JPH0334789B2 - - Google Patents
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- JPH0334789B2 JPH0334789B2 JP60292951A JP29295185A JPH0334789B2 JP H0334789 B2 JPH0334789 B2 JP H0334789B2 JP 60292951 A JP60292951 A JP 60292951A JP 29295185 A JP29295185 A JP 29295185A JP H0334789 B2 JPH0334789 B2 JP H0334789B2
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Landscapes
- Sealing Material Composition (AREA)
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Description
(産業上の利用分野)
本発明は、耐熱性、耐寒性、圧縮永久ひずみ、
耐油性、そして耐摩耗性に優れた、流体圧機器、
特に自動車用の油圧装置に用いられるシール用ゴ
ム組成物に関するものである。 (従来の技術) 従来、例えば自動車用油圧装置のシール用ゴム
組成物には主としてアクリロニトリル・ブタジエ
ンゴム(NBR)が使用されているが、排気ガス
規制等に伴う使用環境温度の上昇により、耐熱性
に優れたゴムが要求されつつある。この要求に応
えるためアクリルゴムやフツ素ゴム等の耐熱性に
優れた合成ゴムが一部使用されているが、これら
のゴムは耐寒性、圧縮永久ひずみ、耐摩耗性の点
では必ずしも充分な性能が得られていない。 一方、NBRとは別種のゴムであつて、ISO
1629でNEMと命名されている高飽和ニトリル系
ゴムは従来のNBRに近い性能を有し、かつ耐熱
性に優れるが、シール用ゴム組成物、特に自動車
用の油圧装置のシール用としては耐寒性と圧縮永
久ひずみの点では必ずしも充分満足するものでは
ない。 (発明が解決しようとする問題点) ところで、自動車用油圧装置は代表的にはブレ
ーキおよびパワーステアリングに使用されてお
り、それらの装置の作動にも関する保安部品で、
その油漏れは自動車の安全性に重大な関係があ
る。今日の安全基準上からは、自動車の油圧装置
は一般に−30〜+150℃の温度範囲で使用可能で
なければならない。特に低温限界は仕向地によつ
て異なり、極寒冷地向けとしては−30℃以下の特
殊仕様も考えなければならない。したがつて、そ
のような高温および低温において使用される油圧
装置のシール用ゴムとして一番に必要な性質は全
使用温度範囲で応力緩和をしないことと低温でゴ
ム弾性を失わないことである。 ここに、本発明の目的は、耐油性にすぐれてい
るといわれる高飽和ニトリル系ゴムの耐応力緩和
性と耐寒性を向上させたシール用ゴム組成物を提
供することである。 (問題点を解決するための手段) そこで、本発明者は、低温でのゴム弾性はゴム
のガラス化、結晶化を防ぐことによつて実現され
ることに着目し、高飽和ニトリル系ゴムに、過酸
化物架橋における架橋効率E>1であるブタジエ
ンゴムを配合したところ、架橋密度を増加させて
低温における結晶化速度を低下させ、かつ架橋速
度を増加させ、このため製品成形後の二次架橋を
不要にして可塑剤等の飛散を防ぎ、低温時の柔軟
性を改良できることを知り、本発明を完成させ
た。 よつて、本発明の要旨とするところは、高飽和
ニトリル系ゴム50〜99重量部に、該高飽和ニトリ
ル系ゴムと相溶し難い、ブタジエンゴムおよび/
またはスチレン・ブタジエンゴム1〜50重量部を
配合して成る、耐寒性を改良したシール用ゴム組
成物である。 このように、本発明によれば、高飽和ニトリル
系ゴムと相溶し難い、炭化水素から構成されるゴ
ムが配合されるため不均質状態となり、これによ
り低温における結晶化を妨げ、低温時の柔軟性を
改良したシール用ゴム組成物が得られる。 本発明はその一つの具体的態様によれば、高飽
和ニトリル系ゴム50〜99重量部、望ましくは70〜
95重量部とブタジエンゴムおよび/またはスチレ
ン・ブタジエンゴム1〜50重量部、望ましくは5
〜30重量部との混合物に過酸化物と架橋助剤とを
