た斜視図,図1(b)は裏面側から視た斜視図である。 図2は本発明の実施の形態における歯列矯正用ブラケットの構成を示す平面図であり,図2(a)は図1(a)のA矢視図であり,図2(b)は図1(a)のB矢視図である。 図3は本発明の実施の形態における歯列矯正用ブラケットの使用例を示す図であり,図3(a)は歯列矯正用ブラケットを歯の表面に固定し,歯列矯正用ブラケットにアーチワイヤが保持された状態を示す斜視図であり,図3(b)は図3(a)のC矢視図である。 図4は,本発明の歯列矯正用ブラケットの変形例におけるベース部の裏面図である。
100 歯列矯正用ブラケット
110 ベース部
111 曲面
112 平面
113 接着剤用溝
120 前板部
130 支柱部
140 第1のスロット
150 第2のスロット
160 バーティカルホール
200 アーチワイヤ

Claims (4)

  1. ベース部(110)と,
    前記ベース部(110)に対向するように,前記ベース部(110)に連結して設けられた前板部(120)とを備え,
    前記ベース部(110)と前記前板部(120)との間で,ワイヤを保持する歯列矯正用ブラケットであって,
    前記ワイヤを保持するために,前記ベース部(110)と前記前板部(120)の間に溝状に形成された第1および第2のスロット(140,150)を有し,
    前記第1および第2のスロット(140,150)は,前記ベース部(110)側に平面状の底面(140a,150a)を有し,
    前記第1のスロットの底面(140a)および前記ベース部(110)の裏面のなす角度と,前記第2のスロットの底面(150a)および前記ベース部(110)の裏面のなす角度とが,異なるように形成され
    前記第1のスロットの底面(140a)および前記ベース部(110)の裏面のなす角度と,前記第2のスロットの底面(150a)および前記ベース部(110)の裏面のなす角度のうちの一方は,0度であり,
    前記ベース部(110)の裏面の中央部には,凹状の曲面(111)が形成され,
    前記ベース部(110)の裏面の前記中央部を挟む両端部には,平面(112)が形成されている
    歯列矯正用ブラケット。
  2. 前記第1のスロット(140)が延びる方向と,前記第2のスロット(150)が延びる方向とは平行である
    請求項1に記載の歯列矯正用ブラケット。
  3. 前記第1および第2のスロット(140,150)は,前記ワイヤの断面形状に合わせて形成された
    請求項1又は請求項2に記載の歯列矯正用ブラケット。
  4. 前記第1および第2のスロット(140,150)は,前記前板部(120)に対向して設けられており,
    前記第1および第2のスロット(140,150)が形成された領域が,前記前板部(120)を前記ベース部(110)側に投影した領域の内側に含まれるように,前記前板部(120)が形成された
    請求項1から請求項3のいずれかに記載の歯列矯正用ブラケット。
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