配合して加硫することによつて得られ、耐熱性、
耐寒性、圧縮永久ひずみ、耐油性、耐摩耗性に優
れ、特に自動車用をはじめとする各種油圧装置の
シール材として−30〜+150℃の広い範囲で使用
可能な、従来のNBRを上回る性能を有するシー
ル用ゴム組成物である。 なお、高飽和ニトリル系ゴムは、ブタジエンゴ
ムなどの炭化水素で構成されるゴムとはほとんど
相溶性を示さないと言われ、従来はこれらを配合
することは当業者といえども予想もされなかつた
ことである。しかし、本発明によれば、その正確
な機構は不明であるが、むしろ相溶性を示さない
から、適宜分散状態にすることが可能となり、そ
れにより予想外にも安定的にその状態が維持でき
て低温時の弾性保持に効果的に働くものと考えら
れる。 (作用) 本発明のシール用ゴム組成物に使用する高飽和
ニトリル系ゴムは、NBRのブタジエン単位の二
重結合部分を約80〜100%水素添加したものであ
り、市販品としては日本ゼオン(株)のZetpol(商品
名)などがある。 炭化水素で構成されるゴムとしては、耐寒性
(低温時における弾性)、圧縮永久ひずみ特性に優
れた、例えばブタジエンゴム(BR)、スチレ
ン・ブタジエンゴム(SBR)、エチレン−プロピ
レン共重合ゴム(EPM)、エチレン−プロピレン
−非共役ジエン3元共重合ゴム(EPDM)、天然
ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム
(IIR)などが挙げられる。 上記炭化水素で構成されるゴムのうち、下記式
で示される架橋効率E E=ν/2〔RO・〕 式中ν架橋後のゴムの網目鎖濃度(mol/cm3)、
〔RO・〕は構造式ROORで示される有機過酸化
物の分解ラジカルの濃度(mol/cm3)である。 が、E>1であるもの、例えばBR、SBRなど、
そのなかでも特に、1,2−結合(ビニルユニツ
ト、構造式〔〕) を有するものは架橋を促進する効果も併せ持つ。
その代表的な例として、1,2−結合を90%以上
含んだ低シスポリブタジエンは極めて反応性に富
み、過酸化物架橋における共架橋剤となり得るこ
とが知られている。従つて、これら炭化水素で構
成され、かつ架橋効率E>1、好ましくはE>10
であるゴム、例えばブタジエンゴムおよびスチレ
ン・ブタジエンゴムを使用することにより、比較
的架橋速度の遅い高飽和ニトリル系ゴムを速やか
にかつ高密度に架橋させ、耐寒性に優れ、かつゴ
ム弾性と圧縮永久ひずみに優れた高硬度のシール
用ゴム組成物を得ることができる。 加硫に用いる過酸化物としては種々のものが使
用できるが、例えば1,3−ビス(t−ブチルペ
ロキシ−イソプロピル)ベンゼンが低圧縮永久ひ
ずみを得るために最も好ましく、ゴム混合物100
重量部に対し1〜15重量部配合する。その場合、
配合量が1重量部未満では充分に加硫が行われ
ず、15重量部を超えてはゴムとしての柔軟性に欠
け実用的でなくなる。 さらに好ましくは前記混合物に前述の過酸化物
と共に架橋助剤として、トリメチロールプロパン
トリメタクリレート(TMPTMA)、エチレンジ
メタクリレート(EDMA)、トリアリルイソシア
ヌレート(TAIC)などを、ゴム混合物100重量
部に対し0.01〜15重量部配合することにより、圧
縮永久ひずみと耐摩耗性に優れた加硫物を得るこ
とができる。その場合、架橋助剤を15重量部を超
えて配合するとスコーチの進行が速く、未加硫配
合物の保存が難しくなる。 本発明のシール用ゴム組成物には、補強剤とし
てはカーボンブラツクをゴム混合物100重量部に
対し10〜150重量部用いてもよく、更にカーボン
繊維、ガラス繊維などの補強用繊維を0.01〜5重
量部併用することができ、必要に応じて上記配合
剤の他に老化防止剤、可塑剤、滑剤などをさらに
配合してもよい。 加硫の条件は特に制限されないが、たとえば
180℃で約5〜20分の条件下で行われる。 (実施例) 次に、本発明を実施例および比較例を用いて説
明する。 第1表は、本発明による高飽和ニトリル系ゴム
とブタジエンゴムまたはスチレン・ブタジエンゴ
ムの混合物よりなるシール用ゴム組成物に、補強
剤としてカーボンブラツクと老化防止剤、可塑剤
を配合し、過酸化物のみで加硫した実施例1と、
さらに架橋助剤を加えた実施例2〜4と、それら
実施例の材質試験結果を示す。 これらの実施例との比較のために第1表には、
一般的な耐油、耐熱性も持つ代表的なNBR(ニト
リル量33重量%)を比較例1に、高飽和ニトリル
系ゴムに補強剤としてカーボンブラツクと老化防
止用、可塑剤を配合し、過酸化物のみで加硫した
比較例2と、さらに架橋助剤を加えた比較例3
と、それら比較例の材質試験結果を示した。 材質試験は、第1表に示した実施例、比較例の
配合成分、配合量(重量部、phr)のゴム組成物
を調製し、実施例1〜6のゴム組成物は180℃で
10分間、比較例1のゴム組成物は160℃で10分間、
比較例2〜3のゴム組成物は180℃で10分間それ
ぞれ加硫することによつて得られた試験片を用い
て行つた。
耐油性、そして耐摩耗性に優れた、流体圧機器、
特に自動車用の油圧装置に用いられるシール用ゴ
ム組成物に関するものである。 (従来の技術) 従来、例えば自動車用油圧装置のシール用ゴム
組成物には主としてアクリロニトリル・ブタジエ
ンゴム(NBR)が使用されているが、排気ガス
規制等に伴う使用環境温度の上昇により、耐熱性
に優れたゴムが要求されつつある。この要求に応
えるためアクリルゴムやフツ素ゴム等の耐熱性に
優れた合成ゴムが一部使用されているが、これら
のゴムは耐寒性、圧縮永久ひずみ、耐摩耗性の点
では必ずしも充分な性能が得られていない。 一方、NBRとは別種のゴムであつて、ISO
1629でNEMと命名されている高飽和ニトリル系
ゴムは従来のNBRに近い性能を有し、かつ耐熱
性に優れるが、シール用ゴム組成物、特に自動車
用の油圧装置のシール用としては耐寒性と圧縮永
久ひずみの点では必ずしも充分満足するものでは
ない。 (発明が解決しようとする問題点) ところで、自動車用油圧装置は代表的にはブレ
ーキおよびパワーステアリングに使用されてお
り、それらの装置の作動にも関する保安部品で、
その油漏れは自動車の安全性に重大な関係があ
る。今日の安全基準上からは、自動車の油圧装置
は一般に−30〜+150℃の温度範囲で使用可能で
なければならない。特に低温限界は仕向地によつ
て異なり、極寒冷地向けとしては−30℃以下の特
殊仕様も考えなければならない。したがつて、そ
のような高温および低温において使用される油圧
装置のシール用ゴムとして一番に必要な性質は全
使用温度範囲で応力緩和をしないことと低温でゴ
ム弾性を失わないことである。 ここに、本発明の目的は、耐油性にすぐれてい
るといわれる高飽和ニトリル系ゴムの耐応力緩和
性と耐寒性を向上させたシール用ゴム組成物を提
供することである。 (問題点を解決するための手段) そこで、本発明者は、低温でのゴム弾性はゴム
のガラス化、結晶化を防ぐことによつて実現され
ることに着目し、高飽和ニトリル系ゴムに、過酸
化物架橋における架橋効率E>1であるブタジエ
ンゴムを配合したところ、架橋密度を増加させて
低温における結晶化速度を低下させ、かつ架橋速
度を増加させ、このため製品成形後の二次架橋を
不要にして可塑剤等の飛散を防ぎ、低温時の柔軟
性を改良できることを知り、本発明を完成させ
た。 よつて、本発明の要旨とするところは、高飽和
ニトリル系ゴム50〜99重量部に、該高飽和ニトリ
ル系ゴムと相溶し難い、ブタジエンゴムおよび/
またはスチレン・ブタジエンゴム1〜50重量部を
配合して成る、耐寒性を改良したシール用ゴム組
成物である。 このように、本発明によれば、高飽和ニトリル
系ゴムと相溶し難い、炭化水素から構成されるゴ
ムが配合されるため不均質状態となり、これによ
り低温における結晶化を妨げ、低温時の柔軟性を
改良したシール用ゴム組成物が得られる。 本発明はその一つの具体的態様によれば、高飽
和ニトリル系ゴム50〜99重量部、望ましくは70〜
95重量部とブタジエンゴムおよび/またはスチレ
ン・ブタジエンゴム1〜50重量部、望ましくは5
〜30重量部との混合物に過酸化物と架橋助剤とを
配合して加硫することによつて得られ、耐熱性、
耐寒性、圧縮永久ひずみ、耐油性、耐摩耗性に優
れ、特に自動車用をはじめとする各種油圧装置の
シール材として−30〜+150℃の広い範囲で使用
可能な、従来のNBRを上回る性能を有するシー
ル用ゴム組成物である。 なお、高飽和ニトリル系ゴムは、ブタジエンゴ
ムなどの炭化水素で構成されるゴムとはほとんど
相溶性を示さないと言われ、従来はこれらを配合
することは当業者といえども予想もされなかつた
ことである。しかし、本発明によれば、その正確
な機構は不明であるが、むしろ相溶性を示さない
から、適宜分散状態にすることが可能となり、そ
れにより予想外にも安定的にその状態が維持でき
て低温時の弾性保持に効果的に働くものと考えら
れる。 (作用) 本発明のシール用ゴム組成物に使用する高飽和
ニトリル系ゴムは、NBRのブタジエン単位の二
重結合部分を約80〜100%水素添加したものであ
り、市販品としては日本ゼオン(株)のZetpol(商品
名)などがある。 炭化水素で構成されるゴムとしては、耐寒性
(低温時における弾性)、圧縮永久ひずみ特性に優
れた、例えばブタジエンゴム(BR)、スチレ
ン・ブタジエンゴム(SBR)、エチレン−プロピ
レン共重合ゴム(EPM)、エチレン−プロピレン
−非共役ジエン3元共重合ゴム(EPDM)、天然
ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム
(IIR)などが挙げられる。 上記炭化水素で構成されるゴムのうち、下記式
で示される架橋効率E E=ν/2〔RO・〕 式中ν架橋後のゴムの網目鎖濃度(mol/cm3)、
〔RO・〕は構造式ROORで示される有機過酸化
物の分解ラジカルの濃度(mol/cm3)である。 が、E>1であるもの、例えばBR、SBRなど、
そのなかでも特に、1,2−結合(ビニルユニツ
ト、構造式〔〕) を有するものは架橋を促進する効果も併せ持つ。
その代表的な例として、1,2−結合を90%以上
含んだ低シスポリブタジエンは極めて反応性に富
み、過酸化物架橋における共架橋剤となり得るこ
とが知られている。従つて、これら炭化水素で構
成され、かつ架橋効率E>1、好ましくはE>10
であるゴム、例えばブタジエンゴムおよびスチレ
ン・ブタジエンゴムを使用することにより、比較
的架橋速度の遅い高飽和ニトリル系ゴムを速やか
にかつ高密度に架橋させ、耐寒性に優れ、かつゴ
ム弾性と圧縮永久ひずみに優れた高硬度のシール
用ゴム組成物を得ることができる。 加硫に用いる過酸化物としては種々のものが使
用できるが、例えば1,3−ビス(t−ブチルペ
ロキシ−イソプロピル)ベンゼンが低圧縮永久ひ
ずみを得るために最も好ましく、ゴム混合物100
重量部に対し1〜15重量部配合する。その場合、
配合量が1重量部未満では充分に加硫が行われ
ず、15重量部を超えてはゴムとしての柔軟性に欠
け実用的でなくなる。 さらに好ましくは前記混合物に前述の過酸化物
と共に架橋助剤として、トリメチロールプロパン
トリメタクリレート(TMPTMA)、エチレンジ
メタクリレート(EDMA)、トリアリルイソシア
ヌレート(TAIC)などを、ゴム混合物100重量
部に対し0.01〜15重量部配合することにより、圧
縮永久ひずみと耐摩耗性に優れた加硫物を得るこ
とができる。その場合、架橋助剤を15重量部を超
えて配合するとスコーチの進行が速く、未加硫配
合物の保存が難しくなる。 本発明のシール用ゴム組成物には、補強剤とし
てはカーボンブラツクをゴム混合物100重量部に
対し10〜150重量部用いてもよく、更にカーボン
繊維、ガラス繊維などの補強用繊維を0.01〜5重
量部併用することができ、必要に応じて上記配合
剤の他に老化防止剤、可塑剤、滑剤などをさらに
配合してもよい。 加硫の条件は特に制限されないが、たとえば
180℃で約5〜20分の条件下で行われる。 (実施例) 次に、本発明を実施例および比較例を用いて説
明する。 第1表は、本発明による高飽和ニトリル系ゴム
とブタジエンゴムまたはスチレン・ブタジエンゴ
ムの混合物よりなるシール用ゴム組成物に、補強
剤としてカーボンブラツクと老化防止剤、可塑剤
を配合し、過酸化物のみで加硫した実施例1と、
さらに架橋助剤を加えた実施例2〜4と、それら
実施例の材質試験結果を示す。 これらの実施例との比較のために第1表には、
一般的な耐油、耐熱性も持つ代表的なNBR(ニト
リル量33重量%)を比較例1に、高飽和ニトリル
系ゴムに補強剤としてカーボンブラツクと老化防
止用、可塑剤を配合し、過酸化物のみで加硫した
比較例2と、さらに架橋助剤を加えた比較例3
と、それら比較例の材質試験結果を示した。 材質試験は、第1表に示した実施例、比較例の
配合成分、配合量(重量部、phr)のゴム組成物
を調製し、実施例1〜6のゴム組成物は180℃で
10分間、比較例1のゴム組成物は160℃で10分間、
比較例2〜3のゴム組成物は180℃で10分間それ
ぞれ加硫することによつて得られた試験片を用い
て行つた。
【表】
【表】
第1表における実施例と比較例とを対比すると
分かるように、本発明によれば、次の効果が認め
られる。 (1) 耐応力緩和性の指標として圧縮永久ひずみを
比べると実施例の方が小さい。つまり、「へた
り」が少ない。 (2) 耐寒性の指標としてTR50/10値(℃)を比
べると実施例の方が低い。すなわち、本発明に
よれば−30℃以下という低温までゴム弾性を保
持している。 注 TRはTemperature Retractionの意味で、
TR50/10は室温で50%伸ばしたゴム試験片
を低温で凍結し(ガラス化)、次に一定速度
で温度を上昇させたとき、伸ばした長さの10
%だけ縮む(45%伸びになる)温度をいう。 (3) 耐油試験の結果は比較例、実施例ともに実用
上十分に許容できる範囲内であり、その限りに
おいて同等の効果が得られるといえる。特に
PS用潤滑油として使用されるATFデキシロン
の場合には実質上同一効果が得られると云え
る。かかる効果は非耐油性のBRを配合して得
られたのであるから、予想外といえる。 比較例 本例ではニトリル量26%のNBRを使い、実施
例1と同様の操作によつて2種のゴム組成物を
得、その特性を評価した。 結果は第2表に比較例4および5として示す。 比較例4ではNBRのニトリル量が比較例1の
それと比較して減少しているため低温特性は改善
されるが、耐油性は悪い。しかし、NBRにブタ
ジエンゴムを配合した比較例5においては耐熱性
や耐油性を損ねる割りにはTR50/10値や圧縮永
久歪率の大幅な改善はみられない。
分かるように、本発明によれば、次の効果が認め
られる。 (1) 耐応力緩和性の指標として圧縮永久ひずみを
比べると実施例の方が小さい。つまり、「へた
り」が少ない。 (2) 耐寒性の指標としてTR50/10値(℃)を比
べると実施例の方が低い。すなわち、本発明に
よれば−30℃以下という低温までゴム弾性を保
持している。 注 TRはTemperature Retractionの意味で、
TR50/10は室温で50%伸ばしたゴム試験片
を低温で凍結し(ガラス化)、次に一定速度
で温度を上昇させたとき、伸ばした長さの10
%だけ縮む(45%伸びになる)温度をいう。 (3) 耐油試験の結果は比較例、実施例ともに実用
上十分に許容できる範囲内であり、その限りに
おいて同等の効果が得られるといえる。特に
PS用潤滑油として使用されるATFデキシロン
の場合には実質上同一効果が得られると云え
る。かかる効果は非耐油性のBRを配合して得
られたのであるから、予想外といえる。 比較例 本例ではニトリル量26%のNBRを使い、実施
例1と同様の操作によつて2種のゴム組成物を
得、その特性を評価した。 結果は第2表に比較例4および5として示す。 比較例4ではNBRのニトリル量が比較例1の
それと比較して減少しているため低温特性は改善
されるが、耐油性は悪い。しかし、NBRにブタ
ジエンゴムを配合した比較例5においては耐熱性
や耐油性を損ねる割りにはTR50/10値や圧縮永
久歪率の大幅な改善はみられない。
【表】
(発明の効果)
以上詳述したように、本発明によれば、従来相
溶性がなく互いに組合せて使用することすら考え
られなかつた炭化水素からのゴムと高飽和ニトリ
ル系ゴムとをむしろ混合することにより、−30℃
以下という低温においても十分なゴム弾性が得ら
れるのが分かる。特に、耐油性と耐寒性という相
反する性質を実用上許容できる程度に併有すると
いう効果には著しいものがみられる。
溶性がなく互いに組合せて使用することすら考え
られなかつた炭化水素からのゴムと高飽和ニトリ
ル系ゴムとをむしろ混合することにより、−30℃
以下という低温においても十分なゴム弾性が得ら
れるのが分かる。特に、耐油性と耐寒性という相
反する性質を実用上許容できる程度に併有すると
いう効果には著しいものがみられる。
Claims (1)
- 1 高飽和ニトリル系ゴム50〜99重量部に、該高
飽和ニトリル系ゴムと相溶し難い、ブタジエンゴ
ムおよび/またはスチレン・ブタジエンゴム1〜
50重量部を配合した混合物から成る、耐寒性を改
良したシール用ゴム組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29295185A JPS62153378A (ja) | 1985-12-27 | 1985-12-27 | シ−ル用ゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29295185A JPS62153378A (ja) | 1985-12-27 | 1985-12-27 | シ−ル用ゴム組成物 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1247124A Division JPH0639544B2 (ja) | 1989-09-22 | 1989-09-22 | シール用ゴム組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62153378A JPS62153378A (ja) | 1987-07-08 |
JPH0334789B2 true JPH0334789B2 (ja) | 1991-05-23 |
Family
ID=17788531
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29295185A Granted JPS62153378A (ja) | 1985-12-27 | 1985-12-27 | シ−ル用ゴム組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62153378A (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63142046A (ja) * | 1986-12-03 | 1988-06-14 | Chugoku Rubber Kogyo Kk | ゴム組成物 |
JPH07103266B2 (ja) * | 1987-01-14 | 1995-11-08 | 日本ゼオン株式会社 | ゴム組成物 |
JPH0639544B2 (ja) * | 1989-09-22 | 1994-05-25 | 株式会社阪上製作所 | シール用ゴム組成物 |
JPH0730214B2 (ja) * | 1991-12-10 | 1995-04-05 | クレハエラストマー株式会社 | シール用液状組成物 |
JP2010285611A (ja) * | 2009-05-11 | 2010-12-24 | Japan Matekkusu Kk | シール材用ゴム組成物及びシール材 |
JP6050138B2 (ja) * | 2013-02-19 | 2016-12-21 | 日本バルカー工業株式会社 | シール材用ゴム組成物及びこれを用いたシール材 |
CN111763363B (zh) * | 2020-07-14 | 2022-04-26 | 盐城耀晖人防防护设备科技有限公司 | 一种基于丁苯橡胶的直角人防门密封胶条及其制备方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS516709A (ja) * | 1974-07-08 | 1976-01-20 | Hitachi Ltd | Jikikirokusaiseisochi |
-
1985
- 1985-12-27 JP JP29295185A patent/JPS62153378A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS516709A (ja) * | 1974-07-08 | 1976-01-20 | Hitachi Ltd | Jikikirokusaiseisochi |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62153378A (ja) | 1987-07-08 |
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R250 | Receipt of annual fees |
